阪堺モ161形車「住吉っさん」初詣輸送撮影記(3)住吉鳥居前にて [ちん電(阪堺電気軌道)]
何だか、あっという間に1ヶ月である。ちょうど1ヶ月前、<変態鉄>は大阪に。
ちん電、阪堺電気軌道は大阪のミナミ、新今宮と天王寺の駅前から南へ。
住吉大社の前を横切って堺市の中心部を通り、堺市の最南端、高石市との境界に
近い浜寺公園の前が終点、ちょっと長い路面電車である。
数年前から<変態鉄>、この路線にハマっている。他所の町では絶対に見かけない位、
バイタリティーに溢れすぎているオバチャンたち、沿線の街の雰囲気も堪らないが
やはり、<鉄>としては古豪モ161形車を抜きにしては語れない。
1928年(昭和3年)に製造された電車たち。すでに「卒寿」を過ぎており。
もちろん、時代に即していろいろと改造されて、姿は変えているが「動態保存車」
としてではなく、通常運用に入る車両としては最古参の部類。
車両の構造上、冷房化改造が困難であるとして冷房が必要な時期は団体貸切以外では
稼働しないことになっている。新型車の増備や運転本数の減少もあって、いまでは
冬期間にも出会えるかどうかは運次第になっており。
でも、そんな古豪たちが大活躍するのが、正月の住吉大社初詣輸送。
【2020年1月2日10時36分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
普段6分間隔の上町線が4分間隔、24~36分間隔の阪堺線でも8分間隔と、普段の倍以上の
電車が稼働する、この3日間は、古豪モ161形車もピーク時を中心にフル稼働。
それを撮りに訪れる<鉄>は多く。もちろん、初詣客の数も...
住吉周辺はものスゴい事になるのである。
でも、それを覚悟で「焼きそば」を食べたら、カメラを持って。
午前10時、電車通りが車両通行止になるのを待っていたかのように古豪たちも次々...
…… ……
2020年1月2日(木)晴れ
10時、道路上に「祭礼のため車両通行止」、大きな看板が引き出され。
それと同時に阪堺電車は「地上集札」。文字通り、住吉大社の大鳥居の前にある
「住吉鳥居前」と隣の「住吉」の2つの電停、普段、乗降に使われるホームは封鎖、
両電停の間に道路をバーとコーンで仕切って臨時のホームと改札口がつくられる。
それを待っていたかのように先陣を切って登場したのが...
現存4両のモ161形車の中で、<変態鉄>の最大のお気に入りであるモ162号車。
この濃緑色が映えるのは快晴の、青空の下だと思っている。
上町線ではなく、まずは阪堺線の恵美須町運用に入るようで。
大勢の人と、そして時折、警備員さんの制止を振り切って入ってくる自転車。
それらを、うまくかわしながら住吉大社の方へ急いだのである。
【2020年1月2日10時25分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
上り電車(天王寺駅前・恵美須町方面)は普段の住吉鳥居前電停の少し南側の
臨時ホームで停車、ここで初詣客を全員降ろして(満員だった車内はほぼ空っぽ)
先行電車が進むのを待って...
【2020年1月2日10時26分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
と、そのタイミングで。
もちろん下り電車もどんどんやってくるので、いろいろなすれ違いシーンが。
「金太郎塗り」が復活したモ505号車との並びは画になるのだが、並んだ瞬間は
撮ることができなかった。
普段なら凹んでいるところだが...
人混みの中での路面電車撮影。「不確実性」は覚悟の上でのこと。
撮り逃したと悔やんでいる暇はなくて。瞬間的に、アタマを切り替えてドンドン
撮らないと...
【2020年1月2日10時27分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
恵美須町ゆき電車は、少し前進して、普段の住吉鳥居前と住吉のちょうど中間付近
りそな銀行の付近につくられた恵美須町ゆき臨時ホームで停車する。
ここで初詣を終えて帰宅する人たちを乗せて、再び満員となって。
普段の住吉電停は通過、東粉浜、塚西...と通天閣を遙か先に見ながら北上する。
隣接する2停留所を一体化して運用している感じで。上り電車の場合、住吉鳥居前は
降車専用、住吉は乗車専用となる。
先行電車が動くのを待つ時間もあるので、この300メートルほどの区間を抜けるのに
結構、時間がかかるもので。人混みを掻き分けながら...であっても、
徒歩で追い越すことが可能なのである。
でも...
