雨の夷隅にキハを撮りに（１）メキシコ通り [いすみ鉄道]
やはり、雨の中、撮影に行くのは、ちょっと憂鬱なもので。
以前、鳥塚前社長さんもブログで仰っていたように思うが、房総のような都心から日帰り圏内の旅行先だと、雨なら当日になって行くのを中止する人が多い...と。普段の＜変態鉄＞は、まさにその1人である。仕事が休みで、キハを撮りに行こうと計画していても、前日夜の時点で天気予報などを確認して、その時点で“出撃”を取りやめてしまう。だから、小湊もいすみも、頻繁に撮影に訪れていながら、雨のシーンは非常に少ないのである。
でも...
【2024年4月6日9時40分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
この3月改正で、とうとうキハ52形も毎週土曜日の定期運用（観光急行）がなくなって、不定期運転の普通列車になり。
その運行スケジュールも、5月の連休までしか発表されず。
そうなると、まさに“葬式鉄”なのだが、何度も撮りに通ったのであっても、「もう一度、撮りに行かないと...」という気持ちが強くなるもので。
絶望的な位の雨予報だったものの、数日前に特急「わかしお1号」の指定席特急券をネット予約して。いつになく念入りに準備をして、雨の大多喜に向かったのは、6日の土曜日。
…… ……
2024年4月6日（土）雨
6時過ぎの井の頭線で出発。新宿からの中央線快速電車は、土曜の朝でも意外なほど混雑していて。
その電車で東京駅へ。
行楽客で混雑するコンコースを延々と歩いて、京葉地下ホームに着いたのは7時頃。分かっていても、やはり、遠いのである。
京葉地下ホームに向かうコンコースを歩いていた人の半分くらいは、カチューシャとか、そういう、ぱっと見にそれと分かるグッズを身につけた男女の中高生。たぶん、春休みの最後に友達同士で、ネズミたちの国に遊びに行くのだろうが...
舞浜に向かう若者たちは向かい側のホームへ。特急「わかしお1号」が入線してきたのは、京葉地下1番のりば。
ゴルフに向かうと思しき、中年男性が中心である。
【2024年4月6日7時12分】 京葉線・東京駅
E257系5連の「わかしお1号」は、窓側席が埋まるくらいの状態で東京駅を発車。停車駅の度に車掌さんがマイクをとって、全車指定席になったこと、自由席は付いていないことを繰り返しており。
それもあって、車内は全車指定席化されていても、あまり混乱もなく。特急券を車内で車掌さんから買い求めている人も見かけず。快速電車減便のニュースの影で話題にならなかった房総特急の全車指定席化だが、こちらは順調な滑り出しのようで。
長い地下トンネルを抜けて地上に出れば、車窓には首都高速。その路面も濡れており。
【2024年4月6日8時42分】 外房線・大原駅
茂原駅あたりからは、窓に当たる雨粒が明らかに大きくなって。打ち付ける雨で車窓を見ることも難しくなるほど。かなり激しい雨になってきて。
もう、ホントに憂鬱だったのである。いつものように、高速バスにしていたら、たぶん、朝、起きた段階で断念していた筈。
雨は強くなったり、弱くなったりを繰り返しながら、大原駅には定刻8:32着。
5両編成の電車から降りる乗客は意外なほど多く。いすみ鉄道も、＜鉄＞に限らず、特に春のサクラと菜の花のシーズンは、東京近郊の行楽地として定着した感があり。
【2024年4月6日8時43分】 いすみ鉄道いすみ線・大原駅
その降りた乗客の大半は、自動改札を通って右のガラス戸。まだ、開店準備中の売店を抜けて、いすみ鉄道ホームに向かうのだった。
乗車口のところを先頭に、その長い行列は売店の中まで達しており。
【2024年4月6日8時43分】 いすみ鉄道いすみ線・大原駅
実は、＜変態鉄＞、外房線ホームで「わかしお1号」の発車シーンを撮ってから、いすみ鉄道の方へ移動したので、他の大勢の観光客より後になったわけだが、皆さん、1台しかない自動券売機（というか、食堂の食券販売機のようなヤツ）に並んできっぷを買っている間に、以前、撮影会に参加した時に頂いた1日フリーきっぷを用意していた＜変態鉄＞は、一気に“大逆転”。その列のかなり前方に出ることができて。座れること確定!!（笑）
大原駅ホームの、駅前広場側の線路脇に「０」キロポストが建っている。その周囲には菜の花が...。晴れていれば、列車が来るまで、ホーム上をカメラ片手に彷徨いている筈だが。
【2024年4月6日8時55分】 いすみ鉄道いすみ線・大原駅
8:46着の第54D列車が、352号車単行で到着。発車の10分前のことである。上総中野からの初発列車に当たる列車だが、やはり、土曜日の朝とあっては乗客はわずか。その乗客が降りた後、いったんドアが閉まって、運転士さんが反対側に移動、準備ができたらドアが開く。
ドアが開くと同時に車内の、あの長い長いロングシートはほとんど埋まって。この発車前の時間に、運転士さんから日付印のスタンプを貰っておかないと。気になったのは、運転士さんはマイク放送で大多喜止まりであることをアナウンスするのは良いのだが、「上総中野方面は...」と、1時間半後の第57D列車を案内していたこと。そう、この第55D列車で行けば、大多喜駅でキハの臨時普通列車に接続している。「土曜日だけ運転」だから単に忘れていただろうか??
