2021/10 倉敷へ、鳥取へ(17)吉ヶ原駅 [保存車・博物館・廃線跡]
津山市の中心部を西から東に貫くように流れているのが吉井川。その流れは津山の町外れで南へと向きを変えて。その西岸を川の流れに沿って南へ、ほとんど乗客のない路線バスに揺られること30分、その吉井川の流れに沿って広がる集落が吉ヶ原(きちがはら)、いまでは市町村合併で久米郡美咲町になる。
その吉ヶ原は昭和の一時期、まるで大都市のように賑わっていたと。
【2021年10月21日12時34分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
硫化鉄鉱を産出する鉱山があって。「供給所」と呼ばれる、いまで言うスーパーマーケットができたり、最新設備の総合病院ができたり、集会場には自分でも名前を知っているような大物歌手がやってきたり...
いまでは川沿いの小さな小さな集落だが、それだけ賑わっていたということは...。
その鉱石積み出しと人の流れ、吉井川に沿って山陽本線の和気駅を通り、赤穂線の西片上駅近くまで南下する鉄道路線があった。同和鉱業片上鉄道線(1991年廃止)である。
…… ……
そんな柵原鉱山の拠点となっていたのが吉ヶ原。
良質の硫黄は、農業用肥料などに重宝されて栄華を極めた鉱山も、石油精製の脱硫過程で得られる硫黄が安価に安定供給されると急速にその需要がなくなって。90年台はじめに同和鉱業片上鉄道線も廃線となった。
自分は中学の図書室にあった鉄道誌で「ふ~ん」と、特に関心も持たず、その記事をボーーっと眺めていたっけ。あと10年早く生まれていたら、カメラを片手に勇んで出かけていたと思う。
【2017年9月3日10時49分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
戦前製の国鉄のガソリン動車をディーゼル化したものや、オープンデッキの客車をディーゼル機関車が牽引する客車列車...非常に魅力的な被写体だったのは間違いなく。
幸い、その車両たちと吉ヶ原駅は、廃線後もそのまま保存され。ボランティアの手によって、その車両たちを使った展示運転が定期的に行われ。
2~3回、訪れたことがあって。やはり、展示運転の実施日には大勢の人で賑わっており、もちろん自分も走行写真を撮ることに専念してしまうので...
コロナ禍の影響で長らく展示運転は見合わせになっており。だからこそ、誰も居ない吉ヶ原駅をノンビリと見学したい...というのが今回の訪問。もちろん、展示運転再開の際には、再訪問したいと思っている。ぜひ一度、DD13の牽く客車列車を撮ってみたいもの。
2021年10月21日(木)晴れ
津山駅前からの「吉ヶ原・高下(こうげ)」ゆきの中鉄北部バス。学校帰りと思しき高校生など7~8名の乗客は、徐々に減っていって。川沿いの曲がりくねった道、時折、旧道に入って小さな集落のバス停を細かく拾いながら。
約30分、久々に現れた大きな集落が吉ヶ原。といっても、鉱山が閉山となった街だけあって、あまり活気があるようなところではなく、とても長閑な雰囲気。
バスは駅前に入って。ここまで750円の運賃を払えば、バスは誰も乗せずに高下に向かって...
【2021年10月21日12時34分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
この路線では他にも見られたトンガリ屋根が特徴的な駅舎が健在で。
【2021年10月21日12時34分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
こちらも登録有形文化財になっており。
この駅舎も展示運転当日には受付も兼ねているので、非常に大勢の人たちで賑わっており。その様子を記録するのは容易ではないのだが、運転日で無いだけあって、この風景も撮り放題。
【2021年10月21日12時35分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
手小荷物の窓口、改札ラッチ、伝言板と地元のお店の広告看板...古き佳き駅がしっかりと残っているのである。
【2021年10月21日12時36分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
駅舎側の、こちら側のホームは、この路線が現役だった時代とそう変わらない形で残されていると思われ。ただし、線路はポイントの先、キハ312号車が整備中のスペースのところまでで途切れている。
【2021年10月21日12時38分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
鉄道というのは車両だけでは無い。駅などの施設もあってこそ...なのである。でも、それを伝えられるだけの撮影の技量がないのが悩ましいところ。
【2021年10月21日12時40分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
現役時代は2面3線のホームだったのだろうか。向かい側のホームには鋼製の支柱に屋根が取り付けられ、雰囲気はだいぶ変わってしまっている。でも、保存車の留置スペースとして使う限り、雨ざらしにするのも問題で、保存鉄道として続けていくためには“そのまま”だけではなく、こういうところに手を加えていかないとならない...というのは理解できるわけで。
この日は展示運転日では無い、ごくありふれた平日の午後。
ということで、帰りのバスの16時まで、この吉ヶ原を楽しんだのである。(つづく)
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その吉ヶ原は昭和の一時期、まるで大都市のように賑わっていたと。
【2021年10月21日12時34分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
硫化鉄鉱を産出する鉱山があって。「供給所」と呼ばれる、いまで言うスーパーマーケットができたり、最新設備の総合病院ができたり、集会場には自分でも名前を知っているような大物歌手がやってきたり...
