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25年前 381系特急「やくも1号」にて(車内放送のコレクションから) [車内放送]

東北地方の話題が続いていたところで、今日は一休み。まぁ、ちょっと箸休め的な記事として、車内放送のコレクションから1つご紹介したい。
最近のブームへの便乗だろうか??

<車内放送マニア>でもある<変態鉄>。90年代以降、徐々に鉄道趣味が市民権を得ていくようになっても、その中でも<車内放送マニア>など、異端中の異端、車掌区ごとの車内放送の傾向の違い...など、<鉄>の中でも誰も関心を持ってもらえなかった。
そういう意味では、車内放送の前後に流されるチャイムの変更が話題になる時代が来るとは思わなかった。

「国鉄型特急電車」の最後の列車となるのが、岡山から倉敷・新見・米子を経て出雲市を結ぶ、伯備線特急「やくも」号。これも、置き換えの新型車が登場し、引退が秒読み段階になって。

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【2023年1月15日11時21分】 山陽本線・中庄-倉敷

白地にピンクのラインが入った「ゆったりやくも」仕様だった381系も、引退を前に国鉄時代からの歴代カラーが復刻され。
その車内放送チャイムが「鉄道唱歌」に変更されたのが話題になって。
さすがにオルゴールを再設置するのは難しかったようで、往年のオルゴールの音色を乗務員用のタブレット端末を使って放送マイクから流しているようだが...

でも、90年代まで“ホンモノの”「鉄道唱歌」のオルゴールが使われており。しかも、米子の車掌さんが担当する列車では、始終点だけでなく途中駅でも放送の度にオルゴールが演奏されるのが通例となっており...、そう、<車内放送マニア>にとっては録音の機会が多く、ありがたい列車でもあった。

当時は「やくも」号が3両編成、「スーパーやくも」号が4・6両編成が標準。乗車した「1号」も、モノクラス3連だった。



25年前、1998年3月19日の特急「やくも1号」、先頭のクハ381−140号車で録音した出雲市駅到着を告げる車内放送を。

……  ……

“陰陽連絡列車”は、中国地方各路線に...。かつては、道路網が発達する昭和50年代までは、いまでは廃線候補に名前が挙がる路線でも、長距離の急行列車が運転されており。中国山地の山間を通って、岡山・広島・下関と山陰地方各地を結ぶ優等列車はいろいろあった。
でも、中国山地の農村部を結んでいく路線...、そんな中で“幹線”として特急列車が運転されたのが、新見を経て倉敷と米子を結ぶ伯備線だった。

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【2023年1月15日11時21分】 岡山県津山市大谷・津山まなびの鉄道館

1972年(昭和47年)、岡山駅まで新幹線が伸びてくると、それに接続して山陰を結ぶ特急「やくも」号が誕生。
当初は伯備線は非電化、ターボチャージャー付きの高出力エンジンを積んだキハ181系が投入され。

国鉄時代に電化されると、変わって振り子式車両381系特急型電車が投入され。キハ181系 → 381系というのは中央西線の「しなの」号と同じ。
急勾配、急カーブが続く区間に特急を走らせた...、それが、伯備線特急「やくも」号だった。いまも、陰陽連絡の主力である。


1998年3月19日(木)晴れ

車両は出雲運転所(当時)の所属だったので、全列車が基本的に岡山 〜 出雲市間での運転。でも、乗客の大半は岡山・倉敷と米子・松江間での利用。もちろん、出雲へ向かう観光客の利用もあったが、一部の時間帯を除けば、松江 〜 出雲市間は出入庫回送が客扱いしているような感じ。
車内販売員も松江か米子まで乗務することが多かった。

もちろん、それを知った上で...

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【1998年頃】 山陰本線・松江駅

松江駅のホームに入ってきた緑色の「やくも」号、3両モノクラス編成は、前2両が自由席、後ろ1両が指定席だったが、松江駅で大半の乗客は下車。
自由席の1号車も無人になった。そこでマイクをセットして...

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そういえば、パソコンで当時は旅行記録を作るのにハマっていた。
業務で使うソフトを“悪用”すれば、時刻表のようなものが作れることに気づいて...まぁ、学生時代、結構、ヒマだったのである。

キハ47形2連の普通、キハ58系「石見ライナー」、それに続いて「やくも」号。
当時、米子管内はキハもワンマン化改造が行われる前。キハのローカル列車にも車掌さんが乗っていて、途中駅でも「アルプスの牧場」のチャイムを鳴らして放送していた。いまなら、たぶん、そちらに乗るのだろうが...

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【2000年頃】 山陽本線・岡山駅

さて、その車内放送。

途中の宍道駅到着を告げる放送にもオルゴールが演奏されたので大いに期待して。
でも、381系というのは、意外と揺れるもので...。
緊張で心臓バクバクになりながら、マイクを手で支えて。あの緊張感、聞いていても思い出されるのである。

サウンドは斐伊川鉄橋を渡るあたりから。15秒あたりでオルゴールが流れ始める。走行音が明らかに変わるのは、出雲市駅の高架化が終わっていたから。スラブ軌道に入ると走行音も少し静かになる。

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【1999年頃】 山陰本線・松江駅

そのアナウンス。

「快速・石見ライナーの益田ゆき、停まります駅は、大田市、仁万、温泉津...」、西日本地区では接続列車の停車駅名を読み上げるアナウンスは、車掌さんによっては今もしてくれるが、この当時は、それが当たり前だった。

「出雲大社・日御碕へは駅前からバス・タクシーを...」、普通列車でも必ず流れていた放送である。もちろん、観光地であるのだが...

当時、出雲市駅の2つ先に“出雲大社口”という曰く付きの駅があった。(現在の出雲神西駅)
ホームだけの無人駅、接続の交通機関もなく、名前に「出雲大社」とあっても歩くのは困難な距離(約9 km)。当時から物議を醸しており...
車掌さんによっては「2つ先に出雲大社口という駅がありますが、出雲大社に行くことはできません」とストレートな表現での注意喚起も。

それにしても、出雲大社への接続は、あくまで「バス・タクシーは...」、絶対に「一畑電車で...」とは言っていなかった。

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【2021年12月16日12時14分】 山陽本線・中庄-倉敷

当時は、全然、写真を撮っていなかった。せいぜい、駅で乗った列車をスナップする程度。
それも滅多にしなかった。この記事を書くのにあたって、さまざまなカラーの「やくも」号があったはず...と探してみたのだが、ちゃんと写っている写真はほとんどなく。

ということで、復刻カラーを撮りに行きたい...という思いだけが高まるという流れになったのである。

あぁ、岡山桃太郎空港へ...、いや、米子鬼太郎空港か!?

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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