秋晴れの夷隅路にキハ28を撮りに（４＝最終回） [小湊鐵道]
自分は、列車ならばパシパシ撮るのだが、何だか食べ物を撮るのは苦手なのである。苦手...というよりも、何かいけないことをしているような気がして。
飲食店で出された食事に箸をつける前に、パシャっとスマホで撮っている人、最近では珍しくなくなった。でも、アレが何だか苦手なのである。
たぶん、SNSに上げるため...という人が多数派だろうし、別に「撮影禁止」とか書いているわけでもないので、撮っている人にとやかく言うつもりは毛頭ない。まして、それを否定したり批判したりという趣旨の話ではないのだが...
むしろ、自分を含め＜撮り鉄＞と称される者たちの方が世間から批判されても仕方ないような行動をしていることが多いわけで。
あくまで好みの問題。でも、何だか食べ物にカメラを向けるのには違和感があって。滅多に...いままでで数回しか撮ったことがなく。
でも、一度、行ってみたかったのが五井駅の「こみなと待合室」。ここでカレーを食べるのがこの日の楽しみの１つだった。
キハを撮り終えたら、いったん国吉駅に立ち寄って、そこから五井へと向かうのだが...
…… ……
2022年10月30日（日）晴れ
いすみ鉄道沿線でカメラを構えていると...
沿線にお住まいの方と少し話をする機会があって。やはり、地元の方は「クルマがあるから、列車に乗ることはない」と仰ることが多くて。でも、地元の列車には愛着があるのだが...。
そして、口を揃えて仰るのが、買い物などの用事は茂原市で...と。そこに大原とか勝浦という名前が出てくることは、まずなくて。
【2022年10月30日14時20分】 千葉県いすみ市苅谷付近
ということで、大多喜ー茂原には小湊バスの路線バスが走っており。朝のバスに乗れば、大多喜の高校に通う生徒も少なからず。
国吉駅にも近い苅谷を通る系統も、以前は、その小湊バスだったみたいだが廃止になったようで、現在は、いすみ市が小湊鐵道に委託する形のコミュニティ路線「いすみシャトル」として運転されており。路線自体は、大多喜町との境界にある「増田橋」からだが、バスは船子の交差点を通過し、小湊バス大多喜車庫で折り返している。いすみ市の路線だから大多喜町内では客扱いしない...ということだろうか。
１日５往復運転されていて、うまく活用すれば、いすみ鉄道の撮影にも利用可能なのである。
【2022年10月30日15時31分】 千葉県茂原市町・茂原駅前
14:56発、ほぼ定刻でやってきたバス、自分が最初の乗客だったが、このあと国吉地区のバス停にこまめに停まっているうちに乗客は少しずつ増えて。
茂原駅まではちょうど30分。残念ながら、15:25発の外房線電車にはタッチの差で接続しないのだが...。
その分、茂原駅構内でゆっくりできて。
【2022年10月30日15時33分】 外房線・茂原駅
典型的な高架駅だが、“これでもか!?” というくらい、国鉄時代からの郊外の主要駅の雰囲気が残っており。
そんな駅のコンコースにはE257系の姿が。
内房・外房線を走っていた急行列車が格上げにより、特急「さざなみ」「わかしお」となって、ちょうど50周年。
特急化されるまでは165系急行で。総武地下ホームへの入線に対応した183系特急電車が新製投入されて...。何でも、食堂車もなく2扉の特急型...ということで、国鉄時代は当時の＜鉄＞からの評価は散々だったのだとか。
自分も、その後、183系には何度も乗ることがあって。
【2022年10月30日15時33分】 外房線・茂原駅
ただ、最近では...
房総地区の人口減少、そして、レジャーの多様化で海水浴客の減少、さらにはアクアラインの開通で東京都心までのアクセスが時間でも料金でも高速バスの方が便利になった...こともあって、特にアクアラインの影響を受ける内房特急「さざなみ」に至っては、朝晩の通勤時間帯に東京ー君津間を走るだけ。「特急列車」というよりは通勤ライナーに近い存在にまで衰退しており。
さて、ホームへ上がって。
高架ホームのベンチに腰をおろして、自販機で買った缶コーヒーを。
【2022年10月30日15時41分】 外房線・茂原駅
前回、利用したときの記憶で。ちょうど、この時間帯にE257系、まさに、その特急「わかしお」号の回送があって。時刻表を見ても、どの列車になる編成なのか不明だが、土休日運休のスジがあるので、その折返し、月曜朝の通勤時間帯の列車になる編成の送り込みだろうか。
【2022年10月30日15時50分】 外房線・茂原駅
そして、15:47発の京葉快速・東京ゆき。E233系通勤型電車の10両編成だが、始発の上総一ノ宮駅で、木更津から安房鴨川を経て房総半島を半周してきた電車からの接続を受けてやってくる電車なので、乗車したモハE232-5405号車の車内は行楽客で大半の席が埋まっており。
大網あたりから徐々に混雑が激しくなってきて。そして、蘇我。
そのまま乗っていれば1時間ほどで東京駅へと連れて行ってくれるのだが、自分はここで下車。すぐに16:22発の上総湊ゆき。モハ209−2188号車、こんどは8両編成。その電車で暮れなずむ五井駅へ。
本当だったら、上総中野駅で乗り継げばよいのだが、キハを撮ったら、上総中野での小湊鐵道への接続が非常に悪くて...
