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サクラ咲く関西へ、キハを撮りに(28)淡路で阪急 [<鉄>な撮影記・旅行記録]

「阪急電車」というのは私鉄の中でも特別な響きの単語なのかも。ことでん琴平線の前身、琴平電鉄は(当時としては)大型の半鋼製電車を用いた高速運転、昭和初期の開業当時「讃岐の阪急」と。
ビジネスモデルとしても梅田への集客を意識しつつ、沿線に少女歌劇団をつくって...など、電鉄会社の経営モデルを確立した存在で。マルーン色の伝統を守り続ける電車もまた、関西私鉄の中でも“特別な存在”かも。

「東の阪急」といえるような私鉄が関東にあるか...と探してみても、見つからない気がする。経営者としても阪急の小林一三に対して、西武の堤康次郎、東急の五島慶太など有名な方はいるし、路線規模でも阪急を越えている会社はある。
でも、ブランド...というか、阪急に相当する私鉄が関東にあるようには思えない。

そういう意味で憧れの阪急電車だが、乗ったことも手の指で数えられる位。撮ったこともなく。

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【2022年4月9日8時53分】 阪急京都線・淡路駅

マルーン色の電車を撮るのは思うよりも苦戦するのだった。
……  ……

2022年4月9日(土)晴れ

狭い道路、その両側には地元向けの小さな商店が建ち並び、普段着姿の皆さんが買い物袋片手に歩いていて。その一角に踏切と小さな駅舎があって...

というのが、自分の中の電鉄駅のイメージ。わが地元、京王井の頭線は90年台に構内踏切のある駅は消滅し、各駅とも橋上駅舎化されてしまって雰囲気は少し変わったが、それでも、この電鉄駅の雰囲気は残っており。

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【2022年4月9日8時47分】 阪急京都線・淡路駅

高架工事たけなわ、仮設駅舎になってはいるものの、電鉄駅の雰囲気は少しだけ残っており。半地下構造のような薄暗い通路に入っていくと狭い改札口。
2面4線のホームをもつ、この駅は大阪梅田からの京都線と天神橋筋六丁目からの千里線の接続駅になっており、電車は頻繁にやってくる。
現在は2面4線構造だが戦後しばらくくらいまで3面のホームがある駅だったみたいで、その関係で「1号線」が欠番になっているのが特徴。

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【2022年4月9日8時52分】 阪急千里線・淡路駅

ホーム端からテキトーにスナップできれば良いか...と思いながら、乗る電車が発車する2・3号線ホームへ。

でも、2路線の交差駅、かつ、高架化工事中とあって、駅周辺はゴチャゴチャ感が非常に強くて撮影には悪戦苦闘。

しかも、何の“予習”もせずに行き当たりバッタリでやって来た<変態鉄>のようなシロートには、この駅は難易度が高すぎて。
京都本線が大阪梅田-京都河原町、千里線が天神橋筋六丁目-北千里というのは、それはそれで正しいのだが運転系統はそうはなっていないようで。

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【2022年4月9日8時51分】 阪急千里線・淡路駅

大阪梅田と天神橋筋六丁目(メトロ堺筋線)発着の電車は、それぞれ京都本線に入る列車(高槻市、京都河原町方面)と千里線に入る列車(北千里方面)が交互に設定されており、運転系統は4パターン。そこにさまざまな種別が混ざり。
その両系統の列車が対面ホームで接続できるようなダイヤ設定になっているみたい。現地に来てから、そんなことを知る<変態鉄>である。

ということで、大阪メトロ堺筋線からの北千里ゆき。大阪メトロ車での運転である。LED表示が切れるのは全く気にしていないのが<変態鉄>の特徴である。

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【2022年4月9日8時52分】 阪急千里線・淡路駅

左の線路を進むと千里線。まもなく高架化で見納めになるこの区間、線路端に立つ架線柱は鉄骨トラスの懐かしいタイプ。端部がR付きで仕上げられていたり...と、優雅な仕様である。高架になると不細工な円柱形のものになってしまうのだろうか。

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【2022年4月9日8時53分】 阪急京都線・淡路駅

入れ替わりに2号線ホームに到着するのは3300系の京都河原町ゆき準急。自分にとって、見ていて落ち着く“阪急顔”である。1960年台後半、ちょうど大阪万博に沸いていた頃に、地下鉄堺筋線直通仕様として製造された車輌である。
つまり、車齢は50年を越えており。方向幕設置などのリニューアル工事は施工されているものの、艶のある美しい車体を保っているのが阪急電車の特徴。

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【2022年4月9日8時54分】 阪急京都線・淡路駅

複雑なポイントを通り、こちらは右の線路へと進路を。
長い列車がクネクネするシーン、直線区間でスッキリとした編成写真も良いが、こういうシーンも悪くない。ただ、建物の影が落ちるのは仕方ないにしても、足場も限られ撮るのは非常に難しく。

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【2022年4月9日8時55分】 阪急京都線・淡路駅

いまの、3300系をはじめ堺筋線にも阪急車は入っているのだが...

マルーン色の阪急電車を撮りたいと思うと、そういうときに限ってメトロ車が続いて。今度は堺筋線からの高槻市ゆきである。

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【2022年4月9日8時56分】 阪急京都線・淡路駅

イマドキの吊り目のライト。アップデートしながらもマルーン色の伝統を守り続けるのも阪急のスゴさだろうか。関東の電車は安普請のギンギラギンに席巻されているが...
隣に入ってきた天下茶屋ゆきは、1300系編成。ぬぁんと「さくら」のヘッドマーク掲出編成だった。

それにしても...

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【2022年4月9日8時58分】 阪急京都線・淡路駅

阪急電車を撮るのに悩ましいのは車体の艶。何でも、他社より遙かに高頻度でピカピカになるまで洗車して磨き出す方針のようで...。それは良いのだが、磨き上げられた車体には映り込みが気になってしまって...
どこかのJR西※本の、窓ガラスが茶色く染まって外が見えない程、汚れの目立つ車体もイヤだが、阪急のピカピカ車体も撮影には悩ましくて。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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コメント 2

サットン

淡路要塞、いったい何時になったら完成するのやら・・・。
まるで大阪版サグラダファミリアですわ。
私が生きている間に出来上がればいいなあと思う今日この頃です。
by サットン (2022-09-16 18:53) 

ferrum_queserasera

サットンさん

コメントありがとうございます。千里線と京都線が交わるところだけに高架化工事も大がかりなものになっているようで...。
自分はゴチャゴチャした感じの、商店街の中にある駅舎、という方が「電鉄駅」らしさを感じて好きなのですが...
東京は、新宿、渋谷、東京駅...とターミナル駅の改修工事がいつまでもエンドレスに続いております。
完成する頃、日本はどんな風になっているものか...!?

by ferrum_queserasera (2022-09-16 22:49) 

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