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菜の花咲く夷隅路へ、赤ヒゲ姿のキハを撮りに <前編> [いすみ鉄道]

鉄道趣味にもいろいろなタイプの方がいるわけで。その中でも、俗に“ネタ”と呼ばれる珍しい列車を追って全国を飛び回る人は少なくないように思う。「※※も※※も、撮らなければいけない」みたいな呟きが Twitter でも多く流れてくる。
でも、自分はその真逆かも知れない。興味をもった路線、車両は徹底的に追いかける。尤も、大した写真は残せないのだが...

2011年、前社長さん(本当は2代前??)が大糸線を走ったキハ52形を購入したことから始まった、いすみ鉄道への撮影行。多いときは2日連続などもあって、毎月のように通っていた。
でも、いつの頃からか、あまり楽しめなくなった気がする。“同業者さん”の増加による撮影地の混雑、それに伴うアレコレも1つだが...

数年前にキハの運行が3本1往復の態勢に縮小されて以来、特に訪問回数は減ってしまって。最近では1年間で数回というペース。特に、「春のサクラと菜の花の時期は絶対に訪れたくない」と思うようになることがあって。
田んぼの稲が育ってくるくらいの時期に、ノンビリと訪問したい...と思っていた。

でも...

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【2022年3月21日11時55分】 いすみ鉄道・上総中野-西畑

いまの社長さんが香川県のご出身ということが関係したのか?? JR四国とのコラボで、国鉄時代の四国の気動車急行を再現するイベントが行われ。
四国管内は特急列車の設定が遅かった地域。キハ58系急行は四国島内の「エース」だった時代もあって。一部のキハ58系に、特急型のような赤色の“ヒゲ”を入れて、ミュージックホーンを設置した車両もあって。

全国でも最後まで残ったキハ58系、いすみ鉄道の、キハ28 2346号車にその“ひげ”を再現した姿で運行するというイベントが。キハの不調もあって期間は当初予定より延長されて3月末まで、“赤ヒゲ”スタイルで運転された。
ただ、この時期、会社員<鉄>の辛いところ。なかなか休みを合わせることができず...、そんな中で“ラストチャンス”になったのが、3月21日だった。

キハが特別な装飾をして、しかも、沿線の菜の花は見頃を迎え。多くの撮影者が殺到する...自分が一番、キライな状況。しかも、ダイヤ改正で、ただでさえ少なかったキハ28形を順光で撮れる場所も、よく分からなくなって。
でも、そんな状況でも、やはり、「髭付きキハ」を1枚は撮っておきたくて。

今秋での引退が決まったキハ28 2336号車、ある意味、最後の晴れ舞台になるかも知れない。その姿を撮りに出かけたのは3月21日のこと。

……  ……

2022年3月21日(月)くもり

ようやく暖かくなってきて。いや、確かに辛いが正月の“出撃”に比べたら、朝、起きることのも苦にならない時期。

軽く朝食を済ませたら、いつも通り、6時半の井の頭線。外は期待通りのドン曇り。このまま曇っていてくれたら良いのに...という普段とは逆の思い。
そう、ドン曇りだったら光線状態を気にせずにキハ28形の顔に向けてカメラを...

さて、新宿駅には7時前。

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【2022年3月21日6時55分】 中央本線・新宿駅

いつも、ここで255系特急「新宿わかしお」号の入線シーンを撮って、東京ゆきの快速に乗り込むのが“ルーティン”だったのだが...
そう、3月にJRグループを中心に全国の大半の鉄道事業者はダイヤ改正を行うわけで。「新宿わかしお」号は、3月の時刻表からは消えており。

房総もだんだん寂しくなっていくのである。

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【2022年3月21日9時12分】 千葉県夷隅郡大多喜町船子付近

菜の花シーズンの房総に向かう観光客なども乗って混雑するのか...と思っていたら、意外とそんなことはなく。普段通りの勝浦線高速バス。
ウトウトしている内にバスは市原鶴舞付近まで来ており。見れば、舗道が濡れていて。外は小雨模様。

ドン曇りは嬉しいが、雨が降っていると、それはそれで鬱陶しいのである。まことに勝手なものだが...

幸い、大多喜町内に入るあたりで雨は上がっており。大多喜バス停にはほぼ定刻での到着。あとは、いつも通り。
外廻橋を渡って大多喜駅までは1 kmあまり。休日の午前中ということもあるかも知れないが、それにしても人もクルマも見かけない大多喜の旧中心街。コンビニ横の坂を上れば、大多喜駅が見えてくる。

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【2022年3月21日9時38分】 いすみ鉄道・大多喜駅付近

カラカラカラカラ...とDMHエンジンらしい心地よいアイドリング音。出発に向けて点検中のキハ52形を「大手門」付近で眺めるのも、いつも通り。

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【2022年3月21日9時41分】 いすみ鉄道・大多喜駅付近

キハ28形は検修庫内に停車しているのも、いつも通り。
でも、幸い、扉が開いており、その隙間からヒゲ付きキハの顔を垣間見ることができた。

3月改正で、キハの運行時刻は大幅に変わっており。11時過ぎに大多喜駅を出発するのは変わらないが、大原では無く逆に、まず上総中野へと向かう。ということで、9:59発の下り第57D列車で撮影地入りするしかないのである。

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【2022年3月21日9時46分】 いすみ鉄道・大多喜駅

乗車券を買い求めてホームへ。

普段はホームからキハを撮ると逆光になってしまうが、これが曇り空の効用。
この10年間、何度も何度も見たこの光景も、あと何回、見ることができるのか...
キハ28形が今冬で検査期限を迎えて引退することが発表されたのは、この撮影の少し後だっただろうか。

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【2022年3月21日9時47分】 いすみ鉄道・大多喜駅

この、9:59発、第57D列車は大多喜始発の上総中野ゆき。9:33着の第55D列車とダイヤ的には1本の列車だが、ちょうど大多喜駅で車両交換をするような形になっており。だから、発車時刻に余裕を持っての入線である。
この朝は351号車、ランタン列車である。

そして、終点・上総中野駅へ。ちょうどこの列車は、小湊鐵道と接続するようになっており。

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【2022年3月21日10時24分】 小湊鐵道・上総中野駅

一足早く、小湊キハは10:20着。そこに自分の乗るいすみ鉄道の列車が到着して。

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【2022年3月21日10時24分】 小湊鐵道・上総中野駅

やはり、冷房の要らない季節の多客期にはキハ200形の輸送力を...ということだろうか。<鉄>としてはキハ40形が居てくれたら嬉しかったが。
町はずれの小さな無人駅は時ならぬ大混雑で。

そんな様子を横目に<変態鉄>は駅前の通りを西畑方面へ...

やって来たのは、あのカーブ。この日の目的は、ヒゲ付きスタイルのキハ28形を記録することだったが、足下に菜の花が咲き誇っていると、やはり、気になってしまうもので。
カーブの途中の地点でしゃがみこんでのローアングル。「手前に菜の花、その向こうにキハ」という画を想像しながら待つこと1時間。

さぁ...

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【2022年3月21日11時42分】 いすみ鉄道・西畑-上総中野

!?!?

背後からやって来たキハ、ファインダーの中で、その姿は思っていたよりも大きかった。画面上部がカツカツすぎて...

北条鉄道に続いての、超初歩的なミスでの“撃沈”である。

う~ん、カメラを下に向けすぎた...。現行ダイヤでは、キハを撮れるチャンスは1日3回だけ。その1回目を“撃沈”してしまったのは大きいのである。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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