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2022.10 関西・九州へ(19)西鉄大牟田市内線204号車 [保存車・博物館・廃線跡]

いろいろ文句ばかり言っているような気がするが...
別に、Chromebook というのは「使いにくい」ということはなくて。Windows マシンのときは「当たり前」だったことの中で解消されたことも...

1つは、電源を入れたときの起動の速さ。「ホントにこれで良いの?」と思いたくなるくらい、速く起動する。
もう1つは、USBデバイスを確実に読んでくれること。外部ストレージを繋いでも認識されず...、USBケーブルの抜き差しを繰り返すうちに内部のデータが壊れ...を繰り返してきた<変態鉄>にとって、これは魅力的。黒い「▲」印をクリックした瞬間に取り外し完了というのも...

ただ、自分がブログを書くときには、ちょっと様子が違う...ということで。このあたり、今後、カスタマイズしていく中で使い勝手も良くなってくるかと思うので、少なくとも、サブマシンとしては、Chromebook で十分だと思った。何と言っても価格面の優位性は大きい。ただ、普段、使っているソフトが Chrome OS に不対応のものが多いのもマイナス面。あと日本語変換システム。やはり、ずっと使うものだけに20年以上使ってきた「ATOK」が使えたら非常に嬉しいのだが...、Justsystem社も何とかして欲しいところ。

このあたりが改善されたら...

さて、引き続き、10月の九州の話題。

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【2022年10月24日16時40分】 福岡県大牟田市久保田町・大牟田駅西口

イマ風にいえば「地域密着」ということだろうか。多くの都市で路面電車の廃車体というのは保存例が多い。でも、その少なからずは数年内に荒廃し、そのまま解体処分されることが多く。

昭和初期から戦後間もなくまでの25年ほど、大牟田の街にも路面電車が走っていたという。
もちろん、<変態鉄>は見たことが無いし、走っていた期間は比較的短く、廃線から長い時間が経過しているため、あまり本などで取り上げられていることも多くはなくて。

でも、その中の1両は、大牟田市内線廃止後、福岡市内線に転じ、その後は山口県内の図書館で利用されていた。老朽化が著しく、とうとう解体撤去...という流れになったとき、地元有志の手により、大牟田への“里帰り”が実現。その話題は知っていたが、なかなか訪れる機会もなく。

……  ……

2022年10月24日(日)晴れ

大牟田駅は西鉄とJRで同じ駅となっており。何というか...、西武線とJR中央線の国分寺駅のような感じだろうか。
西鉄のホームは頭端式で構内の西側にある。その西口の駅前広場に鎮座しているのが...

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【2022年10月24日16時41分】 福岡県大牟田市久保田町・大牟田駅西口

200形204号車である。

それにしても...
夕方の訪問、上屋できっちりガードされた状態で保存されているのは嬉しいところだが、写真撮影には不向きで。

どう撮っても、陽射しのある部分は白飛びして、別の部分は黒つぶれ。ぜひ、曇りの日に再訪したいと願う限り。

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【2022年10月24日16時40分】 福岡県大牟田市久保田町・大牟田駅西口

この204号車、大牟田での活躍は短く、その後は福岡市内線に転属、その路線縮小に伴い、1975年前後に廃車となっている。廃車後は、なぜか、山口県光市の図書館で閲覧室として使われていた。
それから30年以上が経って、老朽化で車体の傷みが目立つようになり廃棄処分される予定になったものの、有志の手により大牟田への“里帰り”が実現することになり...

そのあたり、当時、鉄道誌の記事などで見て早い時期から知ってはいたものの...

この車両は、開業当初からの四輪単車の置き換えによる輸送力増強用として1943年(昭和18年)に大阪の木南車輌で製造されている。
詳細な説明板が設置されているが、「木南車輌製の車輌として現存唯一」という最後の記述は<鉄>としては、ちょっと「?」である。隣の熊本市電の1080形や、広島電鉄「被爆電車」650形も木南製の現役車であったような...(誤記なのか、あるいは、違う解釈がとれるのか??)

