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「ことでんレトロ」LAST RUN 2021.11.03 撮影記(3)夕方の琴平線 [高松琴平電鉄]

ことでん...高松琴平電鉄で旧型電車が最後の活躍をしていると知ったのは大学生の頃の鉄道誌の特集。その鉄道誌、自分が読んでいた頃は、もちろん月刊、ほかの雑誌より一回り大きなサイズで迫力満点の写真が表紙を飾り、ある意味、その表紙写真や巻頭の写真、それは<鉄>として憧れの存在だった。
でも、知らないうちに隔月刊になっていたみたいで、とうとう不定期の刊行に変更されることが発表され。そのこともツイッターに流れてくるところで知ったのだった。残念ながら、最近では「記事の掘り下げが浅くて得るものがない」とか「紙質が明らかに落ちていた」とか、最後まで読んでいた皆さんからは、正直、辛辣な意見も多くて...。
かつては、毎月20日過ぎの発売日に書店にいくのを楽しみにしていた自分も、いつの間にか鉄道誌を買わなくなった。最近は特集記事が自分の興味ある車両だったときに「ピ※ト※アル」を手に取るくらいだろうか。最新の情報を得るというよりも古い車両などに関する資料収集の要素が強く。

さて、ことでんのレトロ電車。自分の興味が国鉄型ディーゼル動車に移り変わってゆく中で、すっかりご無沙汰していた。ちょうど、ことでんが「オトナの事情」で大変だった頃から。
京急などから冷房車が次々に導入され、吊り掛け電車たちは引退した...と思っていたのだが、実は、その中の4両が残され、毎月「特別運行」されている...と知ったのは2015年春のこと。エラそーに言っていても<変態鉄>というのも、そのレベルなのである。

でも、そこから6年半、日程の都合がつけば高松に通うようになって。同じ電車を見ても、同じ路線でカメラを構えても、学生時代とは全く違うことに気づけるようになって。

大正が昭和に変わる頃に開業した琴平電鉄、その開業時に導入され、1世紀近くにわたって走り続けた2両の歴史から見れば、自分がちゃんと撮ったのは、その最後の6年半だけ...だが、それでも、夢中で撮りに通った車両たちの最後の晴れ舞台。
前日から気合いが入ってはいたのだが...ヒコーキが、う~ん。

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【2021年11月2日14時28分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅

さぁ、レトロ電車ラストランの前夜。翌日は泣いても笑っても最後の撮影機会となるわけで。琴平線での最終運行に備えて近い時間帯の列車で仏生山-琴電琴平間を1往復。
この日は午後から雲が目立っており、そのせいもあって復路は琴平発車直後に外は暗くなり。だから、琴電琴平ゆきの下りが最後の撮影機会になりそう。上りは「とりあえず撮ってみる」という感じになりそう...と覚悟が決まってきたのだった。

……  ……

2021年11月2日(火)晴れ

翌3日の最後の琴平線でのレトロ電車運行は、

 仏生山 15:26 → 16:25 琴電琴平
 琴電琴平 16:49 → 18:04 高松築港
 高松築港 18:05 → 18:24 仏生山

だから、最後の本線運転は、高松築港からの仏生山ゆきになる筈だが、日の入りの遅い西日本でも11月の17時過ぎは撮影にはかなり厳しい状況。
苦手な流し撮りにすべてを賭けるしかないが...

だからこそ、最後の撮影機会は、琴平ゆきの下り。15時台なら太陽は西に傾いているので影が落ちにくく、かつ、車両全体に光が回る箇所を確認しておきたかった。

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【2021年11月2日15時40分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅

仏生山駅でカメラを構え始めると、時間が経過するのも忘れて撮り続けてしまうくらい、さまざまな車両が居て、それはそれで楽しいのだが、この日は15:47発の琴電琴平ゆきに絶対に乗ると決めていた。
よく目を凝らすと、庫内の1080形、瓦町FLAG 6周年記念ヘッドマークが掲出されており。日中の区間列車が一宮折返しになって、<変態鉄>があまり撮ったことのない「仏生山」ゆきの表示も...

そんな情景を前に、後ろ髪を引かれる思いで下りホームに向かうのだが...

