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春の1日、房総のキハを追って(6=最終回)えぴろーぐ [小湊鐵道]

時の流れは速いのか遅いのか...今日のトップ画像は、ちょうど1年前、2020年5月の五井機関区。

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【2020年5月27日7時51分】 小湊鐵道・五井駅

ちょうど去年2月に母が事故にあって。TVで面白おかしく取り上げられた、キハ40形の会津若松から千葉貨物までの甲種輸送。
あのとき自分は母の付き添いで大学病院にいた。ツイッターなどで情報は入ってくるものの...

初めての「緊急事態宣言」、自分の仕事も前回の宣言時には営業自粛の対象となる業種だったので、急遽、ネットを活用して...
中小企業なので、もともとそんな準備は無いし、ノウハウも無いし...
不安の中、何もかも手探りで悪戦苦闘していた時期だった。

だが、只見線で撮ったキハが、意外にも房総にやってきたとなれば気になるモノ。
ある朝、こっそりと...どこかで“自粛警察”が見張っていないかと怯えながら(笑)、早朝のメトロ東西線に乗って。西船橋駅で乗り換えて向かった先は五井駅だった。
雨の降る朝、いつもの跨線橋から覗けば、そこには会津で追ったキハが居たのだった。

ちなみに初対面、五井でキハ40形をキチンと撮ったのは、この翌月、6月の五井機関区撮影会だった。あれから1年、昨秋、伺ったところでは、小湊で使われてきた従来型とは違うタイプのATS、その対応工事や関連する役所への届け出などがコロナ禍で予想外に長くかかったということで...
でも、当初聞いていた予定からはちょっと遅れても募集団体列車の扱いでも、只見線キハが乗客を乗せて房総を走り出したのであった。
(何でも、輸送障害の突発事態で定期列車の代役も担ったとか...)

慌てず、状況を見ながらキハ40形の姿も撮りに行きたいと思っている。最初は定番中の定番、光風台のあの鉄橋だろうか??

さて、4月18日の撮影記。五井-新宿線の高速バスがほぼ全滅に近い運行状況ということで、小湊キハの帰りは長浦-品川線高速バスというのが最近の<変態鉄>。

<<< おことわり >>>
筆者所有の EOS 5D MarkⅢ は、内蔵の時計がずれやすいようで。しばらくチェックしないうちに20分ほど早くなっているようでした。そのままの時刻を表示しています。
……  ……

2021年4月18日(日)晴れ

どこの鉄道事業者もコロナ禍で急速に減便、合理化を進めており。JRでも「廃線対象」として具体的な路線名が挙がり始めた。
小湊鐵道にも、その流れは確かに押し寄せてきており。3月改正では日中の上総牛久折返しの区間列車が軒並み削減されて。
それに合わせて、車両運用も合理化したということだろうか、五井駅に到着したキハは短いもので数分程度で乗務員交替を済ませて発車していく。

自分が乗ってきた第26A列車が五井駅には17:30着、第25A列車が17:33発。
単線だが五井駅は3, 4番ホーム、島式1面2線の構造だから、第25A列車は機関区から出庫してホームで発車を待っており、そこに第26A列車が到着、信号が変わるのに合わせて第25A列車が発車...

というパターンだとばかり思っていたら...

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【2021年4月18日17時11分】 小湊鐵道・五井駅

機関区にいるヨンマルを撮っている内に発車ベルが鳴って。
わずか3分の折返しで、いまの編成がそのまま上総中野ゆきとして発車していった。

自分も含めた<鉄>の姿がなくなるとホームは暫しの静寂を撮り戻す。
でも、<変態鉄>にはそんな余韻に浸る時間はなかった。

簡易改札機にICカードをタッチしたら、そのまま内房線ホームへ。

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【2021年4月18日17時22分】 内房線・五井駅

ホーム中央部には大勢の人。どうやら上総湊発の上り第182M列車が遅れているみたいで。
ということでホーム端まで行って。五井駅の蘇我側は長い直線区間、夕暮れ、オレンジ色に輝いた209系の後ろ姿。

90年代に入って、新世代の通勤電車は「寿命半分、コスト半分」などと言われて...
それまでの良くも悪くも電車の概念を覆す存在だったかも知れない。京浜東北線時代は数回しか乗ったことが無かった209系だが、まさか...
当初の耐用年数を遙かに超えて千葉で余生を送っており、そこで数え切れないくらい利用する機会が。

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【2021年4月18日17時22分】 内房線・五井駅

当たり前の日常風景。

駅ヨコの踏切、遮断竿が上がれば部活帰りだろうか、高校生たちの自転車が。
そこに209系の後ろ姿。長い直線区間の先ですれ違う様子がかすかに見えた。

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【2021年4月18日17時24分】 内房線・五井駅

今度は、17:48発の君津ゆき、東京駅始発の快速第1641F列車は、もちろんE217系である。

こちらも何度も乗る機会はあって...
正直言ってお尻が痛くなる堅いシート、決して好きな電車では無かった。
国鉄時代からの「通勤型」「近郊型」といった電車の分類を覆すことになった、これまた現在のJR東日本の車両政策の基礎となった車両である。こちらも、後継のE235系の導入が急速に進められており。
いわゆる中距離電車(3ドア・セミクロスシート)と通勤電車(4ドア・ロングシート)の境目を無くし、近郊型電車の置換えを4ドア・ロングシート車で進めることになったのは、この車両からだった。
そして、そのE217系は、山手線の色違いのE235系で置き換えられ。E217系の開発コンセプトは、ちゃんと引き継がれていた...ということだろうか。

たぶんまもなく見納めになりそうなこの電車である。
「走ルンです」などと揶揄しながらも、この10年間、房総のキハを撮るようになって以来、何度も乗った電車がなくなるとなればちょっと寂しいもので。

いまはそうでなくても、近い将来、千葉ゆきの列車も2両ワンマンでの運転になってしまいそうな気もする。

東京方面の上りでは無く、下りに乗ったのは...

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【2021年4月18日17時36分】 内房線・長浦駅

2つめの長浦駅で下車。ホームは国鉄時代から房総各地にありそうな開放感ある(上屋のない)島式ホームだが、駅舎はイマドキのガラス張りの橋上駅者。
京葉臨海工業地帯に面した、人の通りの少ない方の出口を出たら、目の前にあるのが高速バス乗り場。

コンビニに行ってきたら、ちょうどバスが入線しており。

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【2021年4月18日17時43分】 千葉県袖ケ浦市長浦付近

品川ゆきは小湊バスでの運転。ここで乗ったのは自分だけ、袖ケ浦で1名乗ってきて2名。
予想通り(?)、アクアラインの渋滞に捕まって、大幅に遅れて20時頃に品川駅に戻ったのだった。

……  ……

新緑、青空...房総のキハを撮りに行きたいと思っている内に、いつしか季節は変わっていくのである。(おわり)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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