中京の3セク路線を巡って(11)紅白の丸窓電車 <前編> [思い出の名鉄岐阜線]
2005年春で消えた名鉄岐阜600V線が、<変態鉄>の趣味活動の“原点”でもあった。その廃止以後、岐阜を訪れたことは何度かあったが...
やはり、あった筈の電車がない...というのは寂しいもので。でも、それ以上に、柳ヶ瀬然り、新岐阜もまた然り。何だか岐阜の中心街自体に“覇気”のようなものを感じなくなったのである。<鉄>の偏った見方だろうか、そんな訳で岐阜を訪れる機会は減っていたのだが、廃止後に岐阜市内にホテルをとって訪れる度に立ち寄っていたのが金公園だった。
ここに岐阜市内線を走ったモ513号車が静態保存されており。いつも、フェンス越しにその姿を確認していた。
【2022年1月8日13時36分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
でも、2019年の暮れにそのモ513号車が岐阜駅前に移転することになって。もちろん、気になってはいたが、直後に...そう、コロナ禍である。結局、その後もなかなかチャンスがなくて。
今回が移転後初訪問になった。3セクを回るだけなら岐阜駅に降り立つ必然性はないのだが...
…… ……
2022年1月8日(土)晴れ
12時30分、定刻で関シティターミナルを離れた岐阜駅ゆき岐阜バス。
【2022年1月8日12時20分】 岐阜県関市東桜町・関シティターミナル
車内は自分のほか地元の方と思われる2名ほど。バスは旧市街地の中心だったと思われる名鉄新関駅跡の前を掠めて走って行くのだが、旧新関駅近くの商店街も何だろうか、人通りもほとんどなく典型的な地方都市の商店街...のようになっているように見えて。
「電車がなくなって町が廃れた」のか「町が廃れているから電車が廃止になった」のか、でも、いずれにせよ関の中心街は寂れた印象が強く。
かつて、道路の北側に寄り添うような形で美濃町線の軌道がヘロヘロとのびていた。関付近の区間は、その、かつての線路だった部分は道路拡幅用地に転用されているようで、バスの車窓からその廃線跡を確認することはできなかった。ところどころには、その名鉄美濃町線を撮りに来たときには見かけなかった、真新しい分譲住宅が建てられており、道路沿いには、その美濃町線廃止後にオープンしたと思しき郊外型のロードサイド店舗も点在しており。
名鉄岐阜600V線の全廃から20年が近づいてくる中、沿線も変化していることを強く感じたのだった。
【2022年1月8日13時31分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
それでもところどころに美濃町線電車の車窓に見た景色が...、断片的な記憶が甦って。
バスは渋滞気味の国道156号線を走るが、岐阜市に入る当たりだろうか、長山バス停でまとまった乗車があり。そのあたりからは道路の北側にかつての線路敷との境界の柵などもそのまま残っており。岩田坂電停だろうかホーム跡もほぼ完全な形で残っており、また、踏切廃止の看板がそのまま残されているところなどもあって。琴塚、野一色などもホーム跡がバスから確認できて。(写真は撮っていない)
ただ、ところどころ、その線路跡の部分にソーラーパネルが設置されているのは、最近、どこでも見られる変化だろうか。
【2022年1月8日13時31分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
少し遅れて岐阜駅前には13時30分頃に到着。
【2022年1月8日13時32分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
バスを降りてJR駅前のペデストリアンデッキへと階段を上がると駅の北側のバスロータリー近くの広場部分に紅白の電車の姿が見えてくる。
【2022年1月8日13時36分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
陽当たりの良い場所に保存されており。整備されて2年が経過して。金公園とは違ってフェンスも何もないところ、24時間出入り自由な駅前広場で保存されているので、荒廃しているかと心配だったが...
【2022年1月8日13時34分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
モ513号車は現役時代にも増して輝いており。その姿に一安心した。道路混雑で現役時代はJR岐阜駅前まで乗り入れることは少なかったが(ダイヤ上、岐阜駅前ゆきの電車も新岐阜駅前で折返し運転)、いまでは、かつての岐阜駅前電停近くで保存されており。
しかも、気になるのは電車の前側...かつての新岐阜方面に、少しだけ線路が残されていると思われること。今後のイベント等で活用されることがあるのだろうか??
【2022年1月8日13時36分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
逆光側になる道路側に見学台が設けられ、窓越しにではあるものの車内を覗くこともできて。あのピンク色の内装、そして、2+1の転換クロスシートもそのまま。90年台、この電車に憧れて何度も撮りに通った頃が思い出されるのだった。
【2022年1月8日13時36分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
そして、電車のヨコには簡潔にまとめられた説明看板も立てられており。末期の紅白塗装の塗り分けが再現された看板のデザイン。自分は、左側に印刷されているスカーレット塗り潰しの姿は本の中でしか見たことがない世代である。もう少し早く生まれていたら、510+520形の不思議な連結運転も体験できていたことになるのだが...