上総中野に行っていたら、17時半まで待って、ようやく五井ゆきに乗れるわけで。
【2022年10月30日16時38分】 小湊鐵道・五井機関区
さぁ、五井駅。普段なら改札を出て東口へと向かう跨線橋からカメラを構えて、とりあえず１枚。でも、この日は大急ぎで。
「こみなと待合室」で、飲食メニュー “初注文” である。カレーとコーヒーと。各席にコンセント付きのテーブル。もちろん、外でキハを眺めながら食べることもできるのだが、やはり、もう外が暗くなってきており...、窓側のテーブル席で。
ウェブで見て気になっていた「ミートボールカレー」。まさに、カフェのテイクアウトでコーヒーを入れてくれるような透明のコップにカレーライス。
上半分がカレー、下側にライス。これ、もちろん、スプーンで食べるのだが、うまく考えないと最後の方はただの白飯になってしまうわけで...。
辛すぎず、ちょうど良い感じ。そう、コラボした石井食品の “代名詞” でもあるミートボール、そして、パプリカなど具だくさんで。
さて、「こみなと待合室」からは生け垣を挟んでキハのいる五井機関区の留置線、そして、五井駅ホームを一望できて。暮れかけて、ISO値を上げないと撮れない厳しい状況だったが...
【2022年10月30日17時02分】 小湊鐵道・五井機関区
「小湊キハ200形に新色登場!!」と一部で話題になった、キハ208号機が庫の前の一番、よく見える場所に留置されており。
再塗装が済んだばかりの美しい車体を記録することができた。いまから60年前に新製が始まったキハ200形、その最初期の写真を見ると、たしかに雨樋には赤が入っており。その、登場時カラーに戻され。
さらに、キハ40形と同様に前面窓下に車番が書かれ。何だか北海道型のキハのような出で立ちになった。
でも、そういう新たな装いになるキハがいる一方で...
ホームの前には運用を外れているキハたちがまとめて置かれており。
【2022年10月30日17時00分】 小湊鐵道・五井機関区
塗装も剥がれ、草臥れた姿のキハ203号車。望遠レンズで運転台窓を覗いてみれば黒い張り紙「廃車」の文字が確認できる。でも、その横に何か書かれており。画像を拡大して確認すると「部品取り禁止」である。
すでに、この古い型式のキハの主要部品にはメーカーでも製造中止になっているものが多く、取り外して使えるものは転用すると思うのだが...
一般に、廃車後、この「部品取り禁止」の掲示がつく車輌というのは、保存予定車だったり、何らかの形で活用されるケースが多く、ちょっと気になってしまうのである。どこかから譲渡の引き合いでもあるのだろうか??
「こみなと待合室」の営業時間は19時まで。入口付近がライトアップされると、非常に良い雰囲気で。逆に、カメラを提げたオッサンの場違い感。
【2022年10月30日17時13分】 小湊鐵道・五井駅
そのあたりで、このオシャレなカフェを辞して、反対側の階段付近へ。バス乗り場の後ろあたりに三脚をセット。そう、バルブ敢行である。
17:18発の上総中野ゆき第29A列車だろうか、この日はキハ200形の2連である。ちなみに、この写真の車輌はキハ204号機。
その姿を撮ったら、再び内房線ホームへ。ちょうどやってきた17:16発の上総湊ゆき。
【2022年10月30日17時50分】 千葉県木更津市富士見・木更津駅西口
東京に戻るはずの＜変態鉄＞がやってきたのは木更津駅。
バスタ新宿ゆきと渋谷マークシティゆきは、どちらも西口の同じポールから。
ダイヤ通りなら渋谷ゆきの発車時刻なのだが、バスが来そうな気配はなく。そう、アクアラインの渋滞が激しく高速バスは既に無ダイヤ状態に陥っており。
とにかく、新宿ゆきでも渋谷ゆきでも来たバスに乗ろうと。とりあえず、バス停で待っていると18:10発のバスタ新宿ゆき。小湊車である。
5名ほどの乗客を乗せたバスは、20時にバスタ新宿に戻ったのだった。（おわり）
（※）撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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飲食店で出された食事に箸をつける前に、パシャっとスマホで撮っている人、最近では珍しくなくなった。でも、アレが何だか苦手なのである。
たぶん、SNSに上げるため...という人が多数派だろうし、別に「撮影禁止」とか書いているわけでもないので、撮っている人にとやかく言うつもりは毛頭ない。まして、それを否定したり批判したりという趣旨の話ではないのだが...
