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ことでんレトロ最後の春(1)ぷろろーぐ [高松琴平電鉄]

「蔓延等防止重点措置」、つまり“蔓防”が発令されて。新宿勤務の<変態鉄>、昼食時などに人の動きを見ていると、新宿駅の地下通路、人の数がちょっと減ったような。ただし“こころもち”である。あまり、実感は無く。1年前のあの緊張感は何だったのだろうか??

ホンの...

ホンの僅かである。
でも、いつの間にか、“外食 = 悪”みたいな変なイメージが定着して。でも、行列ができている店にはちゃんと行列ができているという不思議。京王新線新宿駅から新宿駅西口方面へと続く地下通路も、最近では「閉店しました」の貼り紙が出てシャッターが下ろされたままのテナントが増えてきた。
そんなことが気になる<変態鉄>なのである。

さて、3月下旬は<変態鉄>にとって年間で一番、仕事がキツくなる時期である。

であるにもかかわらず、Twitter に流れてきたのはJR四国系の旅行会社の募集団体列車。
何でも国鉄型のキハ185系と、ことでんレトロを組み合わせて、

高松 → 琴平 → 高松築港 → 仏生山 → 琴平 → 高松

という<鉄>以外には、絶対にメリットのない変な行程。

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【2021年3月26日9時39分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅

ことでんレトロを撮る者なら確実に分かるのは、仏生山車両所から琴平への送込み・返却の回送が設定される筈ということ。つまり、最大で1日4回もレトロ電車の撮影機会が得られて。これは<撮り鉄>としても、かなりおトクな...

でも、3月下旬のこの時期、冒頭にも書いたように<変態鉄>の業務は土日関係なく、休みを取ること自体ままならぬ状況。しかも、なぜか今年は申し込み状況が好調すぎて...、仕事を増やされそうになったことに激怒した<変態鉄>、上司に怒りをぶつけて一触即発の事態に。

そんな日々だったのだが、でも、よく見れば...
2回催行される中で、その初回が26日(金)、ため息交じりにスケジュールを見てみると、ぬぁんと26日(金)は幸運にも一応、公休日になっているのである。
「意地でも、どんなことになっても出社しない!!」と強く決意してヒコーキを...

ただし、25日の晩は遅くまで業務、27日も朝一番で出社だったので、朝のヒコーキで高松、夕方最後のヒコーキで羽田という、毎度の強行軍である。

しかし...

……  ……

この旅行会社の公式ツイッターを見ている限り、最少催行人数には達しておりツアーは行われそうな感じ。それでも、参加する...ではなく沿線で撮る側にとって重要なのは“スジ”、つまり、運転時刻である。少なからず、ネット上に暴露されているものなのだが、今回は全然、見つけることができなかった。
やはり、このコロナ禍、さらに、ことでんレトロが、この5月で引退とあって注目度が上がっていること、ことでんが神経質になるのは無理のないことなのである。スジに関する情報はネットを、ちょっと探しただけで見つけられるようなところには落ちていないのである。

物心つく頃から情報化社会だった若い世代の<鉄>の皆さんは、ここで諦めてしまうかもしれないが、ネット時代になる前から生きているオッサンの逞しさ。とりあえず、できるだけ早く現地に行って待っていれば、撮れるなら撮れるのである。情報がないなら待つしか無い、昔はそれがフツーだったのである。

それにしても今回のツアー...

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【2015年10月26日17時46分】 牟岐線・徳島駅

この塗装ではないが、高松駅から国鉄型ディーゼル特急キハ185系で土讃線を琴平、そこから、ことでん琴平線をレトロで1往復して、再びキハ185系で高松へ戻る...という行程。
別に金比羅さんに立ち寄るなど、そういう要素はまるで無く。<鉄>以外、絶対に参加しなさそうなツアーである。

“国鉄型”というのは<変態鉄>として、非常に気になる存在だが...

ただ“国鉄型キハ”といってもキハ185系は分割民営化が決まってから投入された四国オリジナルの特急車(後に九州に譲渡され、JR九州でも走っているが...)。これが、キハ47系(首都圏色)なら、レトロを撮るかキハを撮るか悩みに悩んだかもしれない。

ということで、レトロ電車に専念することは決めたが、その運行ダイヤに関する情報は探しても見つけることができず。

ただし、情報が無くても、ことでん琴平線の臨時列車、そのダイヤの予想はそれほど難易度が高い方ではなくて。
琴平線の仏生山-琴電琴平間はすべて単線である。琴電琴平駅をレトロ電車で出発するのが11時半過ぎということはネット上のツアーのパンフから分かった。レトロ電車は仏生山車両所に居る筈で、ここから琴電琴平駅まで送込み回送が設定される。

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【2020年11月22日12時44分】 高松琴平電鉄琴平線・琴電琴平駅