【2022年1月8日13時33分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
ということで、モ513号車との“再会”、時間にすれば僅か数分だったが、いろいろなことが思い出されて。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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やはり、あった筈の電車がない...というのは寂しいもので。でも、それ以上に、柳ヶ瀬然り、新岐阜もまた然り。何だか岐阜の中心街自体に“覇気”のようなものを感じなくなったのである。<鉄>の偏った見方だろうか、そんな訳で岐阜を訪れる機会は減っていたのだが、廃止後に岐阜市内にホテルをとって訪れる度に立ち寄っていたのが金公園だった。
ここに岐阜市内線を走ったモ513号車が静態保存されており。いつも、フェンス越しにその姿を確認していた。
【2022年1月8日13時36分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
でも、2019年の暮れにそのモ513号車が岐阜駅前に移転することになって。もちろん、気になってはいたが、直後に...そう、コロナ禍である。結局、その後もなかなかチャンスがなくて。
今回が移転後初訪問になった。3セクを回るだけなら岐阜駅に降り立つ必然性はないのだが...
…… ……
2022年1月8日(土)晴れ
12時30分、定刻で関シティターミナルを離れた岐阜駅ゆき岐阜バス。
【2022年1月8日12時20分】 岐阜県関市東桜町・関シティターミナル
車内は自分のほか地元の方と思われる2名ほど。バスは旧市街地の中心だったと思われる名鉄新関駅跡の前を掠めて走って行くのだが、旧新関駅近くの商店街も何だろうか、人通りもほとんどなく典型的な地方都市の商店街...のようになっているように見えて。
「電車がなくなって町が廃れた」のか「町が廃れているから電車が廃止になった」のか、でも、いずれにせよ関の中心街は寂れた印象が強く。
かつて、道路の北側に寄り添うような形で美濃町線の軌道がヘロヘロとのびていた。関付近の区間は、その、かつての線路だった部分は道路拡幅用地に転用されているようで、バスの車窓からその廃線跡を確認することはできなかった。ところどころには、その名鉄美濃町線を撮りに来たときには見かけなかった、真新しい分譲住宅が建てられており、道路沿いには、その美濃町線廃止後にオープンしたと思しき郊外型のロードサイド店舗も点在しており。
名鉄岐阜600V線の全廃から20年が近づいてくる中、沿線も変化していることを強く感じたのだった。
【2022年1月8日13時31分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
それでもところどころに美濃町線電車の車窓に見た景色が...、断片的な記憶が甦って。
バスは渋滞気味の国道156号線を走るが、岐阜市に入る当たりだろうか、長山バス停でまとまった乗車があり。そのあたりからは道路の北側にかつての線路敷との境界の柵などもそのまま残っており。岩田坂電停だろうかホーム跡もほぼ完全な形で残っており、また、踏切廃止の看板がそのまま残されているところなどもあって。琴塚、野一色などもホーム跡がバスから確認できて。(写真は撮っていない)
ただ、ところどころ、その線路跡の部分にソーラーパネルが設置されているのは、最近、どこでも見られる変化だろうか。
【2022年1月8日13時31分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
少し遅れて岐阜駅前には13時30分頃に到着。
【2022年1月8日13時32分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
バスを降りてJR駅前のペデストリアンデッキへと階段を上がると駅の北側のバスロータリー近くの広場部分に紅白の電車の姿が見えてくる。
【2022年1月8日13時36分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
陽当たりの良い場所に保存されており。整備されて2年が経過して。金公園とは違ってフェンスも何もないところ、24時間出入り自由な駅前広場で保存されているので、荒廃しているかと心配だったが...
【2022年1月8日13時34分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
モ513号車は現役時代にも増して輝いており。その姿に一安心した。道路混雑で現役時代はJR岐阜駅前まで乗り入れることは少なかったが(ダイヤ上、岐阜駅前ゆきの電車も新岐阜駅前で折返し運転)、いまでは、かつての岐阜駅前電停近くで保存されており。
しかも、気になるのは電車の前側...かつての新岐阜方面に、少しだけ線路が残されていると思われること。今後のイベント等で活用されることがあるのだろうか??
【2022年1月8日13時36分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
逆光側になる道路側に見学台が設けられ、窓越しにではあるものの車内を覗くこともできて。あのピンク色の内装、そして、2+1の転換クロスシートもそのまま。90年台、この電車に憧れて何度も撮りに通った頃が思い出されるのだった。
【2022年1月8日13時36分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
そして、電車のヨコには簡潔にまとめられた説明看板も立てられており。末期の紅白塗装の塗り分けが再現された看板のデザイン。自分は、左側に印刷されているスカーレット塗り潰しの姿は本の中でしか見たことがない世代である。もう少し早く生まれていたら、510+520形の不思議な連結運転も体験できていたことになるのだが...
【2022年1月8日13時33分】 岐阜県岐阜市橋本町・岐阜駅前
ということで、モ513号車との“再会”、時間にすれば僅か数分だったが、いろいろなことが思い出されて。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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