年の初めは阪堺から(15)嗚呼、石津川。 [ちん電(阪堺電気軌道)]
今日の話題に入る前に。とうとう、来る日が来た...という感じ。いすみ鉄道キハ28 2346号車が11月末で定期運用を終了することが発表された。同車は来年のアタマに全般検査(つまり、車検)の期限を迎える。
聞くところ、キハ1両の検査には数千万円の費用がかかるということで、今回の引退は自分にとっては“想定の通り”ということでもあり。ことでんの「レトロ廃車計画」発表の時のような衝撃はなかった。
とはいえ、飛越ゴハチ...高山本線で最後の活躍をするときから、約15年間、追いかけてきた最後の1両の引退が決まった...ということはショックで。
【2021年1月2日11時42分】 いすみ鉄道・城見ヶ丘-上総中川
発表直後から、ネット上にも罵詈雑言を中心に(!?)、この引退に対する批判的な見方が渦巻いている。でも、いまの社長さんだから廃車にする...という見解で批判をしているのは違うように思う。
確かにいろいろな面で、現在のいすみ鉄道は“迷走”しているように見受けられる。時折、撮影に訪れても、地元の人からも最近の同社についてはロクな話を聞かない。ネット上で言われているような話もアレコレ。例えば、退職者が相次いでノウハウを継承できず、以前のようなイベントなども行われなくなった...とか。そのほかにも。
でも、補修部品の入手難など、まもなく製造から60年を迎えるキハ(1964年製)の保守が限界に来ているのは容易に想像できる。もし、いま新潟県内でご活躍の、あの社長さんが居たとしても、今度のニハチの全検は厳しかったのではないか...と思う。
2011年3月、まさに、あの震災の晩が、今回のキハ28 2346号車を含む、JR西日本でのキハ58系の最後の運転だったのである。(最終運転はもう一方の編成だったが...)
あの晩、富山駅で聴いた最後にホームを離れる際の長い汽笛の音、あれから10年間も、楽しませてくれたことに感謝している<変態鉄>なのである。
だからこそ、何とか静態保存だけでも実現しないものだろうか。あえなく解体処分...だけはしないで欲しいし、何とか良い形になれば良いが。もう1両のキハ52 125号車も、次の検査は厳しいかと思う。残された期間は僅か。でも、その間、できるだけ楽しみたいと思う。
さて、正月の阪堺電車の話題。
2日午後、ようやく動き出したモ161号車だったが、てっきり、あびこ道止まりで戻って来るかと思いきや、これが浜寺駅前ゆきでやって来たから、もうアタマの中はパニック状態。
でも、美しい姿を取り戻したモ161号車を堺市内区間で撮れる、まさに、千載一遇のチャンス。
…… ……
2022年1月2日(日)晴れ
とにかく...
大急ぎでバッグにカメラを仕舞ったら、後続の浜寺駅前ゆきに。やはり、堺市内区間で撮りたい。同じ阪堺線でも大阪市内区間とは全然、雰囲気が違う。大道筋のセンターリザベーション区間も“堺市内らしい”が、それよりも...
大和川と石津川、堺市内で2箇所の鉄橋を渡る。今回、<変態鉄>は、やはり、石津川鉄橋で狙うことにしたのだった。
ほぼ南北方向の路線だけに、真横からのカットは光が回らないかと思えば、上流側(東側)の側面に光があるようで...
普段の12分間隔とは違って、浜寺での折返しのタイミングが分からない。石津電停に着いたら、もう大急ぎで。
【2022年1月2日12時51分】 阪堺電軌阪堺線・船尾-石津
間に合った!!
電停前の商店街を進めば、すぐに川沿いに出る。そこから線路を背にしばらく歩いたところ、ゴミステーション付近が<変態鉄>の、いつものポジション。サイドから石津川鉄橋を見ることができる。
背後には南海電車の鉄橋と、阪神高速道路の高架が見えている。そんな中、姿を現したモ161号車である。
【2022年1月2日12時51分】 阪堺電軌阪堺線・船尾-石津
電車は石津電停に向かって減速しながら、左から右へと視界の中を横切る。その間、ずっと連写していたが、お目当ての地点に来た瞬間は...嗚呼。
まさかの...だった。そう、周囲に他の<鉄>が居なかったのは、これが原因だったのかも。う~ん、ショック!!
