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サクラ咲く関西へ、キハを撮りに(16)DMV乗車体験記 <前編> [3セク鉄道「鉄印」の旅]

やはり、ブログを書くにあたって、この冒頭部分というのが非常に難しい。いま思いついたことをパッと書いてしまおう...と思っているのだが、そうすると、何だかネガティブな話ばかりになってきて。
逆に、いまの自分の心理を映し出していると見ることもできるわけだが、本当のホンネを100%書いてしまうと、SSブログの運営から、このブログ自体、消されてしまいそうな気すらしてくる話になって。下書きを慌てて消す始末。

仕事の面でも、コロナ禍で、いままで必要なかった対応がアレコレ付け加わり、その分は単に“負担増”の形で対応せざるを得なくて。TVを点けても駅の広告をボーッと眺めていても、転職サイトの広告ばかりである。
若い女優さんが人差し指を突き上げて「ビ※リーーチっ!!」と言ってくれるだけで、求人のスカウトがたくさん届いて...なんて、世の中そんなに甘くはない、ということは分かっているつもりの44歳児。

今月は下旬に少しまとまった休みがとれそうな予感で。実は北東北から函館にかけて...「鉄印」の収集も兼ねて回ってこようかと思っていた。でも、先日の大雨である。う~ん、どうするか???
どこも行かずに、自宅でノンビリ...は、逆にストレスが溜まるだけ。歌の文句ではないが「どこか遠くに行きたい」と思っているのだが。

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【2022年4月7日13時16分】 高知県安芸郡東洋町大字白浜・海の駅 東洋町

さて、4月に高知県を訪れた話題。室戸岬の未成線区間を路線バスで踏破し、徳島県境の甲浦、海の駅東洋町バス停から、いよいよDMVに乗って。


……  ……

2022年4月7日(木)晴れ

待っている間に下りDMV(道の駅宍喰温泉ゆき)が2便続行でやって来て。

DMV93形は3両在籍。そのうちの2両を撮ることができて。

このDMV、当初はJR北海道で開発が進められ。そのときの新聞記事だったと思うが開発の中心に居たJR北海道の技術者が「鉄道好きだったわけでないので、新しい発想で開発できた」という趣旨のことを仰っているのを読んだ記憶がある。
<鉄>としてはちょっと複雑な面もありつつ、でも、いち会社員としては「なるほど!!」と思った次第。
釧網本線などで走行試験が実施されたが、その直後、同社では鉄道事故が多発するようになって。新技術への投資などは最低限に抑えられることになり、このDMVも断念。

その後、いろいろな経緯があって、阿佐海岸鉄道で実用化に至った、と。

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【2022年4月7日13時16分】 高知県安芸郡東洋町大字白浜・海の駅 東洋町

では、これがローカル線の“救世主”となるのか??

といえば、そう簡単にはいかない...というのが早い時期から言われており。この日、片道乗ってみただけだが、確かにその指摘されていた問題点というのは...
例えば、こうやって、国道から「海の駅」の駐車場に進入してきて...

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【2022年4月7日13時16分】 高知県安芸郡東洋町大字白浜・海の駅 東洋町

Uターンしてバス停に停車するというのは...

一般的な路線バスと全く同じ。TOYOTA製のマイクロバスを改造した車体だけあって、どこかのコミュニティバスのような感じで。法令上も路線バスとしての運転ということになっており。
最近の流行、地元のオリジナルデザインのナンバープレートを付けているが、通常の自動車のナンバーが付けられており、本来は緑色のナンバープレート。
当然、運転士さんは2種免許をとっているとのことで。

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【2022年4月7日13時24分】 阿佐海岸鉄道・海の駅東洋町バス停

もちろん、甲浦-阿波海南間は鉄道として走るので、その区間の運転のために内燃動車の動免も必要とのことで。バスも鉄道も運転士不足が指摘されている中で、両方の免許を持たないといけない...というのも1つのハードルだろうか。

