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紫陽花が見頃の小湊鐵道へ(3)のだっぽり [小湊鐵道]

初、小湊鐵道のウェブサイトには馬立-上総牛久の土砂流入だけ載っていたが、どうやら、昨日の記事でも出てきた、養老渓谷~上総大久保間も...、里見駅以遠も運休になったみたいで。近年の小湊鐵道は、夏の集中豪雨との闘い...みたいな様相を呈しており。コロナ禍もあって、苦しい状況かと思われるが、何とか1日も早い復旧を願う次第。

さて、6月24日の撮影記の続き。
この日の撮影、思ったような画がなかなか撮れなかった。ということで、撮影記を書くときに困るのがトップ画像を何にするべきか...

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【2013年3月6日7時15分】 富山地方鉄道上滝不二越線・月岡駅

ということで本文の流れを完全に無視して、懐かしいこの1枚。
富山に行くと平日の朝は毎日、通った月岡駅での交換シーン、この顔のクハが並ぶ瞬間を撮るのは(当時は)意外とラクだった筈だが、それでも、自分自身として納得できる1枚を残せるまでには、ありえない位、何度も何度も通い詰めて、何度も何度も同じ位置に三脚をセットして...
自分のような者が、“良い写真”を残せるためには、何度も通ってチャレンジし続けるしかないのである。そう、一発勝負で納得できる画を残そう...など虫が良すぎる。アタマではそう分かっていても、そうは行かないのが、会社員<鉄>の辛さなのかも知れない。

来年の紫陽花のシーズン、小湊キハに再チャレンジできるのを今から楽しみに待つしか無いと思っている次第。

さて、それでは、のだっぽりを...

……  ……

2021年6月24日(木)曇りのち晴れ

上総大久保駅から月崎方面に向かうと、駅を出てすぐに“大久保の大カーブ”、<変態鉄>が毎回のように訪れるポイントである。その先にあるのが大久保踏切、いつも線路沿いの砂利道にパトカーが隠れている場所である。ちなみに、この日は居なかった。
その踏切のある県道を線路を背にして少し進めば、やがて道路はトンネルに入る。

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【2021年6月24日11時24分】 千葉県市原市大久保付近

辛うじて路肩には歩道があって...

クルマはかなり速いスピードで通過していく。意を決してココを抜ければ、大久保とは一転、昼間でも薄暗い、崖下のような場所に出る。潜ってきたトンネルに並行する形で小湊鐵道も大久保隧道、こちらは登録有形文化財になっているトンネルである。
その大久保隧道の月崎側、県道と線路が並走する区間が通称「のだっぽり」と言われる場所。

沿線の方々の団体なども協力して、線炉端の整備は継続的に行われているようで、菜の花シースンには大勢の方が訪れる場所である。近くには線路沿いにサクラだろうか、新たに植樹されたと思しき一帯もあって、撮影地としても今後が期待される場所である。
ただ、いつも“大久保の大カーブ”に向かってしまう<変態鉄>、ココに来たのは3回目か4回目くらい。

と、紫陽花を見つけて近くでカメラをセットしようと思ったところで...

雨である。う~ん...

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【2021年6月24日11時59分】 小湊鐵道・上総大久保-月崎

ただ、土砂降りの雨は願い下げだが、本来の梅雨時のしとしと降る雨は、紫陽花とよく似合うと思う。快晴の陽射しの下で撮るよりも良い。
ちょうどやってきたのは、先ほど大久保踏切横で見送ったキハの折返し、第24列車。早いもので、もう正午である。

幸い、雨は強くなることなく10分ほどで上がってくれて。そうすると、陽射しがまぶしくて、雨の後のジメジメした空気に6月の熱い陽射し。汗が噴き出してくる。だんだん<撮り鉄>には不向きな季節が近づいてくるのである。

……  ……

いったん月崎駅へ。駅まではややアップダウンのある道だが、県道を歩いて10分少々の距離。駅前の朝日屋さんという小さな商店で菓子パンを購入。ココ、小湊鐵道の乗車券の委託販売所にもなっていて、もちろん硬券を買うことができるのである。この日は硬券入場券を購入。

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駅のベンチでちょっと休憩したら、再びのだっぽりへ。この写真では分かりにくいが無人駅を意味する「ム」のマークが入った硬券があるのもありがたい。お店のおばさんの許可を得てダッチングマシンで日付も入れて...

