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阪堺電車「旧海道畑駅撮影会ツアー」2023.3.16(6) [ちん電(阪堺電気軌道)]

鉄道会社が主催する撮影会イベント、いままで無縁だったような、ファンサービス皆無だった会社もコロナ禍の影響か、盛んに開催されるようになって。
でも、訪れた<鉄>の評価は分かれており。高い料金をとっただけで「撮らせてやる」感に溢れたイベントとして終了後、“炎上”した件も。

<変態鉄>の経験上、大手の方が当たり外れが激しいような気がする。大手だと本社の広報担当とイベント会社から派遣されたスタッフが会場の運営を担ったりする一方、中小だと、どうしても撮影会のスタッフも現場で働いている皆さんが勤務時間をやりくりして...。

だから、予め決まった撮影位置に停車した車両に影が落ちている...などと“意見”が出ても大手のイベントだと融通が効かなくて「あぁ、そうですか」程度。
でも、中小なら撮影会場にいるのも運転士さんだったり、車両基地の整備担当(普段から車庫内の移動を担当する)だったりするので、「じゃ、ちょっと前に出しますね!!」みたいな対応になったり。そもそも撮影会の企画段階から地元の<鉄>歴の長い趣味者が非公式に、個人的付き合いなどを通じてイベント企画全般に協力していたり...。だから、開催時間に合わせて順光になる撮り方を見極めて、撮影会の車両配置やスケジュールを決めていたり...。

今回の「旧海道畑駅撮影会ツアー」も、<鉄>のココロを揺さぶるような、非常によく練られた構成。1万数千円の参加料は決して高くなかったのである。

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【2023年3月16日13時35分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前-船尾(旧海道畑駅)

当初、吹きっさらしの旧ホームで2時間近く、立ちっぱなしでの撮影は長すぎでは??
と、思っていたのだが、これだって、終わってから写真を見直すとこの長さが絶妙だったと。
……  ……

2023年3月16日(木)晴れ

3月の開催は2度めだった。初開催となった前回は真冬の開催、今回、ご一緒だった御二人は、そちらも参加されたそうで。
しかも当日は天気が悪かったのだそうで、海岸沿いの公園を見下ろす築堤の上からの撮影、風を遮るものはなく非常に難儀したのだとか。

この日は時折、雲が太陽を隠すものの穏やかな晴れ。3月の陽気は心地よく。

今回の撮影会、たしかに旧ホーム部分は狭くて。定員通り、10名での撮影だとかなりの混み具合になりそう。

そのため、今回の撮影会はルールが非常に厳格で。
  「カメラは1台のみ。三脚に固定しないといけない」
  「抽選で決まった立ち位置を途中で変えてはならず、カメラの向きは天王寺駅前側だけ」
 「雨が降ったらカッパのみ、傘の持ち込みは禁止」
  「撮影時間帯以外(移動時)にカメラをバッグから出すこと禁止」
などなど。
当初、ウェブの案内でそれを読んだときは、正直、「面倒くさいなぁ」と思ったのだが、このあたり、実際に参加してみると、確かにストレス無く撮るために必要なルールだったなぁ...と。一見、面倒くさそうなルールも練られたものだったのである。

ちなみに、振り返れば浜寺駅前電停が眼下に。もし、いまも海道畑駅が存続していたら、モ161形車が走る日など、ホーム端には浜寺駅前から走ってくる姿を俯瞰気味に撮ろうとする<鉄>が集結していたかも。

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【2023年3月16日13時35分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前-船尾(旧海道畑駅)

さて、スタートは、天王寺駅前へと去っていくモ707号車「アポロ・ルシアス」である。

自分の選んだ立ち位置、上り(天王寺駅前ゆき)を後追いながら、迫力の真正面(背面?)で撮れて。
南海電車を跨ぐ赤い鉄橋を通過し、再び下っていくところを後追いできて。

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【2023年3月16日13時39分】 阪堺電気軌道阪堺線・船尾-浜寺駅前(旧海道畑駅)

そのまま、もちろん、三脚は動かさずにカメラの向きだけをちょっと直せば、下り(浜寺駅前ゆき)を斜め前から。

いかにも古そうなトラス架線柱、そして、南海本線に架かる橋の、その橋脚はレンガ積み。
電車だけでなく、そういうストラクチャーも盛り込みながら。

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【2023年3月16日13時39分】 阪堺電気軌道阪堺線・船尾-浜寺駅前(旧海道畑駅)

