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信越地方の3セク鉄道を巡って(12)城下駅 [<鉄>な撮影記・旅行記録]

最近、「コスパ」に加えて「タイパ」という語も定着してきたようで。誰が言い出したのか...
コスパが“費用対効果”なら、タイパは“時間対効果”だろうか。何でも、ネットの動画は倍速視聴が標準で、だから、映画などは「時間の無駄」と感じるのが、いまの若者なのだとか...

<鉄>として、趣味活動に求めてはいけないのが、この2つだと自分は思っている。
確かに、コスパは意識する。ある車両をお目当てに遠くの路線にでかけていって、車庫の様子を見てガッカリ...というときなど、「時間もお金も無駄にしてしまった」と落ち込むもの。そのリスクを最小化するためにも事前の情報収集力が問われる訳で。いまでは、ネットの力で大抵の情報は集められるようになったみたい。「みたい」と書いたのは、自分はその流れに完全に乗り遅れた人間だから。

でも、せめて時刻表くらいはチェックしてから出かけてくれば良かった。

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【2023年4月12日12時09分】 上田電鉄別所線・上田-城下

3年ぶりの“定点比較”的に、上田駅近くで千曲川鉄橋を渡る列車を撮れば良い...と思ったのに、なぜか対岸の城下側で撮った写真があるのは、まさに自分の情報収集力の無さ、行き当たりばったりの行動パターンを象徴しているのかも知れない。


……  ……

2023年4月11日(火)晴れ

前回、3年前に訪れたときは台風による大雨の影響で、千曲川鉄橋が崩落、上田〜城下の1区間が長期運休、バス代行輸送を余儀なくされていた。
真っ赤な車体の上田バスの車両が、住宅街の路地の奥にある小さな駅に器用に入って...

城下〜別所温泉間で折り返し運転していた電車に乗ったのだった。

だから、城下〜上田の0.8 kmだけが未乗のまま残っていた。学生時代のように「全線制覇」を目指している訳では無いが、やはり、1区間だけ残しているのは...。せっかく上田まで来たので、今回、そこに乗っておこうと。

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【2023年4月12日11時26分】 上田電鉄別所線・上田-城下

「電鉄」の名にふさわしく、駅間距離は極めて短く。12 km弱の路線には15個の駅があって。
千曲川鉄橋を渡る電車を撮ったら、素早く隣の城下駅まで歩いて、ちょうどやってくる上田ゆきの電車に乗れば...と思ったのだが。

城下駅が千曲川の堤防を下った先の住宅街の中にある小さな駅であること、電車の千曲川鉄橋の200 mほど北側には県道77号線の上田橋が並行していることなどを事前にネットの地図で確認していた。上田橋を渡ってすぐに住宅街に入って、その路地を鉤型に2度ほど曲がれば徒歩10分弱で城下駅に到着、カメラをバッグにしまう時間などを考慮しても、着替えやパソコンの入った重いバッグを提げていても、次の上田ゆき電車に余裕をもって間に合う予定だった。

踏切を渡って上田橋へ。橋を渡ったらすぐの路地を線路側へ、でも、Ya※oo!地図で見たのとは何だか様子が違って...。次の曲がり角がない!!
地図の通りに来たつもりだったが、住宅街の中の行き止まり。再び県道まで戻って...。

近道せず、できるだけ駅に近いところまで県道を進んでから左折しようと。遠くに、見覚えのある駅の風景が...
ようやく城下駅...というところだった。ホームにはステンレスの電車の姿が。嗚呼。そこから走り出してももう間に合わない。あと20秒、いや10秒違えば、結果は違っていたかも知れない。無情にも、ドアを閉めた電車はホームを離れ、それを呆然と見送った<変態鉄>。日中の別所線は約1時間間隔。
何もない無人駅で過ごす1時間というのは長いのである。

「どうしよう!?」

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【2023年4月12日12時04分】 上田電鉄別所線・上田-城下

ズボンのポケットに入れていたはずのタオルハンカチが無いのに気づいたのは、その頃。歩いているうちに落としたようで。
まぁ、数年前に職場近くのコンビニで買った、200円くらいのもの。しかも、かなり使い古していたので、まぁ、それほどムキになって探すほどのものではないが、せっかく時間があるので...

もう一度、上田橋を渡って、先程の撮影地まで戻ってみた。歩いたコースを巡ってはみたが、ハンカチを見つけることは出来ず。

トボトボと三度、上田橋を渡って。
城下駅側の岸も、堤防上の道路に踏切があって。こちらの方が撮りやすいかと思ったら、引きが取れない場所なので、画をまとめるのは、むしろ難しく。

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【2023年4月12日12時09分】 上田電鉄別所線・上田-城下

先程、寸前のところで乗り逃した電車が上田駅で折り返して戻ってきた。

日中は2本運用、途中の下之郷駅で交換するダイヤになっており。東急カラーの1000系電車を。

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【2023年4月12日12時25分】 上田電鉄別所線・城下駅

もう、今度は迷うことなく、あっさりと。徒歩5分程で城下駅である。

3年前は、この駅の上田方にある構内踏切のすぐ先に車止めが設置され。案内誘導の職員が詰めていて、大勢の人がいたが...
普段の姿だろうか、誰もいない静かな無人駅である。

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【2023年4月12日12時36分】 上田電鉄別所線・城下駅

電車が来る直前になって女性客がひとり。
最初に鉄橋で撮った、1002編成「れいんどりーむ号」が入ってきた。

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【2023年4月12日12時39分】 上田電鉄別所線・上田駅

乗ってしまえば、0.8 kmはあっという間。

すぐに上田駅に到着である。1時間損したが、それでも当初予定よりはちょっと早くて。さぁ、13時、そろそろ昼食である。

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【2023年4月12日12時43分】 長野県上田市天神・上田駅(お城口)付近

上田駅の新幹線側に回ってみても、開いている飲食店というのが極めて少ない印象。
多くの地方都市を訪れているが、コロナ禍以降、チェーン店も営業時間の短縮や店舗の廃止で地方の駅前は空き店舗も目立つようになり。特に客単価が伸びにくいからか、ランチ営業を止めて夕方以降だけの営業になっている店も増えている印象があって。上田もその傾向が顕著なようで。

結局、駅舎のすぐ横にあるラーメン屋さんで昼食。

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【2023年4月12日12時43分】 長野県上田市天神・上田駅(お城口)付近

上田駅といえば真田幸村??

そういえば、しなの鉄道の観光列車は「ろくもん」、上田電鉄別所線には「さなだどりーむ号」という真田家家紋の六文銭をあしらったデザインのラッピング電車がいて。この日、乗った2社ともに関係があるわけで。

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【2023年4月12日13時40分】 しなの鉄道線・上田駅

少し早めに上田駅のホームへ。
上り方、社屋の近くの留置線には115系湘南色編成の姿。こういうときこそ、バッグの中から望遠レンズを取り出せば良いのに...。いまや、115系も貴重な存在で。
それにしても、まさか、この数カ月後にこの場所で脱線事故があるとは...

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【2023年4月12日13時56分】 しなの鉄道線・上田駅

さぁ、これで今回の旅で立ち寄る地点は一通り。
最後は、軽井沢ゆき第2746M列車である。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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