雨の水海道でホキ(1)ぷろろーぐ [関東鉄道常総線・竜ヶ崎線]
どうやら、人気があった...とのことで追加開催が決まったみたいだが...
半月ほど前、5月16日、関東鉄道「ホキ800形ホッパ車さよなら撮影会」に参加したのだった。
【2021年5月16日10時39分】 関東鉄道・水海道車両基地
時間も限られで、しかも天気も...だったが、関鉄らしく、非常に楽しいイベントであっという間に終了時刻になっていたのだった。
<速報版>にも書いたとおり、レンズの水濡れで...イベント後半に撮影した写真はどでもダメだったのが非常に残念なところだが、それでも、特に個性派ディーゼル機関車DD502号機の勇姿も見ることができて、存分に楽しんできた。
その模様を、主に前半に撮影した写真でご紹介したい。
と、その前に...
今回の“主役”「ホキ800形」、嫌いではないが貨車というのは<変態鉄>の専門外。分類上は「ホッパ車(Hopper car)」、粉体や粒状のものを積載するための貨車である。
ということで...
…… ……
ちょっと、「ホキ800形」について...
そもそも「ホッパ車」というのは、あるときはセメント用の砕石であったり、あるときは小麦だったり、あらゆる粒体、粉体を輸送する専用のバラ積み貨車である。工場や鉱山の積み込み・積み下ろし設備に合わせた車体構造なので、個性的なシルエットをもつ車両が多く、そういう意味でも面白い車種である。
貨車を車種毎に狙って撮ることなど無かったが、90年代の初め頃、中学生になった<変態鉄>、ヒマを見つけては駅構内で写真を撮っていた。ひどい写真ばかりだが、当時は、目の前にあるあらゆるものが新鮮に見えていた。貨車には明るくなかったが、それでもホッパ車の写真だって...
1994年の春頃だったと思う。たぶん予定のない日曜日を八王子駅構内で過ごしたときのネガから。
【1994年頃】 中央本線・八王子駅
自分が「ホキ」と聞いて最初にイメージするのは、この麦色のホキ。この車両はホキ2200形、常備駅名には「大川」とある。そう、鶴見線の
当時、八高線はまだ非電化、いま水島臨海鉄道で撮るキハ38形が頑張っていた。それと同時にDE10形が牽く貨物列車も日中の八王子駅に乗り入れており。しかも...
いまでは「貨物列車」といえばコキ車(コンテナ貨車)の長い列が続くものだが、当時は車扱いというかホキだけでなくトキやワムなど雑多な貨車を連ねた貨物列車もあった。
【1994年頃】 中央本線・八王子駅
こちらはホキ5700形、さきほどのホキ2200形とは違って私有貨車として「日本セメント株式会社」の表示がある。常備駅名は高麗川、こちらは八高線である。秩父からのセメント輸送用だろうか。
一口に「ホキ車」といっても様々なのである。
その中でも、今回の「ホキ800」はちょっと性格が違っていて、貨物輸送用というより事業用というイメージが...
1958年(昭和33年)から長期にわたって1,000両以上が増備された貨車である。一部は車両メーカーも製造に参画しているが、多くは浜松や長野など国鉄工場で製造されている。
その積み荷は「バラスト」、つまり、レールの下に敷き詰める砕石である。
事業用なのでその活躍は地味、なかなか活躍中のシーンを見かけることは無いのだが...
この「ホキ800形」を強く意識するようになったのは、この瞬間だった。それは8年前の6月。
地鉄電車を撮りに行って。撮影を終えてホテルに戻ろうと駅へ。列車を待っているとき、時刻表にない時刻に突如、踏切機が鳴りだして。
【2012年6月27日13時46分】 富山地鉄本線・越中三郷駅
フツーの電車とは異質な、重厚な走行音。“デキホキ”編成に遭遇して。
黒部川第4発電所...クロヨン開発のために製造された電気機関車「デキ12021」号が牽く事業用列車が、地鉄の「デキホキ」。
コレ、地鉄を撮るものの中でも“憧れの存在”、性質上、年に1~2回しか出動機会は無く、その運行予定も秘密なので、これを撮るのはスゴいことなのである。
自分も、ホンモノの「デキホキ」を撮ったのは、このときだけ。
後に、縁あって、貸切撮影会の形で運転していただいて、撮ったことはあるのだが...
