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秋の北東北「鉄印帳」の旅(5)酒田駅 <後編> [<鉄>な撮影記・旅行記録]

<鉄>としての一種の“習性”かもしれないが、「あと10年早く生まれていたら...」と思うものなのである。
そうすれば、酒田駅には、赤い交流電気機関車と50系客車...という時代には間に合わなかったかもしれないがキハ40系が溢れていた時代に間に合ったかもしれない。

あと10年早く生まれていたら、国鉄の分割民営化を迎えるのが成人する頃になっていた筈で、そうすると、アレも撮れたしコレも撮れていた...と。

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【2023年10月23日9時18分】 羽越本線・酒田駅

いまの酒田駅に発着する普通列車はGV-E400系と...、先輩格が701系。
50系ばかり...とはいえ、客車列車天国だった東北の各路線から、客レを一気に“滅亡”に導いたのが701系だった。高校生の時、鉄道誌でその記事を恨めしい気持ちで眺めていた記憶が。

久々に、その701系電車に乗って秋田へと向かうのである。

……  ……

2023年10月23日(月)晴れ

新潟・新津〜村上間は直流電化、それ以北が交流電化なので新潟から山形県・秋田県方面へと向かう列車は必ずデッドセクションを通過することになって。そのため、国鉄時代から全線電化にもかかわらず、新潟〜酒田間のローカル列車はディーゼル動車を使うことが多かった。
交直流電車というのは新製費用が高額になるからである。

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【2023年10月23日9時17分】 羽越本線・酒田駅

ということで、秋田方面へは交流電車、新潟方面へはディーゼル動車、その境目が酒田駅なのである。

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【2023年10月23日9時19分】 羽越本線・酒田駅

そして、9時台の、この時間帯、酒田駅は列車発着が連続するところ。

酒田港線に入るのか、DD200形牽引の貨物列車がゆっくりと秋田方へと進んでいって。

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【2023年10月23日9時19分】 羽越本線・酒田駅

続けての発車は新潟ゆき特急「いなほ6号」が9:11発。6両編成のローカル特急、車内の乗客もそう多くはないが、でも、時刻表に記載されている列車番号は「6M」、かつては羽越地方と上野を直結する、この地方を代表する列車だったわけで。

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【2023年10月23日9時23分】 羽越本線・酒田駅

ちょっと時間が空いたので、いったん跨線橋を上がってみて。
中央の2番ホームに停車している701系2連が自分が乗る秋田ゆきになる。まだ、折返し待ちの段階で運転士さんも乗り込んでいないみたい。
ということで、ホームをウロウロしながら待機する<変態鉄>だったのである。

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【2023年10月23日9時25分】 羽越本線・酒田駅

そんなことをしている内に、「いなほ」号が出発した後のホームに後続の、9:36発、村上ゆき第824D列車となるGV-E400系2連が入線である。
電気式ディーゼル動車...、国鉄でもキハの“黎明期”、戦後すぐの時期に試作されたが、結局、液体式変速機の開発をメインとすることになって。
まさか、いまの時代になって本格的に製造されるようになるとは...。

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【2023年10月23日9時18分】 羽越本線・酒田駅

さぁ、9時半を回って。

秋田ゆき第539M列車に乗り込んで。前側の車両は「クモハ701−27」号車。発車待ちの間に2名の係員が乗り込んで雑巾と電気掃除機で車内清掃が始まり...何だかちょっと不思議な光景。
隣のホームに早朝、新津を発って酒田へと到着したGV-E400系列車が到着、その接続を受けて発車する形だが、乗客はそれほど増えず、2両で10名ほどだろうか。

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【2023年10月23日9時54分】 羽越本線・第539M列車(クモハ701−27号車)内

酒田駅を9:44、定刻で発車した第539M列車、酒田港線が分岐すると、直後、右へとカーブして進路を北北東に変えて。
市街地を離れると、まもなく正面には大きな山が姿を現し。頂上に白い雪を抱いたその姿に、思わず<変態鉄>は席を立って運転席かぶりつきからカメラで...

そう、鳥海山である。酒田駅北側の区間、線路の延長上に鳥海山があって。

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【2023年10月23日10時16分】 羽越本線・第539M列車(クモハ701−27号車)内

吹浦あたりからは日本海を見ながらの区間が多くなり。そう、海沿いを走るのが<変態鉄>にとっての羽越本線のイメージである。

象潟、仁賀保、西目と、途中駅で少しずつ乗客が増えてきて... (つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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えすぷれそ

80年代は分割民営化だけでなく、旧型国電引退、東北新幹線開業、赤字ローカル線廃止など、いろいろ大きな変化があったので、あと10年早く・・というのはよくわかります。
自分も「あと数年早ければ旧型客車だったのに」と、50系客車の中で何度も思ったものです。
by えすぷれそ (2023-11-15 00:44) 

ferrum_queserasera

えすぷれそ さん

コメントありがとうございます。
自分の世代だと、旧型国電も鶴見線や小野田線で少しだけ見ることができただけでした。昭和50年代というのは、蒸気機関車の引退や、仰るとおりの旧国、旧客の置き換え、赤字路線の廃止など趣味的には大きな転換点になっていたような気がします。
自分は、701系電車やワンマンのディーゼルカーに乗って、「あと数年早かったら50系客車だったのに」と思っていた世代です。
「あの時代を体験したかった」というのは、誰もが思うことなのかもしれませんね。ありがとうございました。

by ferrum_queserasera (2023-11-15 08:23) 

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