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水島臨海鉄道「CF返礼 写真撮影会」(3)倉敷のキハたち [水島臨海鉄道]

<鉄>の撮影会のうち、車両基地構内での撮影会というのには、2つのパターンがあって。
1つは、撮影方法や時間がキッチリ決められた中で撮るというケース。地方の中小事業鉄道会社なら、ポスター写真などで協力してもらっているアマチュアカメラマンなどが撮影会の企画・運営にかかわっていて、そういうケースでは、撮影会の開催時刻の車両基地構内の光線状況を予め計算した上で、被写体となる車両が一番、キレイに見える位置を選んで並べてくれる。
やはり、こういう写真を撮る場合、他の参加者の姿態が写り込むのは避けたい訳で、そんな心理も踏まえて参加者の誘導や整理も事細かに。
「最初の何分間は、全員、このロープより後ろから、車両全景を撮ることにしましょう。何時何分に合図しますから、そうしたら車両に近づいて撮影しても良いです」みたいな。

今回は、基本的に参加者の自由とされるパターンで。そうすると、前から撮りたい人、後ろから撮る人、さらに、模型の資料収集だろうか、床下機器を1個ずつ観察して撮影したい人...、いろいろな人が入り乱れて。
<変態鉄>は、こういうときは細部写真ではなく、車両全景を斜め前方からスッキリ撮りたい...という考えの人。ちょっとイライラしながらも、他の撮影者の姿が画面から見えなくなるまで辛抱しながらの撮影を繰り返していく。

だから、1つの車両に集中するよりは「いま、周囲に人が居ない!!」と、そういう場所を探して動き回りながら。そういうことで、撮った写真も1両ずつ順番...ではなく、いろいろなものが混ざっており。
それを整理しながらブログを書くことになるので、普段の撮影記とか乗車記のように、時系列に写真を貼っていけば良いのとは違って、記事にまとめるのが難しいのである。

と、言い訳がましいことを言い終えたところで。引き続き、5月15日の水島臨海鉄道倉敷貨物ターミナルでの撮影会。

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【2022年5月15日13時36分】 水島臨海鉄道・倉敷貨物ターミナル

今回のクラウドファンディング、長らくの屋外留置で傷んでしまったキハ205号車の修復がメインだったが、その金額に達した後の「ネクストゴール」として、現在、水島本線で運用中の、久留里線からやって来た国鉄時代のディーゼル動車について、その塗装を新製当時のものに変更する...というのも。
こちらも目標額に達して。昨年の暮れから順次、お色直しされて登場していた。車両不具合や、現地での自分の体調不良などもあって、キハ37形、キハ38形は、まだ、ちゃんと撮ることができていなかったのである。

そちらを、じっくり撮ることができたのも今回の“収穫”だった。

……  ……

2022年5月15日(日)曇り

かろうじて、昨年末にお披露目運行を撮れたのは、キハ37 103号車。国鉄 → JR東日本の時代は、キハ37 2号車。製造は、1983年、富士重工である。

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【2022年5月15日13時42分】 水島臨海鉄道・倉敷貨物ターミナル

ちょうど、この写真で奥にチラッと姿を見せているキハ30 100号車。
水島では予備車として、いっしょに譲受したキハ30形が、偶然「100」という番号だったから、その連番でキハ37形は101,102,103の番号になり。

103号車は、キハ38 104号車とペアで運用されており。
「国鉄型」といえば、それこそ、没個性的な...、例えば、小湊が導入したキハ40形の場合、同系列で900両弱が製造され北海道から鹿児島まで全国津々浦々に。
でも、キハ37形は試作的要素が強く、わずか5両の製造というマイナー形式。(というか、当時の国鉄の台所事情もあって量産化が見合わされ。)

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【2022年5月15日14時25分】 水島臨海鉄道・倉敷貨物ターミナル

国鉄が、かなり苦しくなってきてからの新製だけに、来たるべく民営化を見越した設計だったことが窺われ。
戦前、内燃動力車の開発開始以来、ずっと守っていた「国鉄独自形式のエンジン」などというのも、汎用エンジンの採用に舵を切り。ぱっと見に分かる特徴といえそうなのは、側面の2扉は変えずに、でも、前方のドアを乗務員室直後に寄せたのは民営化後のワンマン運転を考慮していた...とも言われ。

ただ、マイナー形式だったからか1両もワンマン化改造の対象となること無く。

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【2022年5月15日13時53分】 水島臨海鉄道・倉敷貨物ターミナル

通称「タラコ色」といわれた“首都圏色”(朱色5号)は決して評判の良い塗装では無く。塗り分けを止めて単色化するという「塗装工程の合理化」で生まれたからというだけでなく、塗料の性質上、褪色が目立ちやすいことなどもあって。
新機軸を打ち出す...という意味だったのか、車体はそれよりも赤みが強い「赤11号」という、いま、いすみ鉄道で最後の活躍をするキハ28形の、あの窓回りと同じ色になり。
とはいえ、単色だと、かなり明るい赤色にも見えて、急行型のそれとは違う色調に見えるから不思議なモノ。

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【2022年5月15日13時58分】 水島臨海鉄道・倉敷貨物ターミナル

国鉄時代、都市近郊の非電化ローカル線への投入を見込んで試作された...と言われるが、結局、わずか5両の小所帯。加古川線と久留里線で使われただけの車両だが、5両中3両が第2の活躍の場を見いだしている。

その相方は...

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【2022年5月15日13時48分】 水島臨海鉄道・倉敷貨物ターミナル

こちらは、この塗装で走っている姿を見たことがある。キハ38 104号車、こちらは、キハ37形が試作車5両だけで量産化が中止された直後に登場。
八高線で活躍した。分割民営化後も、90年台の八高線電化・キハ110形化後、久留里線に転じるまで、この白地に赤帯で走っており。

こちらは、キハ37形とは違って、名義上は新製でも、キハ30・35形の車体更新で。技術保持...というより、いわゆる「余剰人員」の問題も絡んでいたかと邪推するが...各地の国鉄工場で車体を新製しており。
この、キハ38 104号車は国鉄時代は、キハ38 1003号車、鷹取工場で車体を新製、1986年から八高線で運転された。

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【2022年5月15日13時49分】 水島臨海鉄道・倉敷貨物ターミナル

前面窓回りをブラックフェイスにしたり、ヘッドライトとテールライトを銀色のケースに一体化していたり...
205系や211系など、昭和60年頃、ちょうど<変態鉄>が小学生になった頃、「新車」として出てきた車両と類似するデザインにもなっていて。

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【2022年5月15日14時05分】 水島臨海鉄道・倉敷貨物ターミナル

普通列車は非冷房、というのが、国鉄時代の“常識”だったが、さすがに時代に沿わなくなってきて、ローカル用のディーゼル動車では初めて新製時に冷房を取り付け。
ただし、いわゆるサブエンジン方式。バス用の冷房装置を流用しているため、真夏になると、ちょっとパワー不足なのである。

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【2022年5月15日14時24分】 水島臨海鉄道・倉敷貨物ターミナル

水臨でも、夏場は、キハ37 101+キハ37 102編成の方が運用入りしやすい傾向にあるようで。

この日は、クラウドファンディングの車両だけでは無く、生え抜き組を含め、いろいろな車両を撮ることができた。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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