コミナティ・春 20210225 小湊鐵道撮影記（７＝最終回）最後は川間 [小湊鐵道]
ちょうど10年前のこの日、そう、あの日である。
＜変態鉄＞は富山駅にいた。富山市が中心になって行われた高山本線増発社会実験、その最終日だった。
その車両不足をまかなうために、キハ58系2編成4両が富山に配置され。その“飛越ゴハチ”を撮りに...国内線でも短距離路線の羽田－富山線のヒコーキの往復だけで特典航空券になるくらい、公休日の度に富山に通ったのだった。
10日は夜まで仕事、“飛越ゴハチ”最終日は諦めるつもりだった。3月になったからだけでも2回、訪れたので、それで終わりのつもりだったが、やはり、その3月11日、キハ58系の最後の日...近づいてくると、どうしても行きたくなって。
直前に調べても10日夜の新宿－富山の地鉄高速バスは満席、万事休す...かと思えば、探せば、名古屋－富山・金沢線の夜行便には空席が1つだけ。
仕事を終えたら、スーツ姿のまま「のぞみ」で名古屋に駆けつけたのだった。
【2011年3月11日10時12分】 高山本線・千里－速星
11時過ぎに、富山運転センターに戻る回送を撮って。断続的に吹雪くような天気だったと記憶している。夢中でカメラを構えていたら、いつの間にか、ニット帽と前髪がガチガチに凍っていて。
「撮り終えた」というより、「終わった」という感じ。夢中になって追いかけてきた被写体だった分、虚脱感に似た気持ちでホテルに戻ったのだった。
大きな揺れに見舞われたのは夕方の最終運用に備えて一休み、ホテルのベッドで寝転んでいるときだった。
翌日、羽田ゆきのヒコーキは飛ぶということで。東京に戻って職場に直行。
そのあとは、もう大混乱。趣味活動どころではない日々が待っていた。その翌月、2011年4月には、いすみ鉄道でキハ52形が走り出し。
“そのとなり”という感じで、小湊鐵道線も撮るようになって。この10年間、房総のキハたちを追ってきた。
ちなみに、前ブログをスタートさせたのは、2011年10月のこと。早いもので、あれから10年。
あっという間に感じるのである。
ということで、“房総のキハ”を追って10年、いつまで経っても写真の腕前だけは変わらない＜変態鉄＞による、小湊鐵道撮影記の最終回。
…… ……
2021年2月25日（木）晴れの曇り
さぁ、上総川間駅を後に...
【2021年2月25日14時44分】 小湊鐵道線・上総川間駅
向かい側の、田んぼの中の道路から。ただ、残念ながら...というか、予報通りだが15時を回って急速に空には灰色の雲が増えてきて陽射しは届かなくなり。
晴れれば“ギラリ”とか“エロエロ光線”とか...＜撮り鉄＞としても一番、テンションが上がる時間帯になるが、むしろ、ISO値を上げるべきかどうするか悩む...という、まぁ、よくあるパターンに。
それにしても、撮影可能な...というか構図が無数にあることが＜変態鉄＞には悩ましいのである。どこを切り取れば良いのか...
多くの箇所は「あの看板が邪魔だから」「あの送電線はカットしたいなぁ」とギリギリのところで撮ることが圧倒的に多いが、ここは撮り方の自由度が高くて。
つまり、構図決めにおいて撮る者のセンスが重要になってくるということ。
いままで何度か撮ったことはる。でも、この川間駅周辺での撮り方についての自分なりの“最適解”が見つけられていなかった。
第28列車で上総川間駅に到着したのは14:42、撮影対象の第23列車は15:17、40分弱の時間で自分なりの答えを探したが...
【2021年2月25日15時18分】 小湊鐵道線・上総川間駅
結局、ホームの真向かいから線路に平行に。思いっきり平凡なカットである。
でも、＜変態鉄＞には珍しく、ホームへの入線シーンからカメラを...
とはいえ、コレ、限りなく“パクリ”に近い、ネット上でよく見かける撮り方。しかも、こういう撮り方は、駅ホームのどこの部分を入れるか、車両をどこで切り取るか、こういう構図は技術的には極めて簡単だが、でも画を見たときに中途半端感を与えない撮り方というのが極めて難しい気がする。
と、エラそーに言っておいて。
もちろん、言うまでもなくネットにある数々の写真の“劣化コピー”も良いところ。
撮るまでは悩みに悩んでこの角度を選んだが、撮った後に見てみると...
