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381系特急「やくも」号を撮りに高梁川第7橋梁へ(6)鳳凰エンブレム [伯備線]

日曜は公休日だった。朝、思いっきり二度寝して。フラフラと起き出してきては自宅の窓を開けて、会社から持ち帰った仕事を進めていた。おかげさまで、連休前後のちょっと懸案事項だったものが1つ2つ仕上がって。これで、“出撃”しても、連休明けに最悪の展開になるのは免れそう。

午後からは、今度の“出撃”に備えて、アレコレ調べもの。今度こそ、381系「やくも」号は最後の撮影機会。連休期間とあっては人気の撮影地は大勢の人が集まると予想されるわけで、それでも撮れそうな場所...例えば、河原に下りてカメラを構えるようなキャパの大きそうな撮影地を中心にいくつかピックアップしたのである。着替えなどの入った大きなバッグを持っていることも考慮して行程を考えないと。

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【2024年4月19日15時34分】 岡山県新見市井倉・井倉洞付近

さて、引き続き、4月19日の伯備線撮影記。

帰りのヒコーキの関係で、16時過ぎの「やくも17号」で撮影終了、16時半の下り普通電車で新見に向かうことになっていた。
泣いても笑っても、この日、最後の撮影。それまでの時間、もう一度、井倉洞を訪れて...

……  ……

2024年4月19日(金)晴れ

鍾乳洞のシーズン...というのは、やはり、夏の暑い時期だろうか。駐車場は空きが目立ち、あまり賑わっている感じではなかったが、それでもご夫婦だったり、子ども連れだったり、観光客は時折、やってきて。

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【2024年4月19日15時33分】 岡山県新見市井倉・井倉洞付近

そんな正面駐車場から井倉洞の入口に向かうところに、SLが展示されており。

デゴイチ、D51 838号機である。
ただ、残念ながら高いフェンスに囲まれており、形式写真を撮ることは難しく。しかも、午後になると思いっきり逆光になってしまって...

1,000機以上が製造され、全国で活躍したデゴイチの静態保存、そんな珍しいものではない...などと安易に判断してはならない。デフレクター(除煙板)に輝く金色の鳳凰。

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【2024年4月19日15時34分】 岡山県新見市井倉・井倉洞付近

フェンス越しに強引に1枚。

この機関車、D51としては最後の方の製造分。兵庫県の国鉄鷹取工場で1943年(昭和18年)に製造されている。3月と5月と2つの説があって、詳細な新製月日は分からず。

新製配置は広島局となっている。終戦前後の時期には、岡山、糸崎の機関区に居たと記録があり。間もなく岡山機関区に戻り、その後、1955年(昭和30年)には新見機関区配置、この伯備線で活躍した機関車である。1960年(昭和35年)頃に集煙装置を取り付け、山越え路線に相応しい仕様へと姿を変え。
1972年(昭和47年)春の伯備線無煙化まで一貫して新見機関区で活躍。

まもなく、いったん浜田機関区に配置換えになった直後、すぐに新見に戻って1974年(昭和49年)2月に廃車になっている。
最終配置も新見、30年間の現役生活の半分を新見で過ごし、伯備線を走っていた機関車なので、この地で保存されるにはピッタリの機関車である。

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【2024年4月19日15時34分】 岡山県新見市井倉・井倉洞付近

外観で目立つのは煙突を取り囲むように大きな四角い集煙装置が取り付けられていること。

でも、それ以上に目立つのは除煙板に付けられた黄金の鳳凰のエンブレム。
無煙化...SL引退直前の、1971年(昭和46年)春、島根県での植樹祭のお召し列車の牽引機に指定された時の姿が再現されており。
調べてみると、このエンブレムはレプリカで、ホンモノは京都梅小路で保管されているのだとか。

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【2024年4月19日15時35分】 岡山県新見市井倉・井倉洞付近

キャブ側面の区名札は新見機関区の「新」、そして、仕業札が「お召」、この機関車にとっても最高の晴れ舞台だったはず。
そのときの姿で保存されており。もちろん、この日はその活動を見ることはできなかったが、この機関車も「保存会」が結成され、定期的に整備などを行っているとのことで。

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【2024年4月19日15時35分】 岡山県新見市井倉・井倉洞付近

順光になるのは非公式側の後ろ姿...というのが、ちょっとだけ残念なポイントではあるものの、艶のある姿で保存されているのは嬉しいところ。

ベンチに座って一休み...していると、井倉踏切の警報音。
「まぁ、どうせローカル列車だろう」と高をくくっていたら15時半、EF64電気機関車の牽く上り貨物が通過、これはちょっとショックだった。

さて、最後の「やくも」号が来る前に高梁川第7橋梁のところに戻らないと...

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【2024年4月19日15時53分】 伯備線・方谷-井倉

途中で踏切機の音。苦し紛れの、ド逆光の流し撮りで。
115系の改造先頭車である。

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【2024年4月19日16時05分】 伯備線・井倉-方谷

先ほどの、醤油屋さんのところから急な坂を下って。
鉄橋をくぐる手前、ちょっとだけ道が広くなったあたりでカメラを構えて。
その直後、いきなり姿を現したのは上り「やくも20号」、まぁ、273系なので、テキトーに試し撮り...のつもりが、ぬぁんと4両編成の273系、重連の8連での運転だった。もちろん、編成全体を画面に捉えることはできず。

1時間で、だいぶ山の影に入ってくれて。これで逆光を気にせず撮れるのである。

そして...

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【2024年4月19日16時18分】 伯備線・方谷-井倉

最後に撮ったのは「やくも17号」、16時の通過、標準的な4両編成の「ゆったりやくも」編成。
ここで始まり、ここで終わる...そんな1日になった。

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【2024年4月19日16時18分】 伯備線・方谷-井倉

対岸の谷合踏切はすっかり影に入って薄暗くなってきており。

事前の調査不足もあって、午後は苦しい撮影が続いたものの、朝一番に撮った国鉄特急色編成など“収穫”もあったというのは間違いなく。
さぁ、次の新見ゆきローカルに乗るべく、井倉駅に引き返すのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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