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ことでんレトロ最終章 20210731(5)やっぱり、仏生山。 [高松琴平電鉄]

路面電車以外で吊り掛け駆動の電車というのは、いま、どれくらい残っているのだろうか。江ノ電のように新型車として見えない外観で、乗ってビックリ...という例もあったが。営業用車では、皆無では無くても、あまり思い浮かばなくなってきている。
国鉄では昭和30年代に入ると、101系通勤型電車を皮切りにカルダン駆動へと移り変わっていったが、中小私鉄ではメンテナンスのために車両の構造・性能を一定にした方が良いという考え方のもと、ある種、“時代遅れ”と言われそうな仕様で新製する...ということは、たびたび行われており。

そう、小湊鐵道のキハ200形も同じ流れ。最後の213・214号車は1977年製。20年近くをかけて徐々に置き換えていったが、この当時、国鉄ではキハ40形の投入が始まっており、DMH17エンジン搭載というのは、もはや20年くらい前の仕様といわれても。
ことでんレトロは100年近く活躍したが、“最後の吊り掛け電車”の1つである遠州鉄道の30形、冷房付き、電気ブレーキ常用といったちょっと変わり種の吊り掛け電車だったかと。
引退を前に「特別運行」されたとき、撮って録って、と楽しんだ。
(路面電車以外での最後の新製吊り掛け車は江ノ電だったかと)

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【2016年8月6日12時03分】 遠州鉄道線・さぎの宮-積志

ことでんのレトロ電車が引退したら、いよいよ吊り掛け電車も終焉に近づくかと。冷房使用時期を避けて三重県のあの路線...くらいしか、吊り掛けの乗車音が録れる路線が思い当たらない。
でも、あの盛大なサウンド、アレこそが“電車の音”と思っている<変態鉄>である。

長尾線を2往復、4回ともほぼ同じ地点での撮影だったが、自分の中では“3勝1敗”の受け止めだった。
これで、ホテルに戻って...

迷ったが、瓦町で降りずに...

……  ……

2021年7月31日(土)晴れ

半分以上の乗客は、大きなカメラバッグを提げた<鉄>。そんな学園通り駅15:50発の高松築港ゆき。
この車内でも、ちょっと悩んでいた。“膝が痛い”というのは、たかが膝痛、されど...なのである。何をするにも億劫になってしまう。歩くときに痛みが出るという症状は思ったより、心理的な面でも影響が甚大なのである。

迷った末、やはり、仏生山駅にレトロ電車を見に行くことにした。
先ほど、白山近くで撮ったレトロ電車は、いったん高松築港駅まで運転された後、琴平線を仏生山まで下って入庫となることが発表されていた。もちろん、後続の電車では追いつくことはできない。でも、仏生山到着後に入庫した姿なら...
長尾線の車内で決断したのだった。

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【2021年7月31日16時25分】 高松琴平電鉄長尾線・高松築港駅

本当は瓦町駅で降りるはずだったが、単線でもあって両線の接続は必ずしも良くない。
この電車は16:19に瓦町。時刻表上は同発で一宮ゆき。長尾線と琴平線では、向かい合わせでもホームは分かれており、いったん階段・エスカレータで改札前のコンコースまで上がる必要があり。
他の<鉄>な方の幾人かは、やはり、ドアが開くなりエスカレータを駆け上がって。普段の自分ならそれに加わっていたかと思うが...

でも、<変態鉄>、いまは到底、そんな気持ちになれず。琴平線は15分間隔、次の下りは瓦町駅 16:34発。
ということで、特に目的も無く築港駅まで乗り通すのだった。

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【2021年7月31日16時27分】 高松琴平電鉄琴平線・高松築港駅

「何だか、ガラ~ンとしているなぁ...」
思えば、長尾線の車止めと改札口の間にあった「駅パブ」が、いつの間にか姿を消していた。前に訪れたときは気づかなかったが...

反対側、琴平線ホーム側にはデジタルサイネージが設置されており。広告のほかに、ことでんからのお知らせも表示されており。
8月9日に迫ったレトロ電車のお別れイベントの告知も。延期が発表されたのは、この少し後のことだった。

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【2021年7月31日16時28分】 高松琴平電鉄琴平線・高松築港駅

続いて、16:30発の琴電琴平ゆきになる電車が入ってきた。1100形は、わが地元、京王線の名車5000系。

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【2021年7月31日16時28分】 高松琴平電鉄琴平線・高松築港駅

戦時中の空襲で琴電も高松市街地区間では甚大な被害が出て。その復旧に際して、この地に移転してきたはず。(当初は南側の仮駅)
そんなこともあって、お城の壕のところに線路を通しており、90度近い急カーブが連続するのだが...

現在は玉藻公園になっている高松城、お堀として瀬戸内海の海水を取り入れており。
琴平線ホームからは、その堀の様子を眺めながら列車を待つことができる。

長尾線とは違って、琴平線は高松築港駅に到着したらすぐに折返し。<変態鉄>も琴電琴平ゆきで。

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【2021年7月31日16時48分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅

そして、仏生山駅。
もう編成を解かれて入庫済みかと思っていたら、ありがたいことに、まだ120号車はホームに居た。

黄色い電車に挟まれて向こう側の留置線に300号車の顔も見えており。

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【2021年7月31日16時48分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅

このホームに停車して待機するレトロ電車120号車の姿。これまで6年間の撮影で、何度も撮ったが、そんな当たり前のシーンも、あと何度撮れるか...、改めて記録しておかないと。

でも、120号車の車内。“誰か”が居る!!

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【2021年7月31日16時49分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅

イルカ駅員の“ことちゃん”は居なかったが、“ことみちゃん”と“ことのちゃん”母娘が車内に佇んでおり。

こういうシーンが撮れただけでも、仏生山駅に立ち寄った意味があったということだろうか。

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【2021年7月31日16時49分】 高松琴平電鉄琴平線・仏生山駅

そして、ホーム先端から見える仏生山車両所東工場前には“仏生山のヌシ”デカ形の姿。
“レトロ廃車計画”の一部変更の中で、300号車と120号車の2両が、引退後も、当面、事業用車として仏生山に残ることが発表されているが、ということは...
ということは、「デカ1」を含めて事業用車が3両も居ることになって。これは...

まだ正式発表はないものの、「デカ」の去就は非常に気になっているのである。国鉄から譲受した貨車をベースに、50年前、当時の今橋工場で改造された超個性派電動貨車である。
<変態鉄>の心配が杞憂で終わってくれたら良いのだが... (つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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