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秋の北東北「鉄印帳」の旅(12)角館まで [3セク鉄道「鉄印」の旅]

8月の大雨で一部区間が運転見合せになっていた小湊鐵道、新聞報道はあったが、ようやく昨日、公式サイトにも情報が掲載され。
行楽客で賑わう土休日だけ列車を運転し、平日は引き続き運休して工事を行う...というところに、もはや「地域の足」とはいえない、観光路線であるということを改めて認識してしまった、天邪鬼な<変態鉄>である。

それでも、月崎から先の区間、ぜひ乗って撮って...。年内にあと1〜2回、小湊キハを撮りに行きたいと思っている。

さて、引き続き、10月の東北の話題。秋田内陸縦貫鉄道は、鷹巣から角館までの約94 kmの長大路線、ほぼ全区間が山間部を通っており。
北は阿仁合線として60年前に開業、南は角館線として1970年代に開業、そして、長いトンネルを挟む中央部は、3セク転換後、平成に入ってから漸く開業し、全線が繋がったのだった。

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【2023年10月24日11時18分】 秋田内陸縦貫鉄道・阿仁合駅

阿仁合駅まで乗ってきた車両は入庫、ホームには唯一“オリジナルカラー”のAN-8804号車の姿。

さぁ、いよいよ風光明媚な区間に...、でも...

……  ……

2023年10月24日(火)晴れ

3セクをはじめ、ローカル線はどこも経営環境が厳しく。もちろん、団体旅客というのは大歓迎なのだろうけれど...
<変態鉄>にとって理想のローカル線は、数名しか乗客のいないディーゼル動車の車内で、ボックスシートを独占して、向かいの席に足を投げ出して車窓を眺めること。

窓口で硬券を買おうとすると、自分の前に居たオッサン、片言の日本語を話しながら諭吉さんを財布から何枚か取り出して。
チラッと見えた書面は団体運賃の計算書。どうやら、当日申し込みの形で外国人観光客20〜30名の団体が角館ゆきに乗り込むようで。う〜ん、正直、ちょっと憂鬱。いや、それは、決して、外国人だから...という訳ではなく、やはり、閑散とした車内が好きなのである。まぁ、鉄道会社からしたら、<変態鉄>の方が鬱陶しい客だろうが。

いち早く、車端部のロングシートに荷物を置いて座席を確保。ホームに出てちょっと撮影。

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【2023年10月24日11時22分】 秋田内陸縦貫鉄道・阿仁合駅

この2両編成のディーゼル動車、急行「もりよし」号や、かつてのJR乗り入れの臨時列車での姿を鉄道誌の写真で見かけたものだが...

逆向きに連結されて...
車体も少し痛みが出てきており、使われている感じは無く...。

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【2023年10月24日11時22分】 秋田内陸縦貫鉄道・阿仁合駅

ちなみに、こちらのAN-8800形は、転換時、国鉄から譲ってもらったキハ22形が老朽化で故障が相次いだために導入されたのだとか。
このカラー、そのキハ22形時代から引き継がれているそうで...。

そういえば、かつて五能線の運用に就いていたキハも、色調こそ違えど似たような感じのカラーだった。
青空がキレイ。秋晴れの阿仁合駅である。

この列車、団体が乗車したからか...どうか、女性アテンダントさんが乗務して。マイクを使って車窓の案内も。残念ながら賑やかすぎてあまり聞き取れなかったが...。

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【2023年10月24日11時49分】 秋田内陸縦貫鉄道・第211D列車(AN-8804号車)内

阿仁合駅を11:30、定刻で発車。旧国鉄阿仁合線、阿仁川沿いを走る区間である。最初の荒瀬駅付近は線路沿いに棚田が広がり。
最初の見どころは萱草駅の近く、大又川鉄橋である。川底の石もはっきりと見えるくらい、よく澄んだ水の流れである。

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【2023年10月24日11時49分】 秋田内陸縦貫鉄道・第211D列車(AN-8804号車)内

それにしても、阿仁川に架かる鉄橋が大又川橋梁??

「阿仁川」というのは、かつては阿仁前田付近から下流域の名称だったのだそうで。その当時の名前が「大又川」、現在はこの付近も「阿仁川」だそうで。

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【2023年10月24日11時50分】 秋田内陸縦貫鉄道・第211D列車(AN-8804号車)内

逆光側には国道橋と下に旧道の細い橋が並行して架かっており。案内にもあったが、やはり、両橋とも秋田内陸縦貫鉄道の有名撮影地だそうで。
一度、撮りに来てみたいと思う次第。

大又川鉄橋を渡ると、笑内駅。こう書いて「おかしない」である。名前の由来はアイヌ語だそうで...。
このあたりから比立内あたりまでが「マタギの里」として知られているとのこと。国鉄阿仁合線の終点がこの比立内駅だった。ここからが3セク転換後に開業した区間。

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【2023年10月24日12時09分】 秋田内陸縦貫鉄道・第211D列車(AN-8804号車)内

その鷹角線区間の最初の見どころが比立内川鉄橋。紅葉が美しく。
う〜ん、降りて外から撮りたいところ。
列車は徐行しながら鉄橋を通過、皆さん、窓ごしにカメラを構えて。

やはり、分水嶺にあたる区間が最後まで残されるのはローカル線の常であり。比立内駅から奥阿仁、阿仁マタギの2駅を過ぎると長いトンネルに入って。十二段トンネルである。全長5,697 mで、阿仁川流域と桧木内川流域の境目であり、北秋田市と仙北市の境でもあり。
でも、このトンネルのスゴイのは、5,697 mに渡ってほぼ一直線だということ。ただし、実際には「へ」の字型になっているのだそうで...。

でも、晴れているとトンネルの中央部に来た時、一瞬だけ南北両方の出口に差し込む光が見える...と。
アテンダントさんの案内放送にみんな興味津々。「まもなく、です。」、写真では表現できないが、たしかに車両の前部と後部の貫通扉のガラス越しに両方の光の点が見える時間があった。僅か数秒だが...。晴れた日にしか見られない珍しいシーン。

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【2023年10月24日13時17分】 秋田内陸縦貫鉄道・角館駅

やはり、鉄建公団の手で開業した区間は一直線の線路と連続するトンネルが特徴で。

途中の駅で団体は降りたが...、かわりに別の団体が乗ってきて。相変わらず車内は満員である。

「田沢湖までクルマで20分」と案内が入った松葉駅が国鉄時代の角館線の終点。桧木内川沿いを走る区間に入ると徐々に角館に向かうと思しき地元の方も乗ってきて。

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【2023年10月24日13時17分】 秋田内陸縦貫鉄道・角館駅

長いようであっという間。角館駅の端にある欠き取りホームには、13:03着。

窓口で硬券を購入して、ここまで乗ってきたAN-8804号車を撮ったら、隣のJR角館駅へ。

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【2023年10月24日13時21分】 秋田内陸縦貫鉄道・角館駅

人の流れが落ち着くタイミングを見計らって、内陸線の角館駅舎の姿を。

初日の由利高原鉄道に続いて、この「秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸縦貫線」も季節を変えて、乗って撮って...ゆっくり向き合ってみたいと感じる魅力のある路線だった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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