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2021/10 倉敷へ、鳥取へ(14)11年越しのリベンジ [<鉄>な撮影記・旅行記録]

岡山県北部の中心地が津山、歴史ある城下町である。津山と岡山は古くから旭川の高瀬舟による水運でモノも人も行き交ったという。その中間にあたる位置にあるのが福渡。
その昔、この福渡には、その船の発着場があって賑わったのだとか。いまは川沿いの小さな集落といった感じである。

津山線の列車は、岡山からの津山ゆき、つまり、上り列車だとその福渡駅に入る手前で旭川鉄橋を渡る。渡った先が福渡の集落、左カーブで旭川に平行な向きに進路を変えたところが福渡駅。
岡山から津山に向かう時も、また、その逆の時もちょっと飽きてくるタイミングで、この福渡駅に到着する。でも、この駅にはちょっと気になることがあって。2010年11月、初めてこの駅で下車したのだった。

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【2021年10月21日9時05分】 津山線・福渡-建部

いや、それは、この駅に興味があった...というよりは、旭川鉄橋が有名な撮影地だから...である。
でも、この福渡の旭川の河原、それは自分にとって、11年前、2010年11月、ここの地で実に悔しまれる...、“大撃沈”をした思い出の場所でもあるのだ。

撮りたかった、あの列車は来ないけれど、11年越しのリベンジ。そのための早朝出発でもあった。

……  ……

2021年10月21日(木)晴れ

岡山駅を7:32発の第2924Dはほぼ満員の乗客で発車。その多くは学生さんで車内は意外と賑やか。最初の停車駅・法界院駅は岡山大学のキャンパスにもほど近い住宅街の中にある駅で、ここでもまとまった乗車が。

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【2021年10月21日7時21分】 津山線・岡山駅

せっかくの「ノスタルジー」編成だが車内を観察することなどはできずに...。

ちょっと驚きだったのは、この「ノスタルジー」編成もキハ47形、2両編成なので、もちろんワンマン運転なのである。でも、後部車両のドアを締め切っている様子は無く。
無人駅も多いはずだが、「切符は駅の集札箱へ」と。通勤通学利用者が多く、つまり、定期券利用者ばかりなので、そういう時間帯は“信用乗車制”になっているのだろうか??

その満員の車内。金川駅で一斉に皆さん下車。一転、車内が閑散となって。
ということで、車内の様子をちょっとだけ。

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【2021年10月21日8時16分】 津山線・第2924D列車(キハ47-1036)内

優先席(ロングシート部)はJR西日本標準のイラスト入りのシートモケットだが、ボックス席のところは国鉄時代の紺色のものに復元されており。白いカバーも懐かしい。

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【2021年10月21日8時21分】 津山線・第2924D列車(キハ47-1036)内

JRに承継されてから冷房化改造されているが、天井には扇風機もそのまま残っており。その扇風機も「JNR」のロゴが入ったものになっている。

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【2021年10月21日8時24分】 津山線・第2924D列車(キハ47-1036)内

そして、ボックス席のところの窓際の小さなテーブルには「センヌキ」が。

そんな様子を撮っている間に、わずかな乗客を乗せて、第2924D列車「ノスタルジー」は建部駅を出て、まもなく終点の福渡駅。

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【2021年10月21日8時40分】 津山線・福渡-建部

その福渡の街は、旭川沿いに走る津山線と国道53号線(岡山街道)、川沿いのわずかな土地に縦長に広がる小さな集落といった感じ。駅前には商店もあるが、何だか時が止まったような...
岡山街道に出て少し歩けば、津山線の線路が頭上を...

旭川の河原は広くて、地元の方たちがジョギングしていたり、散歩していたり...

上路式の撮りやすそうなガーター橋は、昔からの津山線定番の撮影地。
そう、ここでキハの写真を...、11年越しの“リベンジ”である。

……  ……

11年前の秋。2010年11月のこと。

「みまさかスローライフ」用に岡山支社に残っていたキハ58系編成がとうとう引退することになった。そのお別れ運転はゴハチニハチ最後の“みまスロ”から半月、2010年11月21日に行われ。普段の因美線ではなく津山線を津山-岡山で1往復。
その情報を知って、ちょうど1ヶ月前に吉祥寺の旅行会社に駆け込んで。そう、夕方の復路(津山-岡山)の指定席券を確保できて...

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【2010年11月21日11時05分】 津山線・建部-福渡

その往路を撮る...ということで、訪れたのがこの旭川鉄橋だった。

でも...

この前月、三脚にカメラを載せたままレンズ交換する...という、いい加減なことをしていた自分が悪いのだが、ズームレンズを地面に落として...。
コンクリートの地面に思いっきり叩きつけられたレンズ。でも、修理費用が勿体ないという<ケチ鉄>精神と、撮影予定が続いていたので「調子が悪いなぁ」と思いつつも、そのままにしていたのだった。
そう、この日の写真。帰宅してパソコンに取り込んでみれば、どれも画面が滲んだようになっており...

ショックだった。これは、思いっきり落ち込んだ。いや、すべて自分が悪いのだが...

当時、新宿にあった Canon の窓口に持ち込めば、Canon の担当者さんが手にとった瞬間、「レンズの軸が完全に曲がっていますね」と。返ってきた答えは“修理不能”、既に型落ち、製造終了品だったレンズ。
在庫も無かったということでで今の“28-300”に交換となったのである。(こういうとき、「もし修理できたとしたら...」で料金を計算し、それで新品レンズと交換となる。保証書には Canon の新宿のサービス窓口の印が捺されていた)

だから、思い出したくもないキハ58・28のお別れ運転の1枚である。幸い、ゴハチもニハチも津山の扇形庫「鉄道館」にいまも大切に保存されており。

……  ……

広い河原で撮っているのは、もちろん、11年前とは一転、この朝は自分ひとり。

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【2021年10月21日9時02分】 津山線・建部-福渡

9時、後続の津山ゆきがやって来た。タラコ色のキハ40形2両編成。11年の間に橋梁は塗り替えられているが、その背後に見える道路や建物の様子からも“定点比較”だと分かる。

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【2021年10月21日9時05分】 津山線・福渡-建部

すぐ先の福渡駅で交換して、岡山へと戻っていくのが先ほど乗ってきたキハ47形「ノスタルジー」編成。
ゴハチニハチではなくても、急行色のキハをこの場所で撮ることができて。

ちょっとホッとして、カメラをバッグに仕舞ったのだった。

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【2021年10月21日9時25分】 津山線・福渡駅

少しだけ寄り道して福渡駅へと戻り。後続の津山ゆきを待っていたのである。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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