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2023年正月 阪堺電車を撮りに関西へ(23) [ちん電(阪堺電気軌道)]

長年、<鉄>をやっていると街と街の位置関係を鉄道地図でイメージしてしまうもので...。
天王寺駅前から通天閣はハッキリ見えるのだが、行こうと思えば、大阪環状線で新今宮まで行くか、御堂筋線で動物園前だろうか。結構、遠いというイメージがあった。

堺市内で阪堺電車を撮った後は、いったん天王寺駅前まで戻って昼食。その後、はじめて歩いて天王寺公園を抜けて、新世界、通天閣のところまで行ってみたのだった。これが思いの外、近く感じられて。「てんしば」、天王寺公園の芝生の広場を抜けて動物園をヨコに見ながら少し歩けば、通天閣の足元に着くのである。阪堺線と上町線、遠くにあるような感じもあって、並行して走っている...ということを改めて実感したのだった。

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【2023年1月5日10時52分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前電停

まずは、まもなく姿を消すことになる「謎の駅」、海道畑の様子を見に浜寺へ。
……  ……

2023年1月5日(木)晴れのち曇り

阪堺線には2つ「廃駅」が残っていて。(旧住吉公園駅を含めたら3箇所)
1つは「宮ノ下」、ちょうど天神ノ森電停と東玉出電停の間、併用軌道に入る手前で、高野線の下をくぐる直前。ホームは資材置き場のようになっているが、えびす町方面は完全にホーム跡だと分かる形で残っている。

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【2023年1月5日10時35分】 阪堺電気軌道阪堺線・船尾-浜寺駅前

そして、長年の「謎」がこの海道畑駅。モ602号車「黄金糖」が通過している付近にホームがあった。

Wikipedia には、1944年(昭和19年)に宮ノ下、海道畑は同時に廃止されたことになっているが、海道畑については、戦後(昭和30年頃)の写真に不鮮明ながらホームの上屋と思われるものが写っているのが確認できて。
(参照 : ご昭和ねがいます「海道畑停留所-阪堺電車に残る廃駅」
https://yonezawakoji.com/hankai-kaidoubata/

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【2023年1月5日10時40分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前-船尾

上記のサイトの解説でも、「戦時中に休止になったとしたら、ホーム上屋などは戦時中の金属供出で早々に撤去されている筈では?」というような考察がなされており、読んで「なるほど」と思った次第。つまり、戦後まで駅として存続していた可能性があると。

戦中戦後の混乱もあったかも知れないが、明確に、いつ休止されて、いつ廃止になったのか...それを示す資料は見つかっていないようで。

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【2023年1月5日10時46分】 阪堺電気軌道阪堺線・船尾-浜寺駅前

その海道畑1号踏切を通過して、浜寺駅前電停に進入していくモ501号車。

ただ、「何かある」と思うところが。
2012年に駅ナンバリングが実施され。天王寺駅前が「HN01」、浜寺駅前が「HN31」となっており、えびす町〜住吉までの区間は50番以上が割り振られているあたり、上町線系統が中心という方針がハッキリ見て取れるが、それとは別に。

1つ手前の船尾が「HN29」なのである。つまり、「HN30」が欠番。これはどう考えても海道畑に割り当てるべきナンバーである。つまり、2012年にナンバリングを導入する時点で、この海道畑について「何らかの可能性」を残していた...と思えるのである。
ちなみに、天神ノ森が「HN58」、東玉出が「HN59」だから、宮ノ下のためのナンバーは残っていない。また、ほかは全て連番で、忌み番号のようなところも見られない。

さて、この海道畑1号踏切、浜寺公園の緑が見えて、線路の奥の大通りは紀州街道、この写真の右側、ちょうど線路が回り込んでいくあたりに南海本線の線路が通っており。両者の間隔は数十メートルほど。海道畑1号踏切の前の道を歩けばすぐに南海本線の踏切に出られる。

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【2023年1月5日10時49分】 南海電鉄本線・浜寺公園-諏訪ノ森

いったん、その踏切を渡って東側に出たところで後追い。和歌山市〜難波間の特急「サザン」が通過。
そんな踏切の東側、真新しいコンクリートが敷き詰められた一角は地図では用水路...というか、小さな川が流れており。それを暗渠化して。
ここが、南海本線の高架化と合わせて阪堺電車の新線になる予定地で。まだ、工事が始まっている様子はないが...

そう、南海電車の高架化に際して、いままでオーバークロスしていた阪堺線の、ちょうど海道畑のところが邪魔になるわけで。
工事予定が遅れているようだが、スケジュールだとそろそろ船尾〜浜寺間の線路切り替え工事が始まるはずで。それで、海道畑は“注目のスポット”になっており。

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【2023年1月5日10時52分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前電停

浜寺付近の南海本線の工事は進んでいるものの、阪堺線の線路切り替えは、もうしばらく後になりそうな予感。
また、チャンスを見つけて撮りに来ようと、そう思いながら再び線路沿いを歩いて、浜寺駅前電停へ。
途中、ちょうど折返し天王寺駅前ゆきとして発車してきたモ602号車「黄金糖」。

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【2023年1月5日10時57分】 南海電鉄本線・浜寺公園駅

さて、1月3日と同じ撮り方にはなるが、今日は周囲に誰も居なくて。ということで、改めてこの駅舎を。

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【2023年1月5日10時57分】 阪堺電気軌道阪堺線・浜寺駅前電停

この駅舎を背に浜寺公園の正門に向かって歩くと右手に見えてくるのが、阪堺電車の浜寺駅前電停。
南海本線の開業当時は、確かに「浜寺駅」だったようだが、ほどなく、1907年には現在の「浜寺公園」駅に改称されており。でも、「浜寺公園駅前」としないところが、ちょっと不思議。

新今宮駅前(南霞町)は事情でなくなり、天王寺駅前も恵美須町も新しくなり、住吉公園は廃止され。阪堺電車の「駅舎」としては現役唯一ではなかろうか。こちらも、線路切り替えに伴い、まもなく姿を消すことになり。

ということで...

11時過ぎ、モ501号車の天王寺駅前ゆきで一気に天王寺駅前へ。もう、正月休みという感じではなく、普段の日中と同じ感じの天王寺駅周辺。「あべちか」で昼食。

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【2023年1月5日12時34分】 大阪府大阪市天王寺区茶臼山付近

この時点で、「やることがなくなった」というのが実態。もう一度、天王寺駅前から阪堺電車を撮りに行けば良いのだが...
何だかそれも変化がなくて。阪堺電車とはJR線の掘割を挟んで北側、線路沿いに東西に長く広がるのが天王寺公園。

1903年の内国博覧会会場になったことに端を発する公園だそうで。2015年にリニューアルされ、何でも近鉄が指定管理者になったと。広大な芝生にオシャレな店舗が並んでおり。まさに憩いの場という感じだろうか。西の方に、だんだん大きく見えてくる通天閣を目印に公園内を散歩して。

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【2023年1月5日12時38分】 大阪府大阪市天王寺区茶臼山付近

ということで、泊まっているホテルの向かい側辺りまで来たところで。
そう、<変態鉄>は「OSAKA」に居たのである。

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【2023年1月5日12時38分】 大阪府大阪市天王寺区茶臼山付近

まもなく、芝生のところを通り過ぎ、正面には天王寺動物園の入口。この日は動物園に入ることはなく。
動物園を避けるように北側に迂回して。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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