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【2022年10月24日16時42分】 福岡県大牟田市久保田町・大牟田駅西口

その大牟田市内線、開業は1927年(昭和2年)、駅舎側に挿された方向板「旭町」は現在の新栄町駅近く、そこから熊本県荒尾市との県境付近の「八ヶ山」まで、約4.7 kmが開業している。ちょうど阪堺上町線と同じくらいの路線長。当時は「石炭の町」として賑わっていたものと思われる。
延伸や他の路線の計画もあったようだが実現せず。当初は地元資本の大牟田電気軌道だったが、戦時統合もあって西鉄の1路線となり。

戦時中から、終戦直後の燃料事情が悪い時期に乗客数のピークを迎えたのは、多くの地方路線に共通することで。それ以降は乗客が減少、そして、複線化が困難な道路事情、鉱害による地盤沈下などが足を引っ張る形で、1952年(昭和27年)には運行を休止、その後、正式に廃線となる。

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【2022年10月24日16時42分】 福岡県大牟田市久保田町・大牟田駅西口

それにしても、メカに疎い<変態鉄>。この電車を観察して気になったのは台車。これが旧型気動車に見られた菱枠構造の台車にしか見えなくて...
「なぜ気動車用の??」という感じだった。

さて、その車内。

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【2022年10月24日16時40分】 福岡県大牟田市久保田町・大牟田駅西口

現在はおしゃれなカフェ “hara hermony cafe” になっている。レシートにも「大牟田駅前広場 路面電車204号」と記載があり。
駅舎側と反対側の運転台側が大きく改造されており、ここがカフェのカウンターになっており。コーヒーを淹れるための機器やレジが置かれており。
若いお兄さんが1人で店番中。ホットコーヒー(380円)をオーダー。

「豆から淹れますので...」、ちょうど車内...店内に他の客がいないのを良いことに車内撮影の許可をお願いして。車内がそのまま残る駅舎側だけ...ということでお許しをいただき。

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【2022年10月24日16時45分】 福岡県大牟田市久保田町・大牟田駅西口(204号車内)

車内は半分ほどまでシートが残されているが、北側のシートは外され、窓を見ながらカフェのメニューが楽しめるカウンター席に改造されている。

車内照明は白熱灯のまま。座席は紺色のモケットのロングシート。2枚折戸の扉が西鉄の路面電車らしさだろうか。
この写真ではちょっとわかりにくいが、先述の台車、やはり、車輪径が大きく路面電車としては床面が高かったからだろうか、台車のところから運転台にかけて床には傾斜が付けられていて。

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【2022年10月24日16時45分】 福岡県大牟田市久保田町・大牟田駅西口(204号車内)

大きなマスコンが鎮座する運転台はこの時代の路面電車として標準的なレイアウトだろうか。

よく見ると、ワンマン用の機器の設置痕が残っているような。

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【2022年10月24日16時46分】 福岡県大牟田市久保田町・大牟田駅西口(204号車内)

実際、車内の窓柱部分には降車ブザーが設置されていたと思しき痕跡もあって。ワンマン化改造は福岡市内線に転じてからだろうか?

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【2022年10月24日16時47分】 福岡県大牟田市久保田町・大牟田駅西口(204号車内)

つり革には九州の地場の百貨店の広告が入ったままになっており。
たぶん、この姿で博多の街を走っていたのだと思われる。

こういう車輌保存について、「原型を維持し、弄るべきではない」という意見もあろうかと思うが、自分としてはこの車両、非常にうまく活かされていると感じた。ちなみに、おいしいコーヒーを飲みながら、しばし、寛ぐことができたことも言っておきたい。

……  ……

カフェを...204号車をあとに、すぐ後ろの西鉄大牟田駅に戻ると、ちょうどここまで乗ってきた5000形電車、折り返し福岡(天神)ゆきとして発車待ち。

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【2022年10月24日16時54分】 西鉄天神大牟田線・西鉄大牟田駅

夕方の退勤ラッシュが本格化した時間帯。ロングシートの通勤電車の窓からは西の空に沈んでいくオレンジ色の夕陽が眩しかった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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