【2022年1月2日12時56分】 阪堺電軌阪堺線・石津電停
撮り終えて、ホッとしながら石津電停に戻り、後続の天王寺駅前ゆきを待つ間、撮った画像を見直していて愕然としたのである。
そう、電車を斜めに横切るように架線柱の影が思いっきり落ちていて...。太陽の光は南から射している時間帯だけに、このように車体に影が落ちるのは、冷静に考えれば明らかなことだった。
さすがにコレはショックを受けずには居られない1枚になった。
でも、そう落ち込んでばかりは...。すぐに後続の天王寺駅前ゆきに乗って。
【2022年1月2日13時49分】 阪堺電軌上町線・北畠電停付近
通常ダイヤでは浜寺駅前まで来る電車は、その後も基本的に天王寺駅前-浜寺駅前を往復し続けるが、正月の臨時ダイヤは複雑で難解、天王寺駅前 - 浜寺駅前 - 天王寺駅前 - あびこ道 - 天王寺駅前 のようにサイクルすることもあって。
ということで、モ161号車を確実に撮るには上町線沿線に戻る必要があって。
やって来たのは、いつもの北畠電停だった。2日連続とはなってしまうが、元日のドン曇りから打って変わっての青空。同じ撮り方でも雰囲気の違う1枚になるかと。
【2022年1月2日13時51分】 阪堺電軌上町線・北畠-姫松
「堺トラム」は光の当たり方で、写真の感じが大きく変わる難しい被写体...だと思っているのだが、陽射しがあると車体が良い感じに“ギラリ!!”してくれるのは嬉しいところ。
瀟洒な住宅街の電車通りを走る超低床連接車、そのバックには「あべのハルカス」。
そして、待つこと暫し。
【2022年1月2日14時02分】 阪堺電軌上町線・北畠電停付近
さぁ、いよいよ。このあたり、同じ通りではありながら帝塚山周辺より人もクルマも少ないようで。だから撮りやすいのだが、ただ、不意に飛び出してくる歩行者や自転車には要注意なのである。
「ここに来た瞬間に、こういう風に撮って...」と想定はしているが、その通りには撮れないのが路面電車撮影の“宿命”。だからこそ、緊張する瞬間なのである。何というか、祈るような気持ち。
【2022年1月2日14時03分】 阪堺電軌上町線・北畠電停付近
晴明丘公園の信号を通過して、ファインダー内にいっぱいに広がってくる、この深緑色の車体。
元日のようなドン曇りと、このような青空の下では、見え方が全然違うのがこの緑色を撮ることの難しさだろうか!?
【2022年1月2日14時04分】 阪堺電軌上町線・北畠電停付近
後ろには、チラッと、あべのハルカス。モ161号車の“順光・晴れカット”を撮ることができたのだった。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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聞くところ、キハ1両の検査には数千万円の費用がかかるということで、今回の引退は自分にとっては“想定の通り”ということでもあり。ことでんの「レトロ廃車計画」発表の時のような衝撃はなかった。
とはいえ、飛越ゴハチ...高山本線で最後の活躍をするときから、約15年間、追いかけてきた最後の1両の引退が決まった...ということはショックで。
【2021年1月2日11時42分】 いすみ鉄道・城見ヶ丘-上総中川
発表直後から、ネット上にも罵詈雑言を中心に(!?)、この引退に対する批判的な見方が渦巻いている。でも、いまの社長さんだから廃車にする...という見解で批判をしているのは違うように思う。
確かにいろいろな面で、現在のいすみ鉄道は“迷走”しているように見受けられる。時折、撮影に訪れても、地元の人からも最近の同社についてはロクな話を聞かない。ネット上で言われているような話もアレコレ。例えば、退職者が相次いでノウハウを継承できず、以前のようなイベントなども行われなくなった...とか。そのほかにも。
でも、補修部品の入手難など、まもなく製造から60年を迎えるキハ(1964年製)の保守が限界に来ているのは容易に想像できる。もし、いま新潟県内でご活躍の、あの社長さんが居たとしても、今度のニハチの全検は厳しかったのではないか...と思う。
2011年3月、まさに、あの震災の晩が、今回のキハ28 2346号車を含む、JR西日本でのキハ58系の最後の運転だったのである。(最終運転はもう一方の編成だったが...)
あの晩、富山駅で聴いた最後にホームを離れる際の長い汽笛の音、あれから10年間も、楽しませてくれたことに感謝している<変態鉄>なのである。
だからこそ、何とか静態保存だけでも実現しないものだろうか。あえなく解体処分...だけはしないで欲しいし、何とか良い形になれば良いが。もう1両のキハ52 125号車も、次の検査は厳しいかと思う。残された期間は僅か。でも、その間、できるだけ楽しみたいと思う。
さて、正月の阪堺電車の話題。
2日午後、ようやく動き出したモ161号車だったが、てっきり、あびこ道止まりで戻って来るかと思いきや、これが浜寺駅前ゆきでやって来たから、もうアタマの中はパニック状態。
でも、美しい姿を取り戻したモ161号車を堺市内区間で撮れる、まさに、千載一遇のチャンス。
…… ……
2022年1月2日(日)晴れ
とにかく...
