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秋晴れの夷隅路にキハ28を撮りに(1) [いすみ鉄道]

初訪問は2011年4月、最初は半信半疑だったが、キハ52形が走り出す...と。
最初はそもそも「大多喜」というのが、千葉県と言ってもどの辺にあるのかもよく知らず。
それが、東京(当初は浜松町バスターミナル)から高速バスに乗れば2時間ほどで着けるところ...と分かって。何度も訪れるようになった。

その大多喜という町も過疎化が進んでいて。ただ、地元の方は「明治初期までは千葉市より大きな街だった」と。確かに歴史のある街なのである。だから、同線の “お得意様” 県立大多喜高校は県内屈指の「伝統校」だそうで。

でも、最近は通学圏内の子どもの数自体、減少が激しく。ということは、やはり、この先、いすみ鉄道の定期旅客も先細りが考えられ...

しかも、いすみ鉄道線、大多喜の中心部は通っているものの、その起点の大原駅というのが...
訪れてみれば良いところだが、肝心の大多喜と結びつきが強いのは茂原。大多喜ー大原ー茂原では、V字型の経路。運賃も所要時間も...
そして、大多喜からも国吉からも茂原駅まではクルマで30分弱。路線バスも複数系統が走っており、合計すれば本数的にも列車とそう大きくは変わらず。

だからこそ、生き残りを賭けて観光路線としての模索を続けていたように思っていたのだが...

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【2014年11月23日22時21分】 いすみ鉄道・国吉駅

もちろん、DMH17Hエンジンを搭載するキハの稼働車も全国でいすみ鉄道の2両だけになって。最近では、見るからに車両の状態も芳しく無さそうだった。
続いて、キハ52 125号車も遠くない将来、検査期限が訪れる。

10年以上にわたって身近なところで楽しませてもらえたことは<変態鉄>としては感謝でいっぱいである。
でも、この10年少々で垣間見た沿線の状況からは、キハが...という話題だけでなく、この路線自体が心配になる。
キハの導入に前後して起こっていたような同線の存廃問題が再燃するのでは!?、と。そうならないようにも、次なる展開に注目していきたいと思っているが...

さて、そんな、いすみ鉄道。昨年の秋はキハ28の定期運行引退で大勢の<鉄>が訪れ...


……  ……

2022年10月30日(日)晴れ

いつも6時半の井の頭線で出発、新宿から中央線で東京駅へ。

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【2022年10月30日7時24分】 東京都中央区八重洲・バスターミナル東京八重洲

ここからは...

路上のバス停がすぐ後ろにできたビルの地下に移っただけ...だが、「バスターミナル東京八重洲」からは初めて。八重洲地下街からそのまま行けること、そして、コンビニが併設されており、飲料の用意などに困らないことは大きい。

地下1階が案内窓口とベンチが並んだ待合スペースとコンビニ。そこからエスカレータでもう1つ下に行ったところがのりばである。
のりばには整列用のスペースが設けられ、行先別に並んで待つようになった。これも大きな改善点かもしれない。開業まもない時期だからだろうか、案内係も配置されて。

高速道路も順調そのもの。9:15頃、大多喜バス停に到着である。

船子の交差手を右へ、外廻橋を渡って大多喜駅へと向かうのは、2011年以来11年間のルーティン。
でも、大多喜駅の周囲。普段からは考えられないほど多くの<鉄>が集まっていて。やはり、キハ28形の定期運行終了を翌週に控えて、大賑わいである。

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【2022年10月30日9時41分】 いすみ鉄道・大多喜駅

う〜ん、そういうのは、あまり得意ではない。
何というか、気持ちに余裕のない人が多くなるような。コロナ前までは有名な撮影地でも、独り占めで撮れていたのに...

さて、すでにキハは、エンジンが始動している状態で大手門横の検修庫のところで点検中。まもなく引退を迎えるキハ28形は、さすがにパッと見にも疲れが隠せない車体で。

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【2022年10月30日9時43分】 いすみ鉄道・大多喜駅

そして、何度も撮ったこのカット。
これもいつまであるか、わからないわけで。晴れた日のカットは貴重なのである。

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【2022年10月30日9時44分】 いすみ鉄道・大多喜駅

大多喜駅の入口にはこの掲示。キハ28形は貸切になっており、この日は一般客が乗車することはできず。

そのかわり...

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【2022年10月30日9時50分】 いすみ鉄道・大多喜駅

団体のリクエストなのか...、この日は急行「砂丘」のヘッドマークが掲出されており。

58系急行型ディーゼル動車の「平坦線用1基エンジン車」が、このキハ28形。58系自体は全部で1800両が製造され、北海道から九州まで全国に配置されたので、昭和30年代以降の、どの地方の列車名にもマッチする...という、それが国鉄型の強みでもあって。
「砂丘」は、津山・因美線経由で鳥取と岡山を結んだ急行列車。長らく58系が使われ、1997年頃から塗装変更されるまで、たしかにこの姿で走っていたはずで。自分は、塗装変更後に1度だけ乗車する機会が...。

キハの出発は11時過ぎ。でも、10時前でも大多喜駅にはカメラを持った<鉄>が多数詰めかけている状態で。

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【2022年10月30日9時48分】 いすみ鉄道・大多喜駅

駅舎内にもこの掲示が。

確かに、そうなのだが...う〜ん。

……  ……

キハは11時過ぎに大多喜を出て、いったん上総中野へ。折返して大原まで行って14時前に大多喜に戻ってきて入庫となる。つまり、中間の大多喜駅からスタートして、下り → 上り → 下りで、全線を1往復分走るだけ。
この昼の時間帯のダイヤだと、大抵の地点でキハ28形には光が回らないのが撮るときの最も悩ましいこと。これまで、大多喜ー上総中野間の各所で、あれこれチャレンジしてみたが、ことごとく...

ということで、この日は後半の大原ー大多喜間に賭けていた。そのため、最初の第101D列車は、できるだけ大多喜駅の近くで撮らないと...

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【2022年10月30日10時03分】 いすみ鉄道・大多喜ー小谷松

向かったのは、柳原踏切。柿のなるシーズン以外は誰も来ないはずだが...

すぐ手前の新丁の橋のところには既に数名がスタンバイしており。普段なら、誰もいないことが多いのに...
1時間以上前からカメラを構えているというのは、いつも撮りに来ている身からすれば “異常事態” なのである。

線路沿いの畦道から望遠で撮るのが<変態鉄>の流儀だが... (つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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