う～ん、左側の電柱(?)のあたりまでで切って、もうちょっと右側を広く...
全然、満足できない1枚。
【2021年2月25日15時18分】 小湊鐵道線・上総川間駅付近
すかさずカメラを振って。三脚のネジを締め直す時間も...慌ててしまって。
動き出そうとするキハ。
【2021年2月25日15時19分】 小湊鐵道線・上総川間－上総鶴舞
出発すると上総鶴舞駅に向かって。最初の踏切を過ぎるとカーブになり、そこからは背丈の高い草に覆われており。
最初の踏切までの直線区間で。ここ、“一面の田園地帯”と書いているが線路の後ろ側には国道297号線（大多喜街道）があって。
圏央道ができて高速バスは通らなくなったが、それでも大型車の通行も多く。
陽射しがなくなったこともあって、何だか非常に平凡な列車写真だが、可もなく不可もなく??
“落第”ではなくても“優”はおろか“良”にもほど遠い自己評価。
この上総川間駅周辺というのは、自分にとっての“再履修課題”だろうか。
【2021年2月25日15時28分】 小湊鐵道線・上総川間駅
この日の空のように、自分の撮影成果も“晴れのち曇り”だったような気がする。駅に戻る足取りはちょっと重かった。
高校生たちで賑やかな無人駅でキハの到着を待って。
15:46発の第30列車は、高滝で撮った2両編成。ロングシートは半分ほどが埋まっていただろうか。
【2021年2月25日16時27分】 小湊鐵道線・五井駅
終点・五井駅には16:26着。ホーム上で目立つのは...
【2021年2月25日16時27分】 小湊鐵道線・五井駅
この自販機。コレを朝、撮ろうとしていて忘れてしまった。いすみ鉄道では以前から類似のものをよく見かけたが、大手飲料メーカーの自販機に小湊鐵道のラッピングをしたものができたということで。他にも同線の数駅に設置されているらしい。
キハと里山トロッコと菜の花。キハ40の写真が入ったバージョンもでてくるのだろうか??
そして、再び五井機関区を覗いてみると...
【2021年2月25日16時28分】 小湊鐵道線・五井駅
朝、期待してしまった「里山トロッコ」はいつもの場所に停まっている。
それから...
「こみなと待合室」の告知の横断幕を付けたキハの後ろにいる車両、五井駅到着直前に第30列車の車窓から見ると車番が「キハ202」だったような気がする。
年末に訪れたときには、エンジンを取り外していたので既に廃車になったのだと思っていたが、あの一瞬、チラッと見た車番が見間違いでなければ、床下はそれほどスカスカではなかったようにも見えて。
202号車がどうなっているのかも、ちょっと気になっている。
さぁ、跨線橋を渡って。
【2021年2月25日16時43分】 内房線・長浦駅
すぐの連絡で16:33発の第177M列車。いつもの209系も、まもなくその活躍にピリオドを打つことになる。「寿命半分、コスト半分」“走ルンです”などと揶揄されて...90年台、京浜東北線にこの電車が出てきたときは“何だか安っぽくて詰まらない車両だなぁ”と思ったものだが、むしろ房総に移ってからの方がお世話になることが多かったかも知れない電車である。置換えが始まると聞くと寂しいもので。
さて、最近の＜変態鉄＞の小湊鐵道撮影からの帰宅ルート。「市原市役所・五井－新宿」線の高速バスが事実上、運休になっている現在、実は2つ先の長浦駅からの高速バス、「長浦－品川」線は、なぜか全便運転されており。
【2021年2月25日17時08分】 千葉県袖ケ浦市久保田付近
駅の先のコンビニに行って。バス停にバスがいなくて、ちょっと不安になったが、折返しではなく木更津営業所からの回送だったのだろうか、発車時刻直前になって日東バスがやって来た。
前回乗車時は“貸切状態”だったこの路線、この日は3名の乗客で発車、袖ケ浦バスターミナル、さらに木更津金田バスターミナルでも乗車があって。いやはや...、いつも大多喜から帰るときは「アウトレット渋滞」と「海ほたる渋滞」に嵌まりに嵌まって。袖ケ浦から川崎浮島まで1時間では済まないのだが...
