北条へキハに会いに(9)いざ、北条町へ。 [北条鉄道]
兵庫県というのは思いのほか広い。その兵庫県の加西市を走るのが北条鉄道(粟生駅だけは小野市内)、県の中西部にあたる位置だろうか、加古川市から北へ20 kmほどのところにある。
JR加古川線と神戸電鉄粟生線が乗り入れる粟生駅から北条町駅まで、約13 kmの路線。そう、距離にすれば、わが地元の京王井の頭線とか、よく訪れる水島臨海鉄道水島本線とかと同じくらいの規模。旧国鉄北条線を転換して生まれた3セク鉄道である。3セクの中でも小規模な方で、最近まで保有する車両は3両だけ、途中駅での列車交換はなく1両が行ったり来たりするだけだった。
そんな路線だが、営業努力もあってか、2020年に、途中の法華口駅に交換設備を新設(復活???)して、朝の通勤通学時間帯を中心に増発した。そうして、2列車運行が可能になると3両の「フラワ」形ディーゼル動車では検査入場時などは予備車無しの運用になるので...
【2022年3月5日13時21分】 北条鉄道・北条町駅
ディーゼル動車1両を増備することになって。ぬぁんと、それが経緯もあってJR東日本秋田支社からキハ40形を購入することになったのだから...
その導入費用の一部をクラウドファンディングで調達することになり、2021年にそれが行われた。開始早々、目標額を突破し、最終的に4倍を超える1,300万円が集まった。<変態鉄>としても僅かな額ではあったが、ご協力させていただいた次第。
2022年になって実車も搬入され、3月のダイヤ改正に合わせて営業運転が始められることになり、そのお披露目イベントが...。
会社員<鉄>として、3月は趣味活動に使える時間が少ないのだが、そのうち、3月5日の撮影会がスケジュールが空いていて。ダメ元で応募したのだった。
そうしたら...
…… ……
「どうせ無理だろう」と思っていたのだが、届いたので...
いや、嬉しかった。なぜか、こういう競争倍率の高い(と思われる)撮影会というのは期待しないで応募すると当たるのである。コロナ禍の小湊鐵道五井機関区撮影会も当てたし...
ヘンなところでツいている<変態鉄>である。
ということで、最終日が今回のメイン。13時からの「午後の部」である。
では、新大阪からJR神戸線の快速電車で加古川で乗り換えて...なのか、阪神か阪急で神戸へ、新開地からの神戸電鉄で粟生に向かう...のが<鉄>としての極めて常識的な考え方。でも、<変態鉄>は乗り換えなく、確実に座れる方法を選択するので...
2022年3月5日(土)晴れのち曇り
なぜかあまり寝付けない夜だった。それほど緊張するようなものではないのだが...
6時半に起床、ホテルで朝食を済ませて、ゆっくり支度をして9時少し前にチェックアウト。この朝、天気予報では「黄砂」の予報が出ており。
【2022年3月5日9時01分】 大阪府大阪市淀川区西中島付近
今回のホテル、新大阪駅の少し南側、新御堂筋から西へ入ったところにあった。その新御堂筋、新幹線のガードの手前から歩道は階段になっており。
その階段を上がると宮原操車場の上を。柵ごしに撮ることにはなるが、12系客車が休んでいる。そのヨコにはキハ189系「はまかぜ」が待機しており。あとは221系、おおさか東線の快速だろうか??