ここで、ちょっと自重したのは...
そう、1両を“深追い”しすぎてしまうと他の3両が運用に入った場合に、それに
気づけなくなってしまうから。上町線系統と阪堺線系統が...全部の電車が
やってくる住吉で、それを“監視”しているわけでもあって。
その“予感”は的中して。
【2020年1月2日10時33分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停付近
続いて、「青い雲」塗装のモ164号車がやって来て。
昨年の撮影時には“正調”雲塗装だったが、阪堺電車は広告媒体としての人気も
高いようで、このモ164号車も海外系の格安航空会社の広告が付いてしまって...
雲塗装自体、電機メーカーの広告として始まったものだったが、でも...う~ん。
ということで、昨年からは一転。<変態鉄>の中では、4両のモ161形車の中で
被写体としては「第4希望」になってしまったのである。
広告が目立たないように撮るためには、いかにして“正面ドカン”を狙うか...
【2020年1月2日10時34分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
あるいは、こんな風に2両の電車のすれ違いシーンを狙って、側面が見えないように
するしか無いのである。
【2020年1月2日10時35分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
ということで、臨時降車ホームを1枚。よく見ると、奥の方、北側にキャスター付きの
運賃箱が置かれており、“駅員さん”が配置されており、車内の運賃箱は使用停止、
ホームに降りてから精算するスタイルがとられる。
鳥居の前の、参道の横断歩道を過ぎたところ、銀行前の臨時乗車ホームに停車中の
モ164号車が確認できる。
【2020年1月2日10時36分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
意外だったのは、モ161形車、ぬぁんと2両続けて恵美須町運用に入っていたこと。
ということは、普段、撮る機会の少ない住吉以北の阪堺線沿線でモ161形車を
撮ることができるチャンス。しかも、連続する2運用に入ったようで。
さぁ、本格的に人混みを掻き分け“徒歩おっかけ”開始である。
乗車ホームに停車中に追い越すことに成功、上町線が分岐する住吉交差点を過ぎて
警察署前付近で迎え撃ち...
でも、悩ましいのは...
冬場の路面電車撮影は、晴れれば建物の影との“闘い”なのである。
“ガンダーラ”は「愛の国」でも、“マンダーラ”は単なる失敗写真。
それならば...
【2020年1月2日10時40分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉-東粉浜
車体全体がビル影に入るタイミングで撮ってみたのだが、やはり、ダメなものはダメ。
晴れて欲しいけれど、晴れるとスッキリ撮るのが難しいのも、路面電車撮影。
【2020年1月2日10時41分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉-東粉浜(後追い)
住吉の喧噪を抜けると、まるで“別人”のように快調に走り出す阪堺電車。
もちろん、“徒歩追っかけ”で敵うわけも無く。
東粉浜に向けて加速していく後ろ姿を見送ったのだった。
【2020年1月2日10時43分】 阪堺電気軌道阪堺線・東粉浜-住吉
普段なら待ち時間の暇つぶしに悩む、阪堺線側での撮影。
でも、まるで数年前に遡ったかのように、電車は次々にやってくるのである。
歩道と車道と軌道敷、特に明確な区別も無く。この付近、歩行者の方の邪魔に
ならないように...と配慮して、路肩側に人が通れるくらいのスペースを空けて
カメラを構えると、必ず、通りかかった人たちは道路の中央に寄って歩くのである。
ほかの撮影者の方に訊いても、皆さん、それに結構、戸惑っているようで。
クルマも自転車も歩行者も、みんな真ん中を通りたがる、この電車通りの不思議。
そんな中、たぶん11時過ぎに戻ってくるはずのモ162号車、どう撮ろうかと悩みつつ
待っていたのである。
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ちん電、阪堺電気軌道は大阪のミナミ、新今宮と天王寺の駅前から南へ。