長浦駅を17:17発の高速バス、金田BTを17:45頃に発車したら順調に走って18時過ぎには大井南で一般道へ。
【2021年2月25日18時24分】 東京都港区・品川駅港南口前
定刻よりも少し早く品川駅に到着したのだった。（おわり）
（※）撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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＜変態鉄＞は富山駅にいた。富山市が中心になって行われた高山本線増発社会実験、その最終日だった。
その車両不足をまかなうために、キハ58系2編成4両が富山に配置され。その“飛越ゴハチ”を撮りに...国内線でも短距離路線の羽田－富山線のヒコーキの往復だけで特典航空券になるくらい、公休日の度に富山に通ったのだった。
10日は夜まで仕事、“飛越ゴハチ”最終日は諦めるつもりだった。3月になったからだけでも2回、訪れたので、それで終わりのつもりだったが、やはり、その3月11日、キハ58系の最後の日...近づいてくると、どうしても行きたくなって。
直前に調べても10日夜の新宿－富山の地鉄高速バスは満席、万事休す...かと思えば、探せば、名古屋－富山・金沢線の夜行便には空席が1つだけ。
仕事を終えたら、スーツ姿のまま「のぞみ」で名古屋に駆けつけたのだった。
【2011年3月11日10時12分】 高山本線・千里－速星
11時過ぎに、富山運転センターに戻る回送を撮って。断続的に吹雪くような天気だったと記憶している。夢中でカメラを構えていたら、いつの間にか、ニット帽と前髪がガチガチに凍っていて。
「撮り終えた」というより、「終わった」という感じ。夢中になって追いかけてきた被写体だった分、虚脱感に似た気持ちでホテルに戻ったのだった。
大きな揺れに見舞われたのは夕方の最終運用に備えて一休み、ホテルのベッドで寝転んでいるときだった。
翌日、羽田ゆきのヒコーキは飛ぶということで。東京に戻って職場に直行。
そのあとは、もう大混乱。趣味活動どころではない日々が待っていた。その翌月、2011年4月には、いすみ鉄道でキハ52形が走り出し。
“そのとなり”という感じで、小湊鐵道線も撮るようになって。この10年間、房総のキハたちを追ってきた。
ちなみに、前ブログをスタートさせたのは、2011年10月のこと。早いもので、あれから10年。
あっという間に感じるのである。
ということで、“房総のキハ”を追って10年、いつまで経っても写真の腕前だけは変わらない＜変態鉄＞による、小湊鐵道撮影記の最終回。
…… ……
2021年2月25日（木）晴れの曇り
さぁ、上総川間駅を後に...
【2021年2月25日14時44分】 小湊鐵道線・上総川間駅
向かい側の、田んぼの中の道路から。ただ、残念ながら...というか、予報通りだが15時を回って急速に空には灰色の雲が増えてきて陽射しは届かなくなり。
晴れれば“ギラリ”とか“エロエロ光線”とか...＜撮り鉄＞としても一番、テンションが上がる時間帯になるが、むしろ、ISO値を上げるべきかどうするか悩む...という、まぁ、よくあるパターンに。
それにしても、撮影可能な...というか構図が無数にあることが＜変態鉄＞には悩ましいのである。どこを切り取れば良いのか...
多くの箇所は「あの看板が邪魔だから」「あの送電線はカットしたいなぁ」とギリギリのところで撮ることが圧倒的に多いが、ここは撮り方の自由度が高くて。
つまり、構図決めにおいて撮る者のセンスが重要になってくるということ。
いままで何度か撮ったことはる。でも、この川間駅周辺での撮り方についての自分なりの“最適解”が見つけられていなかった。
第28列車で上総川間駅に到着したのは14:42、撮影対象の第23列車は15:17、40分弱の時間で自分なりの答えを探したが...
【2021年2月25日15時18分】 小湊鐵道線・上総川間駅
結局、ホームの真向かいから線路に平行に。思いっきり平凡なカットである。
でも、＜変態鉄＞には珍しく、ホームへの入線シーンからカメラを...
とはいえ、コレ、限りなく“パクリ”に近い、ネット上でよく見かける撮り方。しかも、こういう撮り方は、駅ホームのどこの部分を入れるか、車両をどこで切り取るか、こういう構図は技術的には極めて簡単だが、でも画を見たときに中途半端感を与えない撮り方というのが極めて難しい気がする。
と、エラそーに言っておいて。
もちろん、言うまでもなくネットにある数々の写真の“劣化コピー”も良いところ。
撮るまでは悩みに悩んでこの角度を選んだが、撮った後に見てみると...
う～ん、左側の電柱(?)のあたりまでで切って、もうちょっと右側を広く...
