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夏の浅野川電車と「鉄印帳」(3)北間の田園地帯 [北陸鉄道]

先日、拙ブログに、とし@黒猫さんから、この内灘駅の先にあった「内灘海岸駅」(臨時駅:1974年廃止)に関して詳細なコメントをいただき。廃駅の存在は知っていたが、現在の内灘駅周辺は典型的な住宅街で。夏は海水浴客で賑わう日本海に面した砂浜海岸だったことを感じさせる廃線跡の“遺構”と呼べるモノは見つけることができず。
内灘海岸駅までの1.5 kmほどの区間は海水浴シーズンだけの運転、港湾開発のために廃止となるというのは、他にも例があって。昭和40年台というのは、そういう臨海部の開発が進んで日本中のさまざまなところで海岸の風景が一変した時期だったのかも知れない。

さて、その内灘海岸駅、書類上の廃止は1974年(昭和49年)だが、調べてみると実際の営業運転は1972年(昭和47年)8月だったとしている資料が多く。つまり、電車が走らなくなって今年でちょうど50年である。
それでも、便利なモノで。ネットで「内灘海岸駅」と入れて検索すれば、その当時の浅野川線の写真を紹介しているサイトを見つけることができた。

  懐想「石川の鉄道」さん → http://www.asagaotv.ne.jp/~ohara/21asanogawa3.html

内灘海岸駅も、頂戴したコメントの通り、海岸沿いの素敵な駅で。それとともに驚いたのは駅舎があった当時の粟ヶ崎駅。いまではプレハブ小屋のような待合室だけの無人駅。
その隣の大野川鉄橋は浅野川線の有名撮影地だが、自分がカメラを構えた自動車用品店(??)付近というのが、浅野川電車の最初の終着駅だった「新須崎」駅跡だったようで。まったく知らずに撮っていた。

まもなく、開業から100周年を迎える浅野川線。

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【2022年6月29日12時35分】 北陸鉄道浅野川線・蚊爪-北間

100周年を迎えるときは、東京メトロ日比谷線から来た03系電車に統一されているはずで。

その、大野川鉄橋で撮った後はそのまま歩きながら撮影地を探したのだった。
……  ……

2022年6月29日(水)晴れ

機具橋で撮ったら、それで...
自分が知っている浅野川線の撮影地というのはココだけだったので。内灘ではなく金沢方向へ、線路に近い道を当てもなく歩きながら撮影地を探したのだが...

そう簡単に撮影地を見つけることができるはずも無く。

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【2022年6月29日12時15分】 北陸鉄道浅野川線・北間-蚊爪

6.8 kmの路線に12駅なので駅間距離は非常に短く。そのあたりも“電鉄線”らしさだろうか。気づけば、隣の蚊爪駅のところまで来ており。
駅は住宅街の中のカーブにある片面ホームの無人駅。周囲は住宅街で線路沿いまで建て込んでいるが、踏切脇の駐輪場の所でカメラを構えれば正面がちに。

ちょうど踏切機が鳴り出して。ちょうど、内灘ゆきの03系。ちなみに、ここの踏切、電鐘式で残っており懐かしい音色。

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【2022年6月29日12時16分】 北陸鉄道浅野川線・蚊爪駅

ただ、この駅前駐輪場、「撮れるには撮れる」が、カーブのところは逆光気味。そもそも、かなり窮屈な場所での撮影。
ということで、もう少し撮影地を探してみることにした。浅野川線は日中、30分間隔で2本の電車が交互に走っているので、次の8800形まで、あと30分である。

往きの電車の中で見ていると、この次の北間駅との中間付近に見晴らしの良さそうな水田地帯があったような気がして...

線路も曲がりくねっており、並行する道路と何度も交わるのである。その地点は分かったのだが、歩いて行ける道順が分からず、浅野川小学校の付近をぐるっと回って。

「蚊爪駅の金沢側」というイメージだったが、実際にはこの水田地帯にあるのが北間駅。いつの間にか2駅分、歩いていたのだった。
北間駅のホームの先、道路沿いから水田地帯のカーブに差し掛かる電車の姿をサイドがちに撮れるのだが...

