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紅い丸窓電車、最後の日々(2005年2月 名鉄岐阜線撮影記)(2) [思い出の名鉄岐阜線]

いつも、ブログで愚痴っているように、<撮り鉄>にとって「でかけられない」は
非常にストレスが溜まるのである。

普段は“仕事が多忙”なので、イヤイヤながら会社に行かないといけない。
それこそ、仕事に追われているうちに、気づけば夜になっているわけで疲労感と
ストレスは残るが、日中の時間帯はそんなことを考えているヒマもなく。
でも、この“外出自粛”は...

いっそ、<模型鉄>に転身しようかと...、いや、それでも、いまのワンルーム。
築25年の古いアパートの1室でできることなど、限られる訳で。

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【2015年3月31日10時20分】 京王井の頭線・高井戸-浜田山

<サクラ鐵>どころではなくなってしまった。
(ということで5年前の春に撮った、わが地元、井の頭線のサクラ)

「<撮り鉄>なんて、来年でもできるじゃない...」と、言われがちだが、
<変態鉄>が撮りたい車輌。1年後には走っているかどうか分からないようなものが
大半で。アレもコレも、“いつまでも、あると思うな”なのである。
だから、気もそぞろ...で。

それだけ、あの“武漢ウィルス”が憎いのである。

ということで、引き続き、2005年2月の名鉄岐阜600V線撮影記。

大正生まれの古豪、モ510形を撮ることができる最後のチャンス。
それまでも年間、何度か団体貸切で行われていたのだが、同車の美濃町線への
“里帰り運転”を最後の最後に、初めて撮ることができたのだった。

……  ……

このときは、まさか、これを撮って15年後、ネットに掲載するとは予想だにせず。
だから、撮影メモなど一切、残していないし、記憶も曖昧。
この日のモ510形が某大学の鉄道研究会の貸切だったのは覚えているが、
運行経路も正確には...

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前夜のうちに名鉄岐阜駅に近い、市ノ坪工場に回送されたのは前記事の通りだが
この朝、市ノ坪発だったのか、回送で徹明町か新岐阜に行って団体客を乗せたのか
それすら分からない。

とりあえず、岐阜市内から新関(すでに関と美濃の間は廃線になっていた)まで
美濃町線を下って、折返し、今度は徹明町経由で忠節へ、新岐阜と忠節を往復して
忠節止まり...だったような気がする。

つまり、この図の青線の部分を右へ向かって新関、折り返して図の左に進んで
真っ直ぐ、緑の線に乗り入れていく...というのが、大まかな流れ。

いまなら、

「※※駅を通過」とか、
「カン(→ 看板、ヘッドマークのこと)が付く」とか、

情報がリアルタイムでSNS上に流れてくるが、当時は“出たとこ勝負”というか、
こういう時刻表に掲載されない臨時列車を撮るときは、いつ来るかわからないものを
ずっと待ち続ける...ことも珍しくなかった。

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【2005年2月頃】 名鉄岐阜市内線(当時)・新岐阜駅前電停

前夜の忠節駅での“バルブ”の次のコマにコレがいた。

撮影メモなど書いている筈もなく、ネットを検索しても、この日付も運転時刻も
見つけることはできなかった。唯一、推測できる“根拠”は、<変態鉄>のネガの
コマの並び順と、消えかけている朧気な...不確かな記憶だけ。

 「そんな撮影記をアップして良いのか!!!」

と、マジメな<鉄>の皆さんに烈火の如く怒られそうだが、このテキトーなのが
<変態鉄>の、<変態鉄>たる所以である。

朝、一番で新岐阜駅前電停に出向いて、市内線のモ570形を撮っていたみたい。

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【2005年2月頃】 名鉄美濃町線(当時)・白金駅

いまなら、思い切り、地図を睨みながら...
サクラダ順光になる撮影地を熟考するところだが、当時の<変態鉄>。
“いざ勝負”の場面で、走行写真にする(チャンスが一瞬しかない)というのは
怖すぎたのである。まずは、手堅く駅ホームで。

白金駅のホームがちょうど良い感じだったように思えて...