大急ぎでバッグにカメラを仕舞ったら、後続の浜寺駅前ゆきに。やはり、堺市内区間で撮りたい。同じ阪堺線でも大阪市内区間とは全然、雰囲気が違う。大道筋のセンターリザベーション区間も“堺市内らしい”が、それよりも...
大和川と石津川、堺市内で2箇所の鉄橋を渡る。今回、<変態鉄>は、やはり、石津川鉄橋で狙うことにしたのだった。
ほぼ南北方向の路線だけに、真横からのカットは光が回らないかと思えば、上流側(東側)の側面に光があるようで...
普段の12分間隔とは違って、浜寺での折返しのタイミングが分からない。石津電停に着いたら、もう大急ぎで。
【2022年1月2日12時51分】 阪堺電軌阪堺線・船尾-石津
間に合った!!
電停前の商店街を進めば、すぐに川沿いに出る。そこから線路を背にしばらく歩いたところ、ゴミステーション付近が<変態鉄>の、いつものポジション。サイドから石津川鉄橋を見ることができる。
背後には南海電車の鉄橋と、阪神高速道路の高架が見えている。そんな中、姿を現したモ161号車である。
【2022年1月2日12時51分】 阪堺電軌阪堺線・船尾-石津
電車は石津電停に向かって減速しながら、左から右へと視界の中を横切る。その間、ずっと連写していたが、お目当ての地点に来た瞬間は...嗚呼。
まさかの...だった。そう、周囲に他の<鉄>が居なかったのは、これが原因だったのかも。う~ん、ショック!!
【2022年1月2日12時56分】 阪堺電軌阪堺線・石津電停
撮り終えて、ホッとしながら石津電停に戻り、後続の天王寺駅前ゆきを待つ間、撮った画像を見直していて愕然としたのである。
そう、電車を斜めに横切るように架線柱の影が思いっきり落ちていて...。太陽の光は南から射している時間帯だけに、このように車体に影が落ちるのは、冷静に考えれば明らかなことだった。
さすがにコレはショックを受けずには居られない1枚になった。
でも、そう落ち込んでばかりは...。すぐに後続の天王寺駅前ゆきに乗って。
【2022年1月2日13時49分】 阪堺電軌上町線・北畠電停付近
通常ダイヤでは浜寺駅前まで来る電車は、その後も基本的に天王寺駅前-浜寺駅前を往復し続けるが、正月の臨時ダイヤは複雑で難解、天王寺駅前 - 浜寺駅前 - 天王寺駅前 - あびこ道 - 天王寺駅前 のようにサイクルすることもあって。
ということで、モ161号車を確実に撮るには上町線沿線に戻る必要があって。
やって来たのは、いつもの北畠電停だった。2日連続とはなってしまうが、元日のドン曇りから打って変わっての青空。同じ撮り方でも雰囲気の違う1枚になるかと。
【2022年1月2日13時51分】 阪堺電軌上町線・北畠-姫松
「堺トラム」は光の当たり方で、写真の感じが大きく変わる難しい被写体...だと思っているのだが、陽射しがあると車体が良い感じに“ギラリ!!”してくれるのは嬉しいところ。
瀟洒な住宅街の電車通りを走る超低床連接車、そのバックには「あべのハルカス」。
そして、待つこと暫し。
【2022年1月2日14時02分】 阪堺電軌上町線・北畠電停付近
さぁ、いよいよ。このあたり、同じ通りではありながら帝塚山周辺より人もクルマも少ないようで。だから撮りやすいのだが、ただ、不意に飛び出してくる歩行者や自転車には要注意なのである。
「ここに来た瞬間に、こういう風に撮って...」と想定はしているが、その通りには撮れないのが路面電車撮影の“宿命”。だからこそ、緊張する瞬間なのである。何というか、祈るような気持ち。
【2022年1月2日14時03分】 阪堺電軌上町線・北畠電停付近
晴明丘公園の信号を通過して、ファインダー内にいっぱいに広がってくる、この深緑色の車体。
元日のようなドン曇りと、このような青空の下では、見え方が全然違うのがこの緑色を撮ることの難しさだろうか!?
【2022年1月2日14時04分】 阪堺電軌上町線・北畠電停付近
後ろには、チラッと、あべのハルカス。モ161号車の“順光・晴れカット”を撮ることができたのだった。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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