車窓はずっと雨。大半の乗客は＜鉄＞と行楽客、途中駅から大多喜高校の制服を来た女の子が乗ってきたくらいだろうか。地元の方の利用は2〜3名といったところだと感じた。
終点の大多喜駅では“地上集札”を実施。混雑時の阪堺電車のような光景だった。
この第55D列車で着いた乗客も含めて、大多喜駅の下りホームは大混雑。その先には...
【2024年4月6日9時37分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
ホームの後ろ側、猿稲踏切側に、この看板が出されており、既にここから長蛇の列が...
＜変態鉄＞は駅を出て、いつものように大手門の方へ。9:54発の第901D列車は、まず、大多喜駅近くのポイントで撮ろうと決めていた。
【2024年4月6日9時40分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
その撮影地へ向かおうとしたとき、ちょうど、大手門ヨコのいつもの場所で出庫前の整備が行われていたキハ52、運転士さんが乗り込んで。
この日は「準急 内房」のヘッドマーク。
こう見ると、やはり、ヘッドマークがはっきりと分かる前方からの写真も撮りたくなるわけで。この後の予定を考えながら...
でも、実際にはそんなことを言っている余裕はなく。キハの出庫風景を撮っているあたりから、急に雨が激しくなってきたのである。傘をさしていても斜めに叩きつける雨に効果はなく、早速、履いていたジーンズが重たくなるのだった。
【2024年4月6日9時42分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
さぁ、キハが出庫である。いったん下り方へ進んで。南郭踏切が鳴り出して遮断竿が下りて...
手早くポイントが切り替えられ、多くの乗客が待ち構えるホームへと入線。大慌てでカメラを構えながらそれを見送り。
もう、早速、カメラバッグも自分自身もずぶ濡れである。
もはや趣味活動というより“苦行”に近かったかも。耐えに耐え、やってきたのは南郭踏切を過ぎてメキシコ通りのタイル舗装の歩道を歩きだして5分ほどのポイント。普段なら絶対に逆光になる場所だが...
ベンチがあるのだが、もちろん座る訳にはいかず。立ったまま大慌てで、カメラバッグにレインカバーを取り付けて。そして、カメラにも。さらに、激しい雨の中で、最新の注意をはらいながらレンズを望遠に交換して。
【2024年4月6日10時04分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜－小谷松
全神経を集中させて撮ったのが、コレだった。キハの走行音はもちろん雨の音にかき消されており。木立から突然、姿を現すキハ...、こういうサイドからの写真というのは絶対に油断できない分、こういう天気のときには特にキツイのである。
本当は望遠で鉄橋のところをアップで撮ろうと思っていたのだが、手前にサクラがあって。
薄暗い写真になる中で、その手前のサクラの木がアクセントになってくれるか...と狙っての1枚である。
【2024年4月6日10時30分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
撮り終えて、大多喜駅に戻ると雨も小降りになっているという不思議。何ともついていないもので。
10:30発の第58D列車は、キハ20 1303号車単行。行楽シーズンながら、雨のせいもあってか午前中は単行でも足りそうな旅客数だった。
【2024年4月6日10時31分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
構内通路で、キハ20形の最新モデルを。
まさか、製造終了から半世紀ぶりに“増備車”が出るなど、誰が予想できただろうか。
さぁ、この列車で新田野へ。（つづく）
（※）撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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でも...
