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市原は「鉄道の街」? (5=最終回)こみなと待合室 [小湊鐵道]

夕方の太陽、特に冬場は文字通りの「釣瓶落とし」。カメラをセットして列車が来るのを待つ間も、動いているのが目で見てわかるほど、急速に陽の光の差し方は変わっていく。

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【2023年2月15日16時43分】 小湊鉄道線・上総久保-高滝 

太陽は西の空のだいぶ低いところへ。田園地帯での撮影とはいえ、太陽はまもなく木立の後ろへと消えていくのは明らかだった。そうすれば、薄暗い中での走行写真に。

最後の撮影は、16時半の下り第27列車。少しでも陽射しのある地点、キハの車体がオレンジ色に輝きそうな地点を探していた。
この時間帯は、カメラをセットしてからも、太陽が隠れないように祈りつつ、列車が来るまで心臓はバクバクだったのである。


……  ……

2023年2月15日(水)曇りのち晴れ

上総久保駅と高滝駅の中間付近に圏央道の高架をくぐるところがあって。その五井側には一面の田園風景が広がっている。

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【2023年2月15日15時32分】 小湊鉄道線・高滝-上総久保

最近、線路周りの草刈りが行われたようで、スッキリ撮れるようになっていた。

14両が製造されたキハ200形、1号機(1961年製)と最後の14号機(1977年製)では16年差、1号機の時点で旧型の部類に入るエンジンだったDMH17Cを採用し続けたのは、安定性と保守管理の統一ということが念頭にあったのだろうか。でも、16年差があると、細部は少しずつ変化しており。
その中でも、この2両は11号機以降、客窓がユニットサッシになって真四角になったグループ。

でも、このタイミングで。

太陽はまだ沈むまで時間があった。でも、雲が広がってきて。つぎ、16時半の下り第27列車のときは太陽が雲に隠れれば薄暗くなっているはずで。
踏切機が作動したタイミングで判断することにした。暗ければ三脚からカメラを外して、ダッシュで道路沿いまで行って、サイドからの流し撮りに挑戦、でも、本当に撮りたいのは夕日を浴びてキハの車体が輝くシーン。

ということで、高滝湖にかかる橋を渡って、旧加茂小学校付近に移動して。
でも、「もうダメだ...」、暗くなっていく周囲を見渡しながら、諦めに近い心境。最後の撮影機会となる第27列車はキハ40形と予想していた。

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【2023年2月15日16時43分】 小湊鉄道線・上総久保-高滝 

列車が来る、その直前になって。遠くからジョイント音が聞こえてくるくらいになって、太陽が周囲を照らし始めて。
踏切機が鳴り出して、キハの姿がファインダーの中に入ってくるまでの、その数秒間が長く長く感じたのだった。

「もうちょっとローアングルでないと...」などという意見は受け入れない。自分としては、たしかに手応えのあったカットになった。
撮り終えて、高滝駅にたどり着く頃には周囲は暗くなってきて。

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【2023年2月15日16時52分】 小湊鉄道線・高滝駅

まもなくやって来た第34列車の編成は、先ほど田園地帯で撮っており。

キハ211 + キハ214

の2両編成。後ろ側の214号機は自分だけ。

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【2023年2月15日16時54分】 小湊鉄道線・第34列車(キハ214号機)内

日没間近の太陽が窓から入り込み。暖房が効いたキハの車内、DMH17Cエンジンの揺れとサウンドに身を任せながら、夕方のキハ旅を楽しんだのだった。

上総牛久駅あたりから学校帰りの高校生たちが乗り込んできたが、それでも、大した混雑にはならず。車窓が見えづらい暗さになる頃、五井駅に到着。

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【2023年2月15日17時36分】 小湊鉄道線・五井駅

平日夕方とあって、この時間帯は帰宅のラッシュが始まっており。

隣のホームで発車を待っていたのは、17:36発の第31列車、こちらは塗り直されたキハ208号機を先頭にしたキハ200形2連。
その姿を撮ったら...

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【2023年2月15日17時39分】 千葉県市原市五井中央東・五井駅東口(「こみなと待合室」)

内房線で到着した乗客でごった返す改札口を出て、東口へ。

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暖房の効いた、明るい店内。カウンターのお姉さんにカレーとコーヒーを注文して。
キハを撮り終えて。そして、窓の外のキハを眺めながら。まさに至福の時間である。

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【2023年2月15日18時13分】 小湊鉄道線・五井駅

ちょっとゆったりして落ち着いたところで...

18時、今度はPASMOをタッチして改札を通って内房線ホーム。向かい側の小湊鉄道線ホームには18:12発の第33列車、上総牛久止まりの通勤列車である。
先程乗ってきたキハ211とキハ214の2両編成である。

そして...

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【2023年2月15日18時16分】 内房線・五井駅

その発車とほぼ同じタイミングで内房線下り2番ホームに到着したのは、東京からの特急「さざなみ1号」。
夕方のこの時間に“1号”であることからもわかるように、内房特急は既に“通勤ライナー”的な存在になっており。東京〜君津という短距離特急である。

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【2023年2月15日18時17分】 内房線・五井駅

東京駅(総武)地下ホーム発着で、内房・外房急行が183系特急に格上げとなり、50周年を迎えた。
当時は、海水浴、ゴルフとレジャー目的で館山方面を目指す人が乗る特急だったはずだが、いまや、レジャーの多様化とアクアライン高速バス。
内房特急「さざなみ」は通勤時間帯だけの設定になっており。この日も車内は僅かばかりの乗客の姿。

その後の18:19発の君津ゆきは混雑しての到着。209系8連は完全なる夕ラッシュの通勤電車。
幸い、長浦駅で座ることができて。

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【2023年2月15日18時43分】 内房線・木更津駅

それを木更津駅で下車。向かいのホームには、赤字で話題になった久留里線のE130系ディーゼル動車。でも、あの数値は眉唾...というか、ちょっと根拠が怪しい部分がある...と感じている<変態鉄>なのである。

木更津駅の改札を出て西口へと続く階段を下りれば、その先にあるのが新宿・渋谷ゆき高速バス乗り場。
木更津駅前を18:50発の渋谷マークシティゆきは、小湊バスの勝浦ラッピング車。数名の乗客を乗せて出発、「横風」の警告が出ていたアクアライン、それでも順調に通過して、19時半には羽田空港の横を通過しているのだから...
首都高も概ね順調、あっという間に渋谷に着いたのだった。(おわり)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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