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ことでんレトロ最後の春(3)榎井のサクラ [高松琴平電鉄]

いまだ予断を許さない状況だが、とうとう、ことでんレトロのお別れイベントの情報がアップされて。
5月の大型連休の「ことでんレトロ」は、公開される一般営業運転としては、最後の本線運行となる筈のもので。もしかしたら連休明けも団体貸切で動くかもしれないが、でも、今度の大型連休というのは、ことでんを愛する者として、これは1つの大きな転換点であるのは間違いない。

でも、そう。

大阪のコロナの広がりが目立っていたが、最近は関東地方も。これも“織り込み済み”感が強く。

昨年も「他県からの来訪者が多い」ということから、香川県内の感染者数ではなく、全国の状況によりレトロ電車の特別運行も中止になった回があったわけで。沿線の方のこともあるし、ことでんだって無理をすることはできないだろうし、<鉄>として無茶なことをお願いしてもならない。

5月の大型連休のイベントが、もし、万が一でも中止に追い込まれた場合、<変態鉄>としては...
とりあえず、行くだけ行って高徳線のキハでも撮りに行くか...あるいは??

決まってもいないことで悩んでいても仕方が無い。

でも、まずは、3月26日のレトロ電車。この日は文字通りの快晴。あとは“春らしい情景”を見つけることだが...
最初は1枚くらい...典型的な列車写真を土器川鉄橋で。

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【2021年3月26日11時57分】 高松琴平電鉄琴平線・榎井駅

いままで何度も乗り降りしていて、榎井駅のホーム向かい側にサクラの木があるというのを意識していなかった。
琴平線のサクラは挿頭丘だけではない。6年かよって、まだまだ沿線には見つけていない魅力的なポイントがあって。レトロの後を追うように赤い電車も運行期間の終了が迫ってきているが、今後も折に触れてことでんを訪れたいと思っている<変態鉄>である。

……  ……

2021年3月26日(金)晴れ

榎井駅に到着したのは10時半。

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【2021年3月26日10時29分】 高松琴平電鉄琴平線・榎井駅

この時点で、もしかしたらレトロの琴平への送込み回送は発車しているかも知れず。
とはいえ、琴平線の臨時列車のダイヤ、琴平に近づくにつれて定期営業列車から差を付けられる形になる。途中、一宮と滝宮の駅でそれぞれ数分間の停車時間があったり...と、単線区間の臨時列車ならでは、の理由である。
ただ、土器川鉄橋までは榎井駅から歩いて15分ほど、ちょっと急がないと。

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【2021年3月26日10時48分】 高松琴平電鉄琴平線・榎井-羽間

駅から生活感のある旧道というか商店街のような、仕舞た屋が多いのだが、そんな道を進み県道の交差点を過ぎればまもなく土器川の堤防に突き当たる。
もはや、何度も歩いた通い慣れた道である。

この土器川鉄橋、堤防上に立てばこの日も遙か向こうに瀬戸大橋を望むことができて。香東川鉄橋よりも風景重視で撮っても撮り方に自由度が高い。
いつもは堤防の上の...河川標識の近くでカメラを構えることが多い<変態鉄>、この日は前の方へ。
堤防の内側は野球やサッカーのグラウンドと、駐車場になっており。片隅にはブランコなどの遊具もあって。

その突端部分、背丈ほどの雑草が生い茂るエリアに、穴が空いたように、鉄橋を見上げられる場所があって。そこには数名の“先客”
とはいえ、十分、スペースはあって。

“春らしい光景”などと言いつつ、見上げる構図で青空の中に電車を抜く...“教科書的な編成写真”を。

まず、試し撮りは、先ほど乗ってきた1100形編成の折り返し。

そして、う~ん。

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【2021年3月26日11時17分】 高松琴平電鉄琴平線・榎井-羽間

大好きな編成だと書いておきながら、「レトロ2連」をイメージしながら構図を調整しているタイミングでの「しあわせさん こんぴらさん」である。
レトロは14メートル級の車体長、いまの電車は18メートル級。2両編成で差は8 mほど、つまり、黄色い電車の1.5両編成とイメージするとピッタリなのである。レトロは2両とも手前側(琴平方)にパンタがあって。それを計算して決めた構図で1200形を撮れば、どうしても窮屈なものになってしまうのである。

そして...