もちろん、ちょっと時間に余裕をもって撮影地入りするのは<鉄>として...
先行列車で試し撮りしておかないと、<変態鉄>のようなプレッシャーに弱い
しかも、カメラの腕前も...、ぶっつけ本番なんて無理である。

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【2005年2月頃】 名鉄美濃町線(当時)・白金駅

先行の関ゆき。ぬぁんと、札幌市電から来た連接車も廃線まで活躍していた。
北海道らしい窓の大きなスタイルは、岐阜の夏の、あの蒸し暑さの前では...
90年台に初めて見たときには、その独特のヨーロピアン・スタイルに魅了され。

でも、そのときのネガは紛失してしまっており。(実家を“大捜索”すれば!?)
「複電圧化改造」にともなって、側面が思いっきりブサイクに改造されてしまい。
末期にはあまり撮らなくなっていた車両である。

郊外区間でありながら、路面電車タイプの低床ホーム。そこで電車を待つ
オバチャンの姿がまた渋い。
廃線まで1ヶ月余り、でも、いつもと変わらない電車の日常風景である。

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【2005年2月頃】 名鉄美濃町線(当時)・白金駅

そして、待つこと暫し。
紅白の丸窓電車がゆっくりとホームに進入してくる。

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【2005年2月頃】 名鉄美濃町線(当時)・白金駅

岐阜市内ではあるものの、市街中心部からはちょっと外れた場所にあるだけに
2月の、快晴の青空が気持ちよく。ほぼ全線が単線の美濃町線。
ここは交換可能駅。引きがとれる場所だけに電車にキレイに光が回って。

当時の自分としては、もう十分、“納得の1枚”だったのである。

<鉄>として注目なのは、電車の前面に掲げられた、紅い縁取り、黄色の丸標識。
これ、路面電車の単線区間だけで見られた、当時、すでに珍しかったシーン。
いわゆる、「続行票」である。廃線まで、これが日中のダイヤでも常用されていた
のは、名鉄美濃町線の大きな特徴でもあった。

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さきほど書いたように、たぶん...たぶん...である。

つまり、ここからは<変態鉄>の“妄想”だが...
この時、白金駅のホームは、図のような感じになる瞬間があったはず。
(ネガからは黄色い“岐阜方面”については確証が得られないのだが。)

そう、それが「続行票」の意味。

<鉄>でない方のために、テキトーに説明しておくと...

単線区間では交換駅と次の交換駅の間に2本以上の列車が走っていると事故の恐れが
でてくる。だから、何らかの方法で、交換駅と交換駅の間(閉塞という)に
“1個列車しか存在しない”ことを保証するシステムが必要になる。

でも、路面電車の場合、小型の電車が主流なので、そうすると混雑時には乗客を
積み残してしまう。そのため、単線区間で同じ方向の電車を連続して運転する
ことが認められており、その際、先行電車は、周囲に「続行あり」を示すため、
黄色い標識を掲出することになっていた。それが「続行票」。
確か、90年台時点で高岡とか高知とかに残っていたが、何と言っても名鉄美濃町線。
日中も続行票を掲げた電車が、当たり前のように走っていた。

そんな訳で、モ510形を追って、<変態鉄>も新関方面へと向かったのである。

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【2005年2月頃】 名鉄美濃町線(当時)・白金駅付近

だから、このモ510形の発車シーンを撮った後は、一瞬、遮断竿の上がる踏切を
猛然と駆け抜けて、後続の関方面の電車に飛び乗ったはず。

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【2005年2月頃】 名鉄美濃町線(当時)・新関駅付近

次のコマは、その新関駅に向かう車中から、運転席の窓越しに撮った1枚。
確か、<変態鉄>がキライだった、部分低床車モ800形だったような...

続行運転なので「追いつきそうで追いつけない」、非常にもどかしい時間だった。
写真に見えるのは、新関駅。先に到着したモ510形の団体列車は、いったん奥に
引き上げて上り線への転線作業。後続の営業列車にホームを開けないとならない訳で。

たぶん、参加者たちにとってのフォトセッション的な時間でもあった筈で。

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【2005年2月頃】 名鉄美濃町線(当時)・新関駅

もちろん、新関駅に到着するなり、ホームに飛び出して。
もう無我夢中でカメラを構えたわけで。

居合わせた一般の利用客、集結した<鉄>、そして、主催団体の大学鉄研の方々。
(この日の“列車名”「西北の杜」というのも、その大学に因んだ名前だとか...)

小さなターミナル駅は、もはや大混乱である。
一般的に鉄道写真では、“同業者さん”、つまり、自分以外の<撮り鉄>こそが
最大のノイズ...というか邪魔者なのである。いまなら絶対に撮らないこの画。
でも、多くの方がカメラを構える様子、廃止を目前に控えて多くの<鉄>が
集結したときの混乱が思い出される訳で。

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【2005年2月頃】 名鉄美濃町線(当時)・新関駅

もちろん、ちゃんと待って粘って、こんな写真も撮っている。

新関駅は2面のホームが構内踏切で結ばれた構造、そして、駅の外に出れば
岐阜方にも踏切があって。もちろん、そちらにも... (つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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