5月、阪堺モ161形車を撮りに(29)まさかの「V」!? [ちん電(阪堺電気軌道)]
コロナ禍前、阪堺電車というのは<変態鉄>にとって定番の被写体だった。もちろん、お目当ては冬場のモ161形車の活躍。
「昔と違って、塗料が良くなった」と言うものの、数年に一度、塗装を直す必要があって。全般検査、重要部検査に合わせて塗り替えられるケースも多く。
一応、明るい緑色に白帯2本というのが現在の“標準色”らしいが、ここ数年、この色に塗られた電車は無く。冷房が付いた車輌は、「堺トラム」以外、すべて広告塗装、モ161形車は長い歴史の中で纏ってきた各塗装を再現しており。
特に戦後の南海軌道線時代は、車体塗色が比較的頻繁に変遷してきたらしく、さまざまなカラーが登場しており。広告塗装に端を発する「雲」塗装もその1つ。
【2022年5月4日8時04分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉電停
10年以上前に阪堺を撮りに来た時には、まだ朝ラッシュを中心にモ161形車は通常運用を受け持っており、広告塗装の車両も居た。
そのとき、深緑色に黄色帯の車両を撮ったことがあって。1986年頃に施された試験塗装を再現した...とされており。南海らしい深緑色に、黄色い警戒色のラインを入れた塗装。
2020年に、モ166号車がこの塗色に変更され。「筑鉄色」になったモ162号車と並んで“撮りたい車両”になったまま、コロナ禍もあって2年ほどが経過しており。
正月輸送に期待したが、モ161号車ばかりで。5月2日の朝、ちょっとだけ運用に入ったモ162号車「筑鉄色」は撮れたが、モ166号車は車庫に居るのを確認しただけ。
大阪滞在最終日となる5月4日、やはり、モ166号車の登場に期待していたら...
…… ……
2022年5月4日(水)晴れ
仕事で無いと、朝、早く起きられるモノ。メモによれば、この日もアラームが鳴るのを待たずに5時過ぎに起床。ホテルで朝食を済ませて荷物を預けてチェックアウト。
大阪滞在の最終日である。20時発の最終便で伊丹から東京に戻る予定になっており。
さて、この日もスタートは...
【2022年5月4日7時21分】 阪堺電軌阪堺線・あびこ道電停
7時ちょうどの浜寺駅前ゆき。超低床連接車の運用である。この朝は1101号車、車内の広告枠には阪堺電車の歴史が貴重な写真とともに紹介されており。
そんなのを楽しんでいる内に、あっという間にあびこ道である。ここまではルーティンのような...
踏切を渡って、天王寺駅前・えびす町ゆきホーム先の保育園前に立って車庫を覗き込んで絶望感も正月以来の...、この日はそうでは無かった。
【2022年5月4日7時23分】 阪堺電気軌道・大和川検車区付近
「えっ!!」、思わず、声が出そうな。
出庫線の最前列で「堺トラム」のヨコにいるのは、ぬぁんと「ビークルスター」モ166号車である。パンタ上げ、「天王寺駅前」表示で待っている。
まもなく出庫して運用に入るのは明らか。
と、なれば、まずは落ち着いて。車体全景を陽当たりの良い場所でしっかり記録しないと。この日も朝から青空が清々しく。
でも、そうなると大阪市内区間、これに叶う場所が少ないのである。ということで、定番の住吉。
【2022年5月4日7時39分】 阪堺電軌阪堺線・住吉電停
5月の朝7時台だと、太陽は東よりもちょっと北寄りのビミョーな位置に居るのである。本来、一番、撮りやすい住吉電停でも電車の顔に光が回りにくく...
これは、ここ数日で理解していたのだが...
まず、一番前で待っていた「堺トラム」1001号車がやって来て。ということは、既にモ166号車は出庫線の再前方で待っているはず。
撮影者の姿が少ないのは、翌5日がモ161形車全4両を運用入りさせると予告されているからか。住吉で待っていた方はモ161号車の登場に期待しているそうで...。
でも、<変態鉄>のお目当てはモ166号車。
【2022年5月4日8時02分】 阪堺電軌阪堺線・住吉鳥居前電停付近
そして...
「堺トラム」の後ろを追ってきたのは、あの深緑色。正月以来、車庫で休んでいるところを恨めしく眺めてきたが、ようやく運行中の姿を拝むことができて。
これで、大阪に来た甲斐もあったというもの。
【2022年5月4日8時04分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉電停
住吉電停に停車したところを。
前面にはスッキリとは光が回らず、ベストとは言えないまでも、それでも初撮影として青空の下で、何の遮るものも無く撮れたというのは、十分、満足なのである。
さぁ、この朝も幸先良いスタート。2日のモ162号車のように、車両交換されて早々に入庫してしまうかも知れない。折り返しは走行シーンを確実にものにしないと...