いまでは川沿いの小さな小さな集落だが、それだけ賑わっていたということは...。
その鉱石積み出しと人の流れ、吉井川に沿って山陽本線の和気駅を通り、赤穂線の西片上駅近くまで南下する鉄道路線があった。同和鉱業片上鉄道線(1991年廃止)である。
…… ……
そんな柵原鉱山の拠点となっていたのが吉ヶ原。
良質の硫黄は、農業用肥料などに重宝されて栄華を極めた鉱山も、石油精製の脱硫過程で得られる硫黄が安価に安定供給されると急速にその需要がなくなって。90年台はじめに同和鉱業片上鉄道線も廃線となった。
自分は中学の図書室にあった鉄道誌で「ふ~ん」と、特に関心も持たず、その記事をボーーっと眺めていたっけ。あと10年早く生まれていたら、カメラを片手に勇んで出かけていたと思う。
【2017年9月3日10時49分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
戦前製の国鉄のガソリン動車をディーゼル化したものや、オープンデッキの客車をディーゼル機関車が牽引する客車列車...非常に魅力的な被写体だったのは間違いなく。
幸い、その車両たちと吉ヶ原駅は、廃線後もそのまま保存され。ボランティアの手によって、その車両たちを使った展示運転が定期的に行われ。
2~3回、訪れたことがあって。やはり、展示運転の実施日には大勢の人で賑わっており、もちろん自分も走行写真を撮ることに専念してしまうので...
コロナ禍の影響で長らく展示運転は見合わせになっており。だからこそ、誰も居ない吉ヶ原駅をノンビリと見学したい...というのが今回の訪問。もちろん、展示運転再開の際には、再訪問したいと思っている。ぜひ一度、DD13の牽く客車列車を撮ってみたいもの。
2021年10月21日(木)晴れ
津山駅前からの「吉ヶ原・高下(こうげ)」ゆきの中鉄北部バス。学校帰りと思しき高校生など7~8名の乗客は、徐々に減っていって。川沿いの曲がりくねった道、時折、旧道に入って小さな集落のバス停を細かく拾いながら。
約30分、久々に現れた大きな集落が吉ヶ原。といっても、鉱山が閉山となった街だけあって、あまり活気があるようなところではなく、とても長閑な雰囲気。
バスは駅前に入って。ここまで750円の運賃を払えば、バスは誰も乗せずに高下に向かって...
【2021年10月21日12時34分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
この路線では他にも見られたトンガリ屋根が特徴的な駅舎が健在で。
【2021年10月21日12時34分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
こちらも登録有形文化財になっており。
この駅舎も展示運転当日には受付も兼ねているので、非常に大勢の人たちで賑わっており。その様子を記録するのは容易ではないのだが、運転日で無いだけあって、この風景も撮り放題。
【2021年10月21日12時35分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
手小荷物の窓口、改札ラッチ、伝言板と地元のお店の広告看板...古き佳き駅がしっかりと残っているのである。
【2021年10月21日12時36分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
駅舎側の、こちら側のホームは、この路線が現役だった時代とそう変わらない形で残されていると思われ。ただし、線路はポイントの先、キハ312号車が整備中のスペースのところまでで途切れている。
【2021年10月21日12時38分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
鉄道というのは車両だけでは無い。駅などの施設もあってこそ...なのである。でも、それを伝えられるだけの撮影の技量がないのが悩ましいところ。
【2021年10月21日12時40分】 岡山県久米郡美咲町・柵原ふれあい鉱山公園
現役時代は2面3線のホームだったのだろうか。向かい側のホームには鋼製の支柱に屋根が取り付けられ、雰囲気はだいぶ変わってしまっている。でも、保存車の留置スペースとして使う限り、雨ざらしにするのも問題で、保存鉄道として続けていくためには“そのまま”だけではなく、こういうところに手を加えていかないとならない...というのは理解できるわけで。
この日は展示運転日では無い、ごくありふれた平日の午後。
ということで、帰りのバスの16時まで、この吉ヶ原を楽しんだのである。(つづく)
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