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2024年1月 熊本の鉄道を楽しむ(33)立野駅 <後編> [<鉄>な撮影記・旅行記録]

時の流れを止めることはできないのである。形あるものである限り、いつか必ず最後の日を迎える。寂しいニュースというのは突然にやってくるもので。
いや、アタマでは分かっていても、実際にそれが発表されると寂しいものである。

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【2024年2月13日12時15分】 阪堺電気軌道阪堺線・塚西電停付近

2週間ほど前、「動いていたらラッキー」くらいの思いで大阪に向かったのだが...
“えび天”運用に出てきたのが、焦げ茶色のモ164号車。

この姿が、もしかしたら自分にとって最後のモ164号車になってしまうかも...
昨日だっただろうか、阪堺電車のインスタグラムを見ていたら「モ164号も間もなく休車となり、本線を走らなくなります。」と、何ともサラッと重大発表がなされており。

モ166号車が昨年から休車になっており、そして、まもなくモ164号車も。
コロナ禍以降、減便が続いて、そして、住吉大社初詣輸送もしばらく前までの賑わいはなく。車両運用に余裕が出てきた段階で古豪の引退は、十分、予想されることだったのである。「休車」ということは、まだ「廃車」ではない...ということで。今後の“復活”に一縷の望みを...と思っている。

2月のあの日、モ164号車が上町線と阪堺線を交互に走ってくれたのは、撮りに行った<変態鉄>へのささやかなプレゼントだったのだろうか。
寂しいけれど、いろいろなシーンを撮ることができたことに感謝である。残るモ161、モ162の2両には1日も長く活躍してほしいと願っている。

さて、そんな訳で、終盤戦に入ってきた1月の熊本の話題。立野駅、ベンチはそれほど多くなく、しかも、何だか地元の役所の方だろうか...、駅構内で何やら打合せをされていたようで、なおさら、居場所が無かったのである。<変態鉄>は駅構内をカメラ片手にウロウロして。完全に、純度100%の不審者だったのである。

……  ……

2024年1月12日(金)曇り

高森からの南阿蘇鉄道・第14列車で立野駅に到着したのは14:58、そして、JR豊肥線・肥後大津ゆき第434D列車の発車は15:50、この間の50分間を立野駅で過ごしたのだが、その間が、かなり長く感じられたのだった。

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【2024年1月12日15時19分】 豊肥本線・立野駅

豊肥本線のりばは簡素な島式ホーム1面、列車が発車すると時間を過ごせるような場所も無いので、当然、誰も居なくなり。
そんなホームを観察していると、足元には「ななつ星」の乗車位置案内。

そして、「南阿蘇鉄道の車両 肥後大津ゆき乗車口」の表示が目新しい。3セク鉄道も国鉄からの転換から40年近くが経過し、沿線人口の減少で国鉄時代よりも一層、厳しい経営状況になっているところが多い。そんな中でも、JR乗り入れの“復活”など、前向きな施策が行われているというのは、ちょっと嬉しいところ。

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【2024年1月12日15時22分】 豊肥本線・立野駅

というわけで、時間を潰すのにいったん外に出てみて。震災からの復旧に際して新築された駅舎の外観を。
それにしても、建物は立派になったが、内部はガラーンとしており。その分、ボロボロの駅舎の無人駅よりも、何だか寂しさが増しているのかも。

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【2024年1月12日15時25分】 豊肥本線・立野駅

何とも...
ご紹介する順番がメチャクチャだが、構内踏切を通ったところから西を向いて、豊肥線のりばを。
いや、阿蘇の急勾配を抜けるため、スイッチバック構造でつくられたこの駅、蒸気機関車時代からの鉄道の要衝だったはずである。
今では、すっかり簡素化された駅になってしまって...。

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【2024年1月12日15時25分】 豊肥本線・立野駅

駅舎に...

ではなく、線路沿いのフェンスにくくり付けられた案内各種。あとは、ホーム上に近距離の自動券売機が備え付けられている。

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【2024年1月12日15時26分】 豊肥本線・立野駅

意外だったのは、この表示。
JR九州はワンマン運転が基本になっており、南九州を中心に特急列車でもワンマン運転である。都市型...というよりも、事実上、無人駅での運賃収受を“放棄”しての(形式的な)信用乗車制ワンマンという印象を持っていたのだが、早い時期にワンマン化されていたからか、ローカル線のディーゼル列車では、一般的な車内収受式ワンマンも残っているようで。

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【2024年1月12日15時52分】 豊肥本線・立野駅

スイッチバックなので、どの列車もホームの西側から進入してくる。
<変態鉄>の乗る第434D列車は、この駅でキハ185系「九州横断特急」と交換。すかさず、運転士さんがホームに降りて反対側へと急ぐのだった。

さて、キハ200形2両編成の第434D列車、自分が乗ったのは前側、キハ200−1014号車も座席は完全に埋まっており、ドア付近を中心に立っている人も多く。自分は運転台カブリツキに立って。

車窓を見ているだけで急勾配を駆け下りているのがわかる位で。途中駅で、さらに少し乗客が増えて10分ほどで終点・肥後大津駅。

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【2024年1月12日16時14分】 豊肥本線・肥後大津駅

ここからは電車区間。
駅周辺も熊本のベッドダウンだろうか、住宅が建て込んでいてホーム上にもたくさんの人。
第434D列車で到着した乗客の大半も、隣のホームで待つ熊本ゆきの電車に乗り換えるようだった。

キハが到着したホームは、本当は“駅裏”にあたる筈で、でも、こちら側にも非常に簡素な駅舎と改札口があって。
<変態鉄>は、そこから駅の外へ...

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【2024年1月12日16時29分】 熊本県上益城郡益城町・阿蘇くまもと空港

駅前にシルバーのジャンボタクシーが停まっている。
「空港です」と告げて車内へ。自分が最後の1人だったみたいで、空いている後部座席に腰掛けるとすぐに出発。

のどかな田園風景の中を15分ほど走れば、阿蘇くまもと空港へ到着。ぬぁんと無料である。いや、無料の空港連絡バス(案内上は「バス」)となれば、外国人バックパッカーなどで満員なのか...と思いきや、そこまでの情報は届いていないのか、たぶん、周辺にお住いの方の空港利用客が中心だったのだろうか。車内では、ずっとTVで東野英治郎時代の「水戸黄門」が流れており...。

予定通りに熊本空港に到着してしまったのだが...(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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