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小湊鐵道「五井構内撮影会」20200621(4)古典貨車 [小湊鐵道]

今日は宝塚の日。つまり、サートゥルナーリアである(謎な発言)。

今日までに「もう一度、行きたい路線」があった。6月最後の公休日。
せっかくチャンスがあったものの、<会社員鉄>、しかも中小企業に勤める<鉄>の
悲しい部分だろうか。溜まりに溜まった仕事が全然進まないのである。

今日も自宅に持ち帰った資料の束を横目に見ながらブログを書いている。

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【2020年6月21日9時56分】 小湊鐵道・五井機関区

まぁ、愚痴ばかり書いても仕方ないので...

引き続き、6月21日の小湊鐵道の話題。
この五井機関区の魅力というのは、キハたちだけではないと思っている。
この“価値”こそ、もっと前面に出してくれても良いのに...と思うのである。

その1つが古典貨車たちの存在。調べてみると、小湊鐵道で線内貨物があったのは
昭和40年台まで。たぶん、その頃からここで倉庫代用として佇んでいるのだろうが...

磨かなくても良い。そのままの状態で、周囲にあるモノをちょっと動かして
形式写真が撮れる状態にしておいてくれたら...
「五井機関区構内古典貨車と工場建屋の撮影会」というイベントを開催して
くれれば、参加費が今回の倍でも申し込みたいと思う<変態鉄>。
たぶん、参加希望者は10人集まれば良い方だろうが、とても熱い撮影会になりそう。
まだまだ自分は甘々。今回、帰宅してから、いろいろ調べて...

「ええっ~~~~!!」と愕然とした...

自分が踏みしめていた、その足下にあるレールも...
寝そべって、ちゃんと撮っておくべきだったと反省しきりなのである。
でも、とりあえず、撮ってきた分だけで。

……  ……

2020年6月21日(日)曇り

撮影会のメニューには無かったのだが、他の班との交替時間に...
“ブログ掲載許可”の確認をとるのを忘れた癖に、
「あのぅ、貨車も撮りたいのですが...」などと曰ったのは、<変態鉄>である。

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【2020年6月21日9時53分】 小湊鐵道・五井機関区

このボロボロの有蓋貨車。
たぶん、大正時代、小湊鐵道が開業したのと同じ時期に導入されたものと思われる。

倉庫代用として残っていると思われるのだが...

木部は傷みが目立つものの、台枠のまわり鋼製部分は、まだしっかり残っており。
数年前の写真が掲載されたウェブサイトには「救援用資材」の表記があった
という記述もあって(この個体かどうか特定できないのだが...)。

単なる倉庫代用なのか、実は救援車代用として待機していたのか...

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【2020年6月21日9時53分】 小湊鐵道・五井機関区

保存蒸機の隣に“ダルマ”として残っているのも同タイプの有蓋貨車。
左側にSLの説明板が落ちていて、その隣にコンクリートブロック、雑草が
生えているあたり、台枠部分に丸穴が残っている。

そう、バッファー連結器だった当時のものである。

再び、こちらの個体に戻って...

38_DPP_00007773.JPG
【2020年6月21日9時53分】 小湊鐵道・五井機関区

こちらの個体では、周囲に脚立などが置かれていて確認できないが、
やはり、こちらにもバッファーの跡の丸穴が残っているのだとか。

木部にペイントされていたと思しき標記類はすべて消えていて(← 当然!!)、
台枠部分を覗き込んでも、確認できる位置に車番は見つからず。
このあたり、個体数が多い分、特定も困難なのである。

そして...

ついつい見逃しそうになるのだが...

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【2020年6月21日9時52分】 小湊鐵道・五井機関区

貴重なものの1つが、この車輪。
里見駅の個体も同様の特徴が確認できるが、スポーク車輪がちゃんと残っている。

そして...

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【2020年6月21日9時53分】 小湊鐵道・五井機関区

錆が酷くて判読に苦労するが、製造銘板も台枠部分にしっかり残っており。
でも、長年の風雪に削られて陽刻の文字部分は判読が...

ただ、なぜか写真の右半分は文字が読みやすく...

楕円形の上の方に「小倉※※」と。次の行は「東洋※※」、一番下には「大正※※」。
小倉というのは、もちろん北九州市の小倉。

調べてみると、この時期、わずか10年足らずの期間だが「東洋車両」という
鉄道車輌メーカーは実在しており。京王も含めて、おもに路面電車などを
製造していたのだとか。当時の国鉄の貨車製造工場の指定も受けており。

第1次世界大戦終結後の経済状況もあって、このメーカーは短命に終わっている
みたいだが、この時期、いろいろな鉄道会社に車両を納入した実績はあり。
その貴重な生き残り、しかも、出自を表す銘板も残っているのも貴重な。