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【2021年11月2日15時42分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅

やはり、レトロ電車の姿が気になるわけで。

さぁ、15:47発の琴電琴平ゆきは1080形2連。ちょっと混雑している時間帯にさしかかり、それでも座ることはできた。いい歳のオッサンがロングシートで体を捻って車窓を見ている...ある種、ちょっとあぶない画だが、マニア行動全開である。
線路脇の雑草の茂り方、あとは何と言っても光線の向きと当たり方。全神経を集中して車窓を...

でも、その撮影地は発車して間もなく。

「もう、ここ一択だ!!」と確信したのだった。そう、香東川鉄橋。香東川の円座側の川岸から茂みの中を分け入って...撮るのがベストだと確信したのだった。そこで撮ったことは何度かあるが、背丈以上の雑草が生い茂る中を歩いてアクセすることになり、油断していると蜘蛛の巣だらけになって、しかも全身痒いのである。
普段なら避けるところだが、このときは固く心に誓ったのだった。朝の長尾線運用を撮ったらそのまま円座に直行、あの痒い河原で、ずっと待っていようと。

そう、香東川、土器川の2つの鉄橋は琴平線のハイライト。しかも撮影地が限定される夕方となれば、多くの<鉄>が結集するのは容易に想像できるわけで。
もともと河原での撮影のキャパ(撮影可能人数)は無限大に近いのだが、少しでも良い角度で撮りたいと思えば...。痒さには耐えるしかないのである。

この日は晴れてはいたものの空には雲も多くて。
それもあってか、滝宮駅付近からだっただろうか16時を過ぎてくると、だいぶ薄暗くなって。琴平側の撮影地に来ていたら、たぶん、ISO値を変えながら祈るような気持ちで待っただろう...と。

そんなことを考えていれば、あっという間に終点・琴電琴平駅に到着である。

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【2021年11月2日16時31分】 高松琴平電鉄琴平線・琴電琴平駅

乗ってきたのは飲酒運転撲滅マーク付きの1081編成、黄色い琴平線色がキレイだが、そう、この車両、「還暦の赤い電車」だった編成である。
でも、不思議だったのは2番ホームへの到着だったこと。

そう思っていたら、運転士さんと車掌さん、大急ぎで...

乗客を降ろした1081編成、すぐに動き出したのである。

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【2021年11月2日16時32分】 高松琴平電鉄琴平線・琴電琴平駅

列車別改札制が比較的、徹底されている琴電琴平駅。<変態鉄>もいったん改札を出て。
いまの電車の折返しとなる16:42発に乗らないといけないので、とりあえず大急ぎで駅舎の写真だけ。もう何度も何度も訪れたこの駅、わざわざ写真を撮らなくても...
こういうところはブロガー魂である。

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【2021年11月2日16時33分】 高松琴平電鉄琴平線・琴電琴平駅

2番ホームに到着するや否や出て行ってしまった1081編成、転線して1番ホームに入線、先の列車で到着していた1100形の築港側に増結されて。
そう、琴電琴平駅での10分間の折返し時間を使っての増結作業が行われたのだった。

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【2021年11月2日16時38分】 高松琴平電鉄琴平線・琴電琴平駅

そして、1100形2連を従えた4連になった1081編成で。高松へとトンボ返り。

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【2021年11月2日16時39分】 高松琴平電鉄琴平線・琴電琴平駅

土器川も走行写真には辛いだろうか、琴平を出発してすぐに外は暗くなってきて。

滝宮付近ではすでに夜。雲が多かったこともあるが高松市街地が近づいて来る頃には、もう写真どころではない感じで。と、なれば下りを香東川鉄橋の円座側で撮ったら、大急ぎで後続の下り電車に乗って、できるだけ琴電琴平に近い撮影地へ...
でも、直前の到着になってしまうのでメジャーな撮影地は埋まっているはず。

そんな中で、暗くなってきてシャッター速度を稼げない場面では、“正面ドカン!!”を狙って見かけの速度をできるだけ落とすしかない。これまでの撮影経験から、まず、たぶん誰もいないであろう地点を思いついていたのだった。

でも、それが... 

高松の中心街で手早く夕食を済ませたらホテルに戻ったのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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