むしろ、自分を含め＜撮り鉄＞と称される者たちの方が世間から批判されても仕方ないような行動をしていることが多いわけで。
あくまで好みの問題。でも、何だか食べ物にカメラを向けるのには違和感があって。滅多に...いままでで数回しか撮ったことがなく。
でも、一度、行ってみたかったのが五井駅の「こみなと待合室」。ここでカレーを食べるのがこの日の楽しみの１つだった。
キハを撮り終えたら、いったん国吉駅に立ち寄って、そこから五井へと向かうのだが...
…… ……
2022年10月30日（日）晴れ
いすみ鉄道沿線でカメラを構えていると...
沿線にお住まいの方と少し話をする機会があって。やはり、地元の方は「クルマがあるから、列車に乗ることはない」と仰ることが多くて。でも、地元の列車には愛着があるのだが...。
そして、口を揃えて仰るのが、買い物などの用事は茂原市で...と。そこに大原とか勝浦という名前が出てくることは、まずなくて。
【2022年10月30日14時20分】 千葉県いすみ市苅谷付近
ということで、大多喜ー茂原には小湊バスの路線バスが走っており。朝のバスに乗れば、大多喜の高校に通う生徒も少なからず。
国吉駅にも近い苅谷を通る系統も、以前は、その小湊バスだったみたいだが廃止になったようで、現在は、いすみ市が小湊鐵道に委託する形のコミュニティ路線「いすみシャトル」として運転されており。路線自体は、大多喜町との境界にある「増田橋」からだが、バスは船子の交差点を通過し、小湊バス大多喜車庫で折り返している。いすみ市の路線だから大多喜町内では客扱いしない...ということだろうか。
１日５往復運転されていて、うまく活用すれば、いすみ鉄道の撮影にも利用可能なのである。
【2022年10月30日15時31分】 千葉県茂原市町・茂原駅前
14:56発、ほぼ定刻でやってきたバス、自分が最初の乗客だったが、このあと国吉地区のバス停にこまめに停まっているうちに乗客は少しずつ増えて。
茂原駅まではちょうど30分。残念ながら、15:25発の外房線電車にはタッチの差で接続しないのだが...。
その分、茂原駅構内でゆっくりできて。
【2022年10月30日15時33分】 外房線・茂原駅
典型的な高架駅だが、“これでもか!?” というくらい、国鉄時代からの郊外の主要駅の雰囲気が残っており。
そんな駅のコンコースにはE257系の姿が。
内房・外房線を走っていた急行列車が格上げにより、特急「さざなみ」「わかしお」となって、ちょうど50周年。
特急化されるまでは165系急行で。総武地下ホームへの入線に対応した183系特急電車が新製投入されて...。何でも、食堂車もなく2扉の特急型...ということで、国鉄時代は当時の＜鉄＞からの評価は散々だったのだとか。
自分も、その後、183系には何度も乗ることがあって。
【2022年10月30日15時33分】 外房線・茂原駅
ただ、最近では...
房総地区の人口減少、そして、レジャーの多様化で海水浴客の減少、さらにはアクアラインの開通で東京都心までのアクセスが時間でも料金でも高速バスの方が便利になった...こともあって、特にアクアラインの影響を受ける内房特急「さざなみ」に至っては、朝晩の通勤時間帯に東京ー君津間を走るだけ。「特急列車」というよりは通勤ライナーに近い存在にまで衰退しており。
さて、ホームへ上がって。
高架ホームのベンチに腰をおろして、自販機で買った缶コーヒーを。
【2022年10月30日15時41分】 外房線・茂原駅
前回、利用したときの記憶で。ちょうど、この時間帯にE257系、まさに、その特急「わかしお」号の回送があって。時刻表を見ても、どの列車になる編成なのか不明だが、土休日運休のスジがあるので、その折返し、月曜朝の通勤時間帯の列車になる編成の送り込みだろうか。
【2022年10月30日15時50分】 外房線・茂原駅
そして、15:47発の京葉快速・東京ゆき。E233系通勤型電車の10両編成だが、始発の上総一ノ宮駅で、木更津から安房鴨川を経て房総半島を半周してきた電車からの接続を受けてやってくる電車なので、乗車したモハE232-5405号車の車内は行楽客で大半の席が埋まっており。
大網あたりから徐々に混雑が激しくなってきて。そして、蘇我。
そのまま乗っていれば1時間ほどで東京駅へと連れて行ってくれるのだが、自分はここで下車。すぐに16:22発の上総湊ゆき。モハ209−2188号車、こんどは8両編成。その電車で暮れなずむ五井駅へ。
本当だったら、上総中野駅で乗り継げばよいのだが、キハを撮ったら、上総中野での小湊鐵道への接続が非常に悪くて...