道路と線路の間隔が狭く、そこに紫陽花が咲いている。だから撮れそうに見えて、スッキリした構図を見つけるのは意外と大変。さらに、ありがたいことに紫陽花は1 kmあまりに渡って断続的に咲いていて。どこで撮ろうかと迷っている内に早くも下り第19列車の時刻。

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【2021年6月24日13時32分】 小湊鐵道・上総大久保-月崎

いわゆる“花ボケ”、つまり、画の中で、手前側いっぱいに花を入れて(近くにおいてそれをボカして)その後ろに列車を入れる構図で、咲き誇る紫陽花のボリューム感を出そうと狙ったが、完全に目論みハズレ。

手前の花のボケ味も不十分だし、隣の株との間の空白部分も目立ってしまって。
「ちょっと見通しの悪い部分で撮らざるを得なかったキハの記録写真」という何とも、あぼらしい写真になってしまったのである。う~ん。

もっと大胆な構図にも挑戦しないといけない...と思いつつも、現地に着いてカメラを構えると、イザというところで「順光側から列車全景を入れる写真」と、ある種、本能的に反応してしまって。初訪問の路線で列車や車両の記録写真を撮りたいなら、それで良いのだが、何度も来ている小湊鐵道である。自分自身でも物足りなさを感じずにはいられない自分の撮影スタイルなのである。

あれこれ、カメラを構えて見るも、何だか似たような構図しか思い浮かばず。

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【2021年6月24日14時06分】 小湊鐵道・月崎駅

「紫陽花とキハ」はいったん、打ち止めにして場所を変えようと月崎駅へ。

無人化されているが、保線要員などが使うことがあるのだろうか、駅舎の旧駅務室のスペースも塞がれずに残されており。この木造駅舎も登録有形文化財になっている。

今度の上りは、先ほど撮ったキハの折返し、14:20発の第28列車である。

月崎駅ホームの上総大久保側に紫陽花が青い花を付けており。それがちょうど見頃。ホーム端でそれを撮って、そのまま列車に乗り込もうという欲張りなプラン。

今度は“花ピン”を狙って。咲いている青い花に露光とピントを合わせておいて、キハの車体を思いっきりボカす。<変態鉄>がよく撮る画である。
紫陽花が咲いている部分はちょうど日陰に入り、つまり、明暗差が激しいのである。だから紫陽花を狙うとキハの車体はオーバー気味の露出になるはずで。でも、それでもキハをボカして撮るのだから、それはそれで画になる...かと妄想だけ膨らませつつ。

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【2021年6月24日14時19分】 小湊鐵道・月崎駅

さぁ、“のだっぽり”の先のカーブを曲がり終えたキハが月崎駅に到着する。最近の小湊鐵道、方針変更でもあったのか??
昼間でもヘッドライトを点灯する運転士さんが増えていて、撮る側としては嬉しい限り。木立の中に2灯のヘッドライト。

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【2021年6月24日14時20分】 小湊鐵道・月崎駅

この“花ピン”の構図。列車をどれだけボカすかが、成否を握る重要な鍵となる。ボケ味が足りないと「ピント合わせに失敗した写真」にしか見えないし、ボカし過ぎると「背景がうるさ過ぎる花の写真」になってしまって。
自分の場合、Av(絞り優先オート)で、開放絞り値近くの値にに設定して撮るのだが...

そう、やらかしたのである。

なぜ、そんなことをしたのか...自分で自分に腹が立つくらい。「f10」という謎設定。長編成の列車の停車中の姿写真を撮るときなど、遠くまでピントが合った写真を撮るときにそれくらいの値に設定することがあるが...
なぜか、なぜだか分からないが、このとき、「“花ピン”するには絞りを絞らないとダメだ」と、真逆のことを考えながら撮影していたのである。

撮った画を確認しているときに気づいた次第。せっかくのチャンスを...う~ん。

そんなことは、つゆ知らず。

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【2021年6月24日14時42分】 小湊鐵道・上総川間駅

大急ぎでカメラを仕舞って、到着した第28列車に乗り込んだのである。
キハ204号車単行の車内はわずか数名の乗客。昼下がりのキハ旅である。

紫陽花の次は緑色の絨毯のように一面に広がる田園地帯で夏らしい画を。上総川間駅で下車したのだが... (つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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