【2024年4月6日9時40分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
この3月改正で、とうとうキハ52形も毎週土曜日の定期運用（観光急行）がなくなって、不定期運転の普通列車になり。
その運行スケジュールも、5月の連休までしか発表されず。
そうなると、まさに“葬式鉄”なのだが、何度も撮りに通ったのであっても、「もう一度、撮りに行かないと...」という気持ちが強くなるもので。
絶望的な位の雨予報だったものの、数日前に特急「わかしお1号」の指定席特急券をネット予約して。いつになく念入りに準備をして、雨の大多喜に向かったのは、6日の土曜日。
…… ……
2024年4月6日（土）雨
6時過ぎの井の頭線で出発。新宿からの中央線快速電車は、土曜の朝でも意外なほど混雑していて。
その電車で東京駅へ。
行楽客で混雑するコンコースを延々と歩いて、京葉地下ホームに着いたのは7時頃。分かっていても、やはり、遠いのである。
京葉地下ホームに向かうコンコースを歩いていた人の半分くらいは、カチューシャとか、そういう、ぱっと見にそれと分かるグッズを身につけた男女の中高生。たぶん、春休みの最後に友達同士で、ネズミたちの国に遊びに行くのだろうが...
舞浜に向かう若者たちは向かい側のホームへ。特急「わかしお1号」が入線してきたのは、京葉地下1番のりば。
ゴルフに向かうと思しき、中年男性が中心である。
【2024年4月6日7時12分】 京葉線・東京駅
E257系5連の「わかしお1号」は、窓側席が埋まるくらいの状態で東京駅を発車。停車駅の度に車掌さんがマイクをとって、全車指定席になったこと、自由席は付いていないことを繰り返しており。
それもあって、車内は全車指定席化されていても、あまり混乱もなく。特急券を車内で車掌さんから買い求めている人も見かけず。快速電車減便のニュースの影で話題にならなかった房総特急の全車指定席化だが、こちらは順調な滑り出しのようで。
長い地下トンネルを抜けて地上に出れば、車窓には首都高速。その路面も濡れており。
【2024年4月6日8時42分】 外房線・大原駅
茂原駅あたりからは、窓に当たる雨粒が明らかに大きくなって。打ち付ける雨で車窓を見ることも難しくなるほど。かなり激しい雨になってきて。
もう、ホントに憂鬱だったのである。いつものように、高速バスにしていたら、たぶん、朝、起きた段階で断念していた筈。
雨は強くなったり、弱くなったりを繰り返しながら、大原駅には定刻8:32着。
5両編成の電車から降りる乗客は意外なほど多く。いすみ鉄道も、＜鉄＞に限らず、特に春のサクラと菜の花のシーズンは、東京近郊の行楽地として定着した感があり。
【2024年4月6日8時43分】 いすみ鉄道いすみ線・大原駅
その降りた乗客の大半は、自動改札を通って右のガラス戸。まだ、開店準備中の売店を抜けて、いすみ鉄道ホームに向かうのだった。
乗車口のところを先頭に、その長い行列は売店の中まで達しており。
【2024年4月6日8時43分】 いすみ鉄道いすみ線・大原駅
実は、＜変態鉄＞、外房線ホームで「わかしお1号」の発車シーンを撮ってから、いすみ鉄道の方へ移動したので、他の大勢の観光客より後になったわけだが、皆さん、1台しかない自動券売機（というか、食堂の食券販売機のようなヤツ）に並んできっぷを買っている間に、以前、撮影会に参加した時に頂いた1日フリーきっぷを用意していた＜変態鉄＞は、一気に“大逆転”。その列のかなり前方に出ることができて。座れること確定!!（笑）
大原駅ホームの、駅前広場側の線路脇に「０」キロポストが建っている。その周囲には菜の花が...。晴れていれば、列車が来るまで、ホーム上をカメラ片手に彷徨いている筈だが。
【2024年4月6日8時55分】 いすみ鉄道いすみ線・大原駅
8:46着の第54D列車が、352号車単行で到着。発車の10分前のことである。上総中野からの初発列車に当たる列車だが、やはり、土曜日の朝とあっては乗客はわずか。その乗客が降りた後、いったんドアが閉まって、運転士さんが反対側に移動、準備ができたらドアが開く。
ドアが開くと同時に車内の、あの長い長いロングシートはほとんど埋まって。この発車前の時間に、運転士さんから日付印のスタンプを貰っておかないと。気になったのは、運転士さんはマイク放送で大多喜止まりであることをアナウンスするのは良いのだが、「上総中野方面は...」と、1時間半後の第57D列車を案内していたこと。そう、この第55D列車で行けば、大多喜駅でキハの臨時普通列車に接続している。「土曜日だけ運転」だから単に忘れていただろうか??