「どこで撮るか??」
迷ったのだった。松虫のハルカス・バックは、電車が黒く沈んでしまうのは必至。北畠の併用軌道区間は建物の影が気になってスッキリ撮れるとは思えず。東天下茶屋のストレートも光が回るのは、もうちょっと後。
朝の上町線でスッキリ撮れる場所...というのは、ありそうで無いのである。
ここまでの経験から、選んだのは...
【2022年5月4日8時14分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町-あびこ道
安立町電停のところのストレート。
もうちょっと光があるかと思ったら、電車に光が回らないし、この時間帯、影になるところを避けて車体全景を陽当たりに入れられる撮り方は限られてしまい、しかも、かなり苦しい立ち位置で。う~ん、失敗と悟ったのだった。
【2022年5月4日8時26分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町-あびこ道
冬場だったら太陽は南にあるので、この時間帯でもあびこ道ゆき電車を明るく照らしそうだが(その分、建物の影は長くなる)、5月の朝だと実にビミョーな位置に...
あびこ道ゆきは、正面も後追いもなかなか苦しい感じで。う~ん...、“敗色濃厚”となりつつも、貴重なモ166号車を撮るチャンス。とにかく、悪足掻きあるのみ。
【2022年5月4日8時29分】 阪堺電気軌道阪堺線・あびこ道-安立町
結局、選んだのは、安立町電停を出てすぐのところ。百歩譲って、今度、天王寺駅前から戻ってくるあびこ道ゆきがダメでも、その折り返しは撮れる訳で。
尤も、朝の1往復だけで、そのまま入庫してしまう可能性もない訳では無いが。モ166号車を撮っている内に、朝一番に乗った1101号車が戻ってきていて。
【2022年5月4日8時32分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町-あびこ道
架線柱が気になるのは仕方ない。でも、後追いで、こういう顔アップの写真は撮れそうなので...
【2022年5月4日8時41分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町-あびこ道
さぁ、隣の細井川電停にモ166号車が到着した。まもなく、そのときがやってくる。
【2022年5月4日8時42分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町電停付近
遠くから、徐々に大きく響いてくる吊り掛けサウンド、モ166号車が安立町電停に到着して。
自分のすぐ後ろの踏切機も作動して。緊張する瞬間である。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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「昔と違って、塗料が良くなった」と言うものの、数年に一度、塗装を直す必要があって。全般検査、重要部検査に合わせて塗り替えられるケースも多く。
一応、明るい緑色に白帯2本というのが現在の“標準色”らしいが、ここ数年、この色に塗られた電車は無く。冷房が付いた車輌は、「堺トラム」以外、すべて広告塗装、モ161形車は長い歴史の中で纏ってきた各塗装を再現しており。
特に戦後の南海軌道線時代は、車体塗色が比較的頻繁に変遷してきたらしく、さまざまなカラーが登場しており。広告塗装に端を発する「雲」塗装もその1つ。
【2022年5月4日8時04分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉電停
10年以上前に阪堺を撮りに来た時には、まだ朝ラッシュを中心にモ161形車は通常運用を受け持っており、広告塗装の車両も居た。
そのとき、深緑色に黄色帯の車両を撮ったことがあって。1986年頃に施された試験塗装を再現した...とされており。南海らしい深緑色に、黄色い警戒色のラインを入れた塗装。
2020年に、モ166号車がこの塗色に変更され。「筑鉄色」になったモ162号車と並んで“撮りたい車両”になったまま、コロナ禍もあって2年ほどが経過しており。
正月輸送に期待したが、モ161号車ばかりで。5月2日の朝、ちょっとだけ運用に入ったモ162号車「筑鉄色」は撮れたが、モ166号車は車庫に居るのを確認しただけ。
大阪滞在最終日となる5月4日、やはり、モ166号車の登場に期待していたら...
…… ……
2022年5月4日(水)晴れ
仕事で無いと、朝、早く起きられるモノ。メモによれば、この日もアラームが鳴るのを待たずに5時過ぎに起床。ホテルで朝食を済ませて荷物を預けてチェックアウト。
大阪滞在の最終日である。20時発の最終便で伊丹から東京に戻る予定になっており。
さて、この日もスタートは...
【2022年5月4日7時21分】 阪堺電軌阪堺線・あびこ道電停
7時ちょうどの浜寺駅前ゆき。超低床連接車の運用である。この朝は1101号車、車内の広告枠には阪堺電車の歴史が貴重な写真とともに紹介されており。
そんなのを楽しんでいる内に、あっという間にあびこ道である。ここまではルーティンのような...
