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サクラ咲く関西へ、キハを撮りに(27)フェンスの向こうのマンモス [保存車・博物館・廃線跡]

日付変わって昨日、水曜は公休日だった。小湊キハを撮りに行こうかとも思っていたが...
その久々の休みの日を前に、昨日は時刻表と格闘していた。紙の大型時刻表とネット検索を交互に。以前から書いているように、<鉄>というのは、どうしても街と街の位置関係を鉄道地図の上で考えがち。
でも、都市間移動でもJRに乗らずに高速バスにした方が、遙かに安価で効率が良い...という、そういう地方への“出撃”を検討していたのだった。

当初は「3日くらいかかりそう」と思っていた事は、2日間で実現可能ということが分かって。そうすると、残った1日分をどうしようか...と悩んでいる次第。「行きたくなる場所」がいつも一定...というのが<変態鉄>の悩みかも知れない。

さて、ブログは引き続き、4月上旬の大阪での話題。サクラが満開の時期の話題を今も引っ張り続けるのは、もはや狂気の沙汰...だが、そんなことは気にせず。淡路まで歩いてきたのは1機の静態保存機を見ること。

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【2022年4月9日8時37分】 大阪府大阪市東淀川区東淡路・東淡路南公園

聞いていたように「カゴの鳥」状態だが、でも、その分、長い年月の保存であっても部品の欠損などが生じなかった...と見ることもできて。
フェンスの隙間から覗き込むのだった。


……  ……

2022年4月9日(土)晴れ

<変態鉄>が幼稚園児だったのは昭和50年台の終わり頃。<鉄>的には大宮から北へ向かう緑色の新幹線...などというのが最古の記憶に近い存在だろうか。
父方の郷里が富山なので乗れる機会はあったはずだが、小さな子どもを連れての“乗継”は面倒という母の考えで、いつも特急「白山」だった。いや、「はくたか」(長岡経由金沢ゆき)にも乗ったことがあったみたいで。

その頃、自宅には子ども向けの図鑑が並んでいた。もちろん、植物も動物もあったが、<変態ガキ鉄>が毎日のようにページを捲っていたのは「鉄道」。その中には蒸気機関車に続けて、この機関車のイラストが。ハッキリと覚えている。

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【2022年4月9日8時39分】 大阪府大阪市東淀川区東淡路・東淡路南公園

EH10電気機関車である。東海道本線の電化に合わせて2分割車体(これで「1両」の扱い)の機関車。形式の「H」も(当時としては)異例の存在だった。
漆黒のボディー、現役の姿を見ることは無かったが、紺色にクリームでも真っ赤でもなく、黒地に黄色帯の車体は幼稚園当時の<変態ガキ鉄>には衝撃の...

とはいえ、興味を持ったのは路面電車だったのだが...

さて、この機関車。EH10 61号機。

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【2022年4月9日8時38分】 大阪府大阪市東淀川区東淡路・東淡路南公園

「大阪市公園局 日本国有鉄道」、ちょっと日焼けして変色している説明板が設置されており。
でも、説明は詳細で。製造は1957年(昭和32年)6月。東芝府中工場で落成している。ちなみに、何度か撮った富山地鉄のデキ12021号機は、同じ東芝製で1年違い。

このEH10 61号機、新製配置は吹田第2機関区、力はあっても大きくて重い機関車だけに、活躍の舞台は東海道・山陽本線に限定され、生涯、吹田で活躍、1982年(昭和57年)に廃車となっている。

保存例はこの1両だけ。東海道本線の全盛期を知る非常に貴重な保存機であるのは言うまでもないのだが、残念ながら、目の細かいフェンスに完全に覆われていて。

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【2022年4月9日8時38分】 大阪府大阪市東淀川区東淡路・東淡路南公園

機関車の様子を観察することは極めて難しく。

フェンスにピントを持って行かれるような感じで台車を撮るのにも一苦労。公園の片隅に置かれているような感じで、フェンスギリギリのところから撮るしか...、スペースもなく、全景を撮ることは無理。

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【2022年4月9日8時39分】 大阪府大阪市東淀川区東淡路・東淡路南公園

ちょうど機関車に沿ってフェンスの外側が見学台のようになっていて、フェンスの隙間から覗き込むしか見学の方法はなく。

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【2022年4月9日8時40分】 大阪府大阪市東淀川区東淡路・東淡路南公園

時折、ネット上で話題になる「気かん車」という謎の表記も健在なのである。それにしても、このフェンスをかいくぐって中に入れるヤツが居たら尊敬に値する。

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【2022年4月9日8時41分】 大阪府大阪市東淀川区東淡路・東淡路南公園

機関車の外観はちょっと埃っぽい感じだが、ただ、フェンスで覆われている分、ガラスの破損や部品の欠損は見られず、また、保存に際して機器類を撤去して車体だけの、がらんどうで保存されている例も多いが、ここはちゃんと機器類もそのまま残しているみたい。それらも痛むことなく。

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【2022年4月9日8時41分】 大阪府大阪市東淀川区東淡路・東淡路南公園

キャブ内の機器もしっかり残っているみたい。地元に保存会もあったかと。大切に保存されているのは分かるが、でも、“外野”の<鉄>の無責任な意見を言うなら、こういう車両こそ鉄道会社が主体になって、展示施設や博物館などでしっかりと保存して欲しいと思うもの。鉄道系の博物館はいくつかあるが、民間企業が運営するなら、どうしても自社の宣伝広報と子ども向けのアトラクションとしての性格が強く出てしまうような...。
こういう地味でも意味のある車両をしっかり残せる場があれば嬉しいのだが...。まぁ、完全な妄言ではある。

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【2022年4月9日8時42分】 大阪府大阪市東淀川区東淡路・東淡路南公園

そんなことを思いながら数分間の滞在で公園を後にして、再び阪急電車の淡路駅に戻るのだった。
(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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