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2月、阪堺モ161形車を追って(14=最終回)えぴろーぐ [ちん電(阪堺電気軌道)]

電車の「寿命」って...。

おかげさまで90年を超える電車は何度も撮ることができたが、「100年」というのは電車たちにとって、もしかしたら、非常に高い壁なのかも知れない。
このまま元気に、その「壁」を超えてくれるのではないか...と期待しながら、毎年、冬になると撮りに行くのを楽しみにしていたのが、阪堺電車モ161形車だった。

戦災や改造など、長い歴史の中でいろいろな変遷があったものの、いま残っている4両(うち2両は使用休止)は、1928年(昭和3年)製。
その4両も、ヘッドライトも、集電装置も変わったし、ワンマン化され、ICカード対応の装置も...。それでも、車内外に昭和初期から変わらない部分もあって。

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【2024年2月13日12時15分】 阪堺電気軌道阪堺線・塚西電停付近

ここ数年、モ161、モ162、モ164、モ166の4両体制を維持してきたが、昨年、モ166号車の休車が発表され、そして、3月はじめの通常運用を以て、モ164号車も休車になることが阪堺の公式SNS上でひっそりと発表され。とうとう、現役で残るのは(事実上)モ161号車とモ162号車の2両だけになってしまった。

公式発表はないものの、この「休車」というのは文字通りの「一時的な運用休止」の意味ではなく「廃車前提の保留車」のような扱いであるものというのは想像に難くない。コロナ禍以降、阪堺電車も減便が続き、つまり、運用車両数も減っていたところに、新型の低床連接車が増えて。
いまの電車に比べたら、床面が高くステップが小さく昔の家の階段を上るような感覚。

以前、「浜寺運用で撮りたいんですが...!!」などと無邪気に話す<変態鉄>に、モ161形車を通常運用に入れると、乗客の乗降に時間がかかり遅延の原因になるから長い運用は避けたい...と、そんな話もあった。

「もしかしたら、これが最後の機会になったのかも知れない」

そう思いながら、もう一度、モ161形車の動いている姿を撮りたい...と思っているわけである。

2月13日の阪堺電車撮影記、今日で最終回。

……  ……

2024年2月13日(火)晴れ

17時半、ギリギリ間に合った...といった感じだろうか。

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【2024年2月13日17時40分】 阪堺電気軌道阪堺線・我孫子道-安立町

モ162号車が大阪ミナミへと進んでいく姿を撮ることができて。
この日は、短時間ではあったが、モ162、モ164の2両ともを撮ることができて。これなら、ヒコーキに乗ってココまで来た甲斐があったというものである。あっという間に周囲は暗くなってきて...。夢中で撮り続けて、いつの間にか夕方。趣味者として一番充実した時間を過ごすことができた1日だった。

さぁ、たぶん、もうすぐモ164号車が戻ってくるはず。

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【2024年2月13日17時48分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町-我孫子道

もはや、<変態鉄>の腕では、マトモな写真が撮れるような状況ではなくなっているが...

暖かい車内灯の光が漏れて。
焦げ茶色のモ164号車は夕暮れの周囲の暗さの中に溶け込んでいくような...

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【2024年2月13日17時50分】 阪堺電気軌道阪堺線・我孫子道電停

我孫子道電停の下りホームで乗客を降ろした我孫子道止まりの電車は、踏切を通過して詰所のある側へと少しだけ前進。ポイントの切替を待って、折返し線へと進んでいく。

その停まったところを。南側には、かろうじて明るさが残っていた。

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【2024年2月13日17時50分】 阪堺電気軌道阪堺線・我孫子道電停

折返し線に入るために、いったん下り線を大和川方面へと進んでいくモ164号車。向こうからは、質屋さんカラーの天王寺駅前ゆきが近づいてきている。
このカットを撮ったところで、この日のすべての撮影を終えたのだった。

そう、空腹には耐えられず...

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【2024年2月13日18時07分】 阪堺電気軌道阪堺線・大小路電停付近

早めに空港に向かって、そこで夕食を...
と、考えて、後続の浜寺駅前ゆき。ちょうど確定申告の時期だからか、「納税協会」とのコラボで「堺トラム」もラッピングが施されており。
その電車を大小路で降りたのだった。

……  ……

大小路電停で降りれば、この交差点を東西に横切るのが「大小路筋」、南海本線堺駅と南海高野線堺東駅を結ぶ通りである。2 kmほど離れた両駅のちょうど真ん中に阪堺電車が通る大道筋があって。

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【2024年2月13日18時12分】 大阪府堺市堺区戎島町・堺駅前

交差点のすぐ東側に大小路バス停。

「堺シャトル」バスが両駅を結ぶ形で、終日、10〜15分間隔で運転されており。
すぐにそのバスに乗り換えである。堺らしく???? 金ピカのラッピング車体の南海バス、大阪では珍しい前乗り先払い方式である。
歩いても行けるのだが...、バスに乗るとすぐ。あっという間に堺駅前へ。

飲み屋がちょっとあるくらいで、あまり「夕食をとれる店」が見つからない...というのが、<変態鉄>が抱く堺駅前のイメージ。堺東駅の方がデパートなどもあるし、アーケードのある商店街に入ればチェーンの定食屋などもあって。

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【2024年2月13日18時40分】 南海電鉄空港線・特急「ラピート43号」車内

だから、空腹のまま、急ぎ、改札へ...

そう、特急券を奮発したのだった。初めて乗るこの蒼い特急電車である。ウルトラマンに出てきそうな前面形状だけでなく、丸い客窓も特徴的。
暖色系の車内照明、何だか落ち着いたムードの特急車である。

外国人観光客が多いのは予想通りだったが、夜の空港特急「ラピート」は空席が目立ち。そして、通勤客の利用もあって。

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【2024年2月13日18時51分】 南海電鉄空港線・関西空港駅

満員の「空港急行」を避けたくて“課金”したわけで、十分価値ある30分ほどの時間だった。19時前に関西空港駅に到着。

でも、ターミナルビルは、<変態鉄>が知っているそれではなくて。そう、最近は伊丹ばかりだった。その間にターミナルビルも変わってしまって。
レストラン街があったはずなのに...、いつの間にか、全然違った形のフードコート形式になっており。雑然、無秩序...、そして、日本語がほとんど聞こえない空間。まさに“観光地料金”の丼ものを食べて。

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【2024年2月13日19時34分】 大阪府泉佐野市泉州空港北・関西国際空港第1ターミナル

早めに保安検査場に向かうしか無かったのだった。う〜ん...、先日の熊本に続いて、<変態鉄>にとっては「過ごしにくい空港」に認定である。
搭乗案内があるまで、閑散とした雰囲気のベンチに座ってパソコンを触りながら。

この日のNH98便は「JA88AN」、B737−800型機での運行。ほぼ定刻だったが「揺れが予想される」とのことでドリンク類は冷たいものだけに限定。
22時過ぎ、ほぼ時刻通りに到着後は大急ぎで吉祥寺ゆきのリムジンバスに乗り込むのだった。(おわり)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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