踏切を渡って、天王寺駅前・えびす町ゆきホーム先の保育園前に立って車庫を覗き込んで絶望感も正月以来の...、この日はそうでは無かった。
【2022年5月4日7時23分】 阪堺電気軌道・大和川検車区付近
「えっ!!」、思わず、声が出そうな。
出庫線の最前列で「堺トラム」のヨコにいるのは、ぬぁんと「ビークルスター」モ166号車である。パンタ上げ、「天王寺駅前」表示で待っている。
まもなく出庫して運用に入るのは明らか。
と、なれば、まずは落ち着いて。車体全景を陽当たりの良い場所でしっかり記録しないと。この日も朝から青空が清々しく。
でも、そうなると大阪市内区間、これに叶う場所が少ないのである。ということで、定番の住吉。
【2022年5月4日7時39分】 阪堺電軌阪堺線・住吉電停
5月の朝7時台だと、太陽は東よりもちょっと北寄りのビミョーな位置に居るのである。本来、一番、撮りやすい住吉電停でも電車の顔に光が回りにくく...
これは、ここ数日で理解していたのだが...
まず、一番前で待っていた「堺トラム」1001号車がやって来て。ということは、既にモ166号車は出庫線の再前方で待っているはず。
撮影者の姿が少ないのは、翌5日がモ161形車全4両を運用入りさせると予告されているからか。住吉で待っていた方はモ161号車の登場に期待しているそうで...。
でも、<変態鉄>のお目当てはモ166号車。
【2022年5月4日8時02分】 阪堺電軌阪堺線・住吉鳥居前電停付近
そして...
「堺トラム」の後ろを追ってきたのは、あの深緑色。正月以来、車庫で休んでいるところを恨めしく眺めてきたが、ようやく運行中の姿を拝むことができて。
これで、大阪に来た甲斐もあったというもの。
【2022年5月4日8時04分】 阪堺電気軌道阪堺線・住吉電停
住吉電停に停車したところを。
前面にはスッキリとは光が回らず、ベストとは言えないまでも、それでも初撮影として青空の下で、何の遮るものも無く撮れたというのは、十分、満足なのである。
さぁ、この朝も幸先良いスタート。2日のモ162号車のように、車両交換されて早々に入庫してしまうかも知れない。折り返しは走行シーンを確実にものにしないと...
「どこで撮るか??」
迷ったのだった。松虫のハルカス・バックは、電車が黒く沈んでしまうのは必至。北畠の併用軌道区間は建物の影が気になってスッキリ撮れるとは思えず。東天下茶屋のストレートも光が回るのは、もうちょっと後。
朝の上町線でスッキリ撮れる場所...というのは、ありそうで無いのである。
ここまでの経験から、選んだのは...
【2022年5月4日8時14分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町-あびこ道
安立町電停のところのストレート。
もうちょっと光があるかと思ったら、電車に光が回らないし、この時間帯、影になるところを避けて車体全景を陽当たりに入れられる撮り方は限られてしまい、しかも、かなり苦しい立ち位置で。う~ん、失敗と悟ったのだった。
【2022年5月4日8時26分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町-あびこ道
冬場だったら太陽は南にあるので、この時間帯でもあびこ道ゆき電車を明るく照らしそうだが(その分、建物の影は長くなる)、5月の朝だと実にビミョーな位置に...
あびこ道ゆきは、正面も後追いもなかなか苦しい感じで。う~ん...、“敗色濃厚”となりつつも、貴重なモ166号車を撮るチャンス。とにかく、悪足掻きあるのみ。
【2022年5月4日8時29分】 阪堺電気軌道阪堺線・あびこ道-安立町
結局、選んだのは、安立町電停を出てすぐのところ。百歩譲って、今度、天王寺駅前から戻ってくるあびこ道ゆきがダメでも、その折り返しは撮れる訳で。
尤も、朝の1往復だけで、そのまま入庫してしまう可能性もない訳では無いが。モ166号車を撮っている内に、朝一番に乗った1101号車が戻ってきていて。
【2022年5月4日8時32分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町-あびこ道
架線柱が気になるのは仕方ない。でも、後追いで、こういう顔アップの写真は撮れそうなので...
【2022年5月4日8時41分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町-あびこ道
さぁ、隣の細井川電停にモ166号車が到着した。まもなく、そのときがやってくる。
【2022年5月4日8時42分】 阪堺電気軌道阪堺線・安立町電停付近
遠くから、徐々に大きく響いてくる吊り掛けサウンド、モ166号車が安立町電停に到着して。
自分のすぐ後ろの踏切機も作動して。緊張する瞬間である。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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