住吉大社の前を横切って堺市の中心部を通り、堺市の最南端、高石市との境界に
近い浜寺公園の前が終点、ちょっと長い路面電車である。
数年前から<変態鉄>、この路線にハマっている。他所の町では絶対に見かけない位、
バイタリティーに溢れすぎているオバチャンたち、沿線の街の雰囲気も堪らないが
やはり、<鉄>としては古豪モ161形車を抜きにしては語れない。
1928年(昭和3年)に製造された電車たち。すでに「卒寿」を過ぎており。
もちろん、時代に即していろいろと改造されて、姿は変えているが「動態保存車」
としてではなく、通常運用に入る車両としては最古参の部類。
車両の構造上、冷房化改造が困難であるとして冷房が必要な時期は団体貸切以外では
稼働しないことになっている。新型車の増備や運転本数の減少もあって、いまでは
冬期間にも出会えるかどうかは運次第になっており。
でも、そんな古豪たちが大活躍するのが、正月の住吉大社初詣輸送。
【2020年1月2日10時36分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
普段6分間隔の上町線が4分間隔、24~36分間隔の阪堺線でも8分間隔と、普段の倍以上の
電車が稼働する、この3日間は、古豪モ161形車もピーク時を中心にフル稼働。
それを撮りに訪れる<鉄>は多く。もちろん、初詣客の数も...
住吉周辺はものスゴい事になるのである。
でも、それを覚悟で「焼きそば」を食べたら、カメラを持って。
午前10時、電車通りが車両通行止になるのを待っていたかのように古豪たちも次々...
…… ……
2020年1月2日(木)晴れ
10時、道路上に「祭礼のため車両通行止」、大きな看板が引き出され。
それと同時に阪堺電車は「地上集札」。文字通り、住吉大社の大鳥居の前にある
「住吉鳥居前」と隣の「住吉」の2つの電停、普段、乗降に使われるホームは封鎖、
両電停の間に道路をバーとコーンで仕切って臨時のホームと改札口がつくられる。
それを待っていたかのように先陣を切って登場したのが...
現存4両のモ161形車の中で、<変態鉄>の最大のお気に入りであるモ162号車。
この濃緑色が映えるのは快晴の、青空の下だと思っている。
上町線ではなく、まずは阪堺線の恵美須町運用に入るようで。
大勢の人と、そして時折、警備員さんの制止を振り切って入ってくる自転車。
それらを、うまくかわしながら住吉大社の方へ急いだのである。
【2020年1月2日10時25分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
上り電車(天王寺駅前・恵美須町方面)は普段の住吉鳥居前電停の少し南側の
臨時ホームで停車、ここで初詣客を全員降ろして(満員だった車内はほぼ空っぽ)
先行電車が進むのを待って...
【2020年1月2日10時26分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
と、そのタイミングで。
もちろん下り電車もどんどんやってくるので、いろいろなすれ違いシーンが。
「金太郎塗り」が復活したモ505号車との並びは画になるのだが、並んだ瞬間は
撮ることができなかった。
普段なら凹んでいるところだが...
人混みの中での路面電車撮影。「不確実性」は覚悟の上でのこと。
撮り逃したと悔やんでいる暇はなくて。瞬間的に、アタマを切り替えてドンドン
撮らないと...
【2020年1月2日10時27分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
恵美須町ゆき電車は、少し前進して、普段の住吉鳥居前と住吉のちょうど中間付近
りそな銀行の付近につくられた恵美須町ゆき臨時ホームで停車する。
ここで初詣を終えて帰宅する人たちを乗せて、再び満員となって。
普段の住吉電停は通過、東粉浜、塚西...と通天閣を遙か先に見ながら北上する。
隣接する2停留所を一体化して運用している感じで。上り電車の場合、住吉鳥居前は
降車専用、住吉は乗車専用となる。
先行電車が動くのを待つ時間もあるので、この300メートルほどの区間を抜けるのに
結構、時間がかかるもので。人混みを掻き分けながら...であっても、
徒歩で追い越すことが可能なのである。
でも...
ここで、ちょっと自重したのは...
