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晴れの国へ、置換え迫る個性派機関車を追う(1)アタマも写真も真っ白に... [<鉄>な撮影記・旅行記録]

長らく<鉄>をやって、各地に“出撃”していると、アタマの中が真っ白になる瞬間...というのは時折、訪れる。
撮影に夢中で三脚を置き忘れて、そのまま戻ってこなかったことも、途中で折り返して撮りに戻ったこともあった。
郵便局に立ち寄ったらカメラを置き忘れて、とか、財布を置き忘れて...も何度も経験した。
幸運にも、なぜか殆どのケースで戻ってくるのは嬉しいところ。

でも、途中でカメラやレンズが故障して写真が撮れなくなる...、あのときのショックと言ったら。
ヒコーキに乗って写真を撮りに行ったら、カメラが故障していて写真が撮れずに帰ってくる...、撮り逃したり撮り損なったり“撃沈”のショックとも比べものにならない、あのときの気持ち。

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たった5日前、小田原で撮ったときは何の問題も無かったのに...である。

シャッターボタンを押しているのにシャッターが切れずに...
液晶画面を確認すれば「Err 01:接点部を確認してください」と、繰り返されるばかり。
最初はレンズをカメラから、いったん外して着け直せば...と。で、ガチャガチャガチャガチャとそれを繰り返して、その都度、同じエラーが出て。
焦る気持ちは、だんだん諦めと絶望に変わっていくのである。列車に乗っている間は車窓を楽しみたい...というのが<変態鉄>、でも、夢中で「岡山 家電量販店」とか、そういう検索を繰り返して。

ウン万円、学生時代なら絶対に諦めていたが...、なぜか岡山の地で家電量販店巡りをしないとならなくなった<変態鉄>だったのである。

絶望感の中での旅、そのスタートは井原鉄道だった。
ちなみに、バッグの中には“パンケーキ”、Canon の伝統(??)で、40 mm、50 mmの単焦点レンズの中に1~2万円台の廉価版モデルがあって。特に理由も無く「40 mm F2.8」という“パンケーキ”を買ってみた<変態鉄>。
これが意外なところで大活躍してくれたのだった。

1泊2日、普段のレンズが使えず、苦戦続きだった岡山での撮影記。
……  ……

さて、今回の旅。

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【2020年10月20日8時06分】 水島臨海鉄道水島本線・栄駅付近

キッカケになったのは、岡山県倉敷市内にある1つのマンホール蓋。
三菱専用線に端を発し、倉敷市営を経て50年前に「水島臨海鉄道」として。「臨海鉄道法」で定められた鉄道で同一路線で旅客と貨物をやっているのはココだけ(鹿島は神栖線[貨物]と大洗鹿島線[旅客]に別れている)という超個性派路線。
もともと、当時の国鉄と接続して臨海部の工業地帯への貨物輸送を目的としている路線だから、他の臨海鉄道同様、ディーゼル機関車を保有しており。


【2018年11月2日12時20分】 京葉臨海鉄道臨海本線・浜五井駅付近

国鉄線に乗り入れる貨物列車を運転するにあたって、国鉄型と共通性のある機関車を製造するのは自然な流れ。
他の臨海鉄道が一世代古い「DD13型」の派生形式を導入したのに、ここだけは「DE10(DE11)」タイプのDE701を導入。しかし、JR貨物がDE10形の置き換えを本格化しているため、水島臨海鉄道のJR線直通用の機関車の世代交代も「時間の問題」となっていたのだった。
水島臨海鉄道の場合、JR山陽本線の西岡山(貨物駅)から倉敷経由東水島ゆきの他、倉敷貨物ターミナル ~ 東水島という線内貨物もあって。こちらは水臨独自の形式で運用可能かと思われるが...
こちらも、いっしょに置き換えられる可能性が高く。


【2017年10月15日13時54分】 水島臨海鉄道・倉敷貨物ターミナル

その中で、<変態鉄>が注目しているのが線内貨物専用のDD50形。

しかし、臨海鉄道の線内貨物列車、ここは三菱自工前駅に隣接した某大手自動車メーカーが出荷する軽自動車が“積み荷”だが...
そう、なんと言っても情報が少ないのである。運転時刻が一般に公開されるものではない上に、運転するかしないかは、その自動車メーカーの生産・出荷計画の影響を受けるものなので...
さらに厄介なのは「DD50が牽引することが多い」というだけで、いざ、撮りに行ってみたらJR貨物のDE10形で代走...というのも経験している。