【2022年3月5日9時04分】 大阪府大阪市淀川区西中島付近
宮原操車場の上を通り過ぎ、薄暗いのは新幹線の高架。道路の中央には地下鉄御堂筋線が見えている。その、薄暗いところに中国ハイウェイバスの乗り場がある。そう、下り(津山方面)は駅前ロータリーには入らず、この薄暗いところが乗り場なのである。前日の阪急高速バスとともに“予習”しておいて良かった。
やはり、間違える人が多いのか、JRのバス停ポールにも阪急高速バス乗り場への案内図が掲示されており。
列ができている...と思えば、10分前の9:04発の有馬温泉ゆき。自分が乗るのはこの次の9:14発の津山ゆき急行である。
【2022年3月5日10時41分】 兵庫県加西市北条町栗田・北条バスストップ
やはり、中国道の集中工事の関係で千里付近から遅れが生じて。高速道路に入ると快調だったが、高速宝塚バス停は8分ほど遅れて。
その後は徐々に遅れを取り戻し、意外だったのは滝野社、東条などの降車客が多かったこと。北条に近づく頃にはバスの車内もかなり空いてきて。
「これから、車内は空いていくので...」、座席を移動するなりしてゆっくり過ごして良いという旨のアナウンスも。
そして、目的地の北条バスストップには5分ほどの遅れで10:40頃に到着。自分以外にも数名が下車。
高速バスの途中停留所というのはインターチェンジのところに併設されているタイプと、それこそ、路肩のところにあるものがあって。この北条は後者のタイプ。
【2022年3月5日10時42分】 兵庫県加西市北条町栗田・北条バスストップ付近
ガラガラガラ...と、重たいドアを開けて外に出れば急な階段が続いており。
その途中には少し色褪せた案内看板。北条町駅までは750 mという案内が出ており。
【2022年3月5日10時42分】 兵庫県加西市北条町栗田付近
バス停からの階段を下りて右に進めばすぐに十字路、ここを左折して道なりに徒歩10分程度。途中は住宅街といった感じだが駅に近づくにつれて都市銀行の支店があったり、大手チェーンのビジネスホテルがあったり...。
【2022年3月5日11時00分】 北条鉄道・北条町駅
まもなく交差点の左前方に北条町駅が見えてきて。撮影会は「午後の部」、申し込んだ時点ではスケジュールが決まっていなかったので、当日の朝のヒコーキで大阪入りした場合には「午前の部」では間に合わない...と思って。そして、この朝もバスの遅れを心配して早めに出てきたので、ちょっと時間を持て余してしまう結果に。
駅舎内を見渡してみれば、物販コーナーに...
【2022年3月5日10時58分】 北条鉄道・北条町駅
「フラワ」形のものだろうか、推進軸が売られており。もちろん、5万円は払えないし、持ち帰ることもできないので...
駅舎は周辺の整備に際して、国鉄北条線の頃の駅から少し移転しており、新しい建物になっている。待合室もベンチが並べられていてのんびり過ごせそうな場所なのは間違いないが、でも、ずっと待っているだけ...というのも退屈で。
13時の撮影会開始まで周辺を散歩してみることに。
【2022年3月5日11時05分】 北条鉄道・北条町駅付近
駅の隣のコンビニのところを回り込むように、駅構内外れの踏切に向かうとキハの姿がチラッと。<変態鉄>にとって、これが北条鉄道キハ40形との初対面である。
撮影会の時に参加者で無い者がカメラを向けるというのは...。踏切越しにもっと近づいて撮ることもできたが、ここはちょっと遠慮して。
…… ……
粟生から北上してきた列車は、右にカーブして北条町駅に到着する。北条町駅周辺は郊外型のロードサイド店舗などがあるが、しばらく線路沿いに進めば新しい分譲住宅が建ち並ぶエリアへ。そこを抜ければ、まもなく田園風景が広がるエリア。
【2022年3月5日11時30分】 北条鉄道・播磨横田-北条町
11時半に近づき、まもなく第619列車がやってくる。急ぎ、バックに住宅が入らない地点を...
カメラを構えたのは松の木が印象的なカーブ。緑色のフラワ2000-3号車は、三木鉄道からの移籍車、つまり、ひたちなかにいる個体と“兄弟”ということになる。
その姿を撮って。でも、この時間帯、上り(粟生方面)の方が光線状態が良くて。ということで、折返しの第620列車を...。
とはいえ、もう場所を変える余裕はあろう筈無く。もちろん、撮影地の候補もアタマの中に入っていないので、そのまま“回れ右”で。
光線状態が良く、こちらが“本命”だったはず。もう、完全に分かっている。
ディーゼル動車単行である。
それなのに...
