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381系特急「やくも」号を撮りに高梁川第7橋梁へ(2)井倉駅 [<鉄>な撮影記・旅行記録]

“春眠暁を覚えず”とはいうものの、既に初夏と言えるシーズンに突入しており。何だか最近、眠りが浅くなっているのだろうか、どれだけ遅く寝ても早朝に目が覚めてしまって、そこから“二度寝”を試みるも、なかなか寝付かれず。布団の中で悶々としているうちに明るくなっているのである。
だから、毎日、会社に行ってからが眠い眠い。尤も、仕事中、寝ていても叱られるような仕事でもなければ立場でも無いのだが。

さて、そんなことを書いているうちに、拙ブログの管理画面を見て重大なことに気づいてしまった。たぶん24日夜には...
こんなブログではあっても、毎日、多くの方にご覧いただけること、ホントに感謝している次第。

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【2024年4月19日11時02分】 伯備線・井倉-方谷

そんな中、4月19日の伯備線「やくも」号撮影記。

幹線筋の編成モノなど滅多に撮ることのない<変態鉄>、いつも路面電車か短編成のキハを撮るだけなので、4両編成の特急列車なぞ、まさに“未知との遭遇”。

「どうします?? 1/3000秒でも止まるかどうかわからないですよね。
私、4000(分の1秒)で構えています!!」

友人同士だろうか、2人で撮影に来ている方が、すぐ隣で話している。自分が普段、撮るような電車・列車は、“思いっきり保険をかけて”1/1000秒で写し止められる...というレベル。もちろん、EOSくん、1/4000秒でも1/5000秒でもシャッター速度は設定できるのだが、そんなのは<変態鉄>には未知の世界。思わず、後退りしてしまうような...

さぁ、まずは河原に下りて...

……  ……

自分にとって381系「やくも」号との“出会い”は、1997年、山陰本線に残る国鉄型車両に乗って、“録って”のために頻繁に松江や米子を訪れるようになったときから。当時は、「やくも」と停車駅を絞った“速達型”の「スーパーやくも」の2本立て。

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【2000年頃】 山陽本線・岡山駅

「スーパーやくも」号は、基本的にピンク色濃淡の専用カラーになっていて、普通の「やくも」号は、ちょうど車内アコモ改善に合わせて、国鉄特急色から緑色濃淡の「やくも」色に変わっていく時期だった。

当時、半分くらいの列車に乗務していた米子車掌区の車掌さんは、国鉄時代から...と思われるようなベテランの方が中心で、落ち着いた口調の丁寧なアナウンス、途中駅でも、あるいは普通列車でさえも、車内放送の前後には必ずオルゴールを演奏する...という方が多くて。<車内放送マニア>として、米子地区の列車は狙って録りに通ったのだった。その分、いつも書いているように、この当時は、乗った列車をホームでスナップすることすら、あまりしていなくて...。ブログを書くときに写真に困るのである。

その「やくも」号、当初は、大阪と松江・出雲を結ぶディーゼル特急として。

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【2016年6月12日11時21分】 岡山県津山市・津山まなびの鉄道館

全国に特急網が整備されていった昭和40年代、陰陽連絡の最短経路として伯備線経由で設定されたキハ181系特急だったという。

ほどなく、山陽新幹線の延伸で岡山乗り継ぎの新幹線接続特急となり。
国鉄末期の1982年(昭和57年)、伯備線と山陰本線の米子 〜 松江 〜 出雲市を含む区間が電化され。381系“振り子”特急型電車が導入されたのだった。

最初、強力エンジンを搭載したキハ181系特急として設定され、電化時に381系振り子特急に置き換えられる...のは、中央西線の「しなの」号と同じ歩み。

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【2023年1月15日11時21分】 山陽本線・中庄-倉敷

倉敷から新見を経て、米子まで北上する中国山地の隘路、そこに新幹線に接続して最速で山陰地方の中心都市でもある松江を結ぶ役割を担ったわけだが、でも、「車体を思いっきり内側に傾けて急カーブを高速で通過する」というのが“振り子式”、その分、乗り物酔いしやすい人たちからは嫌われ。今回の車両の世代交代について、一般の新聞でも「ぐったり吐くも」などと書かれていたり...

そして、とうとう置き換えが発表され。“ゆったりやくも”として、白地に窓まわりピンクの明るいカラーに変更されていた381系、歴代の「やくも」カラーに塗り戻され。

水島臨海鉄道を撮りに行った“ついで”に山陽本線内でスナップすることはあったが、振り子特急がその威力を発揮する、伯備線内で撮る機会は一度もなかった。大学生のとき以来、何度も乗って、眺めて...の思い出の列車でもあり、やはり、「なくなる」となれば、一度はちゃんと撮っておきたかった。

でも、「そのうち」「いつか」と思っているうちに時間だけが過ぎていって...

