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秋の北東北「鉄印帳」の旅(1)ぷろろーぐ [3セク鉄道「鉄印」の旅]

10月の後半、平日だけ4連休をもらえることになって。

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【2023年10月25日14時00分】 三陸鉄道リアス線・釜石駅

全国40の第3セクター鉄道の「鉄印」を集める旅。最初は40社コンプリートなど全然意識していなかったのだが、だんだん集まってくると気になるもので。2020年10月に、いすみ鉄道を撮りに行った時に「何となく」買った鉄印帳、だんだん空白のままのページが少なくなってきて。

この旅行に出かける前の段階で、40社中32社、80%まで来ていた。
でも、最初に何も考えずに、いすみ鉄道、真岡鐵道...と手近なところから始めたので、残った8社は北東北・北海道と南九州に集中しており。
最後の“産みの苦しみ”だろうか、でも、コレをキッカケにして、いままで訪れようと考えることもなかった路線や訪れてもただ素通りするだけだった路線に関心を持つことができて。

来年には北陸新幹線の延伸で北陸本線の福井県内区間も3セク化される。その「ハピラインふくい」も「鉄印」ができるか否か、まだ、<変態鉄>はそこを知らないのだが、そうなる前に、現段階の40社を制覇した...という記録だけは作っておこうという不埒な考え方に基づいて10月の休みを使うことにした。

南九州と北東北、迷ったが、今回は北に向かってみることにして。9年ぶりの三陸鉄道、大学生のとき以来の函館など、アレコレ、悩みながらプランを考えたのだった。

さて、その第3セクター鉄道と「鉄印帳」というのは...

……  ……

<鉄>の世界では、「第3セクター」という用語はちょっと難しく...

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【2022年1月7日15時09分】 天竜浜名湖鉄道・金指駅

本来、「第3セクター」というのは、公企業(第1)でも私企業(第2)でもない、そのハイブリッド的な経営形態を指して使う用語だが、<鉄>の世界ではちょっと違っていて。

・ 国鉄再建法の流れの中で、廃線・バス転換が相応しいとされた路線(特定地方交通線)を地元自治体が出資する鉄道会社が引き継いだもの
(例 いすみ鉄道[木原線]、天竜浜名湖鉄道[二俣線]など)
・ 国鉄時代に着工されたものの、途中で建設が凍結された路線を引き継いで開業させたもの
(例 北越急行ほくほく線、井原鉄道)
・ 新幹線の開業に伴い、並行在来線をJRから経営分離したもの
(例 しなの鉄道[信越本線]、肥薩おれんじ鉄道[鹿児島本線])

の3グループ40社(※ 2023年11月現在)を指して「第3セクター」と呼ぶのが一般的。

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【2023年3月1日9時11分】 水島臨海鉄道水島本線・倉敷貨物ターミナル-三菱自工前

経営形態で言えば、ひたちなか海浜鉄道[茨城交通湊線]とか水島臨海鉄道なども「3セク」だが、鉄道趣味的には「3セク」と呼ばないのである。

そのあたり、<変態鉄>のアタマでは難しい話を理解できるわけもなく、説明を読んでも「う〜ん、複雑だな...」程度だった。

これは“業界団体”というか...、上記の40社、国鉄・JRの赤字路線に関連した路線を運営する各社は「第3セクター等鉄道協議会」という団体をつくっており。いわゆる、多くの“私鉄”が加入している民鉄協とは別で...

まぁ、つまり、本来、経営形態を表すはずの「第3セクター」というコトバが、<鉄>の世界では、その団体に属する鉄道会社を指して言う用語になっており。

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某大手新聞社系の旅行会社が、その「3セク協」の40社とツルんで始めたのが「鉄印帳」。まぁ、「御朱印帳」のパクリだが...
(だから、並行在来線であっても民鉄協加入の「青い森鉄道」には鉄印が無い)

指定の「鉄印帳」を、どこかの3セクで購入して...。(<変態鉄>は、いすみ鉄道大多喜駅で2020年10月に購入)
各社の指定の駅窓口・施設に出向いて、この「鉄印帳」と当日有効の乗車券類を示すと...

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300〜500円くらいで「鉄印」を入手できる。

大半は「書き置き印」として印刷済みのものに、その場で職員が日付を記入してくれるタイプだが、一部には駅職員や社長さんが直筆で...というのもあって。

まぁ、その路線に乗って線内の中心駅まで行って、窓口でそれを買って...

と、言ってみれば、それだけだが、でも、いろいろな場面を見ることができて、ある社は沿線住民が鉄道利用以外でも駅に集まるような、そういう取組みを行っていたし、また、ある社は、ただ窓口に「鉄印帳」を出して300円の鉄印を買っただけのオッサンに、非常に親切にパンフレットなどを用意してくれたり...。高校を上がったばかり位の若い駅社員が一生懸命に窓口での案内業務に当たっていたり...。

どこもローカル鉄道を取り巻く経営環境は厳しくなってきている...とは聞くものの、純粋に応援したくなる路線も。

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【2020年12月31日9時35分】 いすみ鉄道・大多喜駅

「3セク」と言えば、最近でこそ、いすみ鉄道を筆頭に北条鉄道など国鉄型車両の導入が話題になったり、SLを活用した集客を試みたりする社がでてきたが、もともと、特定地方交通線を転換したところは、国鉄の分割民営化に前後して一斉にできた“同世代”なので、富士重工などの同じ規格のディーゼル動車ばかりで...、開業の新しいところはJRと同じタイプの車両(の色違い)ばかりで、車両面で興味が持てず。

しかも、そもそも合理化のためワンマン運転、<車内放送マニア>としてもテープによる自動放送では...

趣味的観点から、<変態鉄>としてはあまり興味が持てないことが多かった。

「鉄印帳」を持つようになって、<変態鉄>の趣味の方向性も「撮る」だけから「乗る」が中心へと変化しつつあるのかもしれない。今回は望遠レンズこそ持っていくものの、三脚などは持たずに。思いっきり、「乗る」を重視したプランで。

……  ……

休めるのは、10月23日(月)から26日(木)までの4日間。
秋田空港か庄内空港からスタートして、大館、盛岡と泊まって24日の青函フェリーの夜行便で函館入り。1日を函館市電の撮影に充てて、もう1日で噴火湾沿いを走るキハの姿でも撮れれば、と欲張りなプランを考えたのだが...

それでホテルやヒコーキを手配する段になって...

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【2023年10月24日11時18分】 秋田内陸縦貫鉄道・阿仁合駅

ウェブで確認してみると秋田内陸縦貫鉄道・阿仁合駅での「鉄印」、その窓口営業時間に間に合わない可能性が。最後の最後でプランを組み直し。
宿泊地が秋田、岩手2泊、最終日に新幹線で函館入りして、道南いさりび鉄道に乗り、さらに、函館市電を見て函館空港から...という計画に変更。
その分、3セク鉄道をゆっくりと回れるようにしたのだった。

さぁ、いよいよ、10月23日の早朝。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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