このあたり、<変態鉄>のようなテキトーな奴ではなく、古典貨車を専門とする
収集家から引き取り希望が寄せられることも、あるとか無いとか。

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【2020年6月21日9時47分】 小湊鐵道・五井機関区

こういう木製の有蓋貨車、もう1両、敷地の南端近く、給油線付近にも完全な形で
残っている。こちらは、5月の訪問時に踏切付近から望遠で抜いた写真が...。

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【2020年5月27日7時57分】 小湊鐵道・五井機関区付近(公道より撮影)

ということで、1ヶ月ぶりの“再会”。南北両サイドからの写真を収めることが
できたのである。

何分にも古い車両なので、引退から事実上、半世紀以上が経過しており、
詳細がわかるような資料を見つけられない。だから、<変態鉄>には
「同じような形式」というレベルでしか見ることができず、詳細はまた何かの
機会に調べてみたいと思う次第。

……  ……

そして、もっと“マニア垂涎の一品”といえるのが...

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【2020年6月21日9時51分】 小湊鐵道・五井機関区

「何だよ~、資材運搬用の台車じゃねぇ~か」などと言うことなかれ。

いわゆる「97式」、鉄道聯隊の貨車である。
簡素なつくりになっているのは、戦地での使用を考慮してのこと。

旧陸軍に鉄道聯隊という部隊があった。簡単に言えば、戦地で、前線で
簡易な鉄道を急いで敷設することで資材・人員の輸送を担うということなどを
担っていた部隊。

さて、この「97式貨車」と思しき個体。

中央部分に角穴が残っていて、いわゆる“朝顔型連結器”のようなもので
この貨車を何両も繋いでいたのだろうか。一応、オンレールで残っていること
自体が貴重なのだが、完全に“資材置き場”と化しており、詳細は観察できず。
それでも、この特徴的な足回りは...

そう、戦地での使用に合わせて軌間可変となっているのである。
日本国内の1067 mm軌間はもちろん、1000 mm、メーターゲージにも即座に対応
という優れもの。

ちなみに、日清戦争の頃に、その「鉄道聯隊」のもととなる部隊ができた頃は
現在の新宿区内に置かれていたが、まもなく千葉県内に移転している。
その訓練...演習の一環として周辺の鉄道各線の敷設を引き受けていたという。

小湊鐵道線もその1つに数えられており。建設作業に鉄道聯隊が関わっていたので、
そういう関わりで、この貨車を譲受したのだろうか。

このあたりはマジメな<鉄>の皆さんの考察に期待したい。

それにしても...

何だか学生時代の...社会科見学のレポートみたいになってきている拙ブログ。
でも、あの頃よりも遙かに真剣に、かつ、楽しみながらアレコレ調べている。

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【2020年6月21日10時21分】 小湊鐵道・五井機関区

ただ、調べれば調べるほど、自分の知識の浅さが悔やまれる部分があって。
もうちょっと五井機関区の構内のことを“予習”してから訪れれば...

たぶん、この付近だろうが...

「工場建屋などの佇まいが堪らん!!!!」と、テキトーにカメラを向けていたのだが、
本線と違って、こういう構内の線路というのはレールの交換もあまり行われず。

その鉄道聯隊を示す陽刻があるレールが、構内にそのまま残っているのだそうで。
う~ん、車両ばかりに気をとられて、レールの刻印までは観察しなかった。

また、見学の機会があれば...、次こそは...

さぁ、いよいよ。

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【2020年6月21日9時54分】 小湊鐵道・五井機関区

前のグループと交代で、<変態鉄>のいた第3班。2つ目のテーマが今日のメイン。
キハの撮影会である。機関庫内を通り抜けた先が撮影場所。

それにしても、この工場が堪らんのである。「ザ・工場!!」といった感じ。

そして、片隅で資材に埋もれて鎮座しているのが...

48_DPP_00007778.JPG
【2020年6月21日9時54分】 小湊鐵道・五井機関区

間近で見ると意外とデカいのである。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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hideta-o

鉄道連隊の軽貨車は、何式か不明ですが、標準軌(1435mm)の阪堺電車にもあります。
https://ho-blog.c.blog.ss-blog.jp/_images/blog/_4a3/HO-blog/2018han09-60592.jpg
by hideta-o (2020-06-28 18:05) 

ferrum_queserasera

hideta-o さん

コメントありがとうございます。
長らく終電後のレール輸送にも使われて有名な個体がいました。
小湊と同形の「97式」だったと思います。それにしても、1000ミリから大陸にしかいない1500ミリ超まで軌間可変というのも、スゴい存在ですが。
すっかり忘れていました...というか、阪堺の我孫子道車庫には何度かお邪魔させてもらっているのですが、その都度、他のものに気をとられて、貨車を見学してくるのを忘れてしまっています。
今度、機会があれば撮ってきたいと思います。

by ferrum_queserasera (2020-06-28 20:05) 

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