【2022年3月5日11時41分】 北条鉄道・北条町-播磨横田
ファインダーの中に飛び込んできたフラワ形の車体が長く長く感じたのだった。
構図決めの完全なる失敗。
サイドからの典型的な列車写真なのに...、この平凡な構図で、まさかのケツ切れ撃沈である。鉄道写真を撮って30年余り、まさか...の失敗である。
ここでケツ切れできる自分を褒めてあげたいとしか言いようがない。う~ん、消化不良どころの感覚では無く。正午を前に北条町駅に戻ることにした。(つづく)
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JR加古川線と神戸電鉄粟生線が乗り入れる粟生駅から北条町駅まで、約13 kmの路線。そう、距離にすれば、わが地元の京王井の頭線とか、よく訪れる水島臨海鉄道水島本線とかと同じくらいの規模。旧国鉄北条線を転換して生まれた3セク鉄道である。3セクの中でも小規模な方で、最近まで保有する車両は3両だけ、途中駅での列車交換はなく1両が行ったり来たりするだけだった。
そんな路線だが、営業努力もあってか、2020年に、途中の法華口駅に交換設備を新設(復活???)して、朝の通勤通学時間帯を中心に増発した。そうして、2列車運行が可能になると3両の「フラワ」形ディーゼル動車では検査入場時などは予備車無しの運用になるので...
【2022年3月5日13時21分】 北条鉄道・北条町駅
ディーゼル動車1両を増備することになって。ぬぁんと、それが経緯もあってJR東日本秋田支社からキハ40形を購入することになったのだから...
その導入費用の一部をクラウドファンディングで調達することになり、2021年にそれが行われた。開始早々、目標額を突破し、最終的に4倍を超える1,300万円が集まった。<変態鉄>としても僅かな額ではあったが、ご協力させていただいた次第。
2022年になって実車も搬入され、3月のダイヤ改正に合わせて営業運転が始められることになり、そのお披露目イベントが...。
会社員<鉄>として、3月は趣味活動に使える時間が少ないのだが、そのうち、3月5日の撮影会がスケジュールが空いていて。ダメ元で応募したのだった。
そうしたら...
…… ……
「どうせ無理だろう」と思っていたのだが、届いたので...
いや、嬉しかった。なぜか、こういう競争倍率の高い(と思われる)撮影会というのは期待しないで応募すると当たるのである。コロナ禍の小湊鐵道五井機関区撮影会も当てたし...
ヘンなところでツいている<変態鉄>である。
ということで、最終日が今回のメイン。13時からの「午後の部」である。
では、新大阪からJR神戸線の快速電車で加古川で乗り換えて...なのか、阪神か阪急で神戸へ、新開地からの神戸電鉄で粟生に向かう...のが<鉄>としての極めて常識的な考え方。でも、<変態鉄>は乗り換えなく、確実に座れる方法を選択するので...
2022年3月5日(土)晴れのち曇り
なぜかあまり寝付けない夜だった。それほど緊張するようなものではないのだが...
6時半に起床、ホテルで朝食を済ませて、ゆっくり支度をして9時少し前にチェックアウト。この朝、天気予報では「黄砂」の予報が出ており。
【2022年3月5日9時01分】 大阪府大阪市淀川区西中島付近
今回のホテル、新大阪駅の少し南側、新御堂筋から西へ入ったところにあった。その新御堂筋、新幹線のガードの手前から歩道は階段になっており。
その階段を上がると宮原操車場の上を。柵ごしに撮ることにはなるが、12系客車が休んでいる。そのヨコにはキハ189系「はまかぜ」が待機しており。あとは221系、おおさか東線の快速だろうか??