全然、満足できない1枚。
【2021年2月25日15時18分】 小湊鐵道線・上総川間駅付近
すかさずカメラを振って。三脚のネジを締め直す時間も...慌ててしまって。
動き出そうとするキハ。
【2021年2月25日15時19分】 小湊鐵道線・上総川間－上総鶴舞
出発すると上総鶴舞駅に向かって。最初の踏切を過ぎるとカーブになり、そこからは背丈の高い草に覆われており。
最初の踏切までの直線区間で。ここ、“一面の田園地帯”と書いているが線路の後ろ側には国道297号線（大多喜街道）があって。
圏央道ができて高速バスは通らなくなったが、それでも大型車の通行も多く。
陽射しがなくなったこともあって、何だか非常に平凡な列車写真だが、可もなく不可もなく??
“落第”ではなくても“優”はおろか“良”にもほど遠い自己評価。
この上総川間駅周辺というのは、自分にとっての“再履修課題”だろうか。
【2021年2月25日15時28分】 小湊鐵道線・上総川間駅
この日の空のように、自分の撮影成果も“晴れのち曇り”だったような気がする。駅に戻る足取りはちょっと重かった。
高校生たちで賑やかな無人駅でキハの到着を待って。
15:46発の第30列車は、高滝で撮った2両編成。ロングシートは半分ほどが埋まっていただろうか。
【2021年2月25日16時27分】 小湊鐵道線・五井駅
終点・五井駅には16:26着。ホーム上で目立つのは...
【2021年2月25日16時27分】 小湊鐵道線・五井駅
この自販機。コレを朝、撮ろうとしていて忘れてしまった。いすみ鉄道では以前から類似のものをよく見かけたが、大手飲料メーカーの自販機に小湊鐵道のラッピングをしたものができたということで。他にも同線の数駅に設置されているらしい。
キハと里山トロッコと菜の花。キハ40の写真が入ったバージョンもでてくるのだろうか??
そして、再び五井機関区を覗いてみると...
【2021年2月25日16時28分】 小湊鐵道線・五井駅
朝、期待してしまった「里山トロッコ」はいつもの場所に停まっている。
それから...
「こみなと待合室」の告知の横断幕を付けたキハの後ろにいる車両、五井駅到着直前に第30列車の車窓から見ると車番が「キハ202」だったような気がする。
年末に訪れたときには、エンジンを取り外していたので既に廃車になったのだと思っていたが、あの一瞬、チラッと見た車番が見間違いでなければ、床下はそれほどスカスカではなかったようにも見えて。
202号車がどうなっているのかも、ちょっと気になっている。
さぁ、跨線橋を渡って。
【2021年2月25日16時43分】 内房線・長浦駅
すぐの連絡で16:33発の第177M列車。いつもの209系も、まもなくその活躍にピリオドを打つことになる。「寿命半分、コスト半分」“走ルンです”などと揶揄されて...90年台、京浜東北線にこの電車が出てきたときは“何だか安っぽくて詰まらない車両だなぁ”と思ったものだが、むしろ房総に移ってからの方がお世話になることが多かったかも知れない電車である。置換えが始まると聞くと寂しいもので。
さて、最近の＜変態鉄＞の小湊鐵道撮影からの帰宅ルート。「市原市役所・五井－新宿」線の高速バスが事実上、運休になっている現在、実は2つ先の長浦駅からの高速バス、「長浦－品川」線は、なぜか全便運転されており。
【2021年2月25日17時08分】 千葉県袖ケ浦市久保田付近
駅の先のコンビニに行って。バス停にバスがいなくて、ちょっと不安になったが、折返しではなく木更津営業所からの回送だったのだろうか、発車時刻直前になって日東バスがやって来た。
前回乗車時は“貸切状態”だったこの路線、この日は3名の乗客で発車、袖ケ浦バスターミナル、さらに木更津金田バスターミナルでも乗車があって。いやはや...、いつも大多喜から帰るときは「アウトレット渋滞」と「海ほたる渋滞」に嵌まりに嵌まって。袖ケ浦から川崎浮島まで1時間では済まないのだが...
長浦駅を17:17発の高速バス、金田BTを17:45頃に発車したら順調に走って18時過ぎには大井南で一般道へ。
【2021年2月25日18時24分】 東京都港区・品川駅港南口前
定刻よりも少し早く品川駅に到着したのだった。（おわり）
（※）撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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