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年の瀬の広島と倉敷へ(21)“初代”直通車もやって来て [ひろでん(広島電鉄)]

仕事でもプライベートでも、あるいは趣味活動でも。後から冷静になって考えたら、「なぜ、あんな決断をしてしまったのか??」と思ってしまう場面は少なくない。例えば、良かれと思って親切心で発した一言が、とんでもないトラブルの引き金になったり...。
この日の撮影も、そんな感じだった。

実は、昨日の記事で紹介した8:50過ぎの折返しシーンこそが、この場所で順光で撮影できる最高のチャンスだったみたい。それは後になって分かったこと。

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【2021年12月14日8時56分】 広島電鉄宇品線・広電本社前-日赤病院前

電車はどんどん続いてやってくるのが、この宇品線の特徴。582号車のすぐ後ろには広島港(宇品)から来た3号線の1902号車「桃山」が。この写真では電車には朝の光が当たっている。
「晴れ」といっても、雲一つ無い快晴...というのは意外と少ないもの。この日も雲が太陽を隠したり、雲の間から陽射しが当たってきたり...非常に短い周期でそれを繰り返していた。だからこそ、撮影は運次第なのである。

このときの<変態鉄>、たぶん1時間後くらいに横川駅から戻ってくるはずの582号車を、もう一度、このポジションで狙おうと。時間が経って太陽が高くなれば、道路上に落ちる建物の影も短くなって道路中央の軌道には届かなくなるだろう...と。
その読みは甘かったのだが...

……  ……

2021年12月14日(火)晴れ

この日は7号線で走っていた582号車、9時前の広電本社前での折返しシーンは影の中の薄暗い写真になってしまって。

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【2021年12月14日8時56分】 広島電鉄宇品線・広電本社前-日赤病院前

後続の、ホントに続行で発車した3号線の1902号車の時は陽射しが戻って、晴れカットが撮れているのだから皮肉なもの。このカットにも、右隅に、日赤病院前に向かっている582号車がかすかに写っている。
それくらいのタイミングで雲がとれて陽が射してきたのだった。これが“日頃の行い”というものなのか!?

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【2021年12月14日8時57分】 広島電鉄宇品線・広電本社前-日赤病院前

その1902号車の後を追いかけるように続けて、広電本社前電停を発車したのは“APEX”、こちらは2020年製、年の差、63年の2両が同じ線路を続けて走っているシーンでもある。
でも、<変態鉄>の目が釘付けになったのは、ちょうど日赤病院前電停で客扱い中の1両。3号線の広島港(宇品)ゆきとして、こちらに向かってくるのは352号車。保存目的の車輌と被爆電車650形を除けば、広島電鉄の“生え抜き”の電車としては一番古い。
1958年(昭和33年)新製というのは、京都市電の1900形と“同世代”の電車である。

おっと、でも、だからといって、352号車ばかりに夢中になっていられないのが、この場所での撮影。実に忙しい。

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【2021年12月14日8時58分】 広島電鉄宇品線・広電本社前電停付近

続けて、1号線の広島駅ゆきとして広電本社前電停を発車するのは、3800形「ぐりーんらいなー」である。
超低床連接車“グリーンムーバー”シリーズが入り始めるまでは、宮島線直通のエース的存在だったが、現在は、この広電本社前電停に隣接した千田車庫所属で、主に広島駅-広島港(宇品)の1・5号線などを走っているみたい。

こちらは、回送や入庫ではなく、ラッシュが落ち着いた後も走り続ける運用なのだろうか。

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【2021年12月14日8時58分】 広島電鉄宇品線・日赤病院前-広電本社前

さぁ、広電本社前電停を出発する3809号車と、自分の目の前で、すれ違うような感じでやってきたのが352号車。
撮る側としては、3800形の“裏被り”を避けつつ、手前を走るクルマをかわさないとならず。もう、必死だったのである。

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【2021年12月14日8時53分】 広島電鉄宇品線・日赤病院前-広電本社前

辛うじて、撮ることができて。しかも、交差点付近の陽が射している地点で撮れたのはラッキーだった。広島電鉄の電車は、JR西※本にも見習って欲しいくらい車体がキレイで。順光で撮るとキラキラ輝くような感じで撮れるのである。千田車庫もフェンス越しに覗くと、いつも洗車作業が行われており。古い車輌でもピカピカの姿で走っているので、撮っていてもうれしいものなのである。

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【2021年12月14日8時59分】 広島電鉄宇品線・広電本社前電停付近

そして、電停近くの影のところへ。コチラ向きに撮ると、本来、逆光になるところなので日陰になるのはラッキーで。

高床車(一般的なタイプの電車)で走っていた宮島線、市内中心部へのアクセスのために直通運転を実施するのにあたって、550形を試験的に走らせた後、そのことを目的に1958年にナニワ工機で新製されたのが850形、しばらくして350形に改番された。
当時の軌道線の車輌はビューゲルやZパンタが採用されていたはず。そこに、鉄道線と同様の菱形パンタを採用しているのも、そのあたりと関係あるのだろうか!?

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【2021年12月14日8時59分】 広島電鉄宇品線・広電本社前電停付近

鉄道線区間(宮島線)と市内線を走るために...と言いつつも、やはり、路面電車の車輌だったわけで、数年で後任の2500形(→ 3100形)や3000形連接車に直通の任を譲り、市内線専用車となっており。
でも、3両製造されて60年が過ぎても3両とも健在というのは、市内線では使いやすい車輌なのだろうか。

市内線(路面電車)と鉄道線が一体になっていたのは、名鉄岐阜線(廃止)や、福井鉄道福武線などがあるが、どこも経緯に違いはあっても、最終的には高床の鉄道線電車を淘汰し、路面電車タイプの連接車主体の運行に置き換えていったというのは共通点。
その中で、最も方針が一貫していたように思えるのが広島だろうか。

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【2021年12月14日9時00分】 広島電鉄宇品線・広電本社前電停付近

582号車の次の7号線は1906号車、これが発車すると、広電本社前電停で発車を待っていたのは...
(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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