車窓はずっと雨。大半の乗客は＜鉄＞と行楽客、途中駅から大多喜高校の制服を来た女の子が乗ってきたくらいだろうか。地元の方の利用は2〜3名といったところだと感じた。
終点の大多喜駅では“地上集札”を実施。混雑時の阪堺電車のような光景だった。
この第55D列車で着いた乗客も含めて、大多喜駅の下りホームは大混雑。その先には...
【2024年4月6日9時37分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
ホームの後ろ側、猿稲踏切側に、この看板が出されており、既にここから長蛇の列が...
＜変態鉄＞は駅を出て、いつものように大手門の方へ。9:54発の第901D列車は、まず、大多喜駅近くのポイントで撮ろうと決めていた。
【2024年4月6日9時40分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
その撮影地へ向かおうとしたとき、ちょうど、大手門ヨコのいつもの場所で出庫前の整備が行われていたキハ52、運転士さんが乗り込んで。
この日は「準急 内房」のヘッドマーク。
こう見ると、やはり、ヘッドマークがはっきりと分かる前方からの写真も撮りたくなるわけで。この後の予定を考えながら...
でも、実際にはそんなことを言っている余裕はなく。キハの出庫風景を撮っているあたりから、急に雨が激しくなってきたのである。傘をさしていても斜めに叩きつける雨に効果はなく、早速、履いていたジーンズが重たくなるのだった。
【2024年4月6日9時42分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
さぁ、キハが出庫である。いったん下り方へ進んで。南郭踏切が鳴り出して遮断竿が下りて...
手早くポイントが切り替えられ、多くの乗客が待ち構えるホームへと入線。大慌てでカメラを構えながらそれを見送り。
もう、早速、カメラバッグも自分自身もずぶ濡れである。
もはや趣味活動というより“苦行”に近かったかも。耐えに耐え、やってきたのは南郭踏切を過ぎてメキシコ通りのタイル舗装の歩道を歩きだして5分ほどのポイント。普段なら絶対に逆光になる場所だが...
ベンチがあるのだが、もちろん座る訳にはいかず。立ったまま大慌てで、カメラバッグにレインカバーを取り付けて。そして、カメラにも。さらに、激しい雨の中で、最新の注意をはらいながらレンズを望遠に交換して。
【2024年4月6日10時04分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜－小谷松
全神経を集中させて撮ったのが、コレだった。キハの走行音はもちろん雨の音にかき消されており。木立から突然、姿を現すキハ...、こういうサイドからの写真というのは絶対に油断できない分、こういう天気のときには特にキツイのである。
本当は望遠で鉄橋のところをアップで撮ろうと思っていたのだが、手前にサクラがあって。
薄暗い写真になる中で、その手前のサクラの木がアクセントになってくれるか...と狙っての1枚である。
【2024年4月6日10時30分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
撮り終えて、大多喜駅に戻ると雨も小降りになっているという不思議。何ともついていないもので。
10:30発の第58D列車は、キハ20 1303号車単行。行楽シーズンながら、雨のせいもあってか午前中は単行でも足りそうな旅客数だった。
【2024年4月6日10時31分】 いすみ鉄道いすみ線・大多喜駅
構内通路で、キハ20形の最新モデルを。
まさか、製造終了から半世紀ぶりに“増備車”が出るなど、誰が予想できただろうか。
さぁ、この列車で新田野へ。（つづく）
（※）撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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