……  ……

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【2022年4月7日13時24分】 阿佐海岸鉄道・海の駅東洋町バス停

さて、先ほどいったん国道経由で宍喰へ向かったDMV933号車「阿佐海岸維新」号。赤い車体には坂本龍馬が描かれており。
海の駅東洋町 13:24発の上り第016便である。

予約客は2名とのこと、その方の席以外の空席と言うことで指示された席に座って。自分は2列目のセンターライン側に陣取って。

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【2022年4月7日13時26分】 阿佐海岸鉄道・第016便(DMV933号車)内

やはり、車内も小型路線バスそのもの。運転席後部には運賃箱が設置され、降車ブザーなども設置されており。
鉄道モードでの走行に合わせた機器が追加されたからだろうか、ちょっと運転席は、クルマよりも大がかりになっているようで。

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【2022年4月7日13時29分】 阿佐海岸鉄道・第016便(DMV933号車)内

走り出せば街中を走る路線バス。
まもなく、旧甲浦駅のところへ。以前は、県境のトンネルを抜け出たところにある小さな高架駅、そこで線路がプツリと切れていたのだが、その高架駅が改装されてループ状の“道路”が追加されているのが見える。

鉄道時代の駅前にあたる位置に、新たに甲浦バス停が新設されており、ここでの乗降が終わると、いよいよ高架に上がっていって...

「モードチェンジインター」とアナウンス、ここで“運転停車”。車内に阿波踊りの音楽が流れると、ちょっと車体が持ち上がる感覚。
車体前部に格納されていた鉄製車輪が出てきて、それがレールの上に...、後部のゴムタイヤは駆動輪としてレール上に。

運転士さんは、いったん車外に出てモードチェンジを確認。いよいよ鉄道モードでスタートである。

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【2022年4月7日13時33分】 阿佐海岸鉄道・第016便(DMV933号車)内

始動時にはキハ...ではなく、バスのエンジンの音と振動。鉄道車両に比べて車高がかなり低いので車窓の眺めも何だか違った感じで。
前輪がレールの継ぎ目を拾うとき...だろうか、1秒くらいの間隔でお尻に“ドンッ、ドンッ”という衝撃が伝わってくるのは、通常の列車とは全然違った感覚。
この衝撃、不快なレベルではないが、思ったよりも大きくて、その分、決して乗り心地がスゴく良いというわけでは無く。

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【2022年4月7日13時35分】 阿佐海岸鉄道・第016便(DMV933号車)内

まもなく。

車両基地が見えてくると、宍喰駅はすぐそこである。

ちなみに、2020年まで活躍のディーゼル動車は、いまも線路上に残されており。でも、ASA形の3両は全て“失職”した状態、このまま朽ち果てるのは勿体ないが...
フロントガラス越しに見えるASA301号車は大雨で廃線になった高千穂鉄道からの移籍車。この車両、北条鉄道が各社に照会したときに譲渡可能と打診された中の1両だったとのこと。

そして、DMV導入の最大のネックになるのがココだと言われており。
つまり、「普通鉄道車両との混用ができない」という点。まず、マイクロバスを改造したDMVの場合、車体重量が軽すぎて従来の鉄道信号機が反応できず。信号や踏切のシステムを新規に開発して総入替えするほかない...とされている。

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【2022年4月7日13時36分】 阿佐海岸鉄道・宍喰駅

全線で10 km程度で単線のこの路線だからこそ、DMV化できた訳で。
そんなこともあって、阿佐海岸鉄道も、DMV化に合わせてJR牟岐線と完全に切り離され。
ローカル線といえば沿線の高校の通学手段というのが重要で...、そのために残されているようなところも。朝夕の通学ラッシュに、20名乗りのマイクロバスでは対応できないのである。

そして、宍喰駅に到着。かつての名鉄田神駅のような感じ。低床用ホームと従来の鉄道線用のホームが並んでいる状態。DMVは進行方向左側にしかドアがない構造のため、線路を挟むように両側にホームが必要で。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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