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阪堺モ161形車「住吉っさん」初詣輸送撮影記(10)再びの住吉へ。 [ちん電(阪堺電気軌道)]

「いつまでも、あると思うな...」
とは、<変態鉄>が注目している被写体の、その多くにあてはまる。
“最大の収容定員”というのも、阪堺の古豪モ161形車が齢90年を超えても
活躍できる理由の1つ。3車体連接の「堺トラム」よりも「詰め込みが効く」とは、
以前のイベントで話を伺った阪堺電車職員の方の弁。

でも、今春、その「堺トラム」の増備車が登場することになっていて。
阪堺線も上町線でも増発の噂があるわけでもなく。モ161形車の通常運用車は
モ162、モ164、モ166の3両。これに(事実上の)イベント用車のモ161を加えた4両、
いまの陣容で令和3年の“住吉大社初詣輸送”を迎えているのかどうか...

まだ、何の発表もないが、<変態鉄>の心配は尽きないのである。

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【2020年1月2日14時33分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停付近

そんな阪堺電車の撮影記。引き続き、1月2日分。
住吉でも帝塚山でも、そして石津川鉄橋でも。夢中になって追いかけているうちに
いつの間にか、時刻は14時半。

陽の短い時期だけあって、まもなく撮影終了となるわけで。
路面電車撮影の場合、日没以前に、建物の影が落ちてきて撮るのが難しくなる。

もうそろそろ「最後の撮影チャンス」に入ってくるわけで。

……  ……

2020年1月2日(木)晴れ

思わぬ形で、モ161号車が撮れて喜んでいた<変態鉄>。「赤・あびこ道」表示は
そのまま入庫する電車を表すので、このまま、しばらくの間、モ161号車は出番が
無さそうだと、勝手にそう思っていたら...

30分ほどで次の運用入り。しかも、その直前にモ162号車を撮ることができていた
ので、ホッとして電停に戻る途中に出くわすという運の悪さ。

さらに...

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【2020年1月2日14時27分】 阪堺電気軌道阪堺線・我孫子道電停付近

そのモ161号車を“追跡”しようと、ホームに行ってみれば、折返し上り電車は
ぬぁんと、モ162号車。もう間に合わない。
走って撮りに戻っても、撮るのは困難。しかも上り電車に対しては逆光。

「撮る」がダメなら...

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【2020年1月2日14時31分】 阪堺電気軌道・モ162号車内

住吉鳥居前までのわずかな区間ではあるものの、ちょっと乗ってみることに。
撮るばかりで乗る機会が少なく、モ161形車に乗るのは10ヶ月ぶりくらいのこと。

しかも、大好きなモ162号車である。

我孫子道始発の電車の場合、住吉までは回送電車のような感じになっていて。
車内の乗客が疎らなのを良いことに運転台付近に立って。

運転台背面の仕切り壁の周辺だけでも、モダンな装飾があったり、あるいはアーチを
描いているような造形美があったり...、この電車が製造されたのは昭和恐慌の
時代ではあるものの、それでも造作には優雅さが感じられ、その後の戦時設計による
実用一点張りの車両ではない趣のようなものが感じられるのである。

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【2020年1月2日14時32分】 阪堺電気軌道・モ162号車内

走行中の揺れる車内、しかも明るいわけでもなくて。
撮影はなかなか難しかったが...

やはり、住吉大社は初詣客のピーク時間帯を迎えており。
そのため、住吉付近で電車はダンゴ状態になってしまっており、先行電車のお尻に
ぶつかるように停車するのは、このときは当たり前の光景なのだが、でも...

モ162号車の前面窓越しに撮った先行電車は...

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【2020年1月2日14時32分】 阪堺電気軌道・モ162号車内

そう、モ161号車とモ162号車が並んでいるというスゴいことが起こっていたのである。
これは線路沿いで撮っていた<鉄>にとっては大コーフンだったに違いない。

そして...

101
【2020年1月2日14時33分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉鳥居前電停付近

<変態鉄>は住吉鳥居前で下車。
人混みを掻き分けながら、モ162号車の後ろ姿を撮ったのが今日のトップ写真。

午後の光を浴びて、深緑色の車体が輝いているのである。
えびす町に向かっていくモ161号車の後ろ姿を撮ることは叶わなかったが、
さらに人混みを掻き分けて、普段の住吉電停のところまで来てみれば...

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【2020年1月2日14時36分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉電停付近

初詣を終えて天王寺駅前方面へと帰路に就く初詣客。住吉電停の隣...というか、
以前、住吉公園までの上町線の線路があったところが現在はコインパーキングに
なっているのだが、正月期間はここが赤いコーンとバーで区切られて、
乗車待ちの整列場所になる。電車が1台到着する度に、そこに並んでいる人たちを
ホームへと案内する...という方法。

その間には、すでに後続の天王寺駅前ゆきは、すぐ後ろに並んで待っていて。

そんな乗車風景をスナップして...

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【2020年1月2日14時41分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉電停付近

阪堺電車の親会社「NANKAI」のロゴの入った上着を羽織った人たちも
混ざって、電車通りを横切る参拝客を誘導していて...

「天王寺駅前ゆき電車、交差点を斜めに...」、イマドキの路面電車では
すっかり見られなくなった、交差点脇の信号詰所、そこに阪堺職員が何人かで
詰めていて、電車が近づいてくる都度、注意喚起の放送をしており。

と、そこに不意に現れたのが...

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【2020年1月2日14時43分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉電停付近

「青い雲」、モ164号車である。どうやら、この日は、恵美須町-我孫子道を往復
する運用に入っているみたい。上町線に入っている姿は見なかった。

住吉警察署の前付近、西側には高い建物もあるし、南海電車の高架もあって
この時間帯、すでに薄暗い場所だが、ちょうどビルの隙間。
モ164号車の車体だけを照らし出すかのように、スポットライトのような光の中、
モ164号車の姿を。「偶然の産物」という感が強い1枚だが、撮った自分自身
としては、結構、気に入っている1枚。

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【2020年1月2日14時44分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉電停付近

でも、それだけでは終わらないのが、これまたスゴいところで。
連続してやって来たのは、モ166号車。こちらは「黒・あびこ道」での登場。
ということは、すぐに天王寺駅前ゆきとして折り返しそうで...

それでも、<変態鉄>は東粉浜の方に向かうのだった。(つづく)

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コメント 2

skekhtehuacso

モ162、直接制御じゃないのですか?
つりかけ駆動の古い路面電車というと、運転台の横に楕円形のデカい直接制御器が鎮座まします姿を思い浮かべますが、モ162はどうやら間接制御みたいですね。
by skekhtehuacso (2020-02-12 21:19) 

ferrum_queserasera

skekhtehuacso さん

コメントありがとうございます。
通常の路面電車タイプの車両、しかも車齢は90年を超えて...
1928年(昭和3年)の生まれですから、足回りも古典的かと思いきや都市部の路面電車と違って、路線の性格上(平野線など)、新製時から連結運転が組まれていたり、あるいは走行速度も速かったり...と最初からハイスペックだった車両ですので...
実は新製時からバリバリの間接制御です。もちろん、あのデカい主幹制御器が鎮座している運転台は素敵ですが、ワンハンドルが当然になってしまった現在においては、この小ぶりな間接制御器でも、希少性があるような気もしています。

by ferrum_queserasera (2020-02-12 21:40) 

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