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車内放送のコレクションから。1997年11月8日 特急寝台「あかつき」お休み放送 [車内放送]

昨日までで2021年の趣味活動を総括する記事を終えて、拙ブログも大晦日はお休みの予定...だった訳など無く。

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【2020年12月31日15時33分】 小湊鐵道・上総三叉-上総山田

実は今日は<速報版>にする予定だった。考えていたのは小湊キハ、実は昨年の“撮り納め”も大晦日の小湊キハだった。夕陽に照らされるキハ200形の姿を上総三又駅近くで撮って...
今年もほぼ同じような感じで考えていた。でも...
悩んだ挙げ句、出かけるのを断念したのである。その<速報版>のために、1日前倒しする形で2021年のまとめの記事を昨日まで2日連続で。
ということで、そのポッカリ空いてしまった穴の部分(笑)、引き続き、10月の吉ヶ原の話題を紹介しても良かったのだが、明日から<速報版>になることは決まっており...というか、明日以降、自宅でフツーの記事を書いていてはマズいのである。

さて、ということで、学生時代に、MDで録音してあった車内放送のコレクションから。

以前、「録った時は“成功”と思って聴きなおしたら“失敗”だと思ったケース」として、1997年11月の山陰線特急「いそかぜ」の車内放送をご紹介した(→ こちら)。
今度は、逆に「録った時は“ボツ”と思っていたが23年後に聴きなおしたら“貴重な記録”だと思えるようになった」録音データをご紹介したい。



1997年11月8日の晩、京都駅を発って長崎と佐世保に向かう特急寝台「あかつき」号、姫路駅を発車した後の“おやすみ放送”である。
MDでの車内録音1年目、まだまだ経験が...、失敗の連続だった。

ほかの乗客の話し声を拾わず、車内放送をクリアに録れるかと、個室寝台を確保して...
でも、それが裏目に。コレはショックだった。

……  ……

最近の列車内は静かになったと思う。子どもの泣き声や酔っ払いの騒々しさは変わらなくても、通学列車でも、車内は列車の走行音しか聞こえない...など以前では考えられないほど列車内で人の話し声がしないことが増えた。
そう、その“原因”はスマホである。昔だったら、旅先で通学列車に乗り合わせてしまうと、車内はもう大騒ぎで...、強烈な場違い感を味わいながら、ただただ時が過ぎるのを待つことが多かったが。最近はローカル線などで通学時間帯の列車に乗り合わせても...
イマドキの高校生たちは、同級生や先輩と軽く挨拶した後は下を向いて自分のスマホに夢中、話し声がしないのである。

90年代当時、列車内は意外と話し声が多く。<車内放送マニア>の自分としてはできるだけ、アナウンスをクリアに録るために、他の乗客がいない環境を探して求めていた。深夜や早朝の列車を狙ったり、山陰特急の米子-松江間のように車両基地への出入庫を兼ねていると思われる区間を探して乗ってみたり...フツーの人から見たら謎な行動ばかり。
当時は特急券なども窓口で発券してもらっていた時代なので、その可笑しすぎる乗車区間に、窓口氏に訝しがられることの連続だった。

その中でも、やはり、長距離列車、特に夜行列車は経験豊富な車掌さんが乗務することが多く、落ち着いた口調の車内放送はマニアの憧れでもあった。

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【2020年12月6日10時23分】 千葉県いすみ市作田・ポッポの丘

寝台列車の車内も意外と賑やかだった。通学列車ほどではなくてもオッサンのグループなど。旅行に行くときの解放感とか高揚感とかだろうか。駅の売店で買った缶ビールやらおつまみやらを並べて...