上総中野に行っていたら、17時半まで待って、ようやく五井ゆきに乗れるわけで。
【2022年10月30日16時38分】 小湊鐵道・五井機関区
さぁ、五井駅。普段なら改札を出て東口へと向かう跨線橋からカメラを構えて、とりあえず１枚。でも、この日は大急ぎで。
「こみなと待合室」で、飲食メニュー “初注文” である。カレーとコーヒーと。各席にコンセント付きのテーブル。もちろん、外でキハを眺めながら食べることもできるのだが、やはり、もう外が暗くなってきており...、窓側のテーブル席で。
ウェブで見て気になっていた「ミートボールカレー」。まさに、カフェのテイクアウトでコーヒーを入れてくれるような透明のコップにカレーライス。
上半分がカレー、下側にライス。これ、もちろん、スプーンで食べるのだが、うまく考えないと最後の方はただの白飯になってしまうわけで...。
辛すぎず、ちょうど良い感じ。そう、コラボした石井食品の “代名詞” でもあるミートボール、そして、パプリカなど具だくさんで。
さて、「こみなと待合室」からは生け垣を挟んでキハのいる五井機関区の留置線、そして、五井駅ホームを一望できて。暮れかけて、ISO値を上げないと撮れない厳しい状況だったが...
【2022年10月30日17時02分】 小湊鐵道・五井機関区
「小湊キハ200形に新色登場!!」と一部で話題になった、キハ208号機が庫の前の一番、よく見える場所に留置されており。
再塗装が済んだばかりの美しい車体を記録することができた。いまから60年前に新製が始まったキハ200形、その最初期の写真を見ると、たしかに雨樋には赤が入っており。その、登場時カラーに戻され。
さらに、キハ40形と同様に前面窓下に車番が書かれ。何だか北海道型のキハのような出で立ちになった。
でも、そういう新たな装いになるキハがいる一方で...
ホームの前には運用を外れているキハたちがまとめて置かれており。
【2022年10月30日17時00分】 小湊鐵道・五井機関区
塗装も剥がれ、草臥れた姿のキハ203号車。望遠レンズで運転台窓を覗いてみれば黒い張り紙「廃車」の文字が確認できる。でも、その横に何か書かれており。画像を拡大して確認すると「部品取り禁止」である。
すでに、この古い型式のキハの主要部品にはメーカーでも製造中止になっているものが多く、取り外して使えるものは転用すると思うのだが...
一般に、廃車後、この「部品取り禁止」の掲示がつく車輌というのは、保存予定車だったり、何らかの形で活用されるケースが多く、ちょっと気になってしまうのである。どこかから譲渡の引き合いでもあるのだろうか??
「こみなと待合室」の営業時間は19時まで。入口付近がライトアップされると、非常に良い雰囲気で。逆に、カメラを提げたオッサンの場違い感。
【2022年10月30日17時13分】 小湊鐵道・五井駅
そのあたりで、このオシャレなカフェを辞して、反対側の階段付近へ。バス乗り場の後ろあたりに三脚をセット。そう、バルブ敢行である。
17:18発の上総中野ゆき第29A列車だろうか、この日はキハ200形の2連である。ちなみに、この写真の車輌はキハ204号機。
その姿を撮ったら、再び内房線ホームへ。ちょうどやってきた17:16発の上総湊ゆき。
【2022年10月30日17時50分】 千葉県木更津市富士見・木更津駅西口
東京に戻るはずの＜変態鉄＞がやってきたのは木更津駅。
バスタ新宿ゆきと渋谷マークシティゆきは、どちらも西口の同じポールから。
ダイヤ通りなら渋谷ゆきの発車時刻なのだが、バスが来そうな気配はなく。そう、アクアラインの渋滞が激しく高速バスは既に無ダイヤ状態に陥っており。
とにかく、新宿ゆきでも渋谷ゆきでも来たバスに乗ろうと。とりあえず、バス停で待っていると18:10発のバスタ新宿ゆき。小湊車である。
5名ほどの乗客を乗せたバスは、20時にバスタ新宿に戻ったのだった。（おわり）
（※）撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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