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キハ181系 特急「はまかぜ」号にて(2)2002.3.18 6D列車 大阪駅到着前 [車内放送]

10月に北東北・函館に行ったときの話題が終わったところで、撮影記は溜まっているものの1日お休みをいただいて...
今日は車内放送のコレクションから1つご紹介したい。
前回(→ こちら)と同じ大阪駅到着を告げるアナウンスだが、当時の「4号」は福知山、「6号」は姫路と、担当の車掌区が違うので、アナウンスの言い回しなどにも違いがあって。

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【2009年6月25日13時09分】 山陽本線・姫路駅

山陰海岸のカニで有名な街、香住駅(兵庫県)から播但線を経由して姫路、JR神戸線を通って大阪まで走っている特急が「はまかぜ」号。
長らくキハ181系が運用され。山陰本線沿いの兵庫県北西部、香住や浜坂から大阪への直通需要も踏まえてだろうか、姫路で新幹線に接続するものの、列車はJR神戸線を走って三ノ宮駅を経て大阪駅まで乗り入れており。

香住からやって来た「6号」も多くの乗客は姫路駅で乗り換えて。そこからのJR神戸線区間は車内も閑散としていて。それを「録音に良い!!」と選んで乗っていたのが当時の<変態鉄>だった。

この日は増結の6両編成の運転、後ろから2両目のグリーン車、キロ180−4号車は三ノ宮を出ると誰も乗っていなかった。
車掌さんに許可をもらって、その車内でマイクを...



車掌さん、そんな<変態鉄>に「尼崎を過ぎたら放送しますね」と耳打ちしてくれて...……  ……

しばらく前、実家の“捜索”の結果、自室の段ボール箱の中から1999〜2003年頃の旅行メモがまとめて“発掘”されて。
この「はまかぜ6号」の乗車日も、そのメモから特定できたのだった。

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【2002年3月16日】 芸備線・白木山-狩留家

読み直してみれば、20年前の話。齢のせいだろうか、記憶は断片化してきており。記録を調べてみると、このときは間もなく終焉を迎えるキハ58系芸備線急行の備後落合乗り入れ、その急行列車の活躍を、撮りに、録りに行ったときの帰りだったみたい。
「芸備線急行を撮りに行ったこと」(→ こちら)、「はまかぜ6号に乗ったこと」など、1つ1つの事柄はハッキリ覚えているが、それが一体の行程であったことは完全に忘れていた。

このときは、写真よりもとにかく「録音」。オルゴールのチャイムが流れる列車を探しては「周遊きっぷ」をフル活用して...


2002年3月18日(月)晴れ一時くもり

芸備線の撮影と録音を終えて、この日は、朝、広島から呉線経由、三原から「こだま」で18時前に姫路駅に到着したみたい。そういえば、呉線の車内で突然、鼻血が出てきて止まらなくなって難儀したことを覚えている。

まだ、姫路駅は高架化工事たけなわ。当日のメモにもそのことが記録されている。播但線ホームは駅の一番端、上屋もない切り欠きホームに「はまかぜ」号は到着する。紅色の103系の普通電車は混雑していたものの、当然、「はまかぜ」号を待っていたのは自分だけだった。

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【1999年頃】 播但線・姫路駅

前回、ご紹介した「4号」は、まだ明るい時刻の発車だが、3月の19時といえば既に真っ暗で。上屋もなく照明もまばらな吹きさらしのホームで列車を待った...と、当日のメモ。姫路駅でも写真は撮っておらず、それは今となっては悔やまれるのだが...

でも、メモに当日の編成はしっかりと記録しており。

 ↑ (大阪・香住)
 (6) キハ181−26 〔京キト〕 自由席
 (5) キハ180−40 〔京キト〕 自由席
 (4) キハ180−48 〔京キト〕 指定席
 (3) キハ180−12 〔京キト〕 指定席
 (2) キハ180− 4 〔京キト〕 グリーン車
 (1) キハ181−27 〔京キト〕 指定席

まだ、当時は全車禁煙ではなかった筈だが、そこまではメモしていないのが<変態鉄>である。

この頃のキハ181系「はまかぜ」号、普段は4両編成が基本だったはずだが、増結の6両編成で走ることも多く。走行機器は基本的に1両完結で増結・減車が自由にできるのもキハの特徴である。

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【2021年9月19日16時38分】 東海道本線・大阪駅

JR神戸線は複々線区間が長いが、その分、俊足の快速列車が雁行しており...。いくら強馬力エンジンを積んでいるとはいえ、キハは必死になってその猛追から逃げるのである。山陰本線・播但線とはまったく違った軌道状態、まさに特急型の意地といった走りである。

この頃、姫路列車区担当の列車では、車掌さんの判断で随時、明石海峡大橋の案内の放送が行われて。

 「全長3,911 m、最も高い支柱は300 mにもなり、夜間は1,092個の電球でライトアップされて...」

明石駅を発車した直後の緩やかなカーブ、右の車窓には青い光の点々がカテナリーを描いており、美しかった。
三ノ宮駅を発車したところで、6両編成を一巡、歩いてみるとグリーン車は、いつの間にか、皆さん降りて無人になっていた。

勇んで車掌室へ。録音したい旨、お願いするとグリーン車内でマイクを持っているのを快諾してくれて。

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【2015年8月2日8時24分】 水島臨海鉄道水島本線・倉敷市駅 

芦屋付近だっただろうか、最後の車内巡回の時に「尼崎あたりで(オルゴールを)鳴らすから...」と耳打ちしてくれて。
キロの専務車掌室ではなく、最後部キハ181の後部運転台から放送するようで...

予告通り、尼崎駅を通過すると「アルプスの牧場」のオルゴールが演奏されて...

マイク(増幅器)の横にある「放」というボタンを押し込むと車内放送が入るようになる。キハ181形の運転台と客室の間には発電エンジンを搭載しているスペースがあって。その発電エンジンの轟音が放送とともに聞こえてきている。

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【2010年6月29日17時17分】 東海道本線・大阪駅

「ご利用いただきましてありがとうございました。あと5分しますと、終点・大阪に着きます」
から始まる、ベテラン車掌さんによる名調子の好放送である。でも、録音中はそれを聴く余裕はなく。放送の音量設定が...マイクレベルの表示が「Over」ならないか、ヒヤヒヤしながら表示を睨んでいたのだった。

乗換案内では、やはり、まだこの当時は「環状線外回りのりば」「内回りのりば」という案内になっており。そのあたりで走行音が大きくなるのは、ちょうど淀川鉄橋に差し掛かるから。後半には「寝台特急『日本海3号』青森ゆき、20時17分です...」などという懐かしい名前も飛び出してくる。

大阪駅に着いたら、車掌さんのところにお礼を言いに。
「オルゴールの調子が悪くて、長く鳴らなくて...」とお詫びされてしまって...恐縮した次第。

……  ……

この当時、ベテランといった感じに見えた車掌さん、25年経って...もうリタイアされた世代だろうか。
車両も世代交代したが、2000年代に入ると自動放送が増えてきて、こうした車掌さんの名調子を聞ける機会も少なくなり...
最近では、車内放送はあっても途中駅の時刻や乗換案内も「アプリで確認を...」だけで終わりということもあって。
さらに、大半の列車がワンマン運転になり。この「車内放送」というのも消えていく運命にあるのだろうか。別に、無いと困るものではないかも知れないが、でも、自分としては残っていてほしい鉄道情景なのである。

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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