いままでなら、琴電琴平駅で長時間、留置されるというパターンも無くは無かったが、そうすると駅付近に<鉄>の密集が生じる。留置線の電車を眺めようと線路際や琴電琴平駅ホーム上に人混みができて、その雑踏の対応に...
と、考えれば仏生山駅から琴電琴平駅までの“送込み回送”は10時台に出発、11時過ぎに到着...という“スジ”としか考えられない。
しかも単線の琴平線、日中は30分ヘッドの運転...、全駅に交換設備がある訳ではないので臨時電車(回送)のダイヤもパターン化されており、そう考えれば、この日のレトロの“スジ”も2通りくらいの候補に限定されるのである。

朝一番の羽田からの高松ゆきNH531便は9時前に高松空港、三脚を受け取ってリムジンバスに乗っても9時半までには「空港通り一宮」バス停に着けるはず。決して余裕はないが、それでも下りの送込み回送は、どこか沿線の撮影地で撮ることが可能なのである。

往路、復路の回送と団体列車としての1往復、合わせて4回の撮影機会が得られる筈である。

一番心配だったのは朝起きること。渋谷からのリムジンバスは相変わらず減便運行になっていて、朝5:50発に乗らないと間に合わない。ということで、4時起床5時過ぎに出発...と相成った訳である。



2021年3月26日(金)晴れ

5時に自宅を出発。早朝の井の頭線は意外と混んでいるのである。幸い、<変態鉄>の最寄り駅の時点では座れないことは無いが、明大前あたりからは立っている人もいるくらい。スーツ姿で出勤姿の人と夜通し遊んだと思しき若者の集団が混じり合って、けだるい雰囲気の車内。
渋谷駅には5時半過ぎ。普段とは逆、後側の西口改札へ。正面側がいくらオシャレな高層ビルが建ち並ぶ街に変わっても、西口側にはゴチャゴチャ感満載の昔ながらの“歓楽街”としての渋谷が残っているのである。

この時間帯、まだマークシティは閉まっており。一度、1階の改札を出てから1基だけ稼働しているマークシティのエレベータで5階へ。

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5階が高速バス乗り場である。ビルの5階が...というのが、渋谷の“谷”たる所以だろうか。玉電の線路跡が一部、バス用の通路に転用されており。
さて、その5階、いつもはこの時間だとバスは入線して待機していたような気がするが、ダイヤが変わったのか遅れているのかバスは居らず。ということで、隣にある待合室に入ってみた。狭いスペースは効率的な配置になっていて、OA用のコンセントがあったりと意外と便利。
わずかな待ち客は、<変態鉄>と同じ5:50発の羽田空港ゆきを待っているのだろうか。

その待合室の奥に自動券売機があって。ぬぁんと...

そこにあったのは羽田空港ゆきの往復きっぷ。いつもバス車内のICカードリーダにタッチして乗っていたが...
片道1,050円の筈だが、ぬぁんと、往復で1,600円。今まで何度も乗ったのに損していた...ということか。

“無知は鞭よりも痛い”、<ケチ鉄>として悔やまれる部分である。改めて東急バスのウェブサイトを確認したら、ちゃんと書かれていた。う~ん。

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【2021年3月26日6時37分】 東京都大田区・羽田空港第2ターミナル

空港は一時期よりは人の数が増えただろうか。三脚単体では手荷物自動預け機は使用できず、いつもカウンターに並ぶのだが、この日はゴルフバッグやサーフボードだろうか、大きな荷物を預ける行楽客や家族連れが目立っていたように思う。

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【2021年3月26日6時40分】 東京都大田区・羽田空港第2ターミナル

さぁ、ちょっとだけ時間があったので、まずは展望デッキへ。

逆光なので写真は撮りにくいのだが、朝の日差しを浴びてキラキラと輝く東京湾、そしてヒコーキたち。
こういう情景をキチンとした“作品”にまとめられるような人になりたい...と思って数十年。相変わらずである。

ほぼ定刻通りの快適なフライトだった。9時過ぎのリムジンバスで。
「空港通り一宮」バス停で下りると、バスが通ってきた陸橋の真下に琴平線の線路。空港通り駅に到着する高松築港ゆきの黄色い電車の姿が見えた。

...ということで、仏生山駅まで歩いて行くことに。

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そう、いくら“予想”はしていても、もしかしたら、レトロ電車の回送時刻は早まっているかもしれない。
気もそぞろ。

はやる気持ちを...、仏生山の交差点を過ぎれば正面に見慣れた駅が見えてくる。歩いていたのは10分余りだが、何だか長く感じるもので。

駅ヨコの“展示スペース”にレトロの姿は無く。窓口で1日フリーきっぷを買ったら...

「居たぁ!!!」

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【2021年3月26日9時36分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅

良かった。まだ回送は発車前。パンタは上がっているが、まだ動き出しそうな気配がないのも確認済み。乗務員の姿もなく。

とりあえず琴電琴平ゆきで撮影地に向かう訳で、それまでの時間、ホームに停車中の姿を。
でも、もちろん、こちらも忘れずに。

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【2021年3月26日9時36分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅

久々に会う“仏生山のヌシ”、その姿にちょっと安心して。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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