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【2020年10月20日10時53分】 水島臨海鉄道港東線・水島-東水島

岡山、倉敷まで行っても“空振り”で帰ってきたこともある。そう、去年10月の訪問時がまさにそうだった(→ こちら)。
あのときは、直前にDE701号機が故障し、ついでに船内便もDE10で代走になり。JR貨物更新色のDE10ばかり撮る羽目になり。

何とか撮りに行きたいと思いつつ、でも、空振りかも知れない。そんな中で...。

水島臨海鉄道の貨物列車用の機関車の置換え時期が迫ってきているみたいで。
正式発表はないが、今年中にも新型機関車が“納車”されるという噂がまことしやかに囁かれており、そうなると半世紀にわたって活躍してきた同社の個性的な機関車も早晩、姿を消すのでは無いか...と。
まさに、もう絵に描いたような“葬式鉄”だが、平日に2連休がとれる少ない機会として、4月6日・7日の2日間、倉敷に出向くことにしたのである。


2021年4月6日(火)曇り

もういつも通りのスタート。減便されているので、渋谷マークシティを6時前のリムジンバスに乗らないといけなくて。
前回と同じくマークシティのバス乗り場にある待合室に入ったものの...

誰も居なかった。

バスも居なかった。

えっ!! 運休か??

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【2021年4月6日6時27分】 東京都大田区・羽田空港第2ターミナル

と思ったらバスはやってきたものの...

ぬぁんと自分一人だけで出発。まぁ、このあとフララスとセルリアンで4~5名ずつの乗車があって。
それでも10名ほどの乗客で羽田空港第2ターミナルには6時半。

たまプラーザあたりからの便だろうか、東急車2台が並んで停車して。

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【2021年4月6日6時39分】 東京都大田区・羽田空港第2ターミナル

当時はまだ、大阪の感染状況が悪化していたものの都内は、いまに比べればノンビリしたもので。羽田空港内の活気も少しずつ戻ってきていることに青いヒコーキの会社の株主としてもホッとしていたところだが...
三脚を預けたら、前回の失敗を生かして、今回は弁当は購入せず。

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【2021年4月6日7時10分】 NH651便(JA219便)

展望デッキに上がるかどうか迷ったものの、意外と時間が無くて。
端の端、思いっきり通路を歩いた先の66番搭乗口である。機体は毎度のエアバス、JA219Aである。メモを調べると昨年10月に高松に向かう際にもこの機体に搭乗している。
本当はワイドボディ機に乗りたいのだが...

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【2021年4月6日8時39分】 NH651便(JA219便)

快調なフライト。岡山桃太郎空港には定刻の到着である。

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【2021年4月6日8時44分】 岡山県岡山市北区・岡山桃太郎空港

手荷物台のベルトコンベアの上では桃太郎が待っている...のも、いつも通り。
早く三脚を受け取って...

わずかな乗客、中鉄リムジンバスで9時半の倉敷駅前。ここまでは順調そのもの。そのバス車内で検索したら倉敷駅 9:36分の伯備線電車に乗れれば予定よりも1本早い井原鉄道に接続して...。
伯備線第853M列車は113系3連、次が清音駅、9時44分着。井原鉄道の神辺ゆき第1321D列車は跨線橋を渡った先の井原線ホームから48分着。皆さん、急ぎ足で階段を...

乗る前に1枚スナップしておこうと...

そこで異変が起きたのだった。シャッターが切れないのである。無理に撮った写真は...

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【2021年4月6日9時46分】 井原鉄道・清音駅

コレはアタマが真っ白になったというか...

鉄道写真でも、今回、自分が狙っているような車両中心のカットというのは望遠レンズを使う場面が圧倒的に多い。
40 mm単焦点の“パンケーキ”では事実上、何も持っていないのと変わらないのである。ここまで来て、何も撮ることができず帰ることになるのか...

もう兎に角、無我夢中で...(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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