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うまく録れたと思ったら...(1997/11/11日 山陰特急「いそかぜ」号にて) [車内放送]

MDを使っての車内録音を始めたのは1997年の年初だった。ポータブルの「録再機」にマイクを繋いで、マイクレベルを調整して...
操作自体は難しくないのだが、写真撮影より遥かに難しいのが車内録音。

写真なら構図を調整して、目障りなものをファインダー内から外せばよいが、録音の場合は...
他の乗客の話し声だけではない。意外と気になるのがビニール袋の音、いや、ほかの乗客だけではなく。車内の、デッキとの仕切り扉が「バタンっ!!」と大きな音を立てて録音自体がエラーになって止まってしまったり。
車内放送の前後だけでも2~3分は少なくとも。その間、イヤホンで聞きながら録音だが...、ずっと心臓バクバク。

「うまく録れたっ!!」と思って録音をストップしても、あとで聞き直してみると、そのときは気にならなかったものがノイズとして目立っていたり...
録音後に聞き直してショックを受けることも少なくなかった。

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【1998年頃】 山陰本線・米子駅

短編成化されても島根県内の山陰本線では、まだまだ主力として活躍していたキハ181系特急型ディーゼル動車、ゴハチニハチのDMH17とは全然違った力強いエンジンサウンド、疎らな乗客の車内に流れる「アルプスの牧場」のオルゴール、そんなシーンを録音しようと。
出雲大社と一畑電車を巡った後、午後の出雲市駅から乗り込んだのは、朝、小倉駅を出発してはるばる山陰本線を走ってきた特急「いそかぜ」号。

以前、拙ブログで下り「いそかぜ」号の米子駅発車後の放送をご紹介した(→ こちら)。



今日ご紹介するのは、1997年11月11日の特急「いそかぜ」号の車内放送。長躯、北九州から6時間かけて日本海沿いを走り抜けてきたディーゼル特急は、松江駅で大半の乗客が下車、わずかな乗客を乗せて15時過ぎに終点・米子駅に到着する。
……  ……

1997年11月11日(火)晴れ

MDで車内音を録るようになって半年ほどが過ぎたころ。最初はDD51ディーゼル機関車が12系客車を牽引するローカル客レに乗りに行ったのだが、その際、米子地区の国鉄型ディーゼル動車たちに“一目惚れ”のような感じで。
12系亡き後も、国鉄型DCを目当てに山陰本線をめぐるようになって。

当時の米子支社管内、特に山陰本線ではワンマン運転を行っておらず。キハの車内放送では優等列車ではなくても、通勤列車の車内であっても主要駅の到着を告げる車内放送には、当たり前のように「アルプスの牧場」のオルゴールが演奏されており。<車内放送マニア>としては堪らないシーンの連続だったのである。

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【1998年頃】 山陰本線・松江駅

この日は松江市内のホテルに泊まって。朝、キハ47形の普通列車で出雲市駅へ。そこから一畑電車の旧型車に乗って出雲大社を参拝したのだった。
実は、その前日は朝の小倉駅から特急「いそかぜ」に全区間、<乗り鉄>していた。もちろん、そのときも録音を試みたが、そういうときに限って山陰では珍しいオルゴールを一切、鳴らさない車掌さんが担当だった。
最も車内録音自体、写真撮影に比べたら桁違いに成功率は低いものなので...

そして、11日の朝。キハ47形の出雲市ゆき普通列車でも録音していた。

でも...

斐伊川鉄橋を渡ったあたりでオルゴールの音が。

しかし、それに合わせるかのように向かいの席に座っていたオバサンが、ヒールのある靴で床を鳴らして変なリズムを取り始めて...
コレはショックだったのである。

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【1997年11月11日】 島根県出雲市大社町杵築東付近 

そして、出雲大社を参拝して。

14時過ぎに出雲市駅に戻れば、ちょうど特急「いそかぜ」号。「山陰ワイド周遊券」を手にしての旅、周遊区間内では特急の自由席に乗り放題だったのである。
だから、出雲市-松江など短距離でも遠慮なく特急列車を。

14:33、定刻で出雲市駅を発車した「いそかぜ」号、3両編成の車内はガラガラで。
昨日の車掌さんとは打って変わって。この日の車掌さんは途中駅でも、わざわざオルゴールを鳴らして放送される方だった。
最後部の指定席車には松江駅の時点で誰も乗っておらず。事情を話して車掌さんに許可を取って、指定席車のキハ181形の車内でマイクを構えるのだった。

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【2015年8月2日8時24分】 水島臨海鉄道水島本線・倉敷市駅 

日常的に「アルプスの牧場」のオルゴールが使われていた当時、このチャイムがワンコーラス流れきることは基本的になくて。
マイクの下にあるゼンマイを捻ってから[放]のボタンを押せば、回っている間、そのオルゴールの音色をマイクが拾う...という仕組みなので、曲は途中から始まって途中で終わるのが、むしろ自然だったのである。

「まもなく終点・米子、米子でございます」から始まる車内放送、乗り換え案内で「※番線」と言わず「※番のりば」というのは西日本の車掌さんの標準的な言い回し。でも、乗り換え列車の停車駅名を読み上げないのは、この地域では少数派だろうか。特急「やくも」号への乗り換え案内は発車時刻とホームの番号だけを告げている。(この当時、いそかぜの車掌さんは浜田鉄道部)
ちなみに、跨線橋や地下通路を通って他のホームに乗り換えるのを「階段を渡りまして」とアナウンスするのも西日本で広く聞かれる車内放送の言い回し。
キハ181系らしさは最後のところの「扉は内側に開きます。デッキの下の段にはお立ちにならないように...」のフレーズ。
「国立公園の大山、皆生温泉方面は駅前バス乗り場です」というのも、当時、必ずアナウンスされるものだった。

オルゴールも流れたし、アナウンス自体もベテランの車掌さんの落ち着きのある好放送である。でも...

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【2004年2月24日】 山陰本線・梅ヶ峠-黒井村

録った後、聞き直してみるとアナウンスが入ったあたりでエアコンが作動しており。人間の耳だとそれほど気にならないが、こうして録音した音声だと意外なほど気になるもので。
でも、窓のあかない特急列車では年間通じてエアコンは作動しており。

これをどう克服するか...

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【2009年6月25日13時09分】 山陽本線・姫路駅

エアコンのノイズを拾わない車内録音、その解決策(??)は、2009年夏の「はまかぜ」号まで持ち越されたのである。

その“奇策”は...???

……  ……

初期のMDから“救出”した録音データの第1弾。これから徐々にご紹介していきたい。

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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