そう、1両を“深追い”しすぎてしまうと他の3両が運用に入った場合に、それに
気づけなくなってしまうから。上町線系統と阪堺線系統が...全部の電車が
やってくる住吉で、それを“監視”しているわけでもあって。
その“予感”は的中して。
【2020年1月2日10時33分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停付近
続いて、「青い雲」塗装のモ164号車がやって来て。
昨年の撮影時には“正調”雲塗装だったが、阪堺電車は広告媒体としての人気も
高いようで、このモ164号車も海外系の格安航空会社の広告が付いてしまって...
雲塗装自体、電機メーカーの広告として始まったものだったが、でも...う~ん。
ということで、昨年からは一転。<変態鉄>の中では、4両のモ161形車の中で
被写体としては「第4希望」になってしまったのである。
広告が目立たないように撮るためには、いかにして“正面ドカン”を狙うか...
【2020年1月2日10時34分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
あるいは、こんな風に2両の電車のすれ違いシーンを狙って、側面が見えないように
するしか無いのである。
【2020年1月2日10時35分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
ということで、臨時降車ホームを1枚。よく見ると、奥の方、北側にキャスター付きの
運賃箱が置かれており、“駅員さん”が配置されており、車内の運賃箱は使用停止、
ホームに降りてから精算するスタイルがとられる。
鳥居の前の、参道の横断歩道を過ぎたところ、銀行前の臨時乗車ホームに停車中の
モ164号車が確認できる。
【2020年1月2日10時36分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停
意外だったのは、モ161形車、ぬぁんと2両続けて恵美須町運用に入っていたこと。
ということは、普段、撮る機会の少ない住吉以北の阪堺線沿線でモ161形車を
撮ることができるチャンス。しかも、連続する2運用に入ったようで。
さぁ、本格的に人混みを掻き分け“徒歩おっかけ”開始である。
乗車ホームに停車中に追い越すことに成功、上町線が分岐する住吉交差点を過ぎて
警察署前付近で迎え撃ち...
でも、悩ましいのは...
冬場の路面電車撮影は、晴れれば建物の影との“闘い”なのである。
“ガンダーラ”は「愛の国」でも、“マンダーラ”は単なる失敗写真。
それならば...
【2020年1月2日10時40分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉-東粉浜
車体全体がビル影に入るタイミングで撮ってみたのだが、やはり、ダメなものはダメ。
晴れて欲しいけれど、晴れるとスッキリ撮るのが難しいのも、路面電車撮影。
【2020年1月2日10時41分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉-東粉浜(後追い)
住吉の喧噪を抜けると、まるで“別人”のように快調に走り出す阪堺電車。
もちろん、“徒歩追っかけ”で敵うわけも無く。
東粉浜に向けて加速していく後ろ姿を見送ったのだった。
【2020年1月2日10時43分】 阪堺電気軌道阪堺線・東粉浜-住吉
普段なら待ち時間の暇つぶしに悩む、阪堺線側での撮影。
でも、まるで数年前に遡ったかのように、電車は次々にやってくるのである。
歩道と車道と軌道敷、特に明確な区別も無く。この付近、歩行者の方の邪魔に
ならないように...と配慮して、路肩側に人が通れるくらいのスペースを空けて
カメラを構えると、必ず、通りかかった人たちは道路の中央に寄って歩くのである。
ほかの撮影者の方に訊いても、皆さん、それに結構、戸惑っているようで。
クルマも自転車も歩行者も、みんな真ん中を通りたがる、この電車通りの不思議。
そんな中、たぶん11時過ぎに戻ってくるはずのモ162号車、どう撮ろうかと悩みつつ
待っていたのである。
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モ161型ですが、正月輸送以降も、えびす町運用に入っていることが多いような気がします。
by hideta-o (2020-02-02 16:45)
hideta-o さん
コメントありがとうございます。
新しい恵美須町も気になりますし...、そう聞いたら撮りに行きたく
なってしまいます。
東粉浜の通天閣バックくらいしか撮る機会がなく
いつも上町線ばかり撮っているもので、だからこそ、聖天坂とか北天下茶屋あたりを歩きまわって撮影地を見つけたいのですが...
by ferrum_queserasera (2020-02-03 01:23)