【2012年6月27日13時46分】 富山地鉄本線・越中三郷駅
その「デキ」の後ろに連なる2両が「ホキ」。地鉄では81、82号車という車番だったはず。
1両は国鉄清算事業団から譲り受けたもの、もう1両は同系車の地鉄の自社発注。
ヘルメット姿の作業員の方が貨車に便乗しているのが、かすかに見て取れる。
そして、走行しながら、ハンドル操作で砕石を散布するのである。(<撮り鉄>が集まると危険なので、特にこの列車の運行予定は秘密とされるわけで...)
まさに散布場所に向かわんとする、活躍中のその瞬間を撮ることができたのである。
ちなみに富山地鉄の「デキホキ」、走行速度はフツーの電車と変わらない。
電気機関車が牽いてノンビリと走る...と想像していたら、撮るときにビビるのである。(経験談)
【2016年8月6日9時21分】 遠州鉄道・西ヶ崎駅
そういえば、遠州鉄道でも、あの古典機関車と編成を組んで待機しているのはホキ800形。
もちろん各社に類似車や、地鉄のように同一車体の車両を自社発注した鉄道会社も多く、また国鉄清算事業団などを経由して多数が払い下げられたので...
私鉄でもよく見かける貨車なのである。
あまり意識しなかったが、関東鉄道常総線にもホキ800形が配置されており。
それがとうとう関鉄での役目を終えることになったと言うことで。とはいえ、すでに還暦を迎える車両、もともと走行距離の短い車両とはいえ、それでも...
ただ、そこには“第3の車生”があるというのだから。関鉄での引退後は小湊鐵道に移籍するというのだから、もっと驚き。
申し込み多数のため厳正なる抽選の結果、当選いたしましたので、
というメールが届いたのは、5月10日の午後。
当日を楽しみにしていたのだが...
そう、天気。ヒマさえあれば水海道の位置する茨城県常総市の週間天気予報を確認していたが、どうやら、かなり厳しい予報で...う~ん。
それでも貴重な機会。行く以外に無いのである。
2021年5月16日(日)曇り一時雨
幸い、自分は「午前の部」、そう、午後からは大相撲中継があったのである。まさか大関・朝乃山があんなことになるとは思わなかった。
さて。
朝7時半の井の頭線で。笹塚から都営新宿線経由で岩本町駅。岩本町駅は、実は秋葉原駅まで徒歩5分圏内、長らく岩本町駅では秋葉原駅までの道順が紹介され、逆はないという“片思い乗換駅”だったが、いつの間にか両思いになっていたみたい。
TX線、8:30発の快速・つくばゆき。ロングシートに腰掛けてボーッとしていれば、30分で守谷駅に到着である。
【2021年5月16日9時05分】 つくばエクスプレス・守谷駅
TX線は全線高架とトンネル、ワンマン運転で各駅には開業時からホームドアが。だから、一番、写真が撮りにくいタイプ。
とりあえず、ホームで意味不明なスナップを。
【2021年5月16日9時03分】 関東鉄道常総線・守谷駅
関東鉄道常総線のイベントは守谷駅改札コンコースが集合場所になることが多いのだが、今回は水海道駅。階下のTX線改札口を出れば向かい側が関東鉄道常総線のりば。
でも、ここでもゆっくりできない。乗り継ぎが良すぎるのは<鉄>にとっては痛し痒しかも知れない。
常総線守谷駅は橋上駅、上にTX線の高架駅が覆い被さり、常総線ホームは1日中、薄暗い。
そのホームの先端でカメラを構えると...
【2021年5月16日9時10分】 関東鉄道常総線・守谷駅
まもなくやってきたのは、9:10発の第43列車・下館ゆきである。水海道以北への直通なのに2両編成。そう、これは「水海道乗換下館」ゆき、というパターン。
前面のLED表示もスクロールで「水海道乗換下館」と表示されるのである。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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