4月から後継の273系「ブロンズやくも」への置き換えがスタートし、381系運用は半分程度になって。
追い込まれて、ギリギリになって、重い腰を上げる...のは、仕事でも何でも<変態鉄>という人間の特徴かもしれない。

4月19日の1日を新見市の南端に近い井倉の町で過ごしたのだった。


2024年4月19日(金)晴れ

6時、アラームの音で目が覚めて。
慌てて電気ポットのお湯を沸かして、昨晩、コンビニで買っておいたおにぎりを部屋に備え付けのティーバッグの煎茶で。

急いで準備をして、7時前にホテルをチェックアウト。

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【2024年4月19日7時09分】 山陽本線・岡山駅

すでに岡山駅は朝の混雑が始まっており。
橋上駅舎化されていて、そして、上に新幹線のりばがあるので、山陽・伯備線下りが発着する1・2番のりばは1日中薄暗い感じ。

いままでは比較的、地味な存在だったように思う特急「やくも」号だが、新型車両導入とともに一気に脚光を浴びて...ということだろうか。
各停車駅には、「やくも」のロゴが入ったブロンズ色のサインが...。

島根県東部の旧国名、出雲にかかる枕詞「八雲立つ」(やくもたつ)に因むとされており、岡山から神話の国、出雲を結ぶ列車名としてふさわしく。

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【2024年4月19日7時10分】 山陽本線・岡山駅

2番のりばで発車を待っているのは、381系特急「やくも1号」である。
7:05発というのは、新大阪からの初発の新幹線「みずほ601号」に接続するような設定である。

発車を待っていたのは381系4両編成「ゆったりやくも」号。381系最末期の「やくも」号として、一番、よく見かける姿である。
ちなみに90年代までは3両編成(グリーン車無し)が標準だった。本当は反対側、下り方で撮りたかった。
近年になって山間部を走る伯備線での動物衝突対策として先頭車の足元に大型スカートが装着され。国鉄型...としては、何だかイマドキ過ぎて、不似合いな感じなのである。でも、下り方、1号車は橋上駅舎の“人工地盤”の下、暗いところに停車しているので...

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【2024年4月19日7時10分】 山陽本線・岡山駅

この381系「やくも」号、先日までは「ぐったり吐くも」など、散々な言われようだったが、やはり、置き換えが迫っているというのを知ってか、およそ<鉄>とは思えないオバチャンたちも皆さん、スマホのレンズを向けており。

ちなみに、<変態鉄>は小学校の遠足のバス以来、乗り物酔いにはめっぽう強いタイプだったようで、船旅はあまり経験していないが、あまり乗り物で気分が悪くなったということはない。車体を右へ左へと大きく傾けながら走る381系を楽しめるタイプ。

さて、「やくも1号」の発車を見送ったら、<変態鉄>も大人しく1番のりばの列車待ちの列へ。

そう、平日の朝7時、発着する電車はいずれも満員なのである。115系6両編成、真っ黄色の電車である。

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【2024年4月19日8時54分】 伯備線・井倉駅

幸いにも、早めに並んだのが奏功してクハ115-1032の窓側席を確保。
高校生の通学列車にあたっているようで、倉敷などで何度か入れ替わりがありながら、総社まで満員、でも、備中高梁を過ぎれば、それまでの混雑がウソのように車内は静まり返り。車窓も、いつの間にか都市部の住宅街から高梁川沿いに走る曲がりくねった区間に入っており。

それにしても、高梁川の水は透明で...。
8時半過ぎ、岡山から約1時間20分で到着したのが、井倉駅。駅の裏手には日鉄鉱業の大きなプラントが見えており。

そんな無人駅で下車したのは自分と、あとは井倉洞の観光だろうか、外国人の夫婦だけ。

さぁ、急がないと。
381系「やくも3号」は9時頃にココを通過するはず。あと10分ちょっと。大急ぎで撮影地の高梁川第7橋梁に向かったのだが、非情にも途中の井倉踏切に差し掛かったところで踏切機が鳴り出して。嗚呼、もはやココまで。諦めて線路沿いで、とりあえずカメラを向けたら...

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【2024年4月19日9時06分】 伯備線・井倉-方谷

通過していったのは黄色い115系、第844M列車だった。こちらは先頭車化改造車。何ともブサイクな顔つきがJR西の先頭車化改造の特徴である。

井倉踏切を過ぎて線路沿いを2〜3分歩けば、正面に高梁川に架かる橋が見えてくる。この付近がこの日の撮影地。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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