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年の初めは阪堺から(9)元日の夜は... [ちん電(阪堺電気軌道)]

2022年の鉄道趣味界の10大ニュースに、きっと、間違いなく入ってくるだろうと思うのは、このキハだろう。

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【2022年4月8日14時51分】 北条鉄道・播磨下里-法華口

てっきり、趣味的見地からの“客寄せパンダ”的な導入かと思ったら(← 失礼!!)、全国の、大きいところから中小規模まで鉄道事業者に照会して...
いったんは阿佐海岸鉄道の車輌で決定しそうになっていたのが、直前になって監督官庁との調整の中で、その車輌では北条線内での運用に問題があるとわかり。
それで、急遽、秋田で廃車予定のキハ40形に白羽の矢が...となったと、撮影会で聞いて。

北条鉄道、何度か訪れただけだが、現場で働く鉄道員の皆さん、その路線や車輌に対する愛着と誇りのようなものを感じたのだった。
新大阪から高速バスで1時間半、遠そうだが意外と近くて。年内に再訪したい路線である。「隣の芝生は青い」だろうか、関西の鉄道の方が撮りたいものが多いような気がして。

その関西の鉄道シーンの中でも、自分にとって屈指の魅力的な車輌というのが、阪堺モ161形車。元日の阪堺電車撮影記の続き。
……  ……

2022年1月1日(土・祝)晴れ一時雪

17時前、再び出庫したモ161号車。もう、撮れる時間ではないと、<乗り鉄>を堪能することに決めた<変態鉄>だったのである。

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【2022年1月1日16時49分】 阪堺電軌阪堺線・モ161号車内

それにしても吊り掛け駆動、シートに腰掛けているとお尻から伝わってくるあの振動と重厚なサウンド。しばし、堪能したのだった。
17時を過ぎれば外は真っ暗。もう、夜の時間帯である。

と、なれば...

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【2022年1月1日17時18分】 阪堺電軌上町線・天王寺駅前電停

天王寺駅前に到着。ホーム上でモ161号車をスナップしたら大急ぎで。普段の年より人が少ないのだが幸いした。改札口を抜けて歩道橋の階段を駆け上がり。
カップルや家族連れ、大勢で賑わう阿部野橋のペデストリアンデッキをQ'sモールの方に急ぐのだった。

商業施設がお休みなのもラッキーだった。薄暗くなった寒いデッキ上に立っているのは<変態鉄>くらい。奥の方にいくとガラス張りの壁というか柵が低い部分があって。
何とか間に合ったのである。

重たい「28-300」のズームレンズではなく軽い標準ズームに交換して...

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【2022年1月1日17時22分】 阪堺電軌上町線・天王寺駅前-阿倍野

気持ちとしては“ダメ元”。そう、苦手な流し撮りである。

1線式の天王寺駅前電停、臨時運用の電車はホームの一番奥、というか改札口側に到着して、後続の電車が“縦列停車”する場合があって。
そうすると折り返す順番が変わるのである。まずは、モ501形、天王寺駅前電停のすぐ近くにある大手証券会社の広告塗装である。

背後の阿倍野筋の商店街、その照明が明るいので夜とは思えないくらい車体がキレイに写っており。

そして、いよいよ...

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【2022年1月1日17時23分】 阪堺電軌上町線・天王寺駅前-阿倍野

腰を回す感覚で、ファインダー内で電車の1点だけを見つめながら...
あとはファインダー内を右向きに進む電車の動きにシンクロさせて自分の体を回転させる。その間、ずっとシャッターボタンを押し続けるような感じで。

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【2022年1月1日17時23分】 阪堺電軌上町線・天王寺駅前-阿倍野

9割方のカットはブレブレの失敗作だが、その中のホンの何コマかだけは偶然、電車の動きとカメラの回転がシンクロしており。
それが<変態鉄>の流し撮り。やはり、本命のときは緊張するもので...、このコマも止まっているといえるかどうかビミョーな1枚である。

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【2022年1月1日17時23分】 阪堺電軌上町線・天王寺駅前-阿倍野

「パンダ電車」モ701号車とすれ違いながら阿倍野へと走り抜けていくモ161号車。その姿を目で追ったらカメラをバッグの中に片付けて...
急速に現実に引き戻されるのである。

今回のホテルは、大通りを少し進んだあたり、市立大附属病院の向かいのビジホだった。

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繁忙期にもかかわらず、意外なほどの安い料金だけに“賭け”だと思っていたのだが、その予想は全てにおいて良い方に裏切られたのだった。
ホテルが快適だと、その旅、出撃の思い出というのも...、やはり、気持ちよく過ごせることが大事なのである。

でも...

チェックインして。部屋に搬入されていた自分の荷物を開けて...絶望感に。
朝、撮影に向かう際に「小銭入れがない」と気づいていた。でも、それは、きっと着替えなどを入れてホテルに預けたバッグに紛れ込んだ...と、そう信じていた。

でも...

小銭自体は数百円、その小銭入れもダ※ソーで買ったもので。カードや紙幣は別のサイフに入れているので大きな影響はないのだが、唯一、困るのはその小銭入れに自宅の、アパートの鍵を入れていたこと。
独身の自分、つまり、1月4日に帰宅したとき自宅に入れない...という最悪のパターンなのである。まぁ、実家に行けば何とかなるが、それだけは避けたい気持ちもあって。

「とにかく、アクションを!!」
朝からの行動を思い出せば、羽田の保安検査で小銭入れを出したのは記憶しており。ということは...
リムジンバスの大阪空港交通や、ANAなどに続けて電話して...、どこにもなくて。う~ん。

元日。天王寺駅周辺のお店も片っ端から休んでいて。唯一、開いていたのは、あの社長さんが有名なステーキチェーン。でも、行きたくない。
仕方なくルームサービスでカツ丼を注文し。まもなく、届けられたビニール袋の中にはプラケースに入った冷凍のドンブリが。それを食べて床に就くのだった。

それにしても...、「帰宅できない」という大ピンチを迎えていた<変態鉄>だった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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