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晴れの国へ、置換え迫る個性派機関車を追う(3)黄色くなっても... [<鉄>な撮影記・旅行記録]

そういえば、山陽本線に倉敷以西まで乗ったことと言うのは少ない。学生時代も夜行快速「ムーンライト」シリーズでここは深夜帯に通過していることが多かった。
昼間に通過するのは何度かしか経験していないのである。

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【2021年4月6日11時27分】 山陽本線・笠岡駅

岡山支社、広島支社管内は多くの車両が関西地区からの“お下がり”。広島地区は227系に一気に席巻されて、岡山支社管内の区間はさしずめ“国鉄型最後の楽園”といったところだろうか。
ただ、残念なのはJR西の省力化・合理化の流れで10年ほど前から岡山支社管内の鋼製電車は全部黄色く塗りつぶされてしまっている点。

それでも、“往年の名車”、関西・中京の新快速電車として誕生した117系、岡山ローカルに転じて、あのヤル気の感じられない車体塗色になっても、マホガニー色の内装、フカフカの転換クロスシート、電動車に乗れば“ぶぅ~~~~ん”と電気ノコギリの回転音のような独特の走行音。
90年代、中学生になった<変態鉄>が休みのたびに「青春18きっぷ」片手に駆け回った時代、あのときから変わっていないのである。

自分自身にとって一番懐かしく感じるのは、間違いなくオレンジ帯の「東海色」だが、そう遠くない引退の時には、ぜひ登場時の標準色に戻して有終の美を飾って欲しい...と妄想している。
確か京都支社に残っている編成と合わせて往時を偲ぶ長編成を組んで「懐かしの新快速」なんて臨時列車を設定してくれたら、姫路のあの鉄橋か、塩屋のカーブにでもEOSくんをもって馳せ参じたい...と思う次第。
まぁ、99% なさそうな状況だが。

そんな117系の車内でも...
……  ……

2021年4月6日(火)曇り

井原駅からは「井笠バスカンパニー」の路線バスで25分ほど、11時過ぎに笠岡駅に着いた。
「井笠」というのは、そう、井原と笠岡であるのは想像に難くない。

そして、この「井笠」という名前、<鉄>として思い出さずにはいられないのが...

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【2016年4月3日13時34分】 岡山県笠岡市山口・井笠鉄道記念館

ちょっと事情があって現在は「井笠バスカンパニー」だが、数年前までは「井笠鉄道」だった。“鉄道”といっても<変態鉄>が生まれる前に鉄道線は廃止になって、バス会社として存続していたのだが...
(現在は中国バスの“社内カンパニー”として両備グループに属している。つまり、岡山の路面電車とは“兄弟”にあたる訳で...)

この日、乗ってきた「井原鉄道」、その開業前、内陸部の旧街道沿いの街と国鉄山陽本線を結んでいたのが井笠鉄道。
非電化の“軽便鉄道”である。線路敷を国鉄井原線の建設に転用するため、その着工を受ける形で昭和40年代に廃線になっている。
その国鉄井原線も後に建設が凍結され、つまり、井原付近は、3セクとして井原鉄道が開業するまで、そのまま30年ほど鉄道がない状態になっていたということ。

当初は舶来の古典蒸機が客車・貨車を引っ張って。

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【2016年4月3日13時34分】 岡山県笠岡市笠岡付近

後にディーゼル動車が導入され。この路線、事情があって意外と保存車が多くて。

笠岡駅のすぐ近くには「ホジ9」というディーゼル動車が保存されている。保存団体があって少しずつ整備は続けられているようだが、残念ながら窓ガラスはすべてなくなっているなど、状態はさほど良くない。
この車両を探して、あと井笠バスに乗って内陸部の「井笠鉄道記念館」を見に行ったのは、2016年、5年前の春の頃(→ こちら)。

笠岡駅前に11時過ぎ、次の上り電車は11:27発の第5738M列車・岡山ゆきまで20分弱の時間。
「ホジ9」を再訪したいと思っていたが、そう、カメラのトラブルで、もうすっかり意気消沈の<変態鉄>。何だか投げやりな気持ちになっていて。