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ということで、ビンボー学生が意を決して(笑)、乗ってみたのは個室寝台車。それなら、壁で隔てられている分、周囲の音は入ってこないだろうと。
このときは、久大本線に残る普通客車列車を撮りに行こうと。京都駅近くで夕食を済ませたら早朝の鳥栖駅まで特急寝台「あかつき」号で。当時の「あかつき」、まだ、長崎ゆきと佐世保ゆきを併結していた時代。
機関車次位には個性的な塗装のレガートシート車、その後に14系15型寝台車が連なり。2号車はB寝台個室「ソロ」、その寝台券を携えて。

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【2000年3月2日】 長崎本線・長崎駅

メモには、オハネ15 352号車と記録が残っていた。当時はブログなど考えてもいなかったので、お目当ての列車以外にはカメラを向けることもなく。そもそもホームでスナップする程度だったのである。
始発の京都駅から乗ったのだが...

どうやら車内のスピーカーの調子が悪い車両に当たってしまったようで。京都駅発車後の放送は途切れ途切れで聞き取れない位だったみたい。
当時の<変態ガキ鉄>としては、これはショックだったに違いない。

そして、普段よりもちょっと遅く、姫路駅を発車して10分以上が経過してから「おやすみ放送」が流れたのだった。

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【2000年3月2日】 長崎本線・肥前山口駅

この日の車掌さんは非常に丁寧なアナウンスで。

「夜行列車での長旅、お疲れ様でございます」で始まるのは、当時、JR九州の車掌さんの放送で聞くことができたフレーズである。

「お休みの方もいらっしゃいますので、これから先の放送は特別の場合を除き、6時40分頃まで休ませて頂きます」というのが“お休み放送”、停車駅ごとの到着時刻が再び読み上げられ。「肥前山口」という駅名も、まもなく過去のものとなるわけで。
“佐世保あかつき”も懐かしい。最後には「お客様へお願いですが...」、貴重品の扱いから始まっていろいろな...テロ対策のアナウンスが無いのが今との違い。
ちょっと残念なのは、放送の最後にはオルゴールが演奏されなかったこと。5分近い長いアナウンス、長距離の夜行列車に相応しい内容に<変態鉄>としては大喜びだが...

放送の冒頭あたりで、どこかの席で大きなクシャミをした人が居て...
でも、それより気になるのはドアをガチャガチャする音。お休み放送に合わせて車内が消灯される。その前に車掌さんがもう一度、個室寝台車を巡回して。空室になっている個室に誰かが紛れ込んで、中から鍵をかけたら分からなくなるわけで。
空室になっている個室を1つ1つチェックしていくのだった。その音がずっと聞こえていて。

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【2000年3月】 佐世保線・佐世保駅

当時の<変態ガキ鉄>には、それが単なるノイズにしか感じられなかった。
23年ぶりに音源をパソコンに取り込んで、改めて聞き直してみたら、超の付く好放送。あばたもえくぼ...的な。その車掌さんが個室をチェックして回るのも、90年台の特急寝台列車らしさに感じられるようになって。

いまではその「お休み放送」を聞くことが出来るのは「サンライズ」だけとなって。下りは小田原駅付近を通過中に流れていたように記憶しているが...
確か非常に簡素なアナウンスだったはずで。

……  ……

当たり前に存在しているときに単なる失敗と思って放っておいた記録が、何年も経って、それが過去の出来事になったときに貴重な記録になる...写真についても同じ事が言えそう。
2022年も、<変態鉄>らしい切り口で、気になる鉄道情景を探していきたい。実はちょうどICレコーダも新しくしたところ。また、車内録音にも力を入れてみたいと思っている年の瀬だった。


皆さま、2021年も本当にありがとうございました。どうぞ、良い年をお迎えください。
元日よりしばらく出かけていることが多くなります。いただいたコメントの返信が遅くなることもあるかと思います。どうぞご了承ください。
このような拙いブログではありますが、2022年もどうぞよろしくお願いいたします。


(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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サットン

今年も様々な鉄道情景を見せて(聞かせて)いただきありがとうございました。
来年もお体に無理がかからない範囲での更新を楽しみにしております。
それでは良いお年をお迎え下さい。
by サットン (2021-12-31 23:48) 

ferrum_queserasera

サットンさん

コメントありがとうございます。
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
今年もどうぞよろしくお願いします。
by ferrum_queserasera (2022-01-01 19:41) 

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