【2022年3月5日9時04分】 大阪府大阪市淀川区西中島付近
宮原操車場の上を通り過ぎ、薄暗いのは新幹線の高架。道路の中央には地下鉄御堂筋線が見えている。その、薄暗いところに中国ハイウェイバスの乗り場がある。そう、下り(津山方面)は駅前ロータリーには入らず、この薄暗いところが乗り場なのである。前日の阪急高速バスとともに“予習”しておいて良かった。
やはり、間違える人が多いのか、JRのバス停ポールにも阪急高速バス乗り場への案内図が掲示されており。
列ができている...と思えば、10分前の9:04発の有馬温泉ゆき。自分が乗るのはこの次の9:14発の津山ゆき急行である。
【2022年3月5日10時41分】 兵庫県加西市北条町栗田・北条バスストップ
やはり、中国道の集中工事の関係で千里付近から遅れが生じて。高速道路に入ると快調だったが、高速宝塚バス停は8分ほど遅れて。
その後は徐々に遅れを取り戻し、意外だったのは滝野社、東条などの降車客が多かったこと。北条に近づく頃にはバスの車内もかなり空いてきて。
「これから、車内は空いていくので...」、座席を移動するなりしてゆっくり過ごして良いという旨のアナウンスも。
そして、目的地の北条バスストップには5分ほどの遅れで10:40頃に到着。自分以外にも数名が下車。
高速バスの途中停留所というのはインターチェンジのところに併設されているタイプと、それこそ、路肩のところにあるものがあって。この北条は後者のタイプ。
【2022年3月5日10時42分】 兵庫県加西市北条町栗田・北条バスストップ付近
ガラガラガラ...と、重たいドアを開けて外に出れば急な階段が続いており。
その途中には少し色褪せた案内看板。北条町駅までは750 mという案内が出ており。
【2022年3月5日10時42分】 兵庫県加西市北条町栗田付近
バス停からの階段を下りて右に進めばすぐに十字路、ここを左折して道なりに徒歩10分程度。途中は住宅街といった感じだが駅に近づくにつれて都市銀行の支店があったり、大手チェーンのビジネスホテルがあったり...。
【2022年3月5日11時00分】 北条鉄道・北条町駅
まもなく交差点の左前方に北条町駅が見えてきて。撮影会は「午後の部」、申し込んだ時点ではスケジュールが決まっていなかったので、当日の朝のヒコーキで大阪入りした場合には「午前の部」では間に合わない...と思って。そして、この朝もバスの遅れを心配して早めに出てきたので、ちょっと時間を持て余してしまう結果に。
駅舎内を見渡してみれば、物販コーナーに...
【2022年3月5日10時58分】 北条鉄道・北条町駅
「フラワ」形のものだろうか、推進軸が売られており。もちろん、5万円は払えないし、持ち帰ることもできないので...
駅舎は周辺の整備に際して、国鉄北条線の頃の駅から少し移転しており、新しい建物になっている。待合室もベンチが並べられていてのんびり過ごせそうな場所なのは間違いないが、でも、ずっと待っているだけ...というのも退屈で。
13時の撮影会開始まで周辺を散歩してみることに。
【2022年3月5日11時05分】 北条鉄道・北条町駅付近
駅の隣のコンビニのところを回り込むように、駅構内外れの踏切に向かうとキハの姿がチラッと。<変態鉄>にとって、これが北条鉄道キハ40形との初対面である。
撮影会の時に参加者で無い者がカメラを向けるというのは...。踏切越しにもっと近づいて撮ることもできたが、ここはちょっと遠慮して。
…… ……
粟生から北上してきた列車は、右にカーブして北条町駅に到着する。北条町駅周辺は郊外型のロードサイド店舗などがあるが、しばらく線路沿いに進めば新しい分譲住宅が建ち並ぶエリアへ。そこを抜ければ、まもなく田園風景が広がるエリア。
【2022年3月5日11時30分】 北条鉄道・播磨横田-北条町
11時半に近づき、まもなく第619列車がやってくる。急ぎ、バックに住宅が入らない地点を...
カメラを構えたのは松の木が印象的なカーブ。緑色のフラワ2000-3号車は、三木鉄道からの移籍車、つまり、ひたちなかにいる個体と“兄弟”ということになる。
その姿を撮って。でも、この時間帯、上り(粟生方面)の方が光線状態が良くて。ということで、折返しの第620列車を...。
とはいえ、もう場所を変える余裕はあろう筈無く。もちろん、撮影地の候補もアタマの中に入っていないので、そのまま“回れ右”で。
光線状態が良く、こちらが“本命”だったはず。もう、完全に分かっている。
ディーゼル動車単行である。
それなのに...
【2022年3月5日11時41分】 北条鉄道・北条町-播磨横田
ファインダーの中に飛び込んできたフラワ形の車体が長く長く感じたのだった。
構図決めの完全なる失敗。
サイドからの典型的な列車写真なのに...、この平凡な構図で、まさかのケツ切れ撃沈である。鉄道写真を撮って30年余り、まさか...の失敗である。
ここでケツ切れできる自分を褒めてあげたいとしか言いようがない。う~ん、消化不良どころの感覚では無く。正午を前に北条町駅に戻ることにした。(つづく)
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