この「しあわせさん こんぴらさん」の高松築港ゆきが隣の羽間駅で下りの臨時回送と交換するダイヤ。
すぐにやってくるのである。

集まった<鉄>たちは、必ずしも数は多くないものの、いつしか静まりかえって。向こう岸の茂みの中からレトロ電車が現れるのを、今か今かと待っていたのである。
「グォーーーッ」と重厚な吊り掛け音。

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【2021年3月26日11時20分】 高松琴平電鉄琴平線・羽間-榎井

まさに威風堂々。

撮っているこちらも、手応えはあった。でも、それを確認する余裕などあろう筈もなく。

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【2021年3月26日11時20分】 高松琴平電鉄琴平線・羽間-榎井

榎井駅へと向かっていくレトロ電車の姿を必死で追って。

さぁ、それと同時に堤防上では“民族大移動”である。集まっていた<鉄>たちは、撮影機材をまとめると停めていたクルマに載せて、タイヤを軋ませ、次のポイントへと飛び出していくのである。

<徒歩鉄>にとっては...

このレトロ電車、琴電琴平駅では30分程度の折り返し時間。今度の琴電琴平駅を11:42発の第32列車に続いて、団体客を乗せて発車すると思われるので、土器川鉄橋から徒歩で行ける範囲で撮るしか無いのである。
当初は“もりもり”も考えていたが、やはりここは...

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【2021年3月26日11時45分】 高松琴平電鉄琴平線・榎井駅

現在の榎井駅は片面ホームの小さな無人駅。

でも、実は、かつては相対式ホームをもつ交換駅だったことが容易にわかる駅の構造である。
レールこそ撤去されているのだが、いまのホームの向かい側に小さな古いホームの“遺構”が、ほぼ完全な形で残っている。
ただし、このホーム、どう見ても電車1両分の有効長しかとっておらず。最初に見たときには、てっきり、ことでんも昔、貨物輸送をしていて、その積込みホームの遺構が残っている...と思い込んでいた。
だが、琴平線は最初から電車路線として開業、軌間の違いもあるが国鉄との貨物の連絡輸送が行われた...との記録もなく。むしろ、終戦後の混乱期に客車代用に使うため国鉄から貨車を譲受している。
14 m級電車1両分では戦前でも使いづらい位の設備だったのではなかろうか。榎井駅が交換駅として機能した期間は、ごく短いものだったと想像している。

そのホーム上にサクラの木が2本。駅の琴平側に第4種踏切があって、そのあたりで撮ると良い感じに...と思って、一度、行ってみたが2本のサクラの木、琴平側より築港側の木の方が花が多いのである。ということで、榎井駅の駐輪場スペース付近でスタンバイ。

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【2021年3月26日11時46分】 高松琴平電鉄琴平線・榎井駅

自分が一番乗り、しかも駅撮りの、マイナーな場所での撮影。これなら1人で撮れるだろうと思っていたら、だんだん人が集まってきて。
最終的には駐輪場の柵のところに5~6人が集まっただろうか。

まずは“露払い”的に第32列車。ラッピングのないキレイな車体の1080形編成。
引き続きやってくるのが、レトロ電車。

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【2021年3月26日11時52分】 高松琴平電鉄琴平線・榎井駅

琴電琴平駅からΩ状のカーブでJR土讃線の線路を潜って、思いっきり遠回りして榎井駅に滑り込んでくる。

レトロ電車と普段の黄色い電車では車体長も違うし、屋根の高さも違う。1080形で良い感じに撮れたからといってレトロでうまくいくとは限らない。
団体列車だから通過...ではなくて、踏切機の作動の関係で、榎井駅でも一瞬だけ停車するのである。その停車位置付近で撮れるとシャッターチャンスが増えるのだが...

ちょっとズレたみたい。でも、ずっと連写で撮っていたので2丁のパンタグラフが架線柱を何とかかわしているところを。

駅徒歩1分で超お手軽に撮れる<サクラ鐵>だったのである。次の築港ゆきは20分以上あって。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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