さっさと駅舎へ。自動改札機にPASMOをタッチして駅舎に面した1番のりば。

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【2021年4月6日11時15分】 山陽本線・笠岡駅

ホームには「カブトガニ」の標本展示。
笠岡の瀬戸内海に面した干潟地帯が生息地とのこと。「カブトガニ」というのは30年以上前、確か小学校の国語の教科書に出てきた筈。そんな記憶が残っている。勉強は決して好きでは無かった<変態鉄>だが、なぜか小学校の国語の教科書に載っていた文章というのは中年になった今でも(断片的にではあっても)記憶に残っているから不思議なもの。

ホーム上のLED発車案内板には乗車位置が●と▲で表示される。そう、この地区の普通電車は大半が113・115系といった3扉車だが、117系などの2扉車も時折、走っていて。
11:27発の岡山ゆき、●の表示に「2扉車4連」と直感した<変態鉄>、期待して最後部へ。

改札口から離れているので誰もいないのである。

山陽本線というのは九州から東京まで連なる物流の大動脈でもあって。そう、ひっきりなしに貨物列車が通過するのである。「通過」の案内表示に...

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【2021年4月6日11時15分】 山陽本線・笠岡駅

高速で通過していく列車を確実に写し止めるには、見かけの速度が遅くなる撮り方を意識する必要があるわけで。そういう意味で、広角だと列車を近づけて撮る分、被写体ブレが増えるのである。
そう、焦点距離は40 mmに固定されている状況で。

EF210形電気機関車が牽くコンテナ貨物列車である。駅名板を入れる構図にして、列車を画面内で相対的に小さくしたのも、そういう意味があって。
ちなみにこの写真、機関車の前面窓のヨコ、画面の左隅に陸橋が写っていて、その歩行者用の階段が見える。「ホジ9」はココの部分、陸橋の下に保存されているのである。屋外保存ではあるものの、その陸橋が屋根の役割を果たしてくれているのが、損傷を防ぐ結果になっているのかも。

そして...

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【2021年4月6日11時27分】 山陽本線・笠岡駅

117系4連の岡山ゆきである。“末期色”と揶揄されるような黄色塗りつぶし塗装になっても...

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【1994年11月】 奈良線・京都駅

焦げ茶色の化粧板、そのシックな内装と茶色い転換クロスシートは、あの頃と変わらないのである。
国鉄型電車の中でも“名車”に違いない...と強くそう信じている<変態鉄>なのである。

でも、その車内でも楽しむ余裕は無くて。

ネット検索した結果、分かってきたのは今回のエラー「Err 01」というのはレンズの絞りの故障であることが多いようで、開放絞りにした場合だけは正常にシャッターが切れる...という報告例が多数あって。
普段、あまり使うことのない「Av」、絞り優先オート撮影に設定して最開絞り値を設定したら、確かに正常に撮れるのである。
ただし、絞りを開くということはそれだけピントのあう範囲が限られるという意味でもあって。

そんなことが車内で分かったら...

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【2021年4月6日11時56分】 山陽本線・倉敷駅

倉敷駅ではこんなカットも撮れたのである。

でも、気持ちとしては...

やはり、故障中のレンズで撮り続けるのは気持ちとしても...

ちょうど倉敷駅に隣接した大型商業施設内で昼食をとろうと思っていた。その2階の駅から続くペデストリアンデッキアから入ったところに家電量販店があったはず...と記憶をたどりつつ。
でも、コロナ禍は関係あるのかないのか、そのお店、ぬぁんと今年はじめに閉店していたのだった。ウン万円の出費は痛いが気持ちよく撮るためにも、ここでレンズを購入しようと思っていた。

それなのに...

昼食は断念。コンビニでパンと飲み物を買ったらJR倉敷駅を通り抜けて水島臨海鉄道の倉敷市駅。

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【2021年4月6日12時15分】 水島臨海鉄道水島本線・倉敷市駅

窓口で1日フリー乗車券と、欲しかった、あの商品を購入したら12:20発の水島ゆきに乗って...
(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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