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消印の中の鉄道情景(69)江見駅郵便局(千葉県) [消印の中の鉄道情景]

江見駅は鴨川市内にある内房線の小さな駅。2面2線の対向式ホームの駅である。
国鉄時代に無人化されて鴨川市に業務委託されていたが、駅舎の建て替えに合わせて、近くの江見郵便局を駅舎内に移転し「江見駅郵便局」として駅舎と郵便局が同居する...というよりは、郵便局が駅の業務を担当する初めての駅として再スタートしたのは昨年8月末。

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駅舎内に郵便局がある...というのは全国的にそれほど珍しいことではなく、愛知県の金山駅などが知られている。
でも、「駅ビル・駅舎の中に郵便局がある」というだけでなく、郵便局に駅業務を委託する形で駅舎に郵便局が“同居”するのは、全国でも初めてのこと。
駅に市役所が移転してきたというフラワー長井線の長井駅を訪れたが...
ヒトとモノの流れが、かつては“街はずれ”だったバイパス道路沿いに移り、駅のある古くからの市街地が時代に取り残されたようになっている例は全国にみられる。例えば大多喜だって。

公共施設と駅舎を一体化するというスタイル、今後の展開も注視していきたい。

さて、ということで「江見駅郵便局」。やはり...というか、<鉄>な風景印があって。

……  ……

江見駅は房総の駅の“標準仕様”のような2面2線式の駅、ホームの上り端(館山側)に上屋のない跨線橋があって。

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【2021年8月27日15時06分】 内房線・江見駅

いまでは毎時1本程度、E131系のワンマン電車が発着するくらい。木更津ゆきの電車の後ろに青い屋根の真新しい駅舎が見えている。ここが江見駅郵便局。
ホームからガラスの自動ドアを通って駅舎...というか局舎内へ。

「エキナカではない」という注意書きが掲示されており。つまり、郵便局は改札外の扱い、注意書きにも書かれているように東京近郊区間の“大回り乗車”でこの郵便局に立ち寄るなら乗り越し清算になると。

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【2021年8月27日14時24分】 内房線・江見駅(江見駅郵便局)

壁面に路線図や時刻表などが掲示されている以外、ほぼ普通の郵便局と変わらず。
ただ、「郵便」「貯金」「保険」の窓口に加えて、一番、線路側のカウンターが「JR窓口」になっているのが、この郵便局ならでは...ということになろうか。

さて、その風景印。

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駅舎を正面(海側)から見た姿と、その下に電車があしらわれた意匠である。

局舎は...

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【2021年8月27日14時40分】 内房線・江見駅

確かに風景印の意匠、よく特徴を捉えている。

そして、描かれている電車は...

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【2021年8月27日8時00分】 内房線・袖ヶ浦駅

どう見ても209系電車である。
この郵便局の開業当初は確かに209系だったが、残念ながら半年後にはE131系への置き換えが。
ただし、こちらも非常によく雰囲気を捉えている。209系当時の最小編成が4両だったので、それも正しく描写され。

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そして、設置されたスタンプにあるように...

駅舎というか局舎の前に置かれたポストが...

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【2021年8月27日14時41分】 内房線・江見駅(江見駅郵便局)

ぬぁんと、ポストは赤いという常識を覆す、スカ色(青15号+クリーム1号)である。

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【2021年8月27日14時26分】 内房線・江見駅(江見駅郵便局)

説明を印刷した紙が貼られており。

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【2009年5月4日8時06分】 篠ノ井線・長野駅

国鉄最末期まで郵便物の輸送にも鉄道が使われていた。側窓に「〒」のマークが入った形式「ユ」の車両が郵政省の私有車も含めて多数存在し...
この区間で活躍したクモユニ74012号車をイメージしたとのこと。73国電改造の郵便荷物車は、あいにく実見していない世代。写真と模型で知っているくらい。改造後間もなかったものを中心に、国鉄末期に一斉に用途廃止になって淘汰されたが、一部、事業用車としてJRに承継されたり、また、房総は道路整備が比較的遅かったので、ごく例外的に残された車両もあって。

新性能車だが、クモユニ143系のスカ色の車両には10年ほど前の長野駅で偶然、出会っている。
そもそも、郵便の鉄道輸送のために各都道府県の「中央郵便局」というのは国鉄の駅の隣に置かれるのが通例となっており、専用通路などを持っていたところもあったと聞く。

そう考えると駅と郵便局というのは明治の時代から結びつきが強いものであったわけで、この江見駅郵便局というもの自体、ある種、“歴史は繰り返す”ということなのかも知れない。
そんなことを考えながら、郵便局内の椅子にすわって次の電車を待ったのだった。

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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