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【2022年6月29日12時35分】 北陸鉄道浅野川線・蚊爪-北間

線路沿いの道、まずはホーム端に近い地点に立って。蚊爪駅からカーブして北間駅に進入してくる様子を真っ正面から撮ることができて。

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【2022年6月29日12時44分】 北陸鉄道浅野川線・北間-蚊爪

続いて、いまの03系と三ツ屋駅で交換して下ってくるのが、お目当て、8800形、井の頭線3000系初期車である。側面がちの“本命”カットで。
電化された路線を撮ることが少ない<変態鉄>にとって、こういう場面で、架線柱をどうするべきか...非常に悩んだ結果、電車を中途半端な位置に止めてしまうのである。

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【2022年6月29日13時05分】 北陸鉄道浅野川線・蚊爪-北間

最初に撮った地点までは数メートル、ヨコに動くだけ。

折り返し、蚊爪駅を出発した8800形が、向こうから姿を見せて。

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【2022年6月29日13時05分】 北陸鉄道浅野川線・蚊爪-北間

裾絞りのない狭幅車体こそが井の頭線3000系初期車の特徴である。車体裾のラインが一直線である事に注目!!

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【2022年6月29日13時05分】 北陸鉄道浅野川線・蚊爪-北間

急いでズームをワイド側に回せば、もう1枚。速度を落としながら北間駅のホームに滑り込んでいく姿をサイドがちに。
正面がちとサイドがち、その中間に立てばアウトカーブのカットが撮れる。わずか数メートルの移動を繰り返しながら撮り続けたのだった。

う~ん...、悪くは無いのだが架線柱の位置が。立っているだけで汗がダラダラと流れ落ちてくるような暑さ、その中で、あと40分ほど、待つことを決意したのだった。

でも、実は、このとき、ちょっとした“ハプニング”が。

この撮影の立ち位置、すぐヨコに北間駅のホームが見えている。そのホームの端にジュースの自販機があって。白地に青と緑のラインが入った伊※園の販売機。
暑いっ!! 熱中症を防ぐこともあって冷たい飲み物を買おうと思って硬貨を投入、ペットボトルのスポーツドリンクのボタンを押したのに...、何も起こらなかったのである。いや、その百数十円のことでは無くて、この暑さの下、コレは堪えた。
もちろん、硬貨が下の返却口に戻ることも無く。この現象、なぜか撮影中に。実は2度目で、以前、越中三郷駅前の自販機でも同じ事を経験していた。

とはいえ、この時期、飲み物無しでの撮影はキツい。ドリンクを求めて歩き回るのだった。周囲は住宅地なのでジュースの自販機くらい簡単に見つかりそうな気がするが、そういうときに限って、なかなか見つからないのである。
このカーブの向こう側、蚊爪側の自動車整備工場(??)のところに自販機を発見。無事...となるところだったが、こちらは「つめた~い」を押したのに「ぬる~い」ままのものが出てきて...運にも見放され。

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【2022年6月29日13時35分】 北陸鉄道浅野川線・蚊爪-北間

戻ってきたのは、03系編成。先ほどよりも少し駅側に移動したポジションでカメラを構えてみた。

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【2022年6月29日13時43分】 北陸鉄道浅野川線・北間-蚊爪

すぐに8800形がやって来た。先ほどのカットとほぼ同じ撮り方ではあるが...、う~ん、どちらも失敗カットではないが、何となく、ベストショットと言える1枚にはならず...
思えば、もう少し、この地点で粘ってみても良かったのかも知れない。

……  ……

実は、このときの金沢訪問、浅野川線8800形が最大のテーマだったのは確か。でも、“下調べ”的な意味合いでの訪問だった。8800形、広幅の8900形も含めて、7月、8月の間に何度か撮りに来ようと考えていた。
だから、僅かな時間ではあったが2箇所の撮影地を回っただけで満足してしまって...

ただ、残念ながら、このあと仕事の都合もあって8800形再訪の機会には恵まれず...、9月24日をもって、写真の8802編成は引退してしまったのは既報の通り。

ジュースの自販機の件。自販機ヨコに書かれた電話番号に連絡すれば自販機の商品補充などに回る担当者から折り返しで電話をもらえる。この日のうちに北間駅の自販機、点検してくれたようで、あとでその現金分を書留で自宅に送ってくれたのだった。
なぜか分からないが、東京では無く“出撃先”で、このトラブルに遭遇する<変態鉄>である。

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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