SSブログ

秋の北東北「鉄印帳」の旅(22)岩手県北バス「106急行」 [路線バス・高速バス]

宮古市は県都・盛岡の東100 kmほどのところにあって。2000年代に入ってからの市町村合併の関係もあり、広大な面積を持つ市である。リアス式の三陸海岸の北端にあたるところで、鮭の水揚げ日本一という漁港の街でもあって。
歴史的には、江戸時代に盛岡藩の港が開かれてから、太平洋沿いの海運の拠点として、物資の集積地として栄えてきたという。

その宮古と盛岡はほぼ東西に位置していて。でも、その間には北上山地を挟むので、同じ岩手県内でも文化的に違いがあるのだとか。
歴史ある港町の宮古と盛岡を結んでいるのが、JR山田線。でも、上り宮古発盛岡ゆきは、普通と快速が1日4本だけ。朝9時に快速列車が宮古駅を出た後は、16時前の普通列車まで間隔が空いており。

221_msi00007635.JPG
【2023年10月25日15時41分】 三陸鉄道リアス線・宮古駅

実は、釜石からの第15D列車は、その“貴重な”JR山田線の盛岡ゆきに接続しているのである。

でも...
前回、10年ほど前に来た時に...、かろうじて座れはしたが、やはり、半日ぶりの2連のキハは超満員。そうすると、途中は山間部の小さな集落しか無く、ほぼ乗客の入れ替わりがない分、2時間半、立ちっぱなしということになる。

だから、宮古からの帰りは...
……  ……

2023年10月25日(水)晴れときどき雨、昼頃は強く

宮古駅には15:32着。

まぁ、もともと国鉄の駅だから、構内の雰囲気はJR駅と変わらないのだが、もはや完全に三陸鉄道の駅にJRが乗り入れているような感じで。

JR山田線のキハ110系も待機しており、それに乗り継いでも良いのだが、まずは駅舎へ。そう、「鉄印」を手に入れなければ...

跨線橋の窓からはホームに停車する姿を撮ることができて。
駅舎内、JRの「みどりの窓口」に同居するような形で三陸鉄道の窓口が設けられており。

222_msi00007756.JPG

そこで、硬券といっしょに「鉄印」を入手したのだった。
「第3セクター日本最長」の文字が誇らしげである。もちろん、取り巻く環境は厳しいものがあるのだろうが...

223_msi00007636.JPG
【2023年10月25日15時49分】 岩手県宮古市栄町・宮古駅前

ということで、これで10年前に乗った北リアス線と合わせて、三陸鉄道全線を制覇することができたのだった。
前、訪れた時はJR山田線(宮古 〜 釜石)間は震災の津波の影響で長期運休中だったが...

さて、いくら北上山地の“峠越え”を挟むとはいえ、県都・盛岡と宮古を結ぶルートが1日4往復半のローカル線だけということは...
駅舎の写真を撮っていると、クリーム色に赤帯のバスが入ってきたのである。駅舎の向かい側にバス乗り場があって。

15:45発の「106急行」である。
フツーの高速バス仕様の車両...ただし、トイレなし...である。同じ区間の「106特急」には先日までダブルデッカー車が居たかと思うのだが...

ちょうど、15:45発の急行便に間に合ったのだった。特急と急行を合わせて1日10往復程度、日中はほぼ1時間から1時間半の間隔である。

急ぎ、のりばに駆けつけたため、写真は撮れず。10名ほどの乗客で発車。
宮古市中心部の停留所に細かく停車しながら、まもなく、根市バス停付近から山間の片側1車線の道路に入って。

224_msi00007637.JPG
【2023年10月25日16時19分】 岩手県北バス・106急行車内

路線名の由来「106」は国道106号線、ほぼ、宮古街道(閉伊街道)として宮古と盛岡を結んだルートである。
閉伊川沿いを走っており、曲がりくねった道である。バスは、その曲がりくねったルートを忠実になぞりながら旧道を走っていたが、途中、要所要所でショートカットするトンネルが分岐しており...、よく調べていないが、特急便はそちらを経由するのだろうか???

225_msi00007638.JPG
【2023年10月25日16時25分】 岩手県北バス・106急行車内

そして、盛岡市内に入る手前...区界峠の近くまで、大半の区間でJR山田線も閉伊川沿いを走っており、バスの車窓には線路が見えている区間が多かった。

226_msi00007639.JPG
【2023年10月25日16時53分】 岩手県北バス・106急行車内

発車から1時間、「やまびこ産直館」バス停でトイレ休憩。いわゆる「道の駅」のような感じ。せっかくだから降りようかと思っていたら、高速バスのような「休憩開放」ではなく、トイレに行きたい人だけが下車するタイプ。誰も降りない中、カメラを提げて降りてみる...そんな雰囲気には程遠く。
ちょっと遅れ気味なこともあって2分程の停車ですぐに発車。

山間の道路、17時になれば外は真っ暗である。その中でも、途中のバス停での乗り降りもあって。17時すぎに区界。JR山田線だと区界から盛岡まで50分ほどかかる...というイメージがあったので、「まだまだ遠い」と思っていたら、JR山田線が区界から盛岡まで北側をグルっと回るのに対して、国道はまっすぐ盛岡に向かうようで、まもなく盛岡市街地に入り、沿道には多くの商店、そして、バス通りも渋滞するようになって。

227_msi00007640.JPG
【2023年10月25日18時11分】 岩手県盛岡市盛岡駅前通・盛岡駅東口付近

18時を少し回って終点・盛岡駅前に到着したのだった。

JR山田線なら、宮古駅を15:54発、盛岡着が18:21なので、急行便であってもバスの方が少し早いのである。ちなみに、宮古駅をこのバスの1時間後に出発する特急便は、18時半には盛岡駅に着くので、特急便が相手だと、もはやJRも太刀打ちできる状況になく。

1978年に誕生して以来、40年以上の歴史を持つ急行バス、既に宮古〜盛岡間の主要な交通機関として定着している...という感じだった。

盛岡駅構内の飲食店で夕食を済ませて旅館に戻るのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。