でも、「言うは易く行うは難し」。立ち位置を選んでからの後悔(?)、やはり、電車に架線柱などをかけず、スッキリ撮りたい。それがビミョーな位置で。
たぶん、他の立ち位置を選択していたら、やはり、そこで悩んでいただろうと思う。まさに「隣の芝生は青い」といった感じ。

上りはアップで撮る、というのが、すぐに決まったが、下り電車の撮り方は、ここからの1時間半、静かな悪戦苦闘が始まったのである。
最初は、モ502号車、野村證券の広告電車は朱色の車体がよく映える。

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【2023年3月16日13時50分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前-船尾(旧海道畑駅)

日中時間帯、浜寺に到着した電車は、しばらく停まった後、折り返す。
だから、下りの電車を撮って、余裕をもって、上り用にカメラの向きを変えて、そして待ち構えていると数分後に上りが来る...という。
これら一連の流れが12分サイクルで続くのである。

すでに南海本線の高架化工事は始まっており、黄色い工事用の柵が目立っているのだが、南海電車の線路も入れて。ちょっと強引な撮り方。
うまいタイミングで下の線路にも電車が通ってくれれば良いのだが、世の中それほど甘くはない。

ちなみに、下り電車の背後に南海本線を入れるのは、自分の位置からでは無理だった。

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【2023年3月16日13時53分】 阪堺電気軌道阪堺線・船尾-浜寺駅前(旧海道畑駅)

東西にのびる南海本線の線路を跨ぐため、橋の前後で阪堺電車の線路はカーブしており。
つまり、下り電車の北向きの側面が見えていることになるので、陽が差してくると側面は黒く潰れてしまうのである。

だから、(雲は多いが)澄み切った春の青空を強調して縦位置で。鮮やかなオレンジ色の車体はキーフェル、モ354号車である。

落ち着いて、上り用のカメラポジションにチェンジ。
背後の、海道畑1号踏切が鳴り出すのを待っていただった。

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【2023年3月16日14時04分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前-船尾(旧海道畑駅)

モ354号車が盛大な吊り掛け音を残して。
60年前に製造されたこの電車、車体の見た目こそ、モ501形車とよく似て、前面に傾斜を付けたスタイリッシュなデザインに大きな1枚窓...、にもかかわらず、走り装置は吊り掛け駆動、でも、台車はエアサス、そのゴチャ混ぜ感が好きなのである。

だんだん、この撮影にも慣れてきて。

上りを撮ったら、下りの撮り方を考えながら暫く待つというルーティン。

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【2023年3月16日14時05分】 阪堺電気軌道阪堺線・船尾-浜寺駅前(旧海道畑駅)

後ろの橋桁、電車を写し止める位置にちょっと悩むのだが、赤色の橋桁もよく見ればリベット(鋲)が目立つ、歴史を感じさせるもので。

そこにやってくるのは超低床LRT「堺トラム」である。金色の車体が周囲の景色を反射して。

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【2023年3月16日14時18分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前-船尾(旧海道畑駅)

パット見た感じはスクエアな感じの車体だが、この大きなフロントガラス、よく見れば曲面になっており、だから晴れると必ず、どこかがギラリしてくれるのである。

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【2023年3月16日14時20分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前-船尾(旧海道畑駅)

タイヤを黄色く塗って線路の周囲に設置するのは、阪堺電車の“標準仕様”だが、それが電車にかかるのを避けつつ、パンタが、いわゆる「串」にならないように...、そんな小さなことばかり悩んでいると、下り電車の撮り方が、なかなかまとまらないのである。

う〜ん...

さぁ、上り用にカメラを。

そのときだった。立ち会っている阪堺の職員の声。

「続いて、下りで〜す」
確かに船尾側の踏切が鳴っている。

上り用にカメラの向きを調整したら...である。

向こうからカーブを登ってくる電車を見て、まさに心臓バクバク。
でも、構図は上り用。

うわぁ〜〜〜〜〜〜〜。

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【2023年3月16日14時22分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前-船尾(旧海道畑駅)

試運転表示のモ162号車。

まさか、である。
普段なら三脚から外して撮れば済む話だが、そう、ルール上、三脚撮影でないとダメ。
雲台の固定を思いっきり緩めて、三脚をぶら下げたような状態で...(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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