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「ことでんレトロ」LAST RUN 2021.11.03 撮影記(6)片原町 [高松琴平電鉄]

最近、撮影地での自分の気持ちに少しずつ変化が出てきて。数年前までは、全撮影機会で“納得できる出来映え”の写真を撮りたいという気持ちが強くて。
だから、最初の1回が失敗作だったら、次からだんだん焦りが出てきてヘンに力が入ってしまって、さらなる失敗写真を...悪循環に陥ることが多かった。

でも、最近は1日に“1枚だけ”納得できる写真を撮りたい...と。だから、いままでだったら絶対にしなかったような撮り方に挑戦できたり。そして、その中での失敗作も、「あぁ~~っ!!」と喚きながら消去する...のではなく、失敗原因を冷静に考えて次回に活かそうと思えるようになってきたのである。
40代も半ばに差し掛かり、<変態鉄>も(見た目ではなく)中身も丸くなってきたのだろうか。

とはいうものの、この日は...

ベストポジションが空いている訳ないのは明らかなのに、なぜ、一番、撮影者が密集するポイントを選んで、窮屈な撮り方をしてしまったのか...
いま、写真を見直しても悔やまれる撮影となった。思えば、“守り”の姿勢に入って普段以上の駄作を連発してしまった、11月3日の「ことでんレトロ」だった。

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【2021年11月3日9時56分】 高松琴平電鉄琴平線・高松築港-片原町

この青空の下、その“守りの姿勢”に入ってしまったことが悔やまれるのが、“午前の部”の復路。
思えば、長尾線内で、そのまま撮っておけば良かった...と。もちろん、後の祭り。

……  ……

2021年11月3日(水・祝)晴れ

ことでんの3路線は全て瓦町駅に乗り入れる。駅ビル(現在のFLAG)ができる際に志度線が分離され。そのときから、長尾線が高松築港駅に乗り入れるようになって、現在は、琴平線と長尾線が高松築港-瓦町間で線路を共用する形になっており。
レトロ電車は、長尾駅で折り返したのち、高松築港ゆきとなり、高松築港駅から琴平線の仏生山ゆきとして折り返すことになっていた。

長尾線内で復路を撮れば、後続電車に乗っても仏生山ゆきを撮ることは不可能。
それなら、撮影機会を1つでも増やすには、その瓦町-高松築港の区間で撮る事になるわけで。高松市街地の、玉藻公園、お城の堀に沿って走る区間は、ことでんの底盤撮影地ではあるものの、ということは多くの<鉄>が集結しているのは想像にかたくなく。
“ベストポジション”がとれるとは思っていなかったが、市街地を抜けていく区間でレトロを撮るのも悪くはないと。

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【2021年11月3日9時25分】 高松琴平電鉄琴平線・片原町-高松築港

でも...

到着して焦ったのは、光線状態。片原町-瓦町間は線路が南北方向、東側から撮れば光が回ると思っていたら...
当初は商店街・繁華街を貫く直線区間で望遠で切り取ることを考えていたが。そう、ビル影。2両編成とはいえ、晴れればキレイに光が射すことはないのは考えてみれば当然のこと。

急いで、あの玉藻城の櫓ヨコのポイントに向かうも、撮れるようなスペースが残っている筈もなく。う~ん、だんだんとその時が迫ってくる。周囲には、もの凄い数の<鉄>。それをかわしながら撮るだけでも...

結局、玉藻公園と片原町駅の間、急カーブのところで。

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【2021年11月3日9時30分】 高松琴平電鉄琴平線・高松築港-片原町

高松築港-片原町間は、短い間に直角に曲がる急カーブが2回続く。これは戦災復旧で急遽、つくられた路線だったから...だったと思う。
片原町駅周辺は昭和の頃のものと思しき、古い住宅と商店が建ち並んでおり、何と言っても古レールで組まれた架線柱、そこをゆく、1435 mm軌間の複線のレール。
でも、背後には高松駅に隣接した、クレメントホテルのガラス張りの高層ビルがチラッと見えて。

新旧混在、いまの高松の街の風景を盛り込みながら。
このすぐ先、カーブを曲がり終えた堀端のところに分岐器があって。そこから築港駅までは手前の長尾線と奥の線路が琴平線、複線に見えて単線並列になっており。
高松築港駅は、琴平線も長尾線も1線しかないので、折返しは慌ただしく。

先ほど、上り電車として通過した「しあわせさん こんぴらさん」が早くも戻ってきた。

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【2021年11月3日9時35分】 高松琴平電鉄長尾線・片原町-高松築港

まもなく、レトロがやってくる。そのときが迫っており。
でも、構図はなかなかまとまらない。ヨコ位置にすれば古色蒼然とした線路際を取り入れることができて。フツーの<鉄>なら嫌がる筈の、こういう雑然とした風景も<変態鉄>には魅力的に感じられるもので

ただ、そうすると車体側面は黒つぶれしてしまうのが気になって。

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【2021年11月3日9時42分】 高松琴平電鉄琴平線・片原町-高松築港

琴平線と長尾線ではダイヤのサイクルが違うので、列車は不均一な間隔で連続してやってくる。琴平線の電車は飲酒運転撲滅ヘッドマーク付きの1080形。

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【2021年11月3日9時49分】 高松琴平電鉄長尾線・高松築港-片原町

「せっかくだったら、車両をもっと、ドーーン!! と迫力ある1枚に...と、現地ではそんなことを思っていたような。
いま見れば、この、カーブの奥、踏切付近に電車を止める撮り方の方が、当初の撮影意図に沿った1枚になっていたような...

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【2021年11月3日9時49分】 高松琴平電鉄琴平線・高松築港-片原町

1枚ずつ、構図が違っているのは、ずっと迷いながらカメラを構えていた証。後で見直せば、もう少し落ち着きが欲しかった、この日の<変態鉄>。
でも、それくらい夢中で撮っていたのである。

さぁ